バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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第十五問 潜入

女子達が恋ばなをしている頃、男子部屋はというと

 

「坂本雄二から始まるっ」 (雄二のコール)

 

「「「「イェーッ!」」」」(俺と秀吉と明久とムッツリーニのコール)

 

「古今東西っ」

 

「「「「イェーッ!」」」」

 

寝る前にも関わらず古今東西ゲームをしており、アランは一人だけ俺達Fクラスのノリが合わないのか声は出さずに手拍子だけを合わせていた。

 

「一部の生徒の間で噂になっている明久の恋人の名前っ」

 

パンパン (手拍子) → 雄二の番

 

「【久保利光】!」

 

「ダウト! それダウト! 久保君は男だから!」

 

パンパン (手拍子) → ムッツリーニの番

 

「・・・・・・・・・・【坂本雄二】」

 

「嫌だぁっ! それはなんとなく知っていたけど改めて言われると凄く嫌だぁっ!」

 

「俺だって嫌だボケ!」

 

パンパン (手拍子) → 俺の番

 

「【霧島翔子】」

 

「斗真。霧島さんは僕じゃなくて雄二の恋人じゃなかった許嫁だから失礼じゃないか」

 

「勝手に翔子を俺の婚約者にすんじゃねぇ!」

 

「でも代表と籍を入れるのはほぼ決まってるのではありませんかね霧島君」

 

「俺の名字は坂本だ!勝手に婿入りさせんなコラ!」

 

「違うぞアラン。霧島さんの名字が変わって坂本翔子になるから間違っているぞ」

 

「テメェも間違っているだろうが!」

 

「さて、決定事項はおいておくとして」

 

「俺の話を聞けぇ!んで持ってまだ決まったわけじゃねぇからな!」

 

パンパン (手拍子) → 秀吉の番

 

「え、えっとえっと・・・・・・ワ、ワシじゃ!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「と、斗真!?今のは冗談じゃからそんな悲しそうな目をワシに向けるでない!それと明久もそこで黙り込んで頬を染められるとワシも困るのじゃが!?」

 

パンパン (手拍子) → アランの番

 

「【船越先生】」

 

「ちょっと待って!?なんでそこで船越先生が出てくるの!?僕は船越先生とそんな関係になったことは・・・・・・」

 

「ああ確か一学期早々にやった試召戦争で船越先生に愛の逃避行について話がしたいってこのバカは言っていたな」

 

「あれは雄二の仕業でそうなったんでしょう!僕は船越先生とはそんな関係になってないからね!」

 

「とにかくそれは置いておくとして次に進むとするか」

 

「ちょっと!勝手に話を逸らさないでよ!」

 

パンパン (手拍子) → 明久の番

 

「し、【島田美波】!」

 

「「「「罰ゲーム決定っ!」」」」

 

「どうして!?」

 

どうしてもなにも、島田さんは明久のことが好きだからに決まってるだろうが。明久は自身の恋に関しては鈍感な為そのことに全く気付いてはいない。

 

「さぁ明久。くじを引くのじゃ」

 

「うぅ・・・・・・。なんだか納得いかない・・・・・・」

 

「安心しろ。お前以外の全員はきちんと納得している」

 

「まぁ明久がそれを理解するのに時間は掛かるからな」

 

一人だけ納得していない明久は仕方がなさそうにくじを引き、一枚の紙を掴んで中身を見てみると

 

「『女子部屋に行って姫路さんの髪留めを戻してくる』って、コレは僕が書いた罰じゃないか」

 

「なんだ明久。お前は随分とヌルい罰ゲームを書いたもんだな」

 

「え? そう? でも、女子部屋に侵入だよ」

 

明久の言う通り、女子部屋に侵入するのは問題だろうがさっき明久が引いたくじの内容はおそらく自分で書いたやつだな。しかし明久のヤツ、なんでそんなものを勝手に持ち出したんだ?

 

「ところで、皆はどんな罰ゲームを書いたの?」

 

「俺は『翔子の部屋から婚姻届を奪取してくる』だな。当然、取ってこれるまで何度もトライしてもらう」

 

「ワシは『本気女装写真の撮影』じゃな。ワシの苦しみを皆も味わうべきじゃ」

 

「・・・・・・・・・・『各グッズ用写真の撮影』。ポーズを決めている写真はなかなか撮れない」

 

「俺は『秀吉の女装写真の処分』だ。秀吉は俺の彼女だからそういったものは処分しないといけないからな」

 

「斗真。ワシは男じゃぞ」

 

「僕は『真理さんの写真を見せてもらう』だね。これは斗真だけに限ったことなんだけど」

 

「え? 真理さんって?」

 

「斗真の姉上のことじゃな。真理さんは学園のマドンナと言われる程美人じゃからのう」

 

「おいおい、勝手に期待するなよ。姉ちゃんは確かに美人だけどお前らが喜ぶような写真は持ってはいないから」

 

「でもこの前先輩から真理さんのプライベート写真を撮ってくれと頼まれたそうじゃないか」

 

「確かに頼まれたけど断ってるからな。いくら先輩からの頼みとはいえ姉ちゃんの恥ずかしい写真を撮るわけにはいかないし」

 

「う~ん。斗真のお姉さんが美人だってことはわかったけど、どれくらい綺麗なのか気になるな」

 

「・・・・・・・・・・この人が斗真の姉だ(ピラッ)」

 

「おいムッツリーニ。いつの間に姉ちゃんの写真を撮ってたんだよ。ってかそれ、三年の女子が体育で水泳をしているときのヤツだろうが」

 

ムッツリーニが俺達に姉ちゃんが水泳の授業を受けている時の写真を見せる。当然写っているのは姉ちゃんがスク水を着てる写真でそれを見た明久達はというと。

 

「す、凄い!斗真のお姉さんがこんなに美人だなんて羨まし過ぎるよ!」

 

「ああ、俺から見てもマジで見惚れてしまいそうだ。ったく、こんな美人な姉がいる上に自分は彼女がいるとか贅沢なヤツめ」

 

「・・・・・・・・・・是非、この人の露な姿をコレに納めてくれ(高そうなカメラを俺に渡そうとする)」

 

「できるわけねえだろうが。とにかくこの話はおしまいだからもう寝るぞ」

 

「あ、待って。せめてこの髪留めを姫路さんに返して置きたいんだけど・・・・・・」

 

「明久、それは朝食の時にでも渡せるからそれでいいんじゃないか」

 

「あ、そうだね。それじゃあ・・・・・・」

 

「いいや。罰ゲームで決まった以上アイツらが寝静まった後にでも置いてくればいいだろうが」

 

「雄二。なんでそこまでして行かせようとするんだよ。別に朝にでも返しておけば」

 

「その隙に俺もアレを取り返しに行きたいからだ」

 

「? アレって?」

 

「斗真。坂本君が言ってるのは婚姻届のことだよ。確か代表はそれを分厚いコーティングを施したガラスに付けていたからね」

 

「成程な。でもそこまで厳重に保管してあるならいくら雄二といえど盗むのは至難の業じゃないか?」

 

「あれ? どうして如月君は霧島さんの部屋を見てもいないのに強化ガラスが張られてるのを知ってるの?」

 

「知ってるも何も代表に婚姻届を保管するならガラスを張った方がいいよって教えたのは僕だからね」

 

「如月!あれはお前の仕業だったのか!おかげで俺はアレを取り返すことができねぇじゃねぇか!」

 

「別にいいじゃないか坂本君。僕は君の奥さんの味方だからそれくらいするのは当然さ」

 

「上等だぁ!ここで貴様をボコボコに・・・・・・」

 

「雄二、落ち着いてよ!今ここで如月君を殴ったところで解決するわけじゃないんだからさ!」

 

「明久の言う通りだ。取り返したいんだったら今度の試召戦争で勝つしかない以上今は我慢しろ」

 

アランに殴りかかろうとした雄二を俺と明久は押さえつける。

 

「離せお前ら!今ここでコイツを殴らねえと俺の気がすまなねぇんだよコラァ!」

 

どうやらここは押さえつけるだけじゃダメみたいだな。だったら

 

「雄二、今ここでアランを殺らずに女子達が寝静まった後で霧島さんにバレないように盗りにいけばいいんじゃないか。俺と明久も付いていくからここでアランに殴りかかるのは止めておけ」

 

「チッ!如月、今度の試召戦争ではお前に復讐してやるからな!」

 

「受けて立つよ坂本君。まっ、負けるつもりは更々ないからね」

 

「この野郎・・・・・・!」

 

「はいはい。仕返しに関してはまた今度。今は霧島さんから婚姻届を取り返すことにしておけ」

 

雄二の怒りが静まった後女子達が寝静まる頃合いになるまで俺達は適当に小話をすることとなり、小一時間が経つと

 

 

 

 

「さて、そろそろ頃合いだ明久」

 

「オーケー。斗真、しっかり付いてきてよね」

 

「言われなくてもわかってるから安心しろ」

 

「ゴチャゴチャ言ってないで、いいから行くぞお前ら」

 

「「了解」」

 

雄二はムッツリーニからガラス用のカッターを借りているがアランはその程度の道具じゃ破ることは不可能だよと言っていた。

 

「ならば、ワシとムッツリーニは廊下から見ておるからの」

 

「・・・・・・・・・・面白いハプニング、期待してる」

 

「ハプニングなんて、冗談じゃないからね」

 

「明久のことだからそうなる可能性は高いな」

 

「斗真もそう言わないでよ」

 

女子達が寝静まった頃合いを見計らって俺達は音を立てないよう気を付けながらドアを開ける。

光量を落とし電灯に照らされた廊下は静まり返っていた。

 

(よし。行くか)

 

(オーケー)

 

(それじゃあ行ってくるよ)

 

(うむ。気を付けるのじゃぞ)

 

雄二、明久と頷き合い忍び足で廊下を進んでいき、女子達が寝ている部屋に着いたあと互いに目線を合わせる。

 

(明久、準備はいいか?)

 

(大丈夫)

 

(俺はここで見張ってるからミスはするな)

 

(わかってるよ)

 

明久はポケットから姫路さんの髪留めを取り出すとドアをゆっくりと開けて中に入っていき。雄二もカッターを忍ばせて机のある方へゆっくりと進んでいった。

 

(さて、後は明久達が戻ってくるのを待つとしますか)

 

(誰を待つのですって?)

 

(誰って明久と雄二を・・・・・・へ?)

 

突如、後ろから聞きなれた声が聞こえてきたので振り返ると

 

(ふふふっ。斗真、なにバカなことをしようとしてるのかしら?)

 

(ゆ、優子・・・・・・)

 

怖い笑みを浮かべた優子がそこにいた。

 

(な、なんで優子がここにいるんだ?)

 

(さっきトイレに行ってたからに決まってるでしょ。アンタ達は勝手に女子部屋に入って何をするつもりだったのか聞かせてもらえるかしら?)

 

(あの~優子さん。話を聞くのでしたら俺の腕を曲げようとするのはやめてくれませんか?)

 

(別にいいでしょ。アンタの腕をポッキリとやるだけですましてあげるから♪)

 

(それは冗談ではすまないからな!?)

 

(まっ、それは置いておくとして。どうしてアタシ達が寝ている部屋に侵入したか聞かせてくれる?場合によってはどうなるかわかってるわよね?)

 

(俺は雄二と明久を見張る為に来ただけだ。雄二は霧島さんが保管してる婚姻届を盗むつもりで、明久は姫路さんの髪留めを返す為に来たんだよ)

 

(呆れた。坂本君はともかく、吉井君の目的が返すだけだったら別に今じゃなくても返せたのになに考えてるのかしらね)

 

(そういうわけだからそろそろ腕を離してくれてもいいかな?俺は別にやましいことをするために来たわけじゃないんだからさ)

 

(わかったわ。でも二人がどうなってるか一緒に見てみましょう)

 

(そうだな。どれどれ・・・・・・)

 

優子と一緒に二人がどうなったか見てみると

 

 

・霧島さんに婚姻届を盗もうとしているのがバレてしまった雄二

 

・姫路さんに抱きつかれている明久

 

 

(・・・・・・どっちも失敗したようだな)

 

(吉井君は瑞希に抱きつかれてるみたいだけどなにがあったのかしら?)

 

(それについては俺もわからないが一先ず俺は二人を回収するから中に入ってもいいか)

 

(いいわよ。でも変なことをしたらー)

 

(神に誓ってそんなことをしませんのでご安心を)

 

ということで俺と優子は部屋に入って明久に近づいていく。

 

(おい明久。そろそろ戻らないとマズいからさっさと戻るぞ)

 

(え? あっ、そうだった。ごめん姫路さん。これ以上ここにいることが美波に知られでもしたら僕は死を待つしかないからね)

 

(あ、あの東條君。ひょっとして私が明久君に抱きついてるところをー)

 

(ああ、バッチリ見てたからな)

 

(瑞希、もう二人をここから逃がさないといけないから続きはまた今度にしましょ)

 

(ゆ、優子ちゃんも見てたのですか。は、恥ずかしいです・・・・・・)

 

姫路さんは俺と優子に明久に抱きつく様を見られたため顔を真っ赤にする。

 

(あ、あの~姫路さん・・・・・・。な、なんていうか、その~)

 

(明久。これ以上ここにはいられないからさっさと戻るぞ。姫路さんと優子は黙ってくれているし雄二は最早助かりようがないからな)

 

(そうだね。じゃあ二人ともまた後でね)

 

(はい。明久君またあとで)

 

(斗真。朝になったら覚えておきなさいよ)

 

(どのみち俺は折檻されるのかよ)

 

俺と明久は女子部屋を後にして自分達の部屋へ戻るのであった。尚雄二はというと霧島さんに婚姻届を盗もうとしたのがバレてしまい自分の部屋で一夜を過ごすことになったとさ。

 

 

 

(ねぇ瑞希、さっき吉井君と話をしてたみたいだったけど何を話したか教えてくれるかしら?)

 

(い、いえっ。そんな大したお話をしてはいません。ただ、いつか明久君に私の気持ちを・・・・・・)

 

(そういうことね、わかったわ。それじゃあもう遅いから寝るとしましょうか)

 

(はい。お休みなさい)

 

(お休み瑞希)

 




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