バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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第二問 移動

俺達は合宿所へ向かう為、電車に乗って移動している。

 

「あと二時間くらいはこのままですね」

 

姫路さんが操作していたスマホを手にそう呟く。おそらく乗り換えの案内でも見てただろう

 

「しかし現地集合とはいえ、付き添いどころか交通費すら出してくれないなんて問題あるだろうが」

 

「仕方なかろう。そういうルールである以上、従うしかないのじゃ」

 

俺の前には秀吉が座っており、愚痴を溢す俺に対し可愛らしい微笑みをしながらフォローする。

まあ秀吉が一緒にいてくれるのが攻めてもの救いか

 

「ったく、明久の件もあるし、それを解決しないといけない中で強化合宿があるからな。Fクラスになって以降トラブルが起きてばっかりでうんざりするよ」

 

「しかし斗真よ。そう言ってるわりには受け入れてるように見えるのじゃが?」

 

そう言ってる俺に秀吉が疑問を投げ掛ける

 

「まあうんざりするって言っても、そんな嫌じゃないからな。俺にとってFクラスの皆は大切な仲間だし、退屈せずに済むからそんな悪いことじゃないよ」

 

「そうなのか。ワシとしては同じクラスに斗真がいて嬉しく思うぞい」

 

と俺と秀吉が楽しく会話していると

 

ビリィ‼

 

隣の方から本か何かを破く音が聞こえたので見てみると、そこには恐い顔をしていた島田さんが明久を睨み付けており

 

「どうして・・・・・・」

 

「はい?」

 

「どうしてウチが緑で、瑞希が青なのか、説明してもらえる?」

 

「ど、どうしてと仰られましても・・・・・・」

 

物凄い剣幕で明久を問い詰めていた

 

「怒らないから正直に言ってみて?」

 

「前に見た下着の色がグリーンだったから」

 

島田さんの質問に対し明久は失礼な返事をした

 

「坂本、窓開けて」

 

「捨てる気!?窓から僕を捨てる気!?」

 

「島田。窓からゴミを捨てるな」

 

「雄二。美波を止めてくれてありがとう。でも、今サラっと僕をゴミ扱いしたよね?」

 

「いいのよ。ゴミじゃなくてクズだから」

 

明久があまりにも酷い扱いをされていたので、訳を聞くことに

 

「ちょっと待って島田さん。何をそんなに怒ってるんだ?」

 

「ふん!アキが失礼なことを言ったからに決まってるでしょ!」

 

「なあ明久?一体何を言ったらこうなるんだ?」

 

俺が明久に話を聞くと

 

「うん。ちょっとした心理テストを受けていて、その答えが癪に障ったのか美波はご機嫌ななめになっちゃってさ」

 

「どんな問題なんだ?」

 

「えっと『次の色でイメージする異性を挙げてください』って聞かれてね。緑、オレンジ、青に当てはまる人なんだけど、それで緑が美波でオレンジが秀吉。青が姫路さんって答えたらご覧の通りになっちゃったんだ」

 

「ワシは男じゃから可笑しいのじゃが?」

 

「そういうことか。島田さん、ちょっと借りるね」

 

「一体何が書いてあったんだ」

 

ヒョイッ

 

「あ、ちょっと!」

 

俺は島田さんが持っていた本だったものを隣にいた雄二と一緒に見てみると、雄二は意味を理解した瞬間嫌な笑みを浮かべていたが放っておくとして

 

「えっと、緑が『友達』で、オレンジが『元気の源』、青が・・・・・・なるほど、これは怒って当然だな」

 

「ちょっと、返しなさいよ!」

 

「あっ!」

 

島田さんに本を取り上げられ、詳細を見れなかった

 

「それで斗真よ、お主ならどう答えていたのじゃ?」

 

「ん?俺か?俺だったら緑は愛子で、オレンジが秀吉、青は優子って答えてたな」

 

「ワシは男じゃから異性扱いされるのはおかしい気がするのじゃが」

 

「まぁ異性という面を除いても、秀吉が元気の源だってのは妥当だからな。そうだろ明久?」

 

「うん。確かに秀吉は僕らにとって太陽みたいな存在だしおかしくないよ」

 

「・・・・・・少し、嬉しいから困る・・・・・・」

 

秀吉が嬉しそうな顔をして頬を赤らめる

 

「と、とにかく。さっきの問題に深い意味はないからね!」

 

「ああわかった。だからそう怒鳴らないでよ」

 

島田さんは心理テストの意味を知られたのがそんなに恥ずかしかったのか、顔を赤くしながら怒鳴り散らかす。

 

 

「ところでムッツリーニは参加しないの?」

 

「どうやら眠っておるようなのじゃ。色々と調べものをしておったとか」

 

どうやらムッツリーニは端でコクコクと眠っており、起こすのは可哀想だからそのままにしておくことにした。

 

「あの、私もいいですか?」

 

姫路さんがおずおずと手を挙げて、参加したいいか聞いてくる

 

「そうだね。皆でやろうよ」

 

不機嫌な島田さんに変わって、明久が返事をする。島田さんも姫路さんを仲間外れにするはずはないから大丈夫だろう

 

「ところで、美波ちゃん。さっきの問題の『青で連想する異性』ってー」

 

「・・・・・・教えない。絶対に」

 

「そ、そんなぁ・・・・・・」

 

姫路さんが少し瞳を潤ませている。島田さん、そういうところで姫路さんと差がつくんじゃないかな

 

「はぁ・・・・・・。ま、いいわ。第二問いくわよ」

 

そう言いながら、島田さんは読みづらくなった本を開く。ってか島田さんは本を引き裂いてたけど、どれだけ握力が強いんだ?

 

「『1から10の数字で、今あなたが思い浮かべた数字を順番に2つ挙げて下さい』だって。どう?」

 

「俺は5・6だな」と雄二。

 

「ワシは2・7じゃな」と秀吉。

 

「俺は5・7だ」と俺。

 

「僕は1・4かな」と明久。

 

「私は3・9です」と姫路さん。

 

それぞれの答えを聞いた島田さんは次のページを開き

 

「えっと、『最初に思い浮かべた数字はいつもよりまわりに見せているあなたの顔を表します』だって。それぞれー」

 

島田さんが順番に指を差しながら答える

 

「クールでシニカル」→ 雄二

 

「落ち着いた常識人」→ 秀吉

 

「お調子者」→ 俺

 

「死になさい」→ 明久

 

「温厚で慎重」→ 姫路さん

 

と告げた

 

「ふむ。なるほどな」

 

「常識人とは嬉しいのう」

 

「間違ってはいないな」

 

「ねぇ、僕だけ罵倒されてなかった」

 

「温厚で慎重ですか~」

 

口々に感想を述べていく俺達

 

「それで、『次に思い浮かべた数字はあなたがあまり見せない本当の顔だって』。それぞれー」

 

さっきと同じように順番に指を差して

 

「公平で優しい人」→ 雄二

 

「色香の強い人」→ 秀吉

 

「思いやりを持っている」→ 俺

 

「惨たらしく死になさい」 → 明久

 

「意志の強い人」 → 姫路さん

 

と告げた

 

「秀吉は色っぽいのか」

 

「姫路は意志が強いそうじゃな」

 

「俺はそんな持ってたかな?」

 

「ねぇ、僕の罵倒エスカレートされてなかった」

 

「坂本君は優しいそうです」

 

心理テストをわいわいと盛り上がっていき、時間がある程度過ぎると

 

「・・・・・・・・・・(トントン)」

 

「あ、ムッツリーニ。おはよう」

 

「目が覚めたようじゃな」

 

「・・・・・・空腹で起きた」

 

「ん?もうそんな時間になってるのか?」

 

スマホを取りだし時間を見てみると、時刻は1時15分。とっくに昼食を済ませている時間になっていた。

 

「確かにいい頃合いじゃの。そろそろ昼にせんか?」

 

「そうだね。あまり遅くなると夕飯が入らないし」

 

「じゃあここで昼飯をとるとするか」

 

「あ、お昼ですねーそれなら」

 

すると姫路さんが傍らに置いている鞄を手繰り寄せ、中から何かを出すが。その時俺は全身を駆け巡った。

 

「ー実は、お弁当を作ってきたんです。良かったら・・・・・・」

 

「悪い、ちょっとトイレ行ってくるよ(笑)」

 

俺は咄嗟にその場からトイレという名目で即座に逃げ出そうとするが

 

ガシッ

 

「・・・・・・なぁ明久。何で今からトイレに行こうとする人の手を掴むんだい?」

 

「なんでって、折角姫路さんが作ってくれたんだしさあ。それにトイレに行くのにどうして鞄を持っていくのかな?」

 

「いや、だから俺は今トイレに行きたいとー」

 

「姫路さん、お勧めのおかずは何?」

 

「えっと、玉子焼きですね」

 

明久は姫路さんから玉子焼きという名の殺人兵器を貰うと

 

「ほら斗真。良かったら食べてみてよ」

 

「だから今にも漏れそうだから、離してー」

 

「いいから食べてってば」

 

バクッ

 

俺は玉子焼きを無理矢理口の中に押し込まれ、それが喉を通ってすぐさま

 

「うぐっ!」

 

その場で意識を失ってしまい倒れてしまった。

 

「え?東條君どうしたんですか?」

 

「多分あまりにも美味しすぎて寝ちゃったんだよ」

 

「・・・・・・・・・・良かったな」

 

「まっ、斗真をその辺に寝かしておくとして俺達は各自で用意したやつを食べるとするか」

 

「う、うむ。次の駅に着く頃には起こしてやるとするかの」

 

・・・・・・お前ら、後で覚えておけよ。

 

僅かに薄れていく意識の中に聞こえた台詞を聞いた俺はあいつらに対して復讐をしようと即座に誓いその場で眠ってしまった。

 




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