バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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自身の文才やギャグのセンスの無さにガッカリして、この先続けられるか分かりませんが、よろしくお願いします。


第二問 異変

『吉井。保健室に行ってきなさい』

 

この台詞を聞いたのは、今日で七回目かな。

 

「まったく、皆失礼だなあ・・・・・・」

 

「それだけお前が普通に授業を受けてるのがおかしいってことだよ」

 

「ちょっと!?それは一体どういうこと!?」

 

『吉井。静かにしなさい』

 

「あっ、すみません」

 

いつも授業をまともに受けていない明久を見ている教師達からしてみれば、明久がこうもノートを取ってるところを見れば疑問に思うのも当たり前だ。明久、一体お前に何があったんだ。

俺が疑問に思っている中、四時間目の授業が終わり、昼休みに入ると島田さんがこちらに近づいてきた。

 

「アキ、何かあったの?朝から様子が変みたいだけど」

 

島田さんが明久に何があったか尋ねると

 

「別になんでもないよ。ちょっと真面目に勉強に取り組もうと思っただけで」

 

「普段勉強をサボっているお前がそんな台詞を言うなんておかしすぎるだろうが」

 

「アキ。おでこ出しなさい。今熱を測るから」

 

「だからどうして皆似たようなリアクションを取るんだろう・・・・・・?」

 

どうしてって、普段の明久からは想像がつかないことをしているからに決まってるだろうが。今朝何があったかわからないけど、雄二には泊めてもらうよう変なメールを送ったり、普段は寝てばかりいる授業を真面目に受けていたら疑問に思うのは当然だ。

島田さんがおでこに手を当てて、熱を測ろうとすると

 

「って、これはダメだっ!」

 

「きゃっ」

 

突然、明久が飛び退き、島田さんが小さな悲鳴を上げる。

 

「明久。何やってんだよ」

 

「こらっ!何よそのリアクションは!折角人が心配して熱を測って上げようとしたのに!」

 

「ご、ごめん!色々と事情があるんだ!」

 

明久がここまで慌てるとなると、おそらく、俺達には言えない何かを隠しているな。一体何を隠してるやら

 

「事情?何よそれ?」

 

明久の思惑に気づかず、島田さんは明久に疑わしげに視線を向ける。

 

「う・・・・・・。えっと・・・・・・。そ、それより、まずはお昼にしようよ!昼休みなんて短いんだからさ」

 

明久はよほど聞かれたくないからか、話を別の方向に持っていく為に話題を変えるが、持参した弁当を出した瞬間。

 

「え!?アキ、お弁当持っているなんて一体どうしたの!?」

 

「えぇっ!?明久君がお弁当を!?」

 

島田さんだけじゃなく、いつの間にかいた姫路さんも明久が弁当を持ってきたことに驚愕する。

 

「いや、何もそこまで驚かなくても・・・・・・僕だって人間なんだから、たまには栄養を摂らないと死んじゃうし」

 

「普段、水と塩だけで生きてきたお前が弁当持ってきたら驚くのは当然だろ。明久、ここ最近の間に何かあったのか?」

 

「そ、そんなわけないよ。僕だってたまには弁当の一つくらい持ってくるんだしさ」

 

「それはそうでしょうけど・・・・・・。でも、今日はいつもと違いませんか?」

 

「そうね。アキが食べるとしたら大抵は買ってきたお弁当なのに、今日は手作りみたいに見えるわね」

 

二人の言う通り、明久が弁当を持ってくる時はスーパーやコンビニ弁当が殆だが、今日持ってきた物は見たところ、手作り感満載の弁当だ。おそらくそれは家族に用意してもらったか自分で作ったかだ。

 

「明久君。どうして今日は手作りのお弁当なんですか?」

 

姫路さんは首を傾げて明久に訊くが

 

「そりゃあ。健康的な生活をぎそーじゃなかった。健康的な生活を送るためだよ」

 

「今『偽装』って言いかけたよな?」

 

「き、気のせいだよ。斗真」

 

どうやら、俺達には言えない何かを隠していると見て間違いなさそうだ。

 

「まさか、誰かに作ってもらったかしら?」

 

島田さんの目がスッと細くなり、明久に攻撃態勢を取ろうとする。別に明久が誰かに弁当を作ってもらっただけでそこまでする必要はないと思うが?

 

「一応、自分で作ったんだけど」

 

「へぇー。自分で作ってきたとはな。明久、それは本当か?」

 

「ほ、本当だってば斗真!僕が料理を作れるのは斗真だって知ってるでしょ!?」

 

「そう言えば、前に明久の家に秀吉と行ったときにご馳走になったな」

 

明久は一人暮らしをしてるから自炊はできて当たり前だったな。それに、明久の作る料理は俺の姉ちゃんにも負けず劣らずなくらい旨い。だが

 

「嘘ね」

 

「嘘ですね」

 

女子二人は全然信用してなかった。

 

「だって、アキに料理なんかできるわけがないもの。正直に言いなさい。誰かに作ってもらったんでしょう?」

 

「島田さん。明久はこれでも料理はできる方だから、そこまで疑わなくてもー」

 

「随分と上手なお弁当ですよね・・・・・・。明久君の周りでこんなに上手にお弁当を作れる人っていうと」

 

「坂本か土屋あるいは東條ね」

 

「二人とも俺の話を聞いてるか?。何か話が変な方向に進んでいってるんですけど・・・・・・。仕方ない。明久、お前から二人に何か言ってやれ」

 

「そうだね・・・・・・。二人の想像に任せるよ」

 

「待て明久。二人にそんな事言ったらー」

 

「想像通りってーーアキはもうそんなに汚れちゃってるの!?」

 

俺の予想通り、島田さんは変に誤解し始めてしまった。

 

「え!?待って!美波は僕で一体何を想像したの!?あと、どうして姫路さんは一瞬で顔が真っ赤になってるの!?」

 

どうやら二人は、明久が俺達と何らかの関係を築き上げてると思い込んでしまったようだ。俺からしたらいい迷惑なんだけど。

 

「そう言えば、今朝も坂本に『今夜は帰りたくない』なんてメールを送っていたわよね」

 

「そうですね。そうすると、やっぱり明久君と坂本君は・・・・・・」

 

「落ち着け二人とも、明久と雄二はそんな関係になってないぞ」

 

「・・・・・・やっぱり、雄二の浮気相手は吉井だった」

 

「え?霧島さん?いつからそこにいたの・・・・・・?」

 

「って霧島さん、いつの間に!?」

 

「・・・・・・ついさっき来たところ」

 

そこに立っていたのは、優子と同じAクラスにいる霧島さんだ。

 

「霧島さん。坂本君に何か用事ですか?」

 

姫路さんが霧島さんに尋ねる。

 

「(こくり)・・・・・・雄二にズボンを返すつもりだった」

 

霧島さんが腕に掛けているのは、見慣れた男子用の制服ズボン。今朝雄二が霧島さんに奪われたって言ってたから、それを返しにきたのかな?

それと霧島さんから物凄い殺気が漂っているように見える気がするんだが

 

「ん?翔子か?そうか。やっと制服を返す気になったんだな」

 

雄二が霧島さんの様子に気づかず、平和そうな顔をして近づくと

 

「・・・・・・浮気には、お仕置きが必要」

 

背筋が凍るほどの冷たい囁き声が聞こえた。それに対し、雄二はと言うと、霧島さんの前に立ってしまう。

 

「やれやれ。これでやっとまともな服装にーーん? なぜズボンを離さないんだ翔子?」

 

「・・・・・・雄二」

 

「なんだ」

 

「・・・・・・私は雄二に酷いことをしたくない」

 

「酷いことをしたくない?よくわからんが、それは良い心がけだな」

 

「・・・・・・だから、先に警告する」

 

「何を?」

 

「・・・・・・おとなしく、私にトランクスを頂戴」

 

ダッ(雄二 猛ダッシュ)

 

 

「あはは。雄二ってば、バカだなぁ」

 

「明久。お前も人のことは言えんぞ」

 

「へ?」

 

「あの、明久君」

 

「ん?何、姫路さん?」

 

「そのお弁当、食べるんですか?」

 

「うん。そりゃまあ、折角用意したんだし」

 

「そうですか・・・・・・。わかりました。それなら、食べ比べてみて下さい」

 

「食べ比べ?」

 

「はい。実はーー昨日作った特製クッキーが」

 

 

ダッ(明久 猛ダッシュ)

 

 

『ああっ、こら、アキ!きちんと坂本との関係について説明しなさいっ!』

 

『明久君!どうして食べないで走り出すんですか!坂本君のお弁当よりもきっと栄養豊富ですから食べてみて下さいっ!』

 

『・・・・・・雄二。二人で逃避行なんて、絶対に許さない』

 

女子三人は、その場から逃げ出した明久達を追って教室を出てしまった。

 

「ったく、あのバカ。変に誤魔化さず、正直に話せばこうならずに済んだのに」

 

「斗真。明久は一体何を隠しておるのじゃ?」

 

秀吉が俺に近づき、話しかけてくる。

 

「おそらく、俺達に言えない何かがあるのは間違いないよ。アイツがあんなに取り乱したり、急に真面目になったりするからにはそれしか考えられないからな」

 

「なるほどのう。明久があそこまで言わないのは、ワシらには話せない特別な事情があったのじゃな」

 

「とりあえず、俺達も昼飯を食べようか秀吉。そろそろ優子がこっちに来ると思うが」

 

 

ガラッ

 

 

「斗真。さっき、代表と瑞希が吉井君たちを追いかけて行ったけど、何かあったのかしら?」

 

教室の扉が開き、優子が入ってすぐに俺に先程のことについて聞いてきた。

 

「ああ。それに関しては明久が俺達に何か隠し事をしていてな。それを問い詰められて逃げ出したアイツを姫路さん達が追いかけて行ったんだよ」

 

「なるほどね。ねぇ斗真。折角の昼休みだから、一緒に昼食を摂りましょう?」

 

「それもそうだな。じゃあ秀吉、優子も来たんだし、三人で一緒に食べるとするか」

 

「うむ。今日の弁当は斗真が作ったのじゃったな」

 

今、秀吉が言ったように。俺は今日の朝、早起きしてすぐに俺と二人の分の弁当を作った。普段はコンビニで買うか、姉ちゃんが弁当を作ってくれているんだが、生憎姉ちゃんはある用事があって家にいないため、俺が弁当を作ったのだ。

 

「明久のと比べたら味は劣るかもしれんが、それなりの出来だから期待しとけよ」

 

「それはそれは、とても楽しみじゃわい」

 

「ほら、二人とも。アタシがここまで来たんだから、早く食べましょうよ」

 

「あ〜待て優子。ここじゃアレだから、場所を変えるぞ」

 

「え、どうして? ここで食べたらいいじゃないかしら?」

 

俺が場所を変えようと言った瞬間、優子は疑問を浮かべるが、俺がクイッと指差すと

 

ゴゴゴゴゴ!

 

Fクラスのバカ達が、今にも俺を殺そうと武器を構えている。

 

「・・・・・・というわけだ」

 

「そういうことね。じゃあ斗真、秀吉。場所を変えましょう」

 

「そうじゃな」

 

ギュッ

 

「え?何で二人とも、俺の手を握るんだ?」

 

「何でって?アタシ達付き合ってるでしょ。彼氏の手を握るくらい別におかしくないわよ」

 

「そういうことじゃ斗真。早く行かないと時間が勿体ないぞ」

 

「わかった。・・・・・・とりあえず、ダッシュするぞ」

 

「うむ、了解した」

 

「え?」

 

ダッ

 

俺は優子と秀吉の手を握った状態で教室から出てすぐにダッシュをし始めた。

 

「ちょっと斗真!?どうして走るのよ!?」

 

「あ~それはだな(チラッ)」

 

「うむ(チラッ)」

 

俺達三人が教室から抜け出すと

 

 

『総員、異端者東條を処刑せよ‼裏切り者には死をー!』

 

『裏切り者には死を~‼』

 

俺達三人が教室から出たその瞬間。Fクラスのバカどもは即座に異端審問会に変貌し、俺を殺そうと追いかけてきた。

 

「な、何よアレ!?どうしてアタシたちを追いかけて来るの!?」

 

「あ~優子。実を言うとだな。俺と秀吉以外の男子達は自分以外の男が女子と仲良くしているのを見つけたら何の躊躇いもなく殺そうとするヤツらなんだよ」

 

「そういうわけじゃから。ここはひとまず逃げるのが先じゃ」

 

「あーもう!本当にFクラスってバカばっかで、どうしようもないわよ!」

 

 

 

 

その後、異端審問会から逃げてる俺達は鉄人先生を見つけ、異端審問会の連中を任せた後。Aクラスの教室にて昼食を摂ることに

 

「ハァ、ハァ、ハァ。Fクラスのヤツらは鉄人先生に売り渡しておいたし、もう大丈夫だろう」

 

「そうじゃな。しかし、鉄人は何ゆえ明久と雄二を探しておったのじゃろうか?」

 

鉄人先生はFクラスのバカどもを担いで補習室に行く前に、俺に明久と雄二がどこに行ったか聞いてきたが。俺は全く知らないので、先生にはわからないと伝え、何があったか聞いてみると。

 

「鉄人先生曰く、アイツら、勝手に召喚獣を出していたらしくてな。本来は試召戦争か雑用しか使うことを許されない物を悪用したからって言ってたぞ」

 

「なるほど。そうじゃったか」

 

「でも聞いたところによると、吉井君が召喚獣を出した瞬間消えてしまったって西村先生は言ってたわね」

 

「おそらくそれはあのババアの仕業だろうな。大方メンテナンスか何かだと思うが」

 

「斗真。学園長をババァって呼ばないで」

 

「そうじゃぞ。見た目は最悪でも歴とした人間じゃからの」

 

「お前も充分失礼なことを言ってるぞ秀吉」

 

「す、すまぬ」

 

「ほら、もうアタシ達の邪魔をする人達はいないから、さっさと斗真の作ったお弁当を食べましょう」

 

「そうだった。アイツらに夢中になっていたからすっかり忘れてたよ」

 

「あそこのテーブルを使わせてもらうかのう」

 

俺達三人は端に置いてあった如何にも豪華なテーブルの上に持ってきた弁当を置き、椅子に座ってようやく弁当を食べれるかと思ったら

 

「東條君。よろしいでしょうか?」

 

「ん?高橋先生、俺に何か用ですか?」

 

食べようとする直前に、学年主任の高橋先生が俺に話し掛けてきた。

 

「学園長がアナタをお呼びしていましたのですぐに向かって下さい」

 

「ゲッ!?あのババア、まさかさっきの悪口でも聞こえてたのか。どんな地獄耳をしてるんだよ」

 

「そんなわけないでしょう。ほら、呼ばれているみたいだからさっさと行ってきなさいよ」

 

「斗真よ。先にお弁当を頂くぞい」

 

「ああ。ちょっと行ってくるよ」

 

 結局俺は三人で一緒に弁当を食べることができず、学園長室に行くことになってしまった。

 




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