バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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こんなに長く書いたのは初めてです。

今回オリキャラが登場します


第七問 対Bクラス戦 中編

 雄二に後を任せ前線へと向かっていく俺達。

 

「なんか、まだまだ色々やってきそうだね」

 

「そうじゃな。この程度でおわるとは思えん。気を引き締めた方がよさそうじゃな」

 

「とりあえず俺と明久は須川の部隊に、秀吉は横溝の部隊へ行ってくれ」

 

「了解した、くれぐれも注意するんじゃぞ!」

 

「大丈夫だ、明久みたいなヘマはしないからな」

 

「ちょっと!?それどういう意味で言ってるの!」

 

秀吉と別れ、俺と明久は須川のいる部隊へと行く

 

「吉井、戻ってきたか!」

 

「待たせたね!斗真もいるから戦力がアップしたよ」

 

「あまり期待するなよ明久、須川戦況はどうなってるんだ?」

 

俺が須川に今の状況を聞いてみると

 

「かなりマズイことになっている」

 

「えっ!?どうして!?」

 

向こうから本隊が出てきてはおらず、戦力は負ける筈だが

 

「島田が人質に取られた」

 

「なっ!?」

 

「チッ!あの野郎そうくるとはな」

 

人質を取るとは根本の奴卑怯な手を惜しまないみたいだな。

 

「おかげで相手は残り二人なのに攻めあぐんでいる。どうする?」

 

今俺達の部隊はそのせいで敵と睨みあっているらしいが。

 

「とりあえず状況を見たい」

 

「それなら前へ行こう。そこで敵は道を塞いでいる」

 

須川が前を歩き俺と明久が後に続く。

部隊の人垣を抜けるとそこには島田さんと召喚獣を人質にとっているBクラスの生徒が二人いた。

 

「島田さん」

 

「よ、吉井!」

 

何だろう映画のワンシーンみたいになってるけど

 

「そこで止まれ!それ以上近づくなら、この女を補習室送りにしてやるぞ」

 

島田さんを人質にしている敵の一人が俺達を牽制してくる。

ただでさえFクラスは女子が三人しかいな『ワシは男じゃ!!』。さっき秀吉の声が聞こえた気がするがまぁそれは置いといて。要は女子を人質にしてちらつかせ、こちらの士気を奪うといったところか。やり方は卑怯だが作戦としては完璧だ。

このまま攻めると、俺達が相手を倒す前に島田さんに止めをさされ、補習室送りにしてしまうな。

ひとまずここは

 

「総員突撃用意‼」

 

って明久何言ってやがる!?

 

明久は島田さんが人質になっているにも関わらず突撃するよう指示を出す。

 

「ま、待て、吉井‼」

 

相手からコールが掛かるが何を言うつもりだ?

 

「こいつがどうして俺達に捕まったと思っている?」

 

それに対し明久は

 

「馬鹿だから」

 

お前が言うな‼

 

「殺すわよ」

 

島田さんが物凄い怒りの眼差しを明久に向ける。そりゃ明久にバカ呼ばわりされたら怒るは当たり前か

 

「こいつ、お前が怪我をしたって偽情報を流したら、部隊を離れて一人で保健室に向かったんだよ」

 

成程な。島田さんは明久の事が好きだからその恋心を利用したのか

 

「島田さん・・・・・・」

 

「な、何よ?」

 

島田さんの顔は少し赤くなってるが

 

「怪我をした僕に止めを刺しに行くなんて、アンタは鬼か!」

 

「何でそんな答えに行き着くんだ!?」

 

「違うわよ!」

 

明久は島田さんの気遣いを殺意と勘違いしはじめた。おそらくアイツは日頃島田さんにボコボコにされてるから好意を殺意と勘違いしてるだろうな。

 

「ウチがアンタの様子を見に行っちゃっ悪いっての!?これでも心配したんだからね」

 

島田さんが明久にそう言っているが

 

「島田さん、それ本当?」

 

「そ、そうよ、悪い?」

 

恥ずかしいのか顔を背ける島田さん。

 

本来なら勝手に部隊を抜けるのは良くないがそれを無視してでも明久の事を心配して向かったぐらいだ。

これは明久でも島田さんの気持ちに気付くだろう。

 

「へっ。やっとわかったか。それじゃ、大人しく」

 

「総員突撃ぃーっ!」

 

「だから何でそうなるんだよお前は!」

 

「どうしてよっ‼」

 

「あの島田さんは偽物だ!変装している敵だぞ!」

 

「いやおかしいだろ!?何でさっきのやりとりからそんな結論に達するんだ!?」

 

明久は俺の叫びを気にする事なくBクラス相手に攻撃を仕掛け始める。

 

「おい待てって!コイツ本物の島田だぞ!」

 

「黙れ!見破られた作戦にいつでも固執するなんて見苦しいぞ!」

 

「・・・・・・何これ?」

 

俺は今明久の馬鹿なやり取りについていけず呆然とするしかなかった。

 

「だから本物にー!」

 

Bクラス 鈴木二郎 33点 吉田卓夫 18点

VS

Fクラス 田中彬 66点 須川亮 59点

 

死にかけたふたりは撃破され、鉄人先生に連行されていく。

 

で残りはと言うと

 

「皆、気を付けろ!変装を解いて襲い掛かってくるぞ!」

 

んな訳ねぇだろうが

 

「よ、吉井酷い・・・・・・。ウチ、本当に心配してたのに」

 

一方島田さんは目に涙を浮かべているが

 

「まだ白々しい演技を続けるか、大根役者め‼」

 

「はぁっ・・・・・」

 

全然気づいてない明久に呆れた俺は、すぐさま明久の後ろに回り込み

 

 

「本当だよ!本当に心配したんだから。」

 

「取り囲むんだ。いくらBクラスでもこの人数なら勝て

 

ドゴォ‼

 

ごぶぁっ!?」

 

明久の頭に拳を叩きこんだ。

 

「いきなり何するんだよ斗真!?」

 

「いい加減に気づけよ。今目の前にいるのは本物の島田さんだぞ」

 

「えっ!?そうなの?」

 

「ったく、それよりも島田さんに言う事があるだろうが」

 

「あっ!?・・・・・・島田さん大丈夫だった?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

明久の差し伸べた手に掴まり立ち上がる島田さん。

だがその瞳には怒りの波動が感じ取れる気がするが

 

「無事で良かったよ。心配したんだからね」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「教室に戻って休憩するといいよ。疲れているでしょう?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「それにしても、卑怯な連中だね。人として恥ずかしくないのかな?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

あ~明久、今島田さんはそれどころじゃないぞ。

 

「あー、島田さん。実はね」

 

「・・・・・・何よ」

 

明久は笑顔のまま島田さんに告げる

 

「僕、本当の島田さんだって最初から気付いていたんだよ?」

 

その後、島田さんは俺が取り押さえるまで明久を一方的に殴り続けるのであった。

 

 

 

 

 

「・・・・・・ここはドコ?」

 

「あ、気がつきましたか」

 

「ようやく目が覚めたか明久」

 

「姫路さん、斗真。・・・・・・って事はここはFクラス?」

 

「心配しましたよ?東條君に連れてこられた吉井君ってば、まるで誰かに散々殴られた後に頭から廊下に叩きつけられたような怪我をして倒れていていたんですから」

 

姫路さん。その誰かは身近にいる人なんですけど

 

「いくら試召『戦争』じゃからっと言って本当に怪我する必要は無いんじゃぞ」

 

秀吉。明久は味方から一方的に殴られてたからな

 

「ちょっと色々あってね。それで試召戦争はどうなったの?」

 

「今は協定どおりじゃ。続きは明日からなる」

 

「戦況は?」

 

「一応計画通り、お前が気絶した後教室に攻め込んで、斗真がBクラスの数人を補習室送りにさせた。こちらの被害も少なくはないが」

 

雄二がFクラスの被害を書いたメモを読み上げる。

俺は明久をFクラスに送り届けた後前線に戻り向こうにいる生徒を何人か補習室に送り込んだが全体としてはあまり良くないな。

 

「ハプニングはあったけど、今のところ順調ってわけだね」

 

「まぁな」

 

「だが相手はあの根本恭二だ。卑怯な手を企んでいるのは間違いないだろう。」

 

「・・・・・・・・・・(トントン)」

 

「お、ムッツリーニ何か変わったことはあったか?」

 

雄二の側にまるでどこかのスパイのような格好をしているムッツリーニが来ていた。

ムッツリーニは今日の戦闘には参加しておらず情報収集に回っており他のクラスの動きを警戒していた。

 

「Cクラスの様子が怪しいだと?」

 

「・・・・・・・・・・(コクリ)」

 

ムッツリーニが得た情報によると、どうやらCクラスが試召戦争の用意をはじめているらしい。流石にAクラス相手に戦うなんて考える訳ないからー

 

「漁夫の利を狙うつもりか、嫌な連中だな」

 

雄二の言う通り、この戦争の勝者を相手にするつもりだな。疲弊しているクラスを相手にするのは容易いからな。

 

「雄二どうする?」

 

「んー、そうだなー」

 

時計を見始めるが、時刻は四時半。そんな遅い時間じゃないな。

 

「Cクラスと協定でも結ぶか。Dクラス使ってでも攻め込ませるぞ、とか言って脅してやれば俺達に攻め込む気もなくなるだろ」

 

「それに、僕らが勝つなんて思ってもいないだろうしね」

 

確かにCクラスが俺達と協定を結ぶのはそう難しい話でもないな。

 

「よしそれじゃ今から行ってくるか」

 

「そうだね」

 

「秀吉は念の為ここに残っていてくれ」

 

「ん?なんじゃ?ワシは行かなくていいのか?」

 

「お前の顔を見せると、万が一の場合にやろうとしている作戦が駄目になるからな」

「よくわからんが、雄二がそう言うのであれば従おう」

 

秀吉の顔を見せたらマズイって何がマズイんだ?秀吉の特長って言ったら演劇部のホープで優子とは

 

 

成程そういうことね。

 

「じゃ、行こうか」

 

『やめといた方がいいよ』

 

「って誰!?僕達が行こうとしてるのに邪魔するヤツは!?」

 

 

声のした方を向くとそこには黒髪で東洋人っぽい顔立ちの生徒が入り口の前に立っていた。

 

「失礼、水を刺すような真似をしてすまなかったね」

 

「それは別に構わんが、それよりもお前は一体・・・・・・?」

「そういえば自己紹介がまだだったね。僕は二年Aクラスの如月亜蘭だ。以後よろしく」

 

と挨拶をする亜蘭と名乗る学生にクラスの皆は困惑している。

だが俺はこいつを知っている為声を掛ける。

 

「久し振りだなアラン。さっきCクラスに行くのはやめた方がいいと言っていたが、何故なんだ?」

 

「Bクラス代表の根本君とCクラス代表である小山さんは実は付き合ってる。って言ったら分かるかな?」

 

俺の質問に対し質問で返してくるアラン。それに対しFクラスはというと

 

『なにぃー!』

 

驚いているが俺は話を続ける。

 

「それは本当かアラン?」

 

「当然、本当に決まってるよ。何せ小山さんは根本君に手作りのお弁当を作ってあげてるって話を聞くくらいだからね」

 

すると

 

『なぁぁぁにぃぃぃぃ~!?』

 

Fクラスの男子は怒りのあまり昨日俺をボコボコにした時のあの姿即ち異端審問会へと変貌していた。

 

『ゆ~る~さ~ん‼』

 

どうやら根本が付き合っている事に相当怒ってるみたいだな。

けどなお前らそんなんだから女子からモテないって事に気付けよ。

 

「そうか、って事はCクラスの方は罠だという事は分かったがどうするかだな」

 

雄二はアランの話を聞いて罠だと気づき対策を考えている。

 

「いっそのこと相手の罠に引っ掛かった振りをして、僕達を狩りに来た根本君を返り討ちにするってはどうかな」

 

明久がそう提案するが

 

「それはかなり厳しいんじゃないか?聞いたところによると今日消耗させられた数学で来られたら君達に勝ち目はないよ。姫路さんは点数が残ってるみたいだがそこを憑かれたら摘んでしまうからね」

 

と俺達に説明するアラン

 

「じゃあどうすればいいのさ!?」

 

明久は手だてがない事に苛立ちを見せはじめる。

「まぁ落ち着け明久、Cクラスに対する作戦は今思いついたが今日はもう遅いから明日実行する」

 

ってことは本当に秀吉を使ってCクラスを嵌めるみたいだな、たしかにその方法ならCクラスとの戦争は回避できるがその後が面倒なんだが。

 

 

雄二が明久に話してる間アランはと言うと

 

「計画通り♪」

 

何が計画通りだ?それを実行したら矛先がアラン達に向くのに何でアイツはそんな平然としているんだ。

まあ今は明日に備えて帰るとするか。

 

その時俺はアランの目的がAクラスの為になるとは思いもしなかった。




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