バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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今回から学力強化合宿編です。
最近モチベーションが上がらず、更新する日が遅れてますが頑張っていきますのでよろしくお願いします。


学力強化合宿編
第一問 脅迫


新学年になって二ヶ月が経過し、日没の変化を感じ始めるこの時期。俺は普段と変わらずいつも通りに登校していた。

 

「おはよう斗真」

 

「おはよう優子。今日も相変わらず可愛いね」

 

「な、なに朝からとんでもないこと言ってるのよ!(////)」

 

登校している最中に声を掛けてきたのは優子だ。優子は俺にとって自慢の彼女で俺が学校に行く時はいつもこうして一緒に登校している。

 

「ねぇ斗真。今度の学力強化合宿なんだけど・・・・・・」

 

「ああ。確か学園が管理してる別荘地で勉強詰めっていうやつだろ?そんな事するくらいならもっと有意義に過ごしたいんだけどな」

 

「何言ってるのよ。斗真はともかく、秀吉や吉井君は勉強を疎かにし過ぎてるからこうして教えてあげようって言ってるのに。それに高橋先生から聞いた話だけど、アタシ達のクラスは今度の合宿で斗真のいるFクラスと合同で勉強するみたいよ」

 

「ふ~ん。AクラスとFクラスがねえ~」

 

「何よ斗真?文句あるのかしら?」

 

「いや、別にそういうわけじゃなくてな。いくらAクラスと一緒に勉強するからって、あいつらは大して変わらないから結果は見えてる以上どうなのかなと思ってさ」

 

「斗真。Fクラスってそんなに勉強をしない人ばかりなの?」

 

「何しろ下らない事で勝手に暴走しては自滅するヤツらだからな」

 

「本当、バカばっかりね」

 

「でも俺としては優子と一緒にいる時間が増えて、ありがたいと思ってるからそんな嫌じゃないよ」

 

「な、何恥ずかしいこと言ってるよ!(////)」

 

俺の言葉を聞いた優子は顔を赤らめる。

 

「ん?どうした優子?何顔を赤くしてるんだ?」

 

「え!?えっと・・・・・・。と、とにかく。合宿では一緒に勉強する以上しっかり教えてあげるから覚悟しといてよね!」

 

「お、おい優子・・・・・・。行っちゃったか。っとそろそろ俺も教室に行かないと」

 

そう言いながら優子は自分のいるAクラスの教室に入っていき、俺はそのまま旧校舎へと向かっていくと

 

 

「最悪じゃあー‼」

 

 

 

バカの叫びが校舎全体に響き渡るのであった

 

 

「明久、一体何があったのじゃ?」

 

「べ、別に何でもないよっ。あはは」

 

教室に入ると明久は物凄い落ち込んでいたが。優子と同じ俺の彼女である秀吉の質問に対して態度を変え、笑って誤魔化しているがあれは絶対何かあったろう

 

「じゃあ明久。さっきの叫びは何だったんだ?」

 

「さっき窓から妙な叫び声が聞こえてきたし、何か隠してるでしょ?」

 

明久の様子が気になり、俺と島田さんは明久に声をかける

 

「あ、斗真、美波。おはよう」

 

「おはようアキ。それで、何を隠しているのかしら?まさか・・・・・・」

 

島田さんの目が吊り上がり、攻撃まで後一歩の体勢をとる

 

「やだなぁ美波。本当に何も隠してなんか」

 

「まさか、またラブレターを貰ったなんて言わないわよね?」

 

「島田さん、ここでその言葉は禁句だよ」

 

「そうだよ美波。ラブレターという言葉に反応して皆が僕に向かってカッターを構えてるじゃないか」

 

何でこいつらはラブレターぐらいでそんな簡単に人を殺そうとするのか未だに分からない。寧ろそういうことをするから女子にモテないのに

 

「皆、カッターはまだ早いわ。落ち着きなさい。大体、どう考えてもアキがラブレターなんて貰えるわけないでしょう?隠しているのは別の物に決まってるわ」

 

「島田さん。そうやって決めつけるのは良くないと思いますが?」

 

「ふふん!そのまさかさ!今朝僕の靴箱にラブレターが」

 

ドスッ!(カッターが畳に刺さる音)

 

「次は耳よ」

 

「心のそこからごめんなさい」

 

明久も島田さんに言われて怒ったのか、見栄を張るが、島田さんの脅しにすぐさまひれ伏した。

 

「それで?何を貰ったんだ?」

 

「そうよアキ。正直に話しなさい」

 

「実は僕が隠していたのは、きょー」

 

「要するに脅迫状か何かを貰ったから隠してたってことだろ」

 

「って斗真!何でそれだけでわかるの!?」

 

「お前が屋上で叫んだ台詞と貰った手紙を合わせると思い付くのはそれしか考えられないからな。それで合ってるか明久?」

 

「うん。斗真の言うとおり、今朝脅迫文が届いてたんだよ」

 

「あ、なんだ。良かったぁ・・・・・・」

 

なんで島田さんは明久が脅迫文を貰ったのにホッとしてるの?

 

「して、その脅迫状には何て書いてあったのじゃ?」

 

島田さんとは対照的に、秀吉は心配そうに声をかける。普通は心配して気づかってあげるのが当たり前だからな

 

「これには『あなたの傍にいる異性にこれ以上近づかないこと』って書いてあるんだ」

 

「そうなるとこのクラスにいる女子に好意を持ってるヤツからの手紙だな」

 

「ふむ。その文面から察するに、手紙の主は明久の近くにおる異性に対して何らかの強い好意を抱いておるな。大方嫉妬じゃろうが。つまりー」

 

「うん。手紙の主はこのクラスにいるたった二人の異性、つまり姫路さんか秀吉に好意を寄せているヤツだってことが分かるね」

 

「明久。金属バットを取りに行った島田が戻ってこないうちに逃げるのじゃ」

 

「え?僕の推理間違ってた?」

 

「今のを聞いたら島田さんが怒るのは当然だ」

 

だからって、金属バットはやり過ぎな気がするが、まぁ明久だから問題はないか

 

「ところで何をネタに脅迫を受けておるのじゃ?」

 

「あ、そういえばまだ知らないや。なになに、『この忠告を聞き入れない場合、同封されている写真を公表します』か。写真って、こっちの封筒に入っているやつかな?」

 

そう言いながら明久は封筒から写真を取りだし、中身を見ると、最初の一枚目にはメイド服を着た明久が写っていた。

 

「この前の学園祭の服装じゃな」

 

「よりによって、明久のメイド服姿を撮る人がいたとはな」

 

「い、いつの間に撮影なんて・・・・・・」

 

「こうして改めてみると、やはり似合っておるのう」

 

「それ、全然嬉しくないよ・・・・・・」

 

「俺だってこんなもん欲しくねえよ」

 

そうして明久は俺達に見せないように隠しながら二枚目の写真を見ると

 

「・・・・・・」

 

「明久、どうしたのじゃ?」

 

「一体何が写ってたんだ?」

 

「・・・・・・トランクスだからセーフ、トランクスだからセーフ、トランクスだから・・・・・・」

 

「あ、明久!?自我が崩壊する程のものが写っておったのか!?」

 

「よっぽどヤバいところを撮られたみたいだな。で最後の一枚にはどんなのが写ってるんだ?」

 

俺の言葉を聞いて、最後の一枚を見た明久はというと

 

「もういやぁぁぁっっ‼」

 

「どうした明久!?」

 

「何じゃ!?一体何が写っておったのじゃ!?」

 

「見ないで!こんなに汚れた僕の写真を見ないでぇっ!」

 

「よくわからんが落ち着くのじゃ!皆が注目しておるぞ!」

 

ここまでの取り乱し様から察するに、どうやら明久にとってかなり危ない何かを撮られたのは確実だろう

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・。恐ろしい威力だった・・・・・・。これは僕を死に追い詰める為の卑劣な計略と言っても過言じゃない・・・・・・」

 

「考えすぎではないかのう。メイド服くらい、人間一度は着るものじゃ」

 

「ちょっと待て秀吉。普通の人はメイド服なんて着たりしないからな」

 

秀吉。演劇で女装しているからか、感性が狂っているぞ

 

「明久君、木下君、東條君、おはようございます」

 

後ろから声を掛けてきたのはこのクラスの清涼剤である姫路さんだ

 

「この声はーやっぱり姫路さんか。おはよう」

 

「おはよう。姫路さん」

 

「姫路か。おはよう。今日は遅かったんじゃな」

 

「はい。途中で忘れ物に気がついて、一度家に帰ったのでギリギリになっちゃいました」

 

「丁度良い。先程の写真が騒ぐほどの物ではないと姫路に証明してもらうとしようかの。姫路、少々良いか?」

 

「はい、何でしょうか?」

 

秀吉が姫路さんに明久のメイド写真について質問をしようとする

 

「うむ。姫路に質問なのじゃが、明久のメイド服姿の写真があったらどうするかの?」

 

秀吉。そこはもう少しオブラートに包めないのか?

 

「う~ん。そうですね・・・・・・」

 

姫路さんは真剣に考えはじめる。そこまで考え込む必要はないんだけど

 

「もしそんな写真があったらーとりあえず、スキャナーを買います」

 

え?スキャナー?どうして?

 

「あの、姫路さん?どうしてスキャナーを買う必要があるんだ?」

 

「だって、その・・・・・・」

 

「だって?」

 

姫路さんは頬を染めてこう答えた

 

「そうしないと、明久君の魅力を全世界にWEBで発信できないじゃないですか・・・・・・」

 

ちょっと待て!それは明久に社会的に死ねって言ってるようなもんじゃないか!

 

「って明久!何してるんだお前は!?」

 

「明久落ち着くのじゃ!飛び降りなんて早まった真似をするでない!」

 

「離して二人とも!僕はもう生きていける気がしないんだ!」

 

「だからって、自殺なんてバカなことはやめろ!」

 

「もう嫌だ!僕をここで死なせてよ!」

 

「そ、そうじゃ!ムッツリーニじゃ!ムッツリーニならばこの手の話には詳しい筈じゃ!事情を説明してー」

 

「ムッツリーニに笑われる?」

 

「違う!事情を説明して脅迫犯を見つけてもらうのじゃ!」

 

「ムッツリーニはその手に関しては右に出る者はいないから!あいつに頼めば特定してくれるよ!」

 

「おおっ!成程!」

 

こう言った事に関してはムッツリーニに任せるのが一番だ。ムッツリーニは情報収集のエキスパートである為、おそらく犯人を見つけてくれるに違いない。

 

「ナイスアドバイスだよ秀吉!流石は僕のお嫁さんだ!」

 

「おい明久!秀吉は俺の妻だぞ!」

 

「婿と夫の間違いじゃろう!?」

 

「あの・・・・・・三人とも間違いだと思いますけど・・・・・・」

 

姫路さんが俺達の発言に突っ込みを入れる

 

「それじゃ、僕はムッツリーニに話があるから」

 

明久は教室の端にいるムッツリーニを見つけすぐさま向かい始める

 

「一応俺が明久にメイド服を着るよう言ったから、俺にも責任があるし。明久を手助けするか」

 

俺もムッツリーニのいる席に向かおうとすると

 

「ところで、明久君のメイド服がどうとか・・・・・・」

 

「ひ、姫路!ワシと話でもせんかの!?」

 

秀吉が姫路さんに話しかけ、足止めをしてくれたおかげで俺もムッツリーニのいるところへ進むことができた。後で借りは返しておくか

 

「助けてムッツリーニ!僕の名誉の危機なんだ!」

 

「後にしろ。今は俺が先約だ」

 

「あれ?雄二?」

 

「雄二?何でムッツリーニと話してるんだ?」

 

俺と明久の行く手を遮ったのはこのクラスの代表である雄二だ。見たところ何か萎れてるように見えるんだが

 

「ムッツリーニ、何の話?」

 

「・・・・・・・・・・雄二の結婚が近いらしい」

 

雄二の結婚?どういうことだ?

 

「雄二と霧島さんの結婚?そんな既に決まってることより、僕が校内の皆に女装趣味の変態として認識されそうって事のほうが重大だよ!」

 

「なんだと!?お前が変態だなんて、それこそ今更だろうが!」

 

それは否定できないな

 

「黙れ妻帯者!人生の墓場へ帰れ!」

 

「うるさいこの変態!とっととメイド喫茶へ出勤しろ!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「二人とも。目から涙が出てるぞ」

 

「・・・・・・・・・・傷つくならお互い黙っていればいいのに」

 

それはごもっともだ

 

「で、でも、まだ結婚の話程度で済んで良かったじゃないか。僕はてっきり、あのペースだともう子供が出来たことにされているのかとー」

 

「でも霧島さんは流石にそこまでやるわけー」

 

「・・・・・・明久、斗真。笑えない冗談はよせ」

 

え?マジなの?

 

「そこまで言うなら一応話を聞くよ。雄二に何があったの?」

 

「一応ってのが燗にさわるが、まぁいいだろう。実は今朝、翔子がMP3プレーヤーを持っていたんだ」

 

「MP3プレーヤー?それくらい別にいいんじゃないの?雄二だって前に学校に持ってきてたし」

 

「多分英文のリスニングで聞いてるだけじゃないのか?」

 

「いや、アイツは結構な機械オンチだからな。そんなものを持っていて、しかも学校に持ってくるなんて不自然なんだ」

 

そうなんだ。てっきり霧島さんは何でもできると思ってたけど、意外と苦手なものもあったんだ。

 

「そこで怪しく思って没収してみたんだが、そこには何故か捏造された俺のプロポーズが録音されていたんだ」

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

一瞬、先の召喚大会の準決勝が俺と明久の頭によぎる。そのプロポーズを捏造してしまったのが俺達だという事実に少しだけ罪悪感が沸いてきた。

っていうか、捏造とはいえ、プロポーズを録音するなんて多少やり過ぎな気がしてならないが

 

「き、霧島さんは可愛いねっ!そんな台詞を記念にとっておきたいなんてー」

 

「いや、婚約の証拠として父親に聞かせるつもりのようだ」

 

何だろう。ますます罪悪感で押し潰されそうなんですけど

 

「MP3プレーヤーは没収したんだが。中身はおそらくコピーだろうし、オリジナルを消さないことには・・・・・・」

 

そう言って雄二は、霧島さんから取り上げた再生専用のMP3プレーヤーを出す。確かにそれだとオリジナルを消さないと問題は解決しないみたいだな

 

「そんなわけで、ムッツリーニにはその台詞を録音した犯人を突き止めてもらいたい。さっきも言ったようにアイツは機械オンチだからな。密かに集音機を仕掛けるなんてことができるわけないから、きっと盗聴に長けた実行犯がいる筈なんだ」

 

あの時は確か雄二の(秀吉の)台詞を録音されていたような様子は記憶はないな。となると、誰かが密かに集音機を仕掛けていたに違いない。

まあこの件に関しては俺が原因を作ったから明久同様協力してやらないと

 

「・・・・・・明久は?」

 

ムッツリーニは明久の方を向き、明久は事情を説明しようとするが

 

「実は、僕のメイド服パンチラ姿が全世界にWEB配信されそうなんだ」

 

「・・・・・・・・・・何があったの?」

 

「明久、それだけじゃ伝わらないだろ。要するにだなー」

 

俺が明久に変わって、事情を説明すると

 

「ーというわけで、その写真を撮った犯人を突き止めて欲しいんだよ。明久はその写真を撮られた覚えがないみたいだから、おそらく盗撮の得意なヤツがこっそり撮影したと思うからな」

 

「なんだ。明久も俺と同じような境遇か」

 

「・・・・・・・・・・脅迫の被害者同士」

 

「こんなことで仲間ができても・・・・・・」

 

そうやって互いの説明が終えたところで、教室の扉が開く音が響いた。どうやら先生が来たみたいだな

 

「遅くなってすまないな。強化合宿のしおりのおかげで手間どってしまった。HRを始めるから席についてくれ」

 

そう告げるのは俺達Fクラスの担任である鉄人先生こと西村先生だ。鉄人先生の手には大きな箱が抱えられており、今言っていた強化合宿のしおりが入ってるだろう。

 

「・・・・・・・・・・とにかく、調べておく」

 

「すまん。報酬に今度お前の気に入りそうな本を持ってくる」

 

「僕も最近仕入れた秘蔵のコレクションその2を持ってくるよ」

 

「俺も何か用意するから頼む」

 

「・・・・・・・・・・必ず調べ上げておく」

 

ムッツリーニも快く引き受けてくれた後、俺達は鉄人先生に睨まれないよう素早く自分達の席に戻る

 

「さて、明日から始まる『学力強化合宿』だが、だいたいのことは今配っている強化合宿のしおりに書いてあるので確認しておくように。まぁ旅行に行くわけではないので、勉強道具と着替えさえ用意してあれば特に問題なないはずだが」

 

前から順番に冊子が回され、受け取った俺は後ろに回す

 

「集合の時間と場所だけはくれぐれも間違えないように」

 

鉄人先生のドスの利いた声が響き渡り、しおりの中身を見てみると、今回行く場所は卯月高原という少し洒落た避暑地で、ここからだと車でだいたい四時間くらいで、電車やバスだと乗り継ぎで行くと、五時間はかかる

 

「特に他のクラスの集合場所と間違えるなよ。クラスごとでそれぞれ違うからな」

 

AクラスやBクラスはおそらくリムジンバスで向かうだろう。となると俺達の場合は担任が引率するだけってことも・・・・・・

 

「いいか、他のクラスと違って我々Fクラスはー現地集合だからな」

 

『『『案内すらないのかよっ!?』』』

 

あまりの扱いに全級友が涙した。いくら俺達が最底辺クラスだからってこれはあまりにも酷すぎるぞ




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