バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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今回から霧島さんの家で勉強会です。原作でもこの話はとても面白いので書いていると楽しくなりますね。


第十一問 勉強会 in 霧島家 前編

雄二が霧島さんに折檻されて入院し、姫路さんも言いつけを守ってすぐに帰宅。

そんな放課後が三日ほど続き、あっと言う間に土曜日がやってきた。

 

 

 

「というわけだから、今日は晩飯は作らなくていいよ」

 

当日の朝、俺は姉ちゃんと一緒に朝食を食べていて、姉ちゃんに今晩は飯はいらないと伝えた。

 

「わかったわ。でも本当にいいの?とうくんには秀吉君と優子ちゃんっていう可愛い彼女がいるのに女子の家にお邪魔しちゃっていいのかしら?」

 

「姉ちゃん。二人も一緒に泊まって勉強するから心配ないよ。あと秀吉は見た目が可愛らしくても男だし、姉ちゃんが思うようなことは起きないからな」

 

「ふふっ、冗談に決まってるでしょとうくん。それにしても皆で勉強なんて賑やかそうで羨ましいね。私もそんな日を過ごしたかったな・・・・・・」

 

「だったら姉ちゃんも友達を誘って一緒に勉強すればいいんじゃないか?」

 

「無理無理。うちのクラスメイトは殆どが自分がAクラスだからって人を見下す最低なヤツばっかりよ。そんな人達と一緒にするくらいなら一人でやった方がまだマシだわ」

 

「マジか。性格が腐ってるのは常夏コンビだけじゃなかったのかよ」

 

姉ちゃんから三年は腐っていることを聞いて俺は驚く。ったく、いくら自分が誰よりも学力があるからって人をバカにするとか考えられないよ。

 

「それに比べてとうくんは彼女だけじゃなく、友達にも恵まれて良かったね。とうくんの性癖を知ったら大抵の人は離れていくのに、とうくんを否定せず一人の人間として認めてくれるなんて本当に良かったね」

 

「そう言われるとそうだな。アイツらは秀吉の紹介で知り合ったけど、元々が変人の集まりにしか見えなかったのもあるからな。そういう相性の良さも相まってアイツらと仲良くなれたんだよ」

 

「とうくん。折角できたお友達なんだから大切にしなさいよ」

 

「それはわかってるよ姉ちゃん。アイツらは基本バカだが他のヤツにはない魅力があるんだし、これからもずっとアイツらとは仲良くしていくつもりさ」

 

そう話していると、時間はもう家を出る時間帯になっていた。

 

「あっ、もうこんな時間か。すぐそこの公園で秀吉と優子と待ち合わせしてたから早く行かないと」

 

「じゃあとうくん。期末テストで結果を残せるよう頑張って勉強してきなさいよ」

 

「ありがとう姉ちゃん。俺はもう家を出るけど、姉ちゃんも勉強をー」

 

「はいはい。とうくんに言われなくてもわかってますって」

 

そんな他愛もない会話が続いたが、本当にアイツらと勉強できるだろうかな。ちょっとしたことで問題を起こすから俺の気が休まる暇はないし。

 

 

 

 

家を出た俺は近くの公園で待ち合わせしていた木下姉弟と合流し、三人で軽い話をしながら霧島さんの家へ向かってくことに。

 

 

「・・・・・・東條、木下、優子。いらっしゃい」

 

呼び鈴を鳴らして待っていると大きなドアを開けて私服姿の霧島さんが出迎えてくれた。

 

「お邪魔するよ」

 

「今日は世話になるぞい」

 

「代表。誘ってくれてありがとう」

 

あまりに立派な造りの家だからか、少し緊張してしまった。前に雄二から霧島さんはかなりのお嬢様だと聞いてはいたけど、まさかここまで凄いとこに住んでたとはな。

 

「・・・・・・吉井以外皆来てる」

 

「そうか。じゃあ先に行って明久を待つとするか」

 

先導してくれる霧島さんについていく俺と木下姉弟は行く途中見掛けたさまざまな部屋に心を驚かせてしまう。

 

「うわ~。部屋がいっぱいあるわね」

 

「・・・・・・用途別」

 

「これだけ沢山あると把握しきれぬのう」

 

「じゃあ、あそこの本が並べられている部屋は」

 

「・・・・・・書斎」

 

「あっちのスクリーンがある部屋は」

 

「・・・・・・シアタールーム」

 

霧島さんに部屋について聞きながら見渡すと、俺はある一つの部屋を見つける。

 

「霧島さん。あそこにある鉄格子がはまっている部屋はひょっとして・・・・・・」

 

「・・・・・・雄二の部屋」

 

どうやら雄二はここではペットと同じ扱いみたいだな。

 

「斗真。今の会話は忘れようか」

 

「俺からすればとても忘れられそうにないけど」

 

「・・・・・・そしてここが勉強部屋」

 

しばらく歩くと、霧島さんが立ち止まってドアを開ける。すると、その中には一組の男女が言い争っていた。

 

 

『ムッツリーニ君は頭でものを考え過ぎだよ! 「百聞は一見に如かず」って諺を知らないのっ?』

 

『・・・・・・・・・・充分なシミュレーションもなく実践に挑むのは愚の骨頂』

 

『そうやって考えてばかりだから、スグに血を噴いて倒れちゃうんだよ!』

 

『・・・・・・・・・・何を言われても信念を曲げる気はない』

 

『またそんなことばかり言って・・・・・・! このわからずやっ!(チラッ)』

 

『・・・・・・・・・・卑怯な・・・・・・っっ!(ブシャァァ)』

 

ムッツリーニ、愛子。お前ら二人は昼間っから何やってんだよ。

 

「三人共。やっと来たね」

 

「ああアランか。向こうでムッツリーニと愛子が言い争っているんだが、何があったんだ?」

 

「それなんだけどね。二人は『第二次性徴を実感した出来事は何か』という議論が高じてああなってるんだけど」

 

「ちょっと待て。その議題からして既に何かがおかしいと俺は思うが」

 

どんな会話をしたらそんな議論を持つのか全く理解できない。

 

 

「こんにちは。東條君、木下君、優子ちゃん」

 

「ん? 姫路さんか。一つ聞きたいけど、どうして髪型をポニーテールにしてるの?」

 

俺の目の前にいる姫路さんは髪をポニーテールにしていた。

 

「あ・・・・・・そ、それは、その・・・・・・」

 

「まぁ言わなくてもわかってるよ。明久に見せる為にその髪型にしたんだろ。本当に姫路さんは分かりやすいね」

 

「あ、はい・・・・・・。そうなんです」

 

普段はおっとりとしていて常識を持ってるんだけど、明久のこととなると本当分かりやすいな姫路さんは。

 

「瑞希。その髪型とても似合っているよ。きっと吉井君も喜んでくれるに違いないわ」

 

「明久が姫路の髪型を見て物凄く興奮するのは間違いないぞ」

 

「あ、ありがとうございます・・・・・・(////)」

 

「やれやれ。これほど素敵な子に好かれるなんて吉井君は罪な男だね」

 

そんな話をしていると、霧島さんが明久を連れて部屋にやってきた。

明久は先程の俺達と同じようにムッツリーニと愛子が議論をしている光景に、呆気からんとしている。

 

「よっ、明久」

 

「明久ようやく来おったな」

 

「吉井君。今日は頑張りましょ」

 

「久し振りだね、吉井君」

 

「あ、斗真に秀吉に木下さん。あと如月君も。ところであの二人、何があったの?」

 

「さぁな、俺にもわからんよ」

 

俺も理解できないので、無視することに

 

「明久君、こんにちは」

 

「ん。ああ、こんにちは姫路さー」

 

明久は姫路さんがポニーテールにしているのを見た瞬間、言葉を失った。

 

「? どうかしましたか?」

 

姫路さんは明久に言葉を投げ掛けると、明久はようやく固まった思考を動かしては感想を口にしようとする。

 

「明久君?」

 

「今日の姫路さんは死ぬ!」

 

「えぇぇっ!?」

 

明久の口からとんでもない発言が飛び出し、姫路さんは驚く。ってか、何をどう考えたらそんな台詞が出てくるんだよ。まぁ、コイツが言いたいことは大体予想がつくが

 

「あの、明久君・・・・・・。私、何か悪い相でも出ているんですか・・・・・・?」

 

「姫路さん。明久はただ単に死ぬほど可愛いって言おうとしてたのを変に省略したからさっきみたいな珍解答が出たんだよ」

 

「吉井君、そこは普通に可愛いって言えばいいのに・・・・・・」

 

「うん、ごめんね姫路さん。さっき斗真と木下さんが言ってたように似合っているし可愛らしくて最高だよ」

 

「あ、ありがとうございます(////)」

 

明久が訳がわからない発言をし、俺がフォローしてその場を落ち着かせると

 

「アキ。朝から何を見てそんなにトチ狂っているのかしら?」

 

「あ、美波。やだなぁ。僕は狂ってなんていないよ」

 

「ふぅん・・・・・・。ウチには全然そうには見えなかったけど?」

 

「き、気のせいだよ」

 

島田さんは鋭い視線を明久に向けている。島田さんからしたら恋敵である姫路さんが自分と同じ髪型をしているから面白くないだろう。

 

「まったく・・・・・・。瑞希も瑞希よ。急に髪型を変えてくるなんてずるいじゃない。 ・・・・・・ウチの方はどうしようもないっていうのに・・・・・・」

 

「な、なんのことでしょうか?」

 

島田さんがまるで親の敵を見るかの如く姫路さんの髪を見ている。まぁ、姫路さんが同じ髪型になるだけなら大して変わらんが、バストでは姫路さんとは差が出ていて胸の小さい島田さんからしたら勝ち目もないからな。

 

「まぁまぁ島田さん落ち着いて。姫路さんは別に悪いことをしてるわけじゃないんだし、島田さんだって姫路さんには負けないくらい魅力があるんだからさ」

 

「東條。気休めはやめてよね」

 

「いや、気休めも何も俺は島田さんを落ち着かせようと・・・・・・」

 

「ちょっと美波。斗真は美波をフォローしてあげてるのにそんな言い方はないでしょ」

 

「木下さんの言う通りですよ。ここは吉井君と姫路さんを責めずにお互い仲良く致しましょう」

 

「わ、わかったわ・・・・・・」

 

「それはそうと姫路さん、今日の泊まりの許可が下りて良かったね!」

 

「はい。良かったです」

 

明久は島田さんを傷つけないよう話題を変えるが、明久からしたらもうちょっと姫路さんを褒めたかっただろうな。まぁ、姫路さんも喜んでいることだし良し結果オーライか。

 

「ウチのほうもすんなりと出てこれて助かったわ」

 

「え? 美波も何かありそうだったの?」

 

「ううん。ウチじゃなくて、葉月が、ね」

 

「葉月ちゃんがどうかしたのか?」

 

「泊まりで勉強会だなんて知られたら、絶対に『連れていけ』って駄々をこねるに決まってるわ」

 

「あはは。そうなんだ」

 

「まぁ葉月ちゃんの性格からして明久と会えると知ったら行きたいと思うのは当然だしな」

 

「吉井君は小さい子からはモテモテね」

 

「それで島田よ。お主はあの妹にどう誤魔化してここに来れたのじゃ?」

 

「両親が映画館に連れて行ってくれたからその隙にね。出かけるとこを見られたら大変だっただろうから」

 

葉月ちゃんが来ることは悪いことではないけど、島田さんからしたら明久を葉月ちゃんに取られるのが嫌だから連れてこなかっただろうな。

 

「それにしても、姫路さん・美波・秀吉・木下さん・ムッツリーニ・工藤さん・如月君・斗真・霧島さんか。結構人数がいるね」

 

「となると後は雄二だけなんだが、アイツは来てるのか?」

 

「あれ? そう言えば雄二がいないね」

 

「んむ? ワシらはさっき来たところじゃから知らぬがまだ見ておらんな」

 

この前霧島さんに折檻されて入院したのは聞いてるが、ひょっとして完治してないのか?

 

「・・・・・・雄二を連れてきた」

 

ドサッ

 

絨毯の上にロープで縛られた雄二が霧島さんに連れられ、その場に転がされた。

 

「ん? 明久、斗真。どうしてお前たちがここにいるんだ?」

 

「・・・・・・ああ、うん。霧島さんのご厚意でね」

 

「それはそうと雄二。お前今まで何してたんだ?こっちから連絡をしてるのに全然繋がらなかったんだぞ」

 

「お主は今日の勉強会の話は霧島から知らされておらんかったのか?」

 

俺と秀吉が雄二のロープをほどきながら尋ねると

 

「ああ。何も聞いていない。いつものように気を失って、目が覚めたらここにいたんだ」

 

成程な。週末に雄二から連絡のつかない時があるのは霧島さんに拉致されてたからか。しかし霧島さんも雄二が好きとはいえ犯罪紛いのことを平気でするとは俺の想像を上回るくらい愛が重たすぎるよ。

 

「それじゃ、勉強道具は?」

 

「・・・・・・大丈夫。準備は万全」

 

霧島さんが手に雄二の鞄を掲げて見せる。おそらく雄二の着替えも持ってきてるだろうし、霧島さんは雄二に関すると抜かりはないな。

 

「さて、と。それじゃ皆揃ったみたいだし、始めようか」

 

「そうじゃな。それがいいじゃろ」

 

「向こうは既に始めている気がするけど」

 

 

『それは違うよ! 世論調査では成人女性の98%がー』

 

『・・・・・・・・・・違わない。世界保健機関の調査結果では成人男性の72%が賛同している』

 

『またそうやって屁理屈を・・・・・・!』

 

『・・・・・・・・・・屁理屈じゃなくて事実』

 

『くぅ・・・・・・! こうなったら、今度のテストでムッツリーニ君を抜いてボクの方が正しいって証明して見せるからね!』

 

『・・・・・・・・・・学年一位の座は揺るがない』

 

『そうやって憎たらしいこと言って・・・・・・ムッツリーニ君なんてこうだよっ!(ピラッ)』

 

『・・・・・・・・・・卑劣な・・・・・・っ‼(ブシャァァア)』

 

早く始めないとあの二人が何しでかすかわからないな。

 




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