バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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最近オリ主と優子の絡みが多くて、秀吉との関わりが少ないかもしれませんが、できるかぎり増やしていきますのでどうぞよろしく

今回は如月ハイランド編です。どうぞ


番外編
如月ハイランド 前編


それはある日の事だった

 

「斗真。ちょっといいかしら?」

 

「ん?どうした優子?」

 

色々あった清涼祭から数日後。俺はいつものように彼女である秀吉と優子の三人で一緒に下校している最中、優子に話しかけられた。

 

「今度の日曜なんだけどね。一緒にデートしてほしいの」

 

「別にいいけど、どこに行くつもりだ」

 

「ふふふ。これを見なさい」

 

「えっ!?それは如月ハイランドのペアチケットだよな!?」

 

「姉上。いつの間にそれを?」

 

優子が俺に見せてきたのは、この前明久達が優勝して手に入れた如月ハイランドのプレオープンチケットだ。

 

「ちょっと待て!一体どこで手に入れたんだ!?それは確かあいつらが持ってた筈じゃ!?」

 

「坂本君がくれたわ。『これを使って幸せになってこい』っ言ってね」

 

「あの野郎。今度会ったら霧島さんにあることないこと言いふらしてー」

 

「あら、坂本君も代表と一緒に如月ハイランドでデートするみたいよ」

 

「え?でも霧島さんはチケットを持ってなかった筈だが」

 

「代表は親切な人から貰ったって言ってたけど。誰なのかしらねえ」

 

「なぁ秀吉。霧島さんが言う親切な人ってのは」

 

「おそらく明久じゃろうな」

 

「ってことは雄二も俺を嵌めたつもりが、知らん間に明久に嵌められたってところか」

 

「むぅ~。何よその言い方。アタシと行くのがそんなに嫌なのかしら?」

 

「違うよ優子。嫌って訳じゃないんだ。ただなー」

 

「ただ?」

 

「この前アランが言ってたんだが、そのチケットを使って来るカップルを、如月グループがジンクスを作る為に力ずくで結婚させようとするらしいんだ。普通のデートだったらありがたいけど、まだ互いの気持ちが整理してない中で無理矢理結婚させられるのはいささかどうかなって話だから。できれば行きたくないんだよ」

 

「そういえば如月君が斗真の前でそう話してたわね」

 

「確かにのう。いくらなんでもやりすぎじゃな」

 

「っと言うわけで、そこに行くのはー」

 

ガシッ

 

「え?」

 

優子はいきなり俺の左腕に抱きつく

 

「別にいいじゃない。アタシと斗真だったら何も問題ないわ」

 

「ち、ちょっと待て優子!お前、本気でそれをー」

 

「何よ。アタシは斗真の事が本気で好きなのよ。式を上げるくらい大丈夫じゃない」

 

「あ~参ったな。秀吉どうにかならんか?」

 

「斗真よ、諦めるのじゃ。今の姉上はワシではどうにもならんからの」

 

「秀吉は俺と優子の距離が縮まってもいいのか?」

 

「ワシは今の関係が続くだけでも嬉しいから別に構わないぞ」

 

「はぁ、仕方ないか」

 

「じゃあ行ってくれるのね」

 

「いいけど、本当に大丈夫かなぁー」

 

 

 

 

 

そしてデート当日

 

 

「・・・・・・俺は・・・・・・無力だ・・・・・・」

 

雄二が絶望したような顔をしながら霧島さんと一緒に如月ハイランドの近くにある駅に来ていた。俺はあらかじめ知っていた為そんな大してショックじゃないが

 

「そうガッカリするなよ雄二。霧島さんとデートできるなんてお前は幸せ者じゃないか」

 

「テメェ!俺の事情も知らずにそんなことを!」

 

「別にいいだろ。俺は優子と一緒に来れたのは嬉しいし。お前も少しくらい素直に喜べよ」

 

「くっ!この野郎・・・・・・!」

 

「・・・・・・雄二。東條の言うとおり、そこは喜んで」

 

「し、翔子。俺は好きでここに来たわけじゃねぇんだぞ・・・・!」

 

雄二は未だに納得しておらず苦虫を潰している。

 

「せっかくここまで来たんだ。思いきって楽しもうじゃないか」

 

「そうね。ありがたく使わせて貰いましょう」

 

「チッ!」

 

そして俺達四人はそのまま歩いていき如月ハイランドに着くと

 

「・・・・・・やっと着いた」

 

「本当、来たかいがあったわね」

 

霧島さんと優子は嬉しそうにアミューズメントパークを見ている。

 

「じゃあさっそくー」

 

「帰ろう」

 

「おい雄二。何でそうなる」

 

「ここまで来たからにはもう十分堪能しーイダダダダ!」

 

「・・・・・・ダメ。絶対に入る」

 

帰ろうとした雄二に対し霧島さんは関節技をかける

 

「はっはっは。翔子、俺の肘関節はそっち側には曲がらないぞ」

 

「・・・・・・恋人同士は皆こうしてる」

 

「待て翔子!お前は腕を組むという仲睦まじい行為とサブミッションを同様に考えてないか!?」

 

「・・・・・・?」

 

霧島さんは素で疑問を浮かべている。普通仲のいいカップルは相手の肘を押さえつけないが

 

「まあまあ霧島さん。そこは普通に手を繋ぐくらいでいいじゃないか。ほら、こうやってさ(ギュッ)」

 

俺は霧島さんに見本を見せるため、優子と手を繋ぐが。手を繋がれた優子は少し顔を赤らめていた。

 

「代表。坂本君の腕が使い物にならなくなるから外してあげたら」

 

「・・・・・・わかった」

 

そう言われた霧島さんはすぐさま雄二の腕を外し、俺達と同じように雄二と手を繋ぐ

 

「・・・・・・雄二、行こう」

 

「ちっ!」

 

「素直じゃないなお前は」

 

そうして入場ゲート前に行き、プレオープンだからか待つ必要もなく、係員の前に進むと

 

「いらっしゃいマセ!如月ハイランドへようこソ!」

 

そこにいた男性は、日本人じゃないのか訛りの入った口調で俺達に笑顔を振りまく。顔立ちはアジア人っぽいな

 

「本日は、プレオープンなのデスが、チケットはお持ちですカ?」

 

「・・・・・・はい」

 

「これでいいですか?」

 

霧島さんと優子がプレオープンのチケットを渡すと

 

「確認しマース」

 

係員はチケットを受けとり、俺達の顔を見て顔を固める

 

「・・・・・・そのチケット、使えないの・・・・・・?」

 

霧島さんが不安そうな顔をしているが

 

「イエイエ、そんなコトはないデスよ?デスが、ちょっとお待ちください」

 

係員はポケットから携帯を取りだし、どこかへ連絡し始める

 

「ー私だ。例の連中が来た。すぐにウェディングシフトを始めろ。確実に仕留める」

 

「おいコラ。なんだその不穏当な会話は」

 

「明らかに日本語は話せるみたいだな」

 

成程、あの人は例のジンクスを作る工作員の一人と見て間違いないな

 

「・・・・・・ウェディングシフト?」

 

霧島さんは如月グループが例のジンクスを作ろうとしているのを知らない為首を傾けている。まあ知ったら間違いなく雄二を無理矢理連れていくだろう

 

「気にしないデくだサーイ。こちらの話デース」

 

取り繕ったような笑顔に戻るが、今の話を聞いた雄二は怪しんでるに違いない

 

「アンタ、さっき電話で流暢に日本語を話していなかったか?」

 

「オーウ。ニホンゴむつかしくてワカりまセーン」

 

腹が立つような言い方をしているが、本当は話せるだろうなこの人

 

「ところで、そのウェディングシフトとやらは必要ないぞ。入場だけさせてくれたらあとは放っておいてくれていい」

 

雄二はどうなるか分かっている為ウェディングシフトをして貰わないよう言うが

 

「そんなコト言わずニ、お世話させてくだサーイ。トッテモ豪華なおもてナシをさせていただきマース。」

 

一方の係員も引き下がらず、雄二にお願いしている

 

「不要だ」

 

「そこをナントカお願いシマース」

 

「ダメだ」

 

「この通りデース」

 

「却下だ」

 

「断ればアナタの実家に腐ったザリガニを送りマース」

 

「やめろっ!そんな事されたら我が家は食中毒で大変な事になってしまう!」

 

何で腐ったザリガニを送るだけで食中毒になるんだよ。もしかして坂本の親はそんなヤバい人なのか?

 

「では、マズ最初に記念写真を撮りますヨ?」

 

「・・・・・・記念写真?」

 

「ハイ。サイコーにお似合いのお二人の愛のメモリーを残しマース。」

 

「・・・・・・雄二と、お似合い・・・・・・(ポッ)」

 

「斗真とお似合い(カァァァ)」

 

霧島さんと優子は係員の言葉に顔を赤らめる。

 

「お待たせしました。カメラです」

 

そこには帽子を深く被ったスタッフがカメラを手に現れた。妙だな、あのスタッフいつも会ってるあのバカに似ている気がするんだが

 

「アナタが持ってきてクレたのデスか。わざわざありがとうございます」

 

係員が礼を言いながら、カメラを受けとる。それを見た雄二は怪しいと思ったのか、スマホを取りだし電話を掛けはじめる

 

Prrrrr Prrrrr

 

「ああ、すいません。僕の携帯ですね」

 

すると先ほどカメラを渡したスタッフの尻ポケットから電子音が響きだし。電話をすると

 

「いよう明久、テメェ、面白いことしてるじゃねえか・・・・・・!」

 

「人違いです!」

 

ダッ‼

 

どうやらあのスタッフは明久だな。アイツがここのスタッフに成り済ましてるってことは、あのババアー学園長かここを経営してる如月グループの御曹司のアランの協力を得てるとみて間違いないだろう。

 

「あっコラ!逃げるなテメェ!ええい、離せこの似非外国人!」

 

「彼はココのスタッフのエリザベートーハナコ(三十五歳)、通称スティーヴでース。アナタの言う吉井ナントカさんではありまセーン」

 

「黙れ!人種性別年齢氏名全てに堂々とウソをつくな!しかもどう考えてもその名字で通称スティーヴはないだろ!ついでに俺は吉井なんて苗字は一言も言っていない!」

 

雄二が明久を捕まえようとするが係員に羽交い締めされ止められる。雄二の言うとおりあんなへんてこな名前でスティーヴって無理がありすぎるが

 

「まあまあ落ち着けよ雄二。ひとまず撮って貰ったらいいじゃんか」

 

「その通りデース。ではこちらへどうゾ」

 

「クッ!テメェは」

 

「それじゃあ優子。撮ってもらおうか」

 

「そうね。じゃあこうしていいかしら?」

 

ギュッ

 

「えっ!? ま、まあいいけど(////)」

 

「ふふ。いいでしょ」

 

「では撮りマース。はい、チーズ」

 

カシャッ

 

 

まず最初に俺と優子が係員に写真を撮ってもらい。次に雄二と霧島さんが撮ってもらう番だが

 

「翔子、すまんがちょっと我慢してくれ」

 

「・・・・・・???」

 

すると雄二は霧島さんのスカートを掴み、軽く捲り上げる。

 

「って雄二!こんな人前でなにやってんだよ!?」

 

「ちょっと坂本君!いくら何でもそれはー」

 

「・・・・・・・・っ‼(ギラッ)」

 

その瞬間、キツネの着ぐるみが懐からカメラを取り出した。ってことはアイツは・・・・・・

 

「咄嗟に懐のデジカメに手を伸ばすあの動き・・・・・・。やはり、ムッツリーニも来ていたか」

 

そういうことか。雄二はムッツリーニが近くにいないか確かめる為に、霧島さんのスカートを捲ったんか。

雄二が視線を向けるとムッツリーニはその場から逃げ出した

明久とムッツリーニがいるってことは、おそらく秀吉や姫路さんもここに来てるだろうな。雄二もそう考えてる筈

 

「・・・・・・雄二、えっち」

 

霧島さんは少し怒ったような顔をして雄二を見る。そりゃあいきなりスカートを捲られたら誰だって怒るよ。

 

「なっ!?ちっ、違うぞ翔子!俺はお前の下着になんか微塵も興味がないっ‼」

 

「雄二。いくらなんでも失礼すぎるぞ」

 

「・・・・・・それはそれで、困る」

 

「ぐぁああああっ!理不尽だぁあっ!」

 

雄二の言ったことに怒ったのか、霧島さんは雄二の頭にアイアンクローを掛ける

しかし霧島さんは見掛けによらず凄い力があるな。雄二の頭からメキメキと軋む音が聞こえるぐらいだから

 

「でハ、写真を撮りマース。はい、チーズ」

 

カシャッ

 

すいません。今のは明らかに写真を撮る場面じゃなかったんですが

 

「スグに印刷しマース、そのまま待っていてくださイ」

 

「・・・・・・わかった。このまま待ってる」

 

「ぐぁあああっ‼このままだと俺の頭蓋がっ!」

 

「ちょっと代表!もう坂本君がヤバそうだから放してあげて!」

 

「霧島さんストップ!それ以上は雄二が持たないから!」

 

係員が戻ってくるまでの間、俺と優子は霧島さんに雄二を解放するようお願いしていた。

 

 

 

「ーはい、どうゾ」

 

係員から写真を渡され、俺と優子は普通にラブラブカップルみたいに優子に腕を組んでもらっている写真だ。

雄二達の方はどうなってるか見せて貰うとそこには雄二にアイアンクローを掛けている霧島さんの後ろ姿と折檻されている雄二が写っていた。そしてー

 

「サービスで加工も入れておきましタ」

 

その写真には二人を囲うようなハートマークと『私達、結婚します』という文字が書かれていた。

どうみたってこの写真じゃ幸せは訪れそうに見えないけど

 

「コレをパークの写真館に飾っても良いデスか?」

 

「貴様正気か!?これを飾ることでここに何のメリットがあるというんだ?」

 

雄二の言う通り、こんな写真を見たら客はドン引きするだけなんだが

 

「・・・・・・雄二、照れてる?」

 

「すまない。どこからどう見てもこの写真には照れる要素が見当たらない」

 

霧島さん。その写真については流石に俺と優子は味方になれないよ。隣にいる優子も作り笑いしてるぐらいだから

 

すると

 

『あぁっ!写真撮影してる!アタシらも撮って貰おーよ!』

 

『オレたちの結婚記念に、か?そうだな。おい係員。オレたちも写ってやんよ』

 

横から偉そうなチャラいカップルが声を掛けてくる

 

「すいまセン。こちらは特別企画でスので・・・・」

 

「あぁっ!?いいじゃねーか!オレたちゃオキャクサマだぞコルァ!」

 

「きゃーっ!リュータ、かっこいーっ!」

 

まるで絵に描いたようなチンピラだな。雄二だけじゃなく霧島さんや優子もゴミをみるような目で見ているし。

 

『だいたいよぉっ!あんなダッセェジャリどもよりオレたちを写した方がココの評判に良くねぇ!』

 

『そうよっ!あんなアタマの悪そうなオトコよりもリュータの方が一○○倍カッコイイんだからさぁっ!』

 

少なくともさっきの写真の方がこいつらより数倍マシな気がするんだが。まあここにいても気分を害するだけだからさっさと離れるか

 

「行こうか優子」

 

「そうね」

 

俺と優子はすぐさまそこから離れようとしたが。霧島さんがあのチンピラカップルに文句を言おうと前に出ようとするが雄二に腕を掴まれ止められた。

 

「・・・・・・あの二人、雄二の事を悪く言ったから」

 

「あのなぁ・・・・そんなことでイチイチ目くじら立てていたらキリがないぞ?」

 

雄二の言うとおりだな。あの手のヤツらは下手に絡むと録な事にならないのは明白だ。だからここは無視してさっさと行くべきだ

 

「行くぞ、翔子」

 

「・・・・・・雄二がそう言うのなら」

 

「俺達もさっさと行こうか」

 

「そうしましょう」

 

俺達は入場ゲートを通り抜け、さっさと中に入るのであった。




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