「痛ってぇ~。マジで殴る事ねえだろうに・・・・・・。」
軽く準備体操をした俺は水に浸かっていて。先程優子にビンタされた頬を撫でている。
「それだけで済んだだけでも、ありがたい事じゃぞ」
「そうだよ。あれはどうみたって斗真が悪いじゃないか」
「まあ、確かにそうだけどさ」
秀吉達の言う通り。お仕置きをしようとした優子を止める為に仲裁に入ったつもりが。咄嗟の拍子に優子の胸に触れたのだから。こうなるのも当然だな。
「はあ~。あれじゃあ、中々機嫌が直らないだろうな優子は」
ちなみに優子は今島田さんと一緒に泳いでおり、ここには俺と秀吉と明久しかいない。
「大丈夫だって。きっとすぐに元通りになるからさ」
「姉上も斗真が気を失った際、本気で心配しておったから多分すぐ仲直りできるではないかの」
「ありがとう秀吉。流石は俺の彼女だよ」
「じゃからワシは男じゃと・・・・・・・」
「秀吉。悪いけどその格好で男だと言われても説得力ないから」
「うぅぅぅ。それはあんまりじゃわい」
「何言ってるのさ斗真。秀吉は女の子じゃないか」
「ワシは男じゃ言うとるのに」
「まあまあ秀吉。男とはいえ、その格好似合っているから別に悪くはないよ」
「に、似合ってるって言われると尚更恥ずかしいのじゃが・・・・・・(////)」
秀吉は似合ってると言われた事に照れてるのか、少し頬を赤くしている。秀吉も優子と同じくらい可愛らしいから思わずときめいてしまうよ
「あの、明久君、東條君。ちょっといいですか?」
「別にいいけど何か用か?」
「ん?なに、姫路さん?」
俺と明久の側には姫路さんが来て話しかける。
「明久君と東條君は泳げるのですか?」
「あ、うん。まあ、人並みには・・・・・・。」
「どうして目をそらすのですか?」
今の姫路さんはパレオを外してるから、それで目をそらしてるな明久は
「う~ん。一応泳げないことはないけど。ひょっとして姫路さんは泳ぎが得意じゃないの?」
「実は私、泳げないんです」
「あ、そうなんだ」
姫路さんには、悪いけど泳げるイメージが浮かべないな
「ん?瑞希って泳げないの?」
「確かに姫路さんはそんなイメージは無さそうね」
話してると横から島田さんと優子がこちらに来て、姫路さんに問いかける
「はい。恥ずかしいんですけど。水に浮くくらいしかできなくて・・・・・・」
真面目な姫路さんのことだから、きっと練習して上手になりたいと思ってるだろう
「そういうことなら、いつも勉強教えて貰っているお礼に、ウチが泳ぎ方教えてあげよっか?」
ちょっと得意げに胸を張る島田さん。日頃は姫路さんに教わってばかりだから、これは趣旨返しってところか。
「は、はいよろしくお願いします」
「任せて。こう見えても水泳は得意なんだから」
「だったらアタシも教えてあげるわ」
優子も親切心で教えてあげるみたいだ
「ん?どうした明久?」
「いや、何ていうか。普段勉強を教えて貰ってばかりいる美波が、教える立場になるのが意外に思えてさ」
「あぁ。確かにそれはそうだな。でもこうして見ると何ていうか・・・・・・」
「うん、美波がAで姫路さんがFみたいだね」
「優子も勿論Aだな」
すると
「「寄せて上げればBはあるわよっ‼」」
「ぐべぁっ!」
「ぐえっ!」
明久は島田さんに殴られ、俺は優子に関節技を掛けられる羽目に
「「・・・・・・来年にはきっと」」
何故か胸に手を添えてるが。
ああ成程。そっちの方と間違えているようだ
「あ、明久君、東條君・・・・・・。そういうことは、面と向かって言われると、その・・・・・・」
「斗真。今のはさすがに失礼じゃぞ」
どうやら姫路さんと秀吉もそっちの事を言ったと勘違いしている
『・・・・・・雄二。ちなみに私はCクラス』
『?何を言ってるんだお前は?』
離れた場所で雄二と霧島さんが話しており、ムッツリーニが霧島さんの発言に対し、目を輝かせている。
「・・・・・・わかったわ、瑞希。アンタが泳げない理由」
「え?何ですか?」
「そんな大きな浮き輪をずっと付けているからいつまで経っても泳げないのよ!外しなさい!そしてウチに寄越しなさい!」
あの、島田さん?後半は明らかに泳ぎと関係ないですが
「できれば、アタシも欲しいわね」
って優子もかよ!?
「み、美波ちゃん、木下さん落ち着いて下さい。目が怖いですよっ!?」
「瑞希には分からないわよ!水の抵抗が少ないおかげで早く泳げるっていうウチの悲しみが!」
「そうよ!アタシもそれがないから早く泳げるのよ!」
早く泳げるのはそんな悪いことじゃない気がするが
「そ、そんなこと言われても・・・・・・」
姫路さんもどう答えたらいいのか戸惑っているが
「それじゃあ僕たちは向こうに行ってるから、二人とも頑張ってね」
「じゃあまた後でな、姫路さん」
「うむ。期待しとるぞ」
「あっ、皆さん。なんだか美波ちゃんと木下さんがとっても恐いですっ」
「ふふふ・・・・・・。瑞希、ソレは無駄な脂肪の塊なのよ?だから、いっぱい運動して、燃焼させましょうね!?」
「そうよ。脂肪は運動で燃焼させないとね」
「み、美波ちゃんに木下さん。あまりいい事ばかりでもないですよ?肩が凝って大変ですし・・・・・・」
「「それでもいいの、肩凝りくらい我慢するわ!」」
魂の籠った二人の叫びが聞こえてくるが、ここは姫路さんの為だと思い見過ごすか
「バカなお兄ちゃんっ」
「わぷっ!?」
「あぁ、葉月ちゃんか」
突如明久の後ろに葉月ちゃんが乗り、明久は堪えきれずに水中に沈む
「な、何!?」
「えへへー。お兄ちゃん、葉月と遊ぶですっ」
どうやら葉月ちゃんは明久と遊びたいみたいだな
「じゃあ明久、俺は秀吉と向こうに行ってるから葉月ちゃんは任せた」
「明久、しっかり遊んでやるのじゃぞ」
「えっ?ちょっと斗真!」
「バカなお兄ちゃん、葉月と水中鬼するですっ」
そうして俺は秀吉と一緒に他のとこへ行くことに
「ったく。ちょっとしか泳げてない上に優子には色々とやられるし、散々だよ全く・・・・・・」
「別によいではないか、それはそれで楽しかろう」
「まあ、言われてみるとそうだな。折角の貸切りだ。思う存分楽しむとするか」
「そうじゃな・・・・・・、うむ?斗真よ、今雄二が霧島に沈められているように見えるのじゃが」
「ん?何やってんだあいつら?」
秀吉の言った方向を見てみると、何故か雄二が霧島さんに沈めらている
「お~い、明久。あれは一体何なんだ?」
「ああ斗真。あれは『水中鬼』っていう遊びなんだ」
「水泳鬼?」
「うん。葉月ちゃんが考案した遊びなんだけど。あまりにも危ないから、雄二に見本になって貰っているんだよ」
「成程。あいつにとっては散々な目にあってばかりな気がするが・・・・・・」
「・・・・・・雄二、早く溺れて」
「ぶはぁっ!しょ、翔子!?何をトチ狂って・・・・・・(ガボガボガボ)」
そして水中から出た雄二は明久に目を向け
「明久!てめえの差し金だな!」
「うわっ、駄目だよ霧島さん!きちんと捕まえておいてくれないと」
「・・・・・・ごめん」
「わっ。お兄ちゃんたちっ、泳ぐのとっても速いですっ」
そうして明久と雄二と霧島さんによる水中鬼が繰り広げられることに
「・・・・・・お前ら、普通に泳げないのか?」
「そうじゃな。いくら何でもやり過ぎじゃな」
明久達による水中鬼を見ていると
「あれ?プールを使っているのは誰かと思ったら代表と優子、それに斗真君だったの?」
「何やら、賑やかにしていますね」
二人の男女の声が聞こえたので振り向くと
「・・・・・・愛子」
「あら、愛子じゃない」
「ん?アラン、何でここにいるんだ?」
そこにいたのは優子達と同じAクラスの工藤愛子と同じAクラスのアランだ。
「ボク?ボクは水泳部だから」
「僕はたまたま用があって学校に来ただけで、プールの方から声が聞こえたから見に来たんだよ」
「なるほどな。確か今日は水泳部は休みの筈だぞ」
「うん。すっかり忘れていて学校に来てやっと思い出したんだけどーさっき如月君が言ってたように声がしたから寄ってみたんだ。良かったらボク達も混ぜてもらっていい?」
「別に構わないぞ。俺達のプールって訳でもないからーん?」
ふと人の気配がしたので見てみると
「お姉さまっ!どうしてプールに行くのなら美春に声を掛けてくれないのですか!?」
「美春!?アンタどうしてここにいるのよ!プールで遊ぶなんて誰にも言わなかった筈だけど!?」
「美春にはお姉さまを害虫から護る為の特別な情報網がありますから」
そこには島田さんを溺愛するDクラスの清水美春さんがいた
「・・・・・・なぁ明久?何で清水さんがここに?」
「うん。僕にもさっぱりだよ」
「何やら賑やかになってきたのう」
秀吉の言うとおり、三人加わったことによってプール場はさらに盛り上がっている
「あのさ、ボクも泳いでいいかな」
「ん?遠慮することはなかろう。ここは学校のプールじゃからな」
「ありがと。それじゃ、着替えてくるね」
「僕は水着を持ってきてないから、ここで見学させてもらおうかな」
「それだったら男子更衣室に置いてある俺のカバンに予備の水着があるからそれを使えよ。確か俺とアランのサイズはそんな変わらんかった筈だし」
「そうなの?それじゃあお言葉に甘えて使わせて貰うね」
そうしてアランと愛子は更衣室に行くことに、すると愛子はこちらに振り向き
「覗くなら、バレないようにね♪」
と言い残していった
(ねぇ斗真。あれって本人公認の覗きってことだよね?)
(一応そうなるな)
(だとしたら男として動かないわけには)
(! 待て! 周りを見てみろ)
((えっ?))
俺と明久、そして雄二が周りに聞こえないよう声を小さくしながら話し始めるが
「・・・・・・雄二、今動いたら捻り潰すから」
「明久君。余計な動きをしたら大変な事になりますよ?」
「斗真。覗いたらどうなるかわかってるわよね」
女子三人による強烈な殺気を感じた俺達は即座に断念する。仕方ない、ここはムッツリーニに任せるとして
「ん?所で、ムッツリーニは?」
「って、ムッツリーニがいないね、どうしたんだろう?」
「ムッツリーニならば、ほれ。向こうで血液の補充に忙しいようじゃぞ」
「・・・・・・道理で静かな訳だ・・・・・・」
カメラを構える余裕もないまま、必死に血液パックを変える姿を見て、あまりにも哀れとしかいいようがなかった。
「・・・・・・何で泳ぐだけで血が流れるんだよ」
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