翌日の昼過ぎ
霧島さんの家での勉強会を終えた今、俺は木下姉弟と一緒に帰路についていると秀吉から声を掛けられる。
「斗真よ。明久と雄二と一緒に女子部屋へ行ったが結果はどうだったのか聞かせてくれんかの」
「ん? ああそれに関してだが雄二は盗もうとしてるのがバレて自身の部屋(牢屋)に監禁されたよ。明久は姫路さんにバレはしたけど怒られずに済んだから問題なかったな」
「そうじゃったか。通りで今朝雄二を見掛けなかったわけじゃな。ところでお主はどうだったのじゃ?」
「俺も優子にバレちゃったけど腕一本だけで済んだから大丈夫だったよ」
「斗真よ、それは大丈夫だったとは言わぬぞ」
「あら?アタシとしては加減はしたつもりなんだけどね」
「だからといって斗真の腕を滅茶苦茶にするのはどうかと思うのじゃが」
「自業自得でしょ。アタシ達が寝ている間に忍び込んだ罰だからこれくらいして当然じゃない」
「まぁそういうわけだからその話しは後にして、秀吉、今日も勉強を教えてやるからウチに来るか?」
「いや、今日は自身で勉強するからその必要はないぞい。斗真も自身の勉強があるからこれ以上迷惑を掛けるわけにはいかんからの」
「斗真。アタシ達は自分達の家に帰るけど勉強頑張りなさいよ」
「ああ。俺もいい結果を残せるよう頑張らないとな。じゃあまた明日な二人とも」
「うむ。また明日ぞ」
「斗真。また明日ね」
俺はその場で二人と分かれた後自分の家に戻ろうとするのであった。すると
PiPiPiPi
「ん?誰からだ?」
スマホから着信音が聞こえたので見てみると
『ごめん斗真。今日は斗真の家に泊めてくれないかな? 今夜はちょっと・・・・・・帰りたくないんだ』
明久から意味深なメールが着たのであった。
「・・・・・・なにがあったんだ明久」
数分後。明久を俺の自宅に入れた後、先程のメールについて問い詰めることに。
「で、一体どういうわけがあって俺にこんなメールを送ってきたんだ?内容からして俺とお前ができてるように思われるぞ」
「ごめん斗真。実は家に帰ってすぐ姉さんと喧嘩をしてしまって」
「あの非常識な姉と?まぁ、大体予想はつくが詳しく聞かせてくれないか」
「うん。実はねー」
五分後
「・・・・・・というわけなんだ」
「成程。玲さんから折角の気遣いを台無しにするような発言をされて思わず家を飛び出してしまったから泊めてくれというわけか」
明久の話しはこうだ。明久は帰ってきてすぐ玲さんの為に夕食を作ろうとしたのだが、そんなことをする暇があるのなら勉強しろと言われそれに頭がきて明久は家を飛び出してしまったそうだ。
「僕はただ姉さんに気遣いをしようとしただけなのに言い訳の判断材料にされちゃって思わずー」
「明久、それは明久だけじゃなく誰だって怒るからそんなおかしいことじゃないぞ。それにあの人は俺達の前じゃ平然と非常識なことをしてきたからお前が嫌になるのも無理はないからな」
ただでさえ俺達の前で非常識な振る舞いをして明久を追い詰めるだけに留まらず、ことあるごとに減点してくるんじゃ明久が嫌になって家を飛び出すのも当然だな。
「ごめん斗真。急な頼みをして悪いんだけど・・・・・・」
「いいよ明久。そういった事情なら別に泊めてやっても構わないし、姉ちゃんもきっとわかってくれるだろうから安心しろ」
「ありがとう斗真・・・・・・」
「じゃあ早速だけど、姉ちゃんにお前を泊めるよう言わないとー」
「私がなんだって?」
「ん? ああ姉ちゃん、ここにいたんか?」
俺が明久と話していると後ろから声を掛けられたので振り返ると姉ちゃんが立っていたのだ。
「あ、斗真のお姉さんですよね?」
「そうよ私は斗真の姉の真理よ、今後ともよろしくね。 えっと、あなたは確か吉井明久君だよね?」
「はい。そうですけど、どうして僕を知っているのですか?」
「あなたのことは斗真から聞いているし、吉井君と坂本君のことは学校じゃ色々と噂になってるから知らない人はいないからね」
「へぇ~そうでしたか。 ん? 噂になってるって言ってましたけどそれは一体・・・・・・」
「校舎に花火を放って破壊したり、男子全員による覗き騒動を引き起こした問題児という意味だろ?あれだけ問題を起こせば噂になってもおかしくないからな」
「うっ! 言われてみるとそうだね」
明久は自分と雄二がやらかしたことを自覚してるからか気まずそうな顔をする。
「斗真。何もそこまで言わなくてもいいでしょ。それと私に話があるみたいだけど一体何を話そうとしたの?」
「ああ、それなんだけど今日一日だけ明久をウチに泊めてやってもいいかな?」
「私は別に構わないけど、どうして急にそんなことになったか聞かせてくれるかしら?」
「えっと、そのー」
「明久。俺から姉ちゃんに話すよ。実はね姉ちゃんー」
五分後
「ーというわけなんだ」
「そういうことね。全く吉井君のお姉さんは何を考えてるかしら。いくらテスト前だからっていうのに折角の気遣いを点数が取れなかった言い訳にしかないってあんまりだわ」
「そういうわけだから。明久を泊めてやってもいいかな?」
「わかったわ。それなら泊めないわけにもいかないし、勉強に関してなら私が力になってあげるわ」
「あ、ありがとうございます」
明久は泊めてくれることに感謝し、姉ちゃんに深々と頭を下げる。
「それじゃあ斗真。早速だけど明日の期末試験に向けて勉強を始めようか」
「そうだな。明久、世界史に関しては優子からコツを教わってるからそれを参考にしたらいいよ」
「ありがとう斗真」
こうして明久をウチに泊めることとなり、翌日の期末試験に向けて勉強を始めるのであった。
俺と明久は勉強に集中し、途中姉ちゃんが作ってくれた夕食を食べた後再び勉強を再開して数時間が経つと
「ん? もうこんな時間か。明久、そろそろ寝るとしようか」
「え? もうそんな時間? でももう少ししておかないとー」
「明久、いくらテスト前だからといって詰め込みすぎると返ってよくないからな。それに勉強の続きなら朝早く起きてから再開すればいいんだから今は体を休ませておけ」
「そうよ。斗真から聞いた話じゃあなたは徹夜してまで勉強をしてたみたいだけどそれじゃあ体を壊すだけだからあまり良くないわ」
「わ、わかりました」
「今から毛布を持ってくるからお前はリビングでゆっくりしておけ。六時前に俺が起こしてやるからその時に勉強を再開するぞ」
「ありがとう斗真。でも本当に悪かったね何からなにまで迷惑をかけてしまってー」
「気にするな。俺と明久の仲だからそれくらいは当然さ」
「じゃあ私は自分の部屋で寝るから後は頑張ってよね」
「真理さん。今日一日ありがとうございます。このお礼はいつかお返ししますので」
「そう、それじゃあ。またいつか吉井君の手料理をご馳走になろうかしら」
「はい、腕にふるいをかけて美味しいものを作りますので期待しといて下さいね」
「そうさせてもらうわ」
「じゃあもう寝るとしようか」
こうしてテスト前の一日が終わり、期末試験当日になるのであった。
翌日
明久を起こしてすぐ朝食を取り勉強をした後、学校へ登校する際俺はあるものを明久に渡す。
「明久、これを持っていけ」
「え? これってお弁当だよね。ひょっとしてー」
「姉ちゃんがお前の為に作ってくれたんだよ。食べる際聞かれたら自分で作ったって言っておけ。もしこれが姉ちゃんが作ったものだって知られたりしたらFクラスのヤツらが黙っちゃいないからな」
「ありがとう斗真。今日のテストはいい結果を残せるよう頑張らないとね」
明久は弁当を受け取った後、一人だけ学校へ走っていった。
「後は明久の努力次第だな。でもまぁ、あれだけ集中していたし、俺と姉ちゃんが教えてやったんだからきっとそれなりに結果を残せるだろうな」
さて、俺もそろそろ学校へ行くとしますかね。
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