バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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第七問 勉強会

食べ終えた料理を片付けた後。全員がリビングに集まり、姫路さんが今日の集まりの本題を切り出した。

 

「そろそろお勉強会を始めましょうか?」

 

「そうね。あまり帰りが遅くなっても困るし」

 

「それじゃあ。さっそく始めようかしら」

 

夕飯の仕度が早かったからか、現在の時刻はまだ七時。今から始めるとするか

 

「ならばワシも一緒に教えてもらうとするかの」

 

「・・・・・・・・・・同じく」

 

「得意科目に関してなら教えてやるよ」

 

Fクラスの面子とは思えない真面目な姿を見せる二人。これを鉄人先生が見たら驚くだろうな。

 

「そうだね。テスト前だからってわけじゃなくて、いつものように(、、、、、、、)勉強を始めようか」

 

明久は玲さんに勘繰られないよう発言に気を付けていた。普段は勉強してないって言ったらさっきみたいに理不尽な扱いをされるからな。

 

「皆さんでお勉強ですか。それなら良い物がありますよ」

 

「良い物?」

 

「はい。今日部屋を片付けていて見つけました。今持ってきますね」

 

なんだろう。物凄く嫌な予感がするんだが。

玲さんはリビングを出てすぐにあるものを持ってきてリビングに戻ってくる。

 

「参考書というのもなんですが、役に立つかもしれませんので」

 

玲さんが持ってきた本がテーブルの上に置かれ、見てみると

 

【女子高生 魅惑の大胆写真集】

 

「えっと・・・・・・。玲さん。これは一体・・・・・・」

 

「アキくんの部屋で見つけました」

 

「僕のトップシークレットがぁーーっ‼」

 

玲さんが持ってきたのは明久が隠し持っていたエロ本だ。

なんでこの人はそんなものを持ってきて見せびらかすんだ?そこまでして弟を苦しめたいのか。

 

「ちょっと待って下さい!それが一体勉強の何に役立つって言うのですか!?」

 

エロ本を見て驚いた優子が顔を赤らめながら聞くと

 

「保健体育の参考書としてどうぞ」

 

「どうぞ、じゃないっ! こんなもんが参考になるかーっ! あと僕の部屋に勝手に入ったね!? あんなに入らないでって言ったのに!」

 

「いいえ。昨日、確かにアキくんは部屋に入っていいと言いました」

 

「それってもしかして着替えを取りに行く時のこと!? あの時の会話はこれが目的だったのか! 陰湿卑劣迂遠な作戦なんだ!」

 

どうやら昨日の間に何かあったみたいだな。明久からしたらありがた迷惑なほかないもしれん。

 

「そ、それじゃあ、あくまでお勉強の参考書として・・・・・・」

 

「そ、そうね。ウチもちょっと勉強しておこうかな・・・・・・」

 

「姫路さんに美波!? 無理に姉さんのセクハラに付き合わなくてもいいんだよ!? というかお願いだから見ないで!」

 

明久は自身が隠し持っていたエロ本を女子に見られてしまい、いつも以上に慌てていた。まぁ、自分と親しい女の子にそんなものを見られたら取り乱すのは当然か。

 

「アキくん。ベッドの下に置いてあった参考書(、、、)も全て確認しましたが、あなたはバストサイズが大きく、かつヘアスタイルはポニーテールの女子という範囲を重点的に学習する傾向がありますね」

 

「冷静に考察を述べないで! いくら言い方を変えても取り繕ってくれてもそれが僕の趣味嗜好だってことがバレちゃうんだから!」

 

大きいバストとポニーテール。それは明らかに姫路さんと島田さんの特徴を捉えている。それをこんな形で知られるのは明久としては最悪だろうな。

 

「ポニーテール、ですか・・・・・・」

 

「大きなバスト、ね・・・・・・」

 

姫路さんと島田さんがお互いの一部をじっと見詰めている。アレはおそらく明久に見てもらう為にどうするか考えてるに違いない。

 

「お主ら、勉強は良いのか?」

 

「さっさと始めないと折角の時間が無駄になるぞ」

 

「そ、そうだね! 秀吉と斗真の言う通りだよ! さぁ勉強を始めるよ皆!」

 

明久は姫路さん達から本を取り上げて教科書を押し付ける。

 

「そ、そうですね。お勉強を始めましょうか。んしょ・・・・・・っと」

 

「み、瑞希っ! どうして急に髪を纏め始めるのよっ!?」

 

「べ、別に深い意味はありませんよ? ただ、お勉強の邪魔になるかと思って」

 

(なぁ優子。姫路さんはひょっとして・・・・・・)

 

(多分、髪をポニーテールにして吉井君にアピールしようとしているわ)

 

(姫路は明久に関すると本当に単純になるのう)

 

「それならウチがやってあげるわ! お団子でいいわよねっ!」

 

「い、いえ。 ポニーテールにしたいと」

 

「ダメっ! お団子なの!」

 

「美波ちゃん、意地悪です・・・・・・」

 

島田さんが姫路さんの後ろに回って髪をお団子にくくった。島田さんはただ姫路さんが明久を惹き付けようとするのを妨害したかっただけだが。

 

「ところでムッツリーニはどうしたのじゃ? 随分とおとなしいようじゃが」

 

「あ。そういえば」

 

「・・・・・・・・・・(キョロキョロ)」

 

「? どうしたのムッツリーニ?」

 

ムッツリーニは玲さんが持ってきたエロ本には興味を示さず、何かを捜すように辺りを見回していた。

 

「・・・・・・・・・・明久」

 

「ん?」

 

「・・・・・・・・・・あと1999冊は?」

 

「えぇっ!? 2000冊以上のエロ本って話を本気にしてたの!?」

 

「そんな話。嘘に決まってるだろうが。まさか明久が本当に持ってると思ってたのか」

 

ムッツリーニは未だに明久が2000冊以上のエロ本を持ってるって本気にしてたみたいだ。

 

「・・・・・・・・・・エロ本に興味はない」

 

台詞とは裏腹に、ムッツリーニはしょんぼりと肩を落とす。

 

「明久のエロ本は置いといて、勉強するならさっさと始めようぜ」

 

雄二が呆れた様子で皆に言う。普段は悪ふざけをしている雄二が常識人に見えるから、このメンバーは恐ろしい。

 

「お勉強なら、宜しければ私が見て差し上げましょうか?」

 

「え? お姉さんが、ですか?」

 

玲さんの提案に姫路さんは目を丸くする。

明久の姉でさっきのアレを見た俺からしたらとても人に勉強を教えることができそうには思えん。

 

「はい。 日本ではなくアメリカのボストンにある学校ではありますが、大学の教育課程を昨年修了しました。多少はお力になれるかと」

 

「ぼ、ボストンの大学だと・・・・・・!? それって、まさか、世界に名高いハーバードーー」

 

「よくご存知ですね。その通りです」

 

「「「えぇぇっ!?」」」

 

マジかよっ!?玲さんはあの有名な名門大学を卒業したのか!?さっきまで非常識な発言をした人がそんな凄いとこに行ってたなんて信じられんな。

 

「明久。玲さんが言ってることは本当か?」

 

「本当だよ。姉さんは勉強だけは異様にできるしね。まぁ、さっきのまでのやりとりをみていた皆からしたら信じられないのも無理はないけど」

 

「嘘でしょ!?吉井君のお姉さんがハーバードに行くほど頭がよかったなんて・・・・・・」

 

「う、うむ。とても信じられんのう」

 

「なるほど、出涸らしか・・・・・・」

 

「雄二。その言葉の真意を聞かせてもらえないかな」

 

雄二は憐れむような視線を明久に向ける。俺も明久の姉だっていうから同レベル、もしくはそれ以上のバカかと思っていたけど、ここまで対極的とはな。

 

「そういうことなら教えてもらおうぜ、本場の英語とか、こっちの教師には教えてもらえないようなことも色々知ってそうだしな」

 

「・・・・・・・・・・頼もしい」

 

「わかりました。それでは、まずは英語あたりから始めましょうか」

 

「「「宜しくお願いします」」」

 

結局この後十時前くらいまで玲さんの講義を聞いて、その日は解散となった。

 

 

 

 

その後勉強会がお開きになった今。俺は秀吉と優子を家まで送り届けている。

 

「はぁ、まさか明久の姉がアソコまでヤバイ人だったとはな・・・・・・」

 

「そうね。あれだけのことをしたにも関わらず、本人は全く自覚してなかったしね」

 

「同じ姉を持つワシからすれば明久の気持ちも理解できるしのう」

 

「秀吉。それは一体どういうことかしら?」

 

「あ、姉上・・・・・・。何故ワシの関節を外そうとするのじゃ!?ワシの腕はそっちには曲がらー」

 

「はいはい優子、落ち着いて。優子は玲さんと違って常識を持ってるんだろ?ちょっと言われたぐらいで弟にそこまでしなくていいんじゃないか」

 

「うっ!そうね。斗真の言う通りだわ」

 

優子は秀吉の関節を外そうとしたが、俺が嗜めると即座に止めてくれた。

 

「とりあえず。もう遅い時間だから、さっさと家に帰ろうか。流石にここまで遅くなると二人の両親も心配するだろうし」

 

「そうね。じゃあさっさと家に帰りましょうか」

 

「そうじゃな」

 

ギュッ

 

 

「おいおい。いくら俺が一緒にいるからって、腕に引っ付く必要はないんじゃないか?」

 

「別にいいじゃない。斗真はアタシ達の彼氏だからこれくらい問題ないでしょ」

 

「斗真。ワシと姉上を無事家まで送り届けるよう頼み申すぞい」

 

「了解。お二人を御自宅まで送って差し上げますよ」

 

俺は二人に腕を組まれながら家まで行くことになり、その状態で歩いて数分立った後二人の自宅に着くと

 

「それじゃあ斗真。おやすみなさい」

 

「斗真。また明日ぞい」

 

チュッ×2

 

「お、おぅ。また明日な」

 

二人は去り際に俺のほっぺにキスをして家に入っていった。それを見届けた俺はそのまま自身の家に戻っていくこととなるのであった。




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