強化合宿最終日の夜
俺達は
雄二が作成したフィールドの科目は偶然にも俺とアランの得意科目である現国。そして互いの点数が表示される
『何いぃぃぃー!?』
『東條が600点だと!?』
『これは最早Aクラスどころか教師に匹敵するぞ!』
『如月も東條に次いでかなりの点を取ってるじゃないか!』
俺とアランの点数を見て外野は驚いている一方、高橋先生は冷静なままで俺達を見つめる
「まさか、あなたがここまでの点を取るとは正直驚いていますが、私の敵ではありません」
「随分な言われようだね斗真」
「そうだな。だが俺達はここで負けるわけにはいかねぇんだよ!」
俺とアランは高橋先生の召喚獣へ向け攻撃を仕掛ける。
「闇雲に突進しても無駄です」
そう言いながら高橋先生は召喚獣を前に出し、武器である鞭を俺の召喚獣へ当てようとするが
「アラン!」
「オーケー」
隣にいたアランの召喚獣が躱すと、俺はその攻撃をそのまま受ける
俺の点数はかなり減ったが、それは承知している。なぜなら
ガシ
「なっ!?」
「これが狙いだったんですよ先生」
俺の召喚獣は鞭をその場で掴み、動きを封じ込めると
「アラン。がら空きになっている今がチャンスだ!」
「了解」
アランに攻撃するよう指示を出し、高橋先生は武器を封じられたことによってダメージを受ける。
チッ!まだ700点代か。だが武器を封じていれば高橋先生は動けない今がチャンスだ。
「そうはさせませんよ」
「っ!しまった!」
すると一瞬の隙をつき高橋先生の召喚獣は鞭を思いっきり引っ張り、俺の召喚獣から剥がす。
(どうするアラン?同じ手は通じない以上。腕輪の能力を使うしかなさそうだが)
(僕もそう思ってたところだ。仕方ない、次は僕が高橋先生の動きを封じるから斗真はその隙に仕掛けてくれ)
(任せろ)
俺とアランは高橋先生に聞こえないよう小声で話し合った後すぐに戦闘を再開する。
「アラン!」
「了解!」
俺とアランの召喚獣に付いている腕輪が光ると
「行きますよ」
アランは高橋先生に特攻を仕掛ける。
「自ら殺られにいくとは、愚かな判断ですね」
高橋先生はアランに鞭を当てるが
「それはどうですかな?」
ヒュッ
「!?」
アランの召喚獣はまるで攻撃を仕掛ける方向が分かっているかのように躱す。
「まぐれはそう続きませんよ!」
そこから更に攻撃をしていくが、それらは尽く躱されてしまう。すると何かを思い出したのか、攻撃を中止し動きを止める。
「なるほど。あなたの腕輪の能力は『予知』でしたね。まさかここまで恐ろしいものとはー」
「ようやく思い出しましたね高橋先生。でも僕はただの囮ですよ。肝心の斗真を忘れてはいませんか?」
「まさか!?」
「ええ。頭上をご覧ください」
高橋先生が天井を見るとそこには雨雲が発生しておりそれをみた先生はというと
「これがあなた達の狙いだったのですね?」
「そういうことです。斗真!」
「ああ!」
そして俺は自ら作った雨雲から雷を発生させ高橋先生に落としていくが
「クッ!」
高橋先生はそれを咄嗟に躱すが微かに当たってしまい点数を減らすのに成功した。
「マジかよ!?」
「やはり点数が高いだけになかなか減らせないようだね」
「その通りです。見たところ、お二人にはもう策は尽きたみたいですね?ではここで決めさせていただきます」
こうなったら
「アラン。もうコイツを使うしかないみたいだ」
俺はポケットからあるものを出し右腕に付ける
「ちょっと待て斗真!何でそれをお前が持っているんだ!?」
「斗真。それは確かー」
「ああ。昼休みにババアから貰った腕輪だ。ババア曰く明久が持ってる二重召喚用のプロトタイプだ」
「って!あのババアここに来てたのか!?お前貰ったんなら先にそれを言えよ!」
「二人とも、先生の前でよく学園長をババアって言えるね」
「どうやらアナタ達には後でじっくりと話し合う必要があるみたいですね」
高橋先生は顔を曇らせると眼鏡を上げ、後で俺と雄二に指導しようとしているが
「そう簡単に指導されてたまるか!行くぞ
俺が起動する為のキーワードを唱えると、俺の召喚獣は二体に分裂しそれぞれ白と黒のコートを着た俺をデフォルメとした召喚獣が現れる。
「行くぜオラァ!」
俺は二体の召喚獣を操作し高橋先生の召喚獣に攻撃をする。
「僕も行くよ!」
アランも俺に加勢するかのように攻撃をしていく
「まさかそんな切り札を隠していましたとは・・・・・・!」
流石に高橋先生と言えど一気に三体の召喚獣を相手にするのは難しかったか。的が一向に絞れず、攻撃を受け続けていき減らされていくが、俺とアランもそれなりに点数を減らされてしまう。
「よし、後少しだ!ここで決めるぞ!」
「高橋先生。申し訳ありませんが、決めさせてもらいます」
更に攻撃をしていき高橋先生は防戦するが抑えきれず
点数は二桁台にまで減らされ、もう終わったと思った瞬間
バリバリバリ!
「え?」
すると俺が付けていた腕輪から電流が迸ると同時に召喚していた副獣が消えてしまった。
「しまった!時間切れか!」
俺が使ってるプロトタイプの腕輪は明久のとは違い制限時間があり、それを過ぎてしまった為一体だけになってしまった。
「どうやらアナタはここまでのようですね」
「クッ!」
「まだ諦めちゃダメだ斗真!高橋先生の点数も二桁台になったこの好機を逃してしまったら、科目を変えられてしまって振り出しに戻ってしまうよ」
「分かってる!ここはもう玉砕覚悟で行くぞ!」
俺とアランの召喚獣は攻撃を仕掛け、高橋先生も鞭を振りかざし
ヒュッ
「アラン!」
「了解!」
アランは予知でそれを躱し、高橋先生の召喚獣に攻撃を当てるが微かに鞭が当たってダメージを受けてしまい
アランの召喚獣は点数がなくなり消滅してしまう。
「ごめん斗真」
「いやここまで行けたんだ。後は俺に任せろ」
「すまない」
「如月君がいなくなった以上あなたはここまでのようですね」
高橋先生の召喚獣は鞭を俺の召喚獣へ向け攻撃を仕掛けようとするが
「先生。相手は俺とアランだけじゃありませんよ」
「?それは一体ー」
ズバァ!
すると高橋先生の召喚獣は後ろから攻撃を受け点数がなくなり消滅してしまった。
「!?一体何が・・・・・・!?」
「先生。後ろを見てください」
「ーあなたは!?」
「・・・・・・よくやったな秀吉」
「うむ。不意討ちするのは行け好かんが、これも勝利するためじゃからの」
そう高橋先生に止めを刺したのは秀吉の召喚獣だ。実はこれが最後の作戦で、高橋先生が俺達の相手をして夢中になっている間。秀吉は俺の後ろで控えてもらっており、隙を見つけたら攻撃するよう言っておいたのだ。
「先生。やり方はあれですが俺達の勝利で構いませんよね?」
「ええ。仕方ありませんね」
「よっしゃぁぁ!やったな秀吉!」
「うむ!斗真の作戦が上手くいったから斗真の手柄じゃ」
俺と秀吉はその場でハイタッチをすると
『皆今のうちだ!』
『東條達が高橋先生を倒したぞー!』
『マジか!?あの才女を破るなんざどんだけすげえヤツなんだあいつは!?』
『とにかく高橋先生が破れた今突き進むんだー!』
『おお~‼』
それを見ていた男子達が一斉に女子風呂へと進軍していきここに残ったのは俺と秀吉にアラン、そして突破されてしまい悔しそうにしている女子のみだ。
「まさか秀吉が三桁台まで点数を取れるようになったとは思わなかったよ」
「これも一重に斗真がワシに勉強を教えてくれたお陰じゃ。斗真にあそこまで教わった以上不甲斐ない結果を出すわけにはいかんかったからの」
「それに恋人の前で不様な結果を出すわけにはいかないしね」
「う、うむ・・・・・・。そう言われるとなんだか恥ずかしいのじゃ(////)」
アランの言ったことに対し顔を赤らめていく秀吉
「だったら今度は古典を教えてやろうか?」
「いや、もう勉強はこりごりじゃから遠慮しとくぞい」
秀吉は俺の善意を即座に断った。
「お前なぁ。ま、秀吉は演劇一筋だし仕方ないか。っとそうだった。秀吉、悪いけど先に女子風呂まで行っててくれないか?」
「うむ?別に構わぬがなぜなのじゃ?」
「さっき明久に渡したアレを回収して欲しいんだ。俺の予想だとおそらく真犯人はこの状況を黙って見過ごすわけがないから、明久が女子風呂に入る際攻撃を仕掛けると思ってアレを渡したんだ。後は明久が上手くいってくれるといいが」
「女子風呂にはカメラが仕掛けられているって工藤さんが言ってたから、それも回収して教師に渡しておかないといけないからね」
「そういうことじゃったか。了解した。今から取りに行ってくるからここで待っておいてくれ」
そう言いながら秀吉は女子風呂の方へと進んでいき、
「ところで斗真。君はこの後どうするつもりかな?」
「俺は元から覗きに行く気はねぇよ。あくまでも狙いは明久達を脅迫し冤罪を被せた真犯人を捕まえることだからな。秀吉に任せた以上後は待つだけさ」
「そうだね。でも吉井君はさっき女子風呂を覗きたいって行ってたから本来の目的を忘れてそのまま覗いてしまうんじゃないかい?」
「大丈夫だアラン。この状況でのんきに女子風呂に入ってるのはあの人だけだ。明久達には悪いが合宿初日の怨みも兼ねて一回地獄を見てもらったほうがいいしな」
「・・・・・・そうだね。ってことは僕達男子は全員纏めて処分されるね」
「ああ。でも悪かったなアラン。こんな下らない事に協力してくれただけじゃなくとばっちりを受けてしまうことになって」
「別に構わないよ。濡れ衣着せられた人達を見過ごすなんて真似はしたくないからこれくらいは当然さ。それに女子達だって事情を話しておけばきっとわかってくれるよ」
「だといいけどな。じゃあアラン。後は俺に任せて、お前は部屋に戻ってゆっくりしてるといいよ」
「そうだね。それじゃあ斗真、今度会うとしたら再来週になるからその時はよろしくね」
そういったアランは自分の部屋へ戻っていき、俺は秀吉を待っていると
「・・・・・・斗真」
「ん?どうしたんだ優子」
優子が悲しそうな顔をしながら俺に近づき
「・・・・・・斗真。吉井君が言ってたように女の子の裸が見たいの?」
優子は悲しそうな目で俺を見てくる
そんな目で見られた俺は・・・・
ギュッ
「えっ?ちょっと斗真何を・・・」
その場で優子を抱き締め思いを告げる
「俺が好きなのは優子と秀吉の二人だけだ。確かに覗きなんて馬鹿な真似してしまったが、俺が見たいのは優子と秀吉の裸だけだ。他の女子には興味なんてないよ」
「ばっ・・・・馬鹿。皆が見てる前で言わないでよ。は・・・・・・恥ずかしいじゃない(////)」
「東條君・・・・・・。大胆ですね」
「・・・・・・私もいつか雄二にそんな台詞言われたい」
姫路さんと霧島さんが顔を赤くし俺に抱きしめられ顔を真っ赤にしてる優子を見ているが俺は全く気にしてなかった。
「それにー」
「それに?」
『割りに合わねぇーっっ‼』
「覗き騒動を繰り返して、いつ男子に自分の裸が見られるかわからない状況で、風呂入りたがる女子がいない上それを知ったあの婆さんが浴場を一人占めしているのを知ってたら覗きに行ける訳ないだろ」
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