バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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第十七問 期末試験

テスト当日、明久は誰よりも早く教室に来ては教科書を広げており最後の仕上げをしていた。

 

「明久、いよいよ期末テストだが調子はどうだ」

 

「うん、バッチリだよ。斗真と真理さんにあそこまで付き合ってもらったんだから無駄にするわけにはいかないからね」

 

「そうか、だとすると心配する必要はないみたいだな」

 

「それよりも斗真の方は大丈夫なの?僕や秀吉に勉強を教えていたから自分の分は進んでないみたいだけど」

 

「それに関しては問題ない。一昨日の勉強会で優子やアランに色々と教わってきたからな」

 

「そうだったね。じゃあ後は今までの成果を今回の期末試験で出しきらないと」

 

明久は自信満々に話しているが果たして上手くいくのだろうか。まぁ、後は明久次第だな。

 

「おはよ、アキ、東條」

 

「おはよう島田さん」

 

「ああ、美波。おはよう・・・・・・」

 

「ねぇアキ。聞いた話によると東條と一緒に登校してたみたいだけど何をしていたの?」

 

「何って、昨日斗真と一緒に勉強してたんだけど・・・・・・」

 

「東條と?まさかアキ、東條とそんな関係に・・・・・・」

 

「ああ島田さん。君が思ってるのと違うから変な誤解をしないでくれよ」

 

「え?そうなの?」

 

「実は、かくかく然々でー」

 

俺が明久と一緒に勉強してた理由を話すと

 

「そうなんだ。アキはお姉さんを見返すために東條の家に泊まってたわけね。ウチに言ってくれたらアキを泊めてあげたのに・・・・・・」

 

島田さんは明久を気遣うが、明久としては自分勝手な都合で女子である島田さんに迷惑をかけたくなかっただろうな。

 

「大丈夫だよ美波。昨夜は斗真に教わって必死に詰め込んできたからきっとなんとかなるさ」

 

「そ、そう・・・・・・。アキがそう言うのならいいけど」

 

「島田さん。そろそろHRが始まるから席につこうか。続きはテストが終わってからでもできるしな」

 

「そうね。アキ、今日の試験は頑張りなさいよ」

 

「うん。ありがとう美波」

 

そう言って島田さんは自分の席に着くと教科書を見て復習をし、明久も必死に教科書を見ては姫路さんから教わったとこを重点的に覚えようとしていた。

 

「おはようなのじゃ斗真」

 

「ん? ああ、おはよう秀吉。もうすぐテストが始まるが大丈夫か?」

 

「心配する必要はない。ワシも古典を中心に勉強をしてきたからな。あれだけ斗真と姉上に教わったからにはヘマをやらかすわけにはいかぬぞ」

 

「その様子からして本当みたいだな。じゃあ期末試験の結果、期待してるぞ」

 

「うむ。良い結果を出せるよう頑張るぞい」

 

そうして秀吉も自分の席に着き、復習をし始める。

 

「さて、俺も一応復習はしておくとするかな」

 

HRが始まるまでの間俺も復習をすることに

 

今日の科目は全部で六つ。現代国語・英語(リーディング)・世界史・数学Ⅱ・化学・保健体育という順番で、残りの科目は明日の二日目となっている。一時限目の現代国語や二時限目の英語は得意科目だから問題ない。世界史は優子や姫路さんから教わってるし、保健体育はムッツリーニと愛子から学んでるから大丈夫だ。

 

「よしお前ら、席に着け。今日は期末テストの一日目だがー」

 

いつもの時間通りに来た鉄人先生が連絡事項を告げ、大した話もせず朝のHRが終了した。一時限目のテストまで時間があるため教科書と優子から教わったやり方を記したノートを開いて始まるまでの間復習をしていると

 

「はい、勉強道具をしまって下さい。一時限目のテストを始めますよ」

 

一時限目の監督をする先生がそう告げたので言われた通り教科書とノートを閉まってテスト用紙が配られるのを待つ。

 

「毎度のことですが、注意事項です。机の上には筆記用具以外は置かないこと。また、机に何かが書かれている場合はカンニングと見なされることがありますので、自分で書いた覚えがなくても確認するようにして下さい。それと、途中退席は無得点扱いとなりますので、よほどのことが無い限りはー」

 

テストではお決まりの常套句を聞き流しながら前の席から回ってきたテスト用紙を受け取り、裏面にしたまま後ろの席に回す。

そして、いよいよ期末試験が始まるのだった。

 

 

~~現代国語~~

 

『四面楚歌』という言葉の正しい意味を次の選択肢ね中から選びなさい。

 

①孤立して助けがないこと

②歌ばかり歌って何もしないこと

③楚という国の歌のように、伝播しやすい物事を示す喩えのこと

④四面のBGMが楚歌であること

 

この手の問題は得意であるため、特に苦戦することもなく正解である番号を書いていく。

 

~~英語Ⅱ(リーディング)~~

 

下線部の“It”の意味する内容を日本語で書きなさい。

 

It won't take you more than ten minutes to get to your home.

※警告 『それ』と書いた生徒は問答無用で職員室への出頭を命じます

 

英語は国語に次いで得意な為苦戦することもなくすらすらと訳を書いていくが、この警告文はおそらく明久への注意書きだな。

 

そんな感じで、時間だけが流れていき、今まで通りにやっていくと次は明久が重点的に勉強してきた世界史の時間がやってきた。

 

「よしお前ら。テストを始めるぞ。筆記用具以外は全部しまうように」

 

世界史の監督は鉄人先生か。これは下手に動けば何をされるか想像に容易い。

 

「一枚ずつ取って後ろに回すように。問題用紙はチャイムが鳴るまで伏せておくこと。いいな?」

 

前の席から問題用紙と解答用紙が回ってくると、言われた通り一枚ずつ取り紙の束を後ろに回す。

後はチャイムが鳴るのを待つだけだな。

 

キーンコーンー

 

「始めなさい」

 

鉄人先生の合図と同時に問題用紙と解答用紙に手をかけ、シャーペンを取り出して問題を確認する。

この前の勉強会で姫路さんから教わってるし、優子からも解き方のコツを教えてもらったからここはなんとかなる。文月学園のテストは問題を解けば解くほどテストの難易度も上がっていくからそこは問題を読んで分かるところだけ先に進めていくのがベストだ。

 

キーンコーンー

 

 

テスト終了のチャイムが鳴り響いた。

 

「よし。ペンを置け。解答用紙を後ろの生徒が集めてくるように」

 

クラスの皆が大きく息を吐いており、鉄人先生に言われた通り一番後ろに座っている人が解答用紙を回収していく。

 

『おい朝倉!往生際が悪いぞ。早く渡せよ』

『ま、待ってくれ! ここだけ直してから』

『朝倉! チャイムは鳴ったぞ! 諦めてペンを置け!』

 

チャイムが鳴っている間に朝倉は間違いを修正しようとしたが、時間切れである為無意味なこととなった。

壇上に集められた解答用紙は鉄人先生の手で一つに纏められ、専用の袋に詰められ教室から姿を消したのだった。

 

ん? 明久はなんか気が遠くなったような顔をしているがどこか間違えてしまったのか?

 

「おう明久。勝負の世界史はどうだった? きちんと解けたのか?」

 

明久のところに雄二がやってきた。

 

「ああ、うん。ちょっと間違えちゃったけど、今までで一番良くできたよ」

 

「そうか。それはつまらんな。折角お前が真っ青になって今後の対策を考える姿を笑いに来たってのに」

 

「雄二、それはいくらなんでもあんまりじゃないか。明久だって今まで必死にやってきたんだからさ」

 

「そうだよ雄二。まったく洒落にならないよ」

 

「まぁ、あれだけ勉強したもんな。点数が下がるわけがないよな」

 

「まったくだよ。やだなぁ。はははっ」

 

「ははっ。そうだよな」

 

「・・・・・・だといいけどな」

 

明久と雄二は朗らかに笑って合っているけど、この感じからして何らかのフラグが立っていると思うのは俺だけなのだろうか。

 

 

そして、期末試験から数日後。

 

 

 

紀元前(クラス) 334年(学生番号) アレクサンドロス大王(名前)

 

 

致命的なミスをしてしまった為、明久の一人暮らしは終わりを迎えたのであった。

 

「やっちまったな、あのバカ」

 

 

 

テストが明けてから数日後の放課後。俺は秀吉と優子に明久がやらかしたミスについて話すと

 

「明久らしいといえば聞こえはいいじゃろうが、結果としては最悪じゃろうな」

 

「まったく、覚えようとする気迫はよかったのにどうしたらそんなミスをしでかしてしまうのか聞いてみたいわ」

 

「まぁそう言うなって優子。結局明久は玲さんと同居する羽目になってしまったんだし、明久は好き勝手できなくなるが少しは勉強に対する姿勢もマシになると思うから結果オーライじゃないかな」

 

「そうね。吉井君としては非常識なお姉さんとの二人暮らしは最悪に違いないかもしれないけど、あの人はとても賢いんだから勉強に関してはプラスになるから良かったんじゃないかしらね」

 

「うむ。これで明久の生活態度も改善されるわけだし、めでたしじゃな」

 

「それはそうと秀吉。お前の期末の結果はまだ一言も聞いてなかったがどうだったんだ?」

 

「うっ!そ、それは・・・・・・」

 

秀吉は俺からの質問に気まずそうな顔をするがまさか

 

「秀吉。まさかとは思うが、勉強を忘れて演劇に夢中になったんじゃないだろうな」

 

「ひ~で~よ~し~。正直に言いなさい。そうすれば指一本だけで済ましてあげるわ」

 

「あ、姉上。それはいくらなんでもあんまりじゃないかのう・・・・・・」

 

「いいから結果を言いなさい。さもないとお仕置きをするわよ」

 

「う、うむ。実は・・・・・・」

 

「「実は?」」

 

 

「振り分け試験の時より数百点しか上がってなかったのじゃ」

 

な・ん・だ・と ?

 

「あ、あははは。実はの、古典の勉強をしているときに竹取物語や枕草子にハマってのう。ついついそれらについての台本を読みまくっていたのじゃ」

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

「まぁ結果としては前回より点は上がったことじゃし、ワシとしてはこれはこれで良かったではないかの」

 

「・・・・・・・・・・斗真」

 

「あいよ」

 

 

ガシッ

 

 

「あ、姉上、斗真?どうしたのじゃ何故ワシの腕をそれぞれ掴むのじゃ?ワシに一体何を・・・・・・あ、姉上!斗真!その関節はそっちには曲がらなー」

 

この日秀吉は俺と優子によるお仕置きを受けてしまい、それ以降は真面目に勉強をするようになったのであった。




これでもって原作五巻にあたる期末試験編は終了です。次回からはオカルト召喚獣編ですが、斗真の召喚獣はどうなるか一応ご期待ください。


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