バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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三日振りの更新です。最近疲れが激しく中々書けませんができる限りやっていきますのでよろしくお願いします。


第六問 工作

「失敗もいいところだカス野郎」

 

「坂本君、失敗てどういうことですか?」

 

戻ってきたFクラスの教室で雄二の席に集まった俺達は先程の件についての反省会をしており。

明久と島田さんがやらかした為。Dクラス戦の用意をしに行っていた雄二が呆れていた。

 

「どうもこうもあるか。このバカが最後に逃げ出してくれたおかげで、やってきたことが全て台無しだ。あんなモンを見て島田と明久が付き合っていると思うヤツなんているわけがない」

 

雄二は台本を丸めて明久の頭を叩く

 

「まあそう怒るなよ雄二。姫路さんと一緒に戻ってくることは確かにアウトだが。度々明久に関節技を掛けていた島田さんにも非はあったんだしさ」

 

「そうは言うがな斗真。あのバカがやらかした所為で折角の作戦がパァになったんだ。それをどう挽回しろって言うんだよ」

 

「そうじゃな。せめてもの救いは、島田が明久に好意があるという様子を見せたことじゃが・・・・・・それだけでは恐らく清水を動かすには不十分じゃろうな」

 

俺の隣にいる秀吉も溜め息をつく。雄二だけじゃなく、秀吉も言っているから嘘ではすまない。

 

「オマケにもう一度トライしようにも、島田はあの調子な上にお前は姫路と一緒に仲良く帰ってくるときたもんだ」

 

雄二の言う通り、明久はあの後島田さんに痛めつけられた関節を戻す為に保健室に向かっていった。それ事態は別におかしくはないが、それを見た島田さんは自分の所為で明久はああなったのに気付かず、自分じゃなく姫路さんを優先したと勘違いして怒っているのだ。

何より決定的なのは、保健室に向かった後、明久が姫路さんと仲良く教室に戻ってきたことによってますます島田さんはヒートアップして今に至ることに

 

「ご、ごめんなさい。私と明久君が一緒に戻ってくるなんて、美波ちゃんと明久君が付き合っているのならおかしいですよね・・・・・・」

 

「まぁ、それはクラスメイトなのじゃからそこまで不自然ではないのじゃが・・・・・・。明久が島田を放置していった後で一緒に戻ってくるという状況がマズいのじゃ。周りにどう思われるか、ではなく島田に対してじゃがな」

 

「教室に戻ってくる際、明久と姫路さんは仲良さそうに戻ってきて、それを見た島田さんはプライドが傷付いたからな。ああなった以上、島田さんの怒りが治まるまで待つしかないが、あの様子だとしばらくは時間が掛かるよ」

 

「とりあえず、明久は島田に詫びの一つでも入れておいたほうがいいな」

 

雄二が顎で島田さんを示す。

 

「そうだね。ちょっと行ってくるよ」

 

明久は立ち上がると、島田さんの席に向かう。

まあ、島田さんが原因を作ったとはいえ、一応協力してくれたことに変わりはない。そんな中でも島田さんを責めず自分が悪いと自覚するなんて明久は本当女子には甘いな。

 

「あのさ、美波」

 

「・・・・・・何?」

 

島田さんは不機嫌そうに返事をする。

 

「その、さっきはごめん」

 

明久はその場で頭を下げるが

 

「もうアンタなんか知らない。瑞希と仲良くやっていればいいじゃない」

 

「いや、姫路さんとは途中で会っただけで」

 

「言い訳なんて聞きたくない」

 

「あぅ・・・・・・」

 

「やっぱり許してくれそうにないか」

 

「そうじゃな。明久は本当に気の毒じゃな」

 

それでも明久は引き下がらず話をする。

 

「でもこのままだと本当に姫路さんがー」

 

「・・・・・・瑞希、瑞希って、アンタはいつもいつも・・・・・・」

 

「み、美波?」

 

「どうして瑞希ばっかりいつもお姫様扱いなのよ!じゃあウチはなんなの!?男だとでも思ってるの!?どうしてウチにはいつもそんな態度なのよ!」

 

島田さんが今までみたことないような剣幕で一息にまくしたてた。

 

「べ、別にそんなつもりは!」

 

「瑞希が転校させられそうになったら、ウチが瑞希の両親に話をしに行くわ。だから、もう話かけないで。アンタの顔なんて見たくない」

 

そう言い捨てると、島田はまたそっぽを向いてしまうのであった。

 

「ごめん。悪かったよ」

 

明久はもう一度頭を下げ、こっちに戻ってくる。

 

「やっちまったな明久」

 

「完全に怒らせちゃったよ・・・・・・」

 

「そのようじゃな」

 

「ごめんなさい。私も後で美波ちゃんに謝っておきますから・・・・・・」

 

「・・・・・・それは時間を置いてからにしたほうがいい」

 

「うむ。ムッツリーニの言う通りじゃ。今の島田には明久や姫路が下手なことをいえば逆効果になりかねんからの」

 

「お前は何も間違ったことはしていないから気にするな」

 

「ありがとう斗真」

 

「やれやれ・・・・・・。明久、ほとぼりが冷めたら、後できっちりフォローしておけよ」

 

「うん。そうするよ」

 

仕方ないけど島田さんについては後だ。今はDクラスを何とかしないとな

 

「それならその話は置いといて、だ。とにかく、このままだといつまで待ってもDクラスからの宣戦布告はないだろう。こっちから状況を動かす必要がある」

 

今は頭を切り替えて、Dクラスから宣戦布告されるように行動をしないといけない。雄二の表情はいつになく硬いから今の状況は相当切羽詰まってるのは間違いないないだろう。

 

「ムッツリーニ。Bクラスの様子はどうだった?」

 

「・・・・・・・・・・現在、七割程度の補充を完了。一部では開戦の用意を始めている」

 

「そうか。予想よりも早いな。向こうも本気ってことか」

 

「・・・・・・・・・・休み時間もずっと補充をしていた」

 

「ってことは、宣戦布告されるのも時間の問題だな。優子達がAクラスがBクラスに対する戦争の準備が出来てるフリをしてくれてもただの悪あがきにしかならないが、どうする雄二?このままだと俺達はもう後がないぞ」

 

「まずはDクラスに仕掛ける前に時間を掛ける必要があるな。ムッツリーニ、悪いが須川たちと協力してBクラスに偽情報を流してくれ」

 

「・・・・・・・・・・内容は?」

 

「Dクラスが試召戦争の準備を始めているって感じで頼む。その狙いがBクラスだということも」

 

「・・・・・・・・・・了解」

 

「これで少しは時間が稼げるか」

 

「ああ。Dクラスに狙われていると知れば、Bクラスは連戦を避けたいと考えるだろうからな。俺たちへの宣戦布告も躊躇うはずだ」

 

Dクラスから狙われていると知れば俺達に宣戦布告をすると連戦になり、そうなればBクラスはDクラスを様子見するってところだ。場合によっては俺達に向けていた戦争準備をそのままDクラスに費やする必要があるからBクラスは動き辛くなるってところだ。

 

「本当はCクラスが狙っているという話にしたいところだけどな」

 

「Cクラスは前の試召戦争でAクラスに負けてるもんね」

 

生憎Cクラスは俺達と同じで試召戦争を申し込む権利がない。

 

「んでムッツリーニ。ある程度偽情報の流布が終わったらそっちは須川に一任してくれ。お前には更に他のことをやってもらいたい」

 

「・・・・・・・・・・わかった」

 

ムッツリーニは静かに告げると、須川達のいるところへ向かっていった。須川は前にも放送を使ったら情報操作をしていたし、上手くやってくれるに違いない。

 

「さて。次は秀吉だな」

 

「む。なんじゃ?」

 

「お前にはDクラスの清水を交渉のテーブルに引っ張り出してもらいたいんだが、頼めるか?」

 

「それは構わんが・・・・・・交渉と言ってもどうするつもりじゃ?」

 

「どうするつもりも何も、こっちの目的は一つだ。清水を挑発して、敵意を煽る。向こうが乗ってきたら成功、そうでなければ失敗。それだけだ」

 

清水さんは今のDクラスの要である為、交渉するにはどうしても必要不可欠な存在だ。

 

「ふむ。清水を引っ張り出しての交渉となると・・・・・・その場に島田も連れて行く必要があるのじゃろう?」

 

「ああ。その方がより確実に挑発できるからな。下手に同席させると逆効果になることも充分考えられるが、その辺は俺がうまくやろう」

 

予め様子を見てみると、島田さんはさっきと同じポーズをとりながらそっぽを向いている。背中からしか見えないが怒っているのは間違いない。

 

「うむ。ならば、そちらもなんとかしておこう。機嫌を戻すのは無理じゃろうが、交渉に同席してくれるように頼むくらいは可能じゃろ」

 

「そうしてもらえると助かる。今の島田のところに明久や姫路を向かわせるわけにはいかないからな」

 

「雄二。島田さんについては俺に任せてくれないか?今の状態じゃおそらく失敗しそうな気がするから俺が何とか説得してみせるよ」

 

「けどよ斗真。あの様子だととても話を聞いてくれそうにないが」

 

「大丈夫。こっちには考えがあるから任せといて」

 

「・・・・・・わかった。島田についてはお前に一任するが、言ったからにはしっかりしておけよ」

 

「了解」

 

俺はその場を立ち上がると、島田さんの元に向かおうとする直前に雄二にある頼みをする。

 

「ああそうだ雄二。もしムッツリーニが戻ってきたら、あることを調べて欲しいって伝えてくれないか?」

 

「あること?」

 

「ああ。それはー」

 

ボソボソ

 

「ーってわけだ」

 

「わかった。ムッツリーニにはそう伝えておこう。じゃあ斗真、秀吉。後は任せたぞ」

 

「OK」

 

「心得た。交渉の場は空き教室、時刻は放課後すぐで良いか?」

 

「それでいい。そのくらいの時間までならBクラスの宣戦布告を遅らせることができるはずだからな」

 

そうして俺達は別れ、それぞれの行動に移る。

 

 

 

 

 

「島田さん。ちょっと話があるけどいいかな?」

 

「何よ。またアキと演技をして欲しいって言うの?言っとくけどウチはー」

 

「いや、そうじゃなくて。ここでは何だから、場所を変えて話を聞いてくれないかな?」

 

「・・・・・・何をするつもりなの?」

 

「別に大した話じゃないから安心して」

 

「・・・・・・わかったわ」

 

「ありがとう。じゃあ、ちょっと移動しますか(チラッ)」

 

そして俺は島田さんと一緒に他の教室へ向かおうとする直前に明久達を見てみると

 

「捨てないで!捨てないで雄二!」

 

アイツらは何を話してたのか気になるが、今は島田さんを優先するか

 

 

 

 

 

「よし、ここなら問題ないか」

 

今俺と島田さんは屋上に来ており、ここの盗聴器はムッツリーニに外して貰っている為清水さんに聞かれる心配はない。

 

「で、話って何よ?」

 

「ああ。それなんだけど、単刀直入に聞くよ・・・・・・。明久のことをどう思ってるんだい?」

 

「ど、どうって、アキのことは別になんとも思ってないわ!アキはウチの思いを無視してはウチを女として見てくれない最低なヤツよ!」

 

「はあ、どうやらさっきの演技の際、何で明久が姫路さんの後を追ったか分かるか?」

 

「そ、それはアキがウチより瑞希を優先したからに決まってるでしょ!ウチは何も悪いことはー」

 

ガシ、グググ(島田さんの腕を掴み、軽く力を入れる)

 

「い、痛い、痛いってば!いきなり何するのよ!?」

 

俺から手を離す島田さん

 

「これがさっき明久が君から離れた原因だよ島田さん。君は無意識にやっていて気付かなかったかもしれないけど、あの時明久は君を気遣って痛みを堪えてたんだ。姫路さんが行った後、明久は姫路さんを追いかけたんじゃなくて君にやられた腕が危なかったから保健室に向かっただけだ」

 

「な!?」

 

俺から明久が離れた理由を聞き驚く島田さん

 

「この際言わせてもらうけどね島田さん。君と姫路さんとの決定的な違いはちょっとのことですぐに手を出すかどうかだ。姫路さんも最近はFクラスの影響を受けているからアレだけど、君は明久が自分にとって気に食わない事をしただけで即座に暴力を振るっている。そこを直さない限り、明久は君を一人の女の子として見てくれないよ」

 

「う、うるさい!アンタにウチの何がわかるって言うのよ!それらは全部アキが悪い決まっでしょ!ウチは何もー」

 

「・・・・・・ここまで言ってもわからないのかい島田さん。今起きようとしている試召戦争だって君が引き起こしたんだよ」

 

「う、ウチが原因だって!?」

 

「さっき姫路さんから聞いたけど、彼女は今朝明久に会ってすぐにちゃんと謝ったよ。にも関わらず島田さんは明久に謝りもせずその場で思い込みでキスをしたそうじゃないか」

 

「あ、アレはアキがウチに誤解を招くメールを送ったからウチは思い込んでただけよ。ウチは何もー」

 

 

「けど、それが原因で明久はFクラスのバカ共から酷い目に遭わされた上危うく死ぬところだったんだ。それに君が清水さんをちゃんと説得せずそのままにしたから、他の皆も本来ならやる必要のない戦争を強いられている羽目になったんだよ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「ここまで言えば分かるかな島田さん。これ以上俺から話すことは何もないが、放課後に清水さんと交渉をするから君は何をするか分かってるよね?」

 

「・・・・・・ウチに何をしろっていうのよ」

 

「別に大したことじゃないよ。ただ、その場で清水さんを焚き付けてほしいだけだ」

 

「・・・・・・わかったわ。それとアキには後でちゃんと謝るから」

 

「最初からそうしておけよ。ったく、柄にもないことをしてしまったか」

 

その後島田さんを屋上に残して俺は校舎の中に入っていくのであった。

 

 

 

 

「・・・・・・ん?何やってるんだ二人とも?」

 

調理室の前に明久と雄二が立ってたので、話を聞いてみることに

 

「二人とも。調理室の前に立ってるけど何をしているんだ?」

 

「ああ斗真。実は姫路さんにゼリーを作ってもらっているんだけどね」

 

「・・・・・・一体何のつもりだ明久。姫路さんの作る料理は殺人兵器に匹敵するんだが」

 

「それについては俺が姫路に作ってもらうよう頼んだんだよ。明久に何か作ってやれって言ってな。勿論化学薬品は置いてないから安心しろ」

 

「一応聞くけど、雄二。それを何に使うつもりなんだ?」

 

「それについては後で説明する。今は何がなんでも時間を稼がないといけないからな。お前の方はどうなったんだ?」

 

「多少強引な手を使ったが、島田さんは放課後の交渉には行くって言ってたから安心しろ」

 

「そうか。すまねえな斗真。お陰で作戦はうまくいけそうだ」

 

「ところで、俺にも中の様子を見せてもらっていいかな?」

 

「うん。いいよ」

 

調理室の扉を軽く開けて中を見てみると、姫路さんが料理をしており、不審な点は見当たらなかった。

 

「どうやら、特に心配する必要はないな」

 

「そうだね。良かったあーこれで救急車を呼ぶ手間が省けたよ」

 

「大袈裟だな明久。そこまでしなくてもー」

 

すると

 

『えーっと・・・・・・まずは、ココアの粉末をコーンポタージュで溶いてー』

 

「「「・・・・・・・・・・」」」

 

いきなり信じられない言葉が出てきて沈黙する俺達

 

(ねぇ二人とも!彼女は何を作っているの!?いきなりゼリーから遠く離れた何かになっているような気がするんだけど!)

 

(寧ろ何をどう考えたらあんな手順に行き着くんだよ)

 

(静かにしろお前ら。姫路に見つかるぞ)

 

俺の中の料理という概念を姫路さんは覆そうとしている。なんて恐ろしい子なんだ姫路さんは

 

『オレンジと長ネギ、どっちを入れると明久君は喜んでくれるでしょうか・・・・・・?』

 

(迷わない!その二つの選択肢は迷わないよ姫路さん!)

 

(何でゼリーに長ネギを加える必要があるのか気になるが)

 

(恐らく貧弱な食生活を送るお前の為に栄養価に重点を置いた特別料理を作ろうとしているんだろうな。・・・・・・味を度外視して)

 

(そんな!?気を遣わないで普通でいいのに!?)

 

(どうやら俺達の想像を遥かに上回る何かを作っているのは確かだ)

 

『後は隠し味にタバー』

 

ビシャ(扉を閉める音)

 

(どうやらここまでだな)

 

(これ以上は聞くな明久。食えなくなるぞ)

 

(待って!せめて最後に入れられたのが『タバコ』なのか『タバスコ』なのかだけでも確認させてよ!)

 

(明久。おそらくそれは『タバスコ』だ。このご時世で未成年が『タバコ』を購入できるわけないから間違いないよ)

 

(あ、そうだね。ってそれどころじゃないよ!これ以上ヤバいことになればー)

 

(あまり時間もない。我が儘を言うな)

 

(僕の命に関わるんだけど!?)

 

明久の必死の抵抗も虚しく、雄二に首根っこを掴まれズルズルと引き摺られていくのであった。

 

(雄二。俺は教室に戻っておくよ)

 

(ああ。俺と明久は新校舎で準備をしてないってアピールをしてくるからそっちは任せたぞ)

 

(了解)

 

俺は明久達と別れた後、次の作戦に向けて教室に戻るのであった。




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