後僕の書いたバカテスにはお馴染みのバカテストがありませんが。アレはどうやったらあんな風に面白い答えが思い付けるのか知りたいです。
「・・・・・・雄二、一緒に勉強できて嬉しい」
「待て翔子、当然のように俺の膝に座ろうとするな。クラスの連中が靴を脱いで俺を狙っている」
強化合宿二日目。学習内容は基本的に自由で、質問があれば周囲や教師に聞いても良し。要するに自習みたいなもので、机の並びも生徒同士が向かいあっている。
今俺の目の前には、坂本夫婦がおり『俺は独身だ!』、昨日の事があったにも関わらず、仲が良さそうに勉強をしている。その雄二の前に座っている俺の隣には明久と秀吉がいて、理由は二人の学力を上げる為に俺が勉強を教えているからだ。
「でも、なんで自習なんだろう?授業はやらないのかな?」
「授業?そんなもんやるわけないだろ」
雄二が明久の隣に来ると話し始める
「やらない?どうして?」
「明久。お前はAクラスと同じ授業を受けて内容が理解できるのか?」
「むっ。失礼な。雄二にはそうかもしれないけど、僕にとってはAクラスもFクラスも大差ないよ」
「お前の場合はどっちも理解できないだろうが」
「斗真の言う通りじゃな」
俺が明久にそういうと明久は図星なのかショックを受ける。
「・・・・・・この合宿の趣旨は、モチベーションの向上だから」
霧島さんが明久にそう話すが、明久は分かってない為雄二が説明する。
「翔子、それだけじゃ明久には分からんだろ。つまり、AクラスはFクラスを見て『ああはなるまい』と、FクラスはAクラスを見て『ああなりたい』と考える。そういったメンタル面の強化が目的だから、授業はさして問題ではないということだ」
「でも教師の目論見は見事に外れてるよ。Aクラスが真面目に自主勉をしてるのに対してFクラスは大半がだらけているからな」
「そうじゃな。これではやった意味がないぞよ」
「だったら、二人の邪魔をしないよう僕はここを離れようかな?」
明久が席を立って離れる直前、俺は明久の右腕を掴む
「待て明久。お前はそうやって逃げようとしてるのが丸分かりだ。勉強は俺が教えるからここに残れ」
「うぅぅ。斗真の意地悪~」
「ったく、何のために来たんだよお前は・・・・・・」
勉強に対する姿勢を見せない明久に呆れていると
「あ、代表ここにいたんだ。それならボクもここにしようかな?」
そういいながら現れたのは、霧島さんと同じAクラスの愛子だ。
「工藤さんだっけ?」
明久は愛子を覚えてないからか、聞いてくる
「そうだよ。斗真君の隣にいるキミは吉井君だったよね。久しぶり」
ニッと歯を見せて笑う愛子。ボーイッシュな雰囲気と相まって、その仕草は爽やかだ。
「それじゃ、改めて自己紹介させてもらうね。Aクラスの工藤愛子です。趣味は水泳と音楽鑑賞で、スリーサイズは上から78・56・79、特技はパンチラで好きな食べ物はシュークリームだよ」
「ちょっと待て愛子。特技がパンチラっておかしいだろ」
俺がそう突っ込むと
「もう斗真君たら、疑ってるね?何なら、ここで披露してみせよっか?」
愛子が短いスカートの先を摘まんでアピールする。明久はそれを見ておおっと興奮している一方、その隣にいる雄二が目を押さえてのたうち回っており、霧島さんが「・・・・・・浮気はダメ」と呟いてる。霧島さんいくら見てほしくないからって目潰しはやり過ぎなんだけど
「・・・・・・・・・・明久、斗真。工藤愛子に騙されないように」
「あれ?ムッツリーニ、随分と冷静だね。僕ですらこんなにドキドキしているんだから、てっきり鼻血の海に沈んでいると思ったのに」
確かに明久の言う通り、普段のムッツリーニならその場で鼻血を出して倒れるのが俺達の間では当たり前になっているからな。一体どうしてなんだ?
「・・・・・・・・・・ヤツは、スパッツを履いている・・・・・・!」
「ああそういうことか」
道理でムッツリーニが冷静なわけだ
「そ、そんな!?工藤さん、僕を騙したね!?」
「いや明久。愛子はお前をからかっただけで本当に見せるわけないだろう」
「俺は目を突かれ損じゃないか・・・・・・」
雄二に関してはドンマイとしか言いようがない
「あはは。バレちゃった。さすがムッツリーニ君だね。まあ、特技ってわけじゃないけど、最近凝っているのはコレかな?」
愛子が笑いながら出したのは小型の録音機だ
「なんでそんなものに凝ってるんだ愛子?」
「うん。コレ、凄く面白いんだ。例えばー」
愛子が録音機を弄りはじめて、少し待つと、内蔵されているスピーカーから音声が出る
ーピッ《工藤さん》《僕こんなに》《ドキドキしているんだ》《やらない》
「わああああっ!僕はこんなこと言ってないよ!?変なものを再生しないでよ!」
「ね?面白いでしょ?」
「愛子。そんなもので遊ぶなよ。もしそれを勘違いして聞いてる人がいたらー」
「・・・・・・ええ。最っっ高に面白いわ」
「・・・・・・本当に、面白い台詞ですね」
ここにいたよ。
「瑞希。ちょっとアレを取りに行くの手伝ってもらえる?」
「わかりました。アレですね?喜んでお手伝いします」
「ちょっと待て二人とも。今のはどう聞いたって合成に決まってるだろ。愛子の冗談を真に受けるなよ」
俺が二人を暴走しようとする姫路さん達を止めようと話かけるが
「東條、アンタは黙ってなさい。今からアキにお仕置きしないといけないから」
「そうですね。明久君にはお仕置きしないといけませんね」
「いや、だから落ち着け・・・・・・って、行っちゃったよ」
二人は俺の言葉を耳にせず学習室を出て、どこかへと向かった。
「ったくアイツら、いくら合成とは言え真に受けるなよ」
「え?どういうこと斗真?」
「このままいけば、明久は昨日みたいに石畳に座らされるってことだ」
明久は俺の言葉を聞いてすぐさま冷や汗をかきはじめた。
「工藤。今のは録音した会話を合成したのか?」
「うん。そうだよ」
明久の隣にいた雄二が真剣な顔をして愛子に詰め寄る。雄二がそういう顔をするってことは何か考えがあるだろうな。明久も俺と同じように思ったのか雄二とこそこそと会話をし始める。
ひょっとして愛子が脅迫犯だと疑ってるのか?
「ねぇ斗真君。どうして二人はこそこそと話しているの?」
「ああ、それはな、二人は愛子を疑ってるからだよ」
「疑ってる?どうして?」
俺は愛子の耳元に近づき話かける
(多分愛子なら信用できるし話すよ。実はー)
俺も愛子に小声で昨日のカメラの件について説明すると
(ーという訳なんだ)
(そうだったんだ。でもボクは二人にそんなことをする理由はないから疑われるのはちょっとショックだね)
(俺だって愛子はそういう事をする人じゃないのは知ってるからごめんな。それで頼みたい事があるんだが)
(何かな?)
(それはなー)
俺が愛子にボソボソと頼むと
(わかった。女子風呂に行って女子のお尻を見てきたらいいんだね♪)
(じゃあ頼むよ。合宿が終わったらシュークリーム奢ってやるから)
(了解、任せてね♪)
そう俺と愛子が小声で話している最中に明久が割って入ってくる。
「工藤さん。君が・・・・・・」
どうやら明久は愛子が犯人だと思い話かけるが愛子は白だ
「ん?なに、吉井君?」
「あ~、え~と、その、キミがー」
明久は愛子に何を聞こうとするつもりだ?
「ボクが?」
「キミがー僕にお尻を見せてくれると嬉しいっ!」
ゴツン!
ズルズルズル
「あっ、斗真君。吉井君を連れてどこに行くのよ?」
俺は即座に明久の頭に拳を打ち込み、気絶させてすぐさま明久の襟を掴んで廊下まで引きずっていく
学習室入り口前の廊下
「お前はバカか!あんな発言して素直に見せてくれるわけないだろうが!」
俺は明久の胸ぐらを掴み怒鳴り付ける
「だって、犯人に下手に聞いたらいけないし」
「あのな明久、愛子は無実だ。アイツにはお前達を嵌める理由がないから疑っても無駄だからな」
「でもあの録音機を合成できるってことは工藤さんが一番疑わしいよ」
「あれぐらいの操作ならコツを掴めば誰でもできるぞ。とにかく、愛子は容疑者から外してさっさと自習に戻るぞ」
「り、了解」
そうして明久に説教をしたあと学習室へ戻った。
明久は雄二に任せた後。俺は秀吉と一緒に自主勉をしていく
「ったく、普通に勉強できないのかよアイツらは」
「斗真、そう怒るでない。工藤も丁度いい遊び相手が見つかってからかっただけじゃからの」
「愛子は時々度が過ぎるからちょっとは自重してほしいんだが」
「よいではないか斗真。ただ黙って自習するよりもそっちの方がワシは好きじゃぞい」
「お前な。そんなんだから中々成績が上がらないだろうが」
「うっ!言われてみればそうじゃのう」
「とにかく、あの後明久に強く言ったし、少しくらい真面目にやってくれてるといいがー」
ーピッ 《お願い工藤さん》《僕にお尻を見せて》
「うあぁぁんっ!どんどん僕が変態になってる気がするよ!」
即座に騒ぎだしたよあのバカ。
その後石畳を用意した姫路さんと島田さんが明久に近づき、愛子の合成音声に気づかず、明久を痛め付けており、明久は誤解を解こうと必死に説得するものの愛子の合成による妨害もあり、ますます状況は最悪になっていた。
「はぁ、本当にアイツらは明久の事が好きなのか?やってる事が過激すぎるぞ」
「仕方なかろう。島田もそうじゃが、姫路もFクラスに染まってしまったからの」
秀吉もそう言ってるし俺はどうしたらいいか困惑していると明久もムッツリーニを味方につけ誤解を解こうと説明するが
「姫路さん。美波。よく聞いて、さっきのは誤解で、僕は《お尻が好き》って言いたかったんだ。《特に》《雄二の》《が好き》ってムッツリィーニィィーッ!後半はきさまの仕業だな!?上手くやるって、工藤さんよりも僕を上手に追い込むってことなの!?」
「・・・・・・・・・・工藤愛子。お前はまだ甘い」
「くっ!さすがはムッツリーニ君・・・・・・!」
「なぁ秀吉、ますます酷くなってないか?」
「ムッツリーニ、そこは明久をフォローするところじゃろうに」
ムッツリーニは愛子に対抗意識を燃やしたのか。小型録音機を使って明久を更に追い込んでしまい、明久はますます姫路さん達にいつ手にかけられてもおかしくない状況となった。
「・・・・・・吉井、雄二は渡さない」
雄二と聞いて霧島さんも反応する。
ちょっと待って、何でここにいる人達は録音機の音を真に受けて、こんなカオスな展開にしてしまうの
「アキ・・・・・・。そんなに坂本の尻がいいの・・・・・・?ウチじゃ駄目なの?」
「前から分かっていたことですけど、そうはっきり言われるとショックです・・・・・・」
「姫路さんと島田さん。あれは愛子とムッツリーニが録音機を使ってやったことだからな。明久はノーマルだから真に受けないで」
「そうだよ二人とも!どうしてすぐに僕を同姓愛者扱いにするの!?僕にそんな趣味はー」
「同姓愛を馬鹿にしないで下さいっ!」
バンと学習室のドアが開き、Dクラスの清水さんが声高々に上げながら入ってきた。
はぁ、また面倒なのが増えたよ
「み、美春?何でここに?」
「お姉さまっ!美春はお姉さまに逢いたくて、Dクラスをこっそり抜け出してきちゃいました!」
いやそれはダメだろと言いたいところだが、言ったところで逆ギレされるのが見えてるからここは黙っておくか
「須川バリアー」
「け、汚らわしいです!腐った豚にも劣る抱き心地ですっ!」
盾にされた挙句罵倒された須川は涙を堪えて上を向いていた。
「お姉さまは酷いです・・・・・・。美春はこんなにもお姉さまを愛しているというのに、こんな豚野郎を掴ませるのはあんまりです・・・・・・」
「ちょっと美春!こんなところで愛してるとか言わないでよ‼アキに勘違いされちゃうでしょ!?」
「いや勘違いするのは明久だけじゃないんだが・・・・・・」
俺がそう突っ込みを入れると
「君たち、少し静かにしてくれないかな?」
「ん?ああ久保か」
「あ、ごめん久保君」
俺達の所に来て注意して来た人物がいた。それは学年次席の久保利光だった。
「吉井君と東條君か。とにかく気をつけてけれ。まったく、姫路さんといい島田さんといい、Fクラスには危険人物が多くて困る」
否定できないことを言われるが、そこは雄二やムッツリーニじゃなくて姫路さん達の方か
「それと、同姓愛者を馬鹿にする発言はどうかと思う。彼らは別に異常者ではなく、個人的嗜好が世間一般と少し食い違っているだけの普通の人たちなのだから」
「まぁ落ち着けよ久保。お前の言うことは分かるよ。何しろここにはそれ以上にヤバい奴がいるからな」
「それは自分のことを言ってるのかい東條君?」
「まあな。確かに同姓愛者は世間からはあまり良い印象を持ってないから先程の台詞に関しては肯定するよ。人には多種多様な趣味があるし、自分が理解できないからってその考えを否定するのはおかしいだろ。大切なのはそういう考えを持つ人を偏見せず理解してやることだからな」
「なるほど。流石は木下さんとその弟君と付き合っているだけはあるね。君とは仲良くなれそうな気がしてくるよ」
「それはどうも」
俺と久保はどうやら似た者同士な気がする。
「ほら美春。くだらないことで騒いでないで自分の学習室に戻りなさい」
「くだらなくなんかありません!美春はお姉さまを愛しているんです!性別なんて関係ありません!お姉さま、美春はお姉さまのことが本当にー」
「はいはい。ウチにそんな趣味はないからね」
依然収まりそうにない清水さんを島田さんが学習室の外に追いやる。ようやく静かになったか
「・・・・・・性別なんか、関係ない、か・・・・・・」
久保は妙に思い詰めた表情をして先程の清水さんの捨て台詞を反芻していた。
「ブルッ!?」
「どうした明久?」
「いや、なんか久保君を見てると鳥肌が立って・・・・・・」
「それはお前が正常な証だ明久」
前にアランから聞いたが久保は明久の事が好きだって言ってたな。久保は清水さんと違ってそんな暴走する危険はないから問題ないか
「性別なんか関係ない、ですか・・・・・・」
「うんだからって明久と雄二を交互に見てやらないで。明久は普通に女の子が好きだからな」
「そうだよ。キミは誤解をしているよ?知っての通り僕は《姫路さん》《が好き》なんだってちょっと!?」
「あ、明久君。それは本当なんですか?(////)」
あ~あ。これはもう取り返しがつかないか
「ご、誤解をしないで姫路さん!僕は姫路さんの《特に》《お尻が好き》なんだーってこれだと余計に誤解を招くよね!?ムッツリーニと工藤さん、とにかくその機械をこったに渡しなさい!僕を取り巻く環境が変わらないうちに!」
「明久、もう手遅れな気がするんだが」
「あ、明久君・・・・・・。私はどんな返事をしたらいいのでしょうか・・・・・・?」
「しまった!もう手遅れ!?こうなったら、《久保君》《雄二と》《交互に》《お尻を見せて》違う!どうしてこんな場面で久保君のお尻を見る必要があるのさ!」
「吉井君。そういうのは少々困る。物事には順序がある」
「わかってる!順序云々の前に人として間違っていることを!」
「いやそこは久保が合成した音声を間違って聞いてるのに気づくべきだが」
「アキ、アンタやっぱり、女より男の方が・・・・・・」
「だからどうして皆僕をソッチの人にしようとするの!?落ち着いて僕の話を聞いてよ!」
結局この騒ぎは鉄人先生が怒鳴り込んでくるまで続いたのであった。
「秀吉。この学園にいる人って性に対する感性がかなりズレてるような気がするんだが」
「うむ。それはワシにもわからんのう」
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