バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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オリジナルの展開になってますけどどうぞ。


第八問 対Bクラス戦 後編

「昨日言っていた作戦を実行する」

 

翌朝登校した俺達に雄二がそう告げる

 

「作戦?Bクラス戦は九時からじゃ」

 

「明久、仕掛ける相手はBクラスじゃなくCクラスの方だ」

 

明久は今だに理解してなかったので俺が説明すると

 

「斗真の言う通りだ。まず早速だが秀吉にはこいつを着てもらう」

 

雄二が懐から取り出したのは文月学園の女子の制服である。

 

やっぱりな。雄二の事だから汚い策略を使うのはある程度予想していたがまさか本当に当たるとは

 

「それは別に構わんが、ワシが女装してどうするんじゃ」

 

男としては構ったほうがいいが、秀吉は演劇で当たり前のように女装しているからか抵抗せず了承する。

 

「秀吉には木下優子として、Aクラスの使者を装ってもらう」

 

雄二の作戦は秀吉を優子に変装させCクラスをAクラスに向かわせるよう圧力をかけるつもりだ。

秀吉と優子は一卵双生児かと思うぐらい似ており、違う箇所はテストの点数と話し方ぐらいだからな。

 

 

「と、言うわけで秀吉。着替えてくれ」

 

「う、うむ・・・・・・」

 

「待て秀吉」

 

「何じゃ斗真?」

 

「着替えるならここじゃなく更衣室で着替えてくれないか?」

 

「確かに言われてみればそうじゃな、ではちょっと行ってくるのじゃ」

 

俺の言葉に秀吉は女子の制服を持って更衣室に着替えに行く。

まぁ俺としては優子と同じ彼女?である秀吉の生着替えをムッツリーニをはじめとするFクラスの男子達には見てもらいたくなかったのが本音だが。

 

 

数分後

 

「よし、着替え終わったぞい。ん?皆どうした」

 

「さあな?俺にもよくわからん」

 

「放っておけ、構う必要はないからな」

 

「おかしな連中じゃのう」

 

「・・・・・・・・・・無念!!」

 

ムッツリーニは秀吉の生着替えを見れなかった事にショックを受けたのかカメラを持ったまま地に涙を流し伏しているがそこは無視させてもらう。

 

 

「んじゃ、Cクラスに行くぞ」

 

「うむ」

 

「あ、僕も行くよ」

 

「俺も行く、もし本物の優子に見られでもしたら作戦が台無しになるからな」

 

俺達は女装した秀吉を連れCクラスへと行く。

 

そのまましばらく歩き、Cクラスを目の前にして立ち止まる俺達。

 

「さて、ここからは済まないが一人で頼むぞ、秀吉」

 

Aクラスの使者になりすます以上、Fクラスが側にいると怪しまれてしまう為俺達は離れた場所から様子を窺う事に。

 

「気がすすまんのう」

 

それに対し秀吉はあまり気が進まないみたいだな。

何せ姉である優子の振りして相手をけしかけるのは俺から見てもあんま気持ちよくないし、これが優子にバレでもしたら秀吉は優子からおしおきという名の関節技をかけられるのも想像つくからやりたくないのは当然だ。

 

「そこを何とか頼む」

 

「むぅ・・・・・・仕方ないのう」

 

「悪いな。とにかくあいつらを挑発して、Aクラスに敵意を抱くよう挑発してくれ。お前ならできるはずだ」

 

秀吉は演劇部のホープって呼ばれるくらいだこれくらいならできて当然だ。

 

「はぁ・・・・・・あまり期待はせんでくれよ」

 

溜め息と共にCクラスへ行く秀吉。気が重そうだがうまくやってくれるだろう。

 

「雄二、秀吉は大丈夫なの?別の作戦を変えていた方が・・・・・・」

 

「明久、それについては問題ない。今は秀吉を信じて見守るだけだ」

 

俺は明久に秀吉を信じるよう促す

 

「大丈夫かなぁ」

 

「静かにしろ。秀吉が教室に入るぞ」

 

雄二が口に指を当て注意する。ここからは声が聞こえないが念の為指示に従う俺と明久。

 

秀吉が教室の戸を開けるやいなや

 

『静かにしなさい、この薄汚い豚ども‼』

 

ちょっとまて秀吉

 

「流石だな秀吉」

 

「うん。これ以上はない挑発だね・・・・・・」

 

秀吉の演技に明久達は関心している。俺の知ってる優子はそんな台詞言わないんだがな。

 

『な、何よアンタ!』

 

この声はおそらくCクラス代表の小山だな。彼女はヒステリーなところがあるって話は聞いてるから間違いない。

 

『話掛けないで!豚臭いわ‼』

 

自分から豚呼ばわりして豚臭いってツッコミどころ満載だが

 

『アンタ、Aクラスの木下ね!ちょっと点数がいいからって調子に乗ってるんじゃないわよ!何の用よ!』

 

知名度としては秀吉よりも、Aクラスの優子の方が高いだろう。そもそも秀吉は女装してる為見分けがつく事はまずないな。しかも相手を上手く怒らせ冷静な観察力を失っている。作戦としては完璧と見ていいだろう。

 

『私はね、こんな豚臭くて醜くて汚い教室が同じ校内にあるなんて我慢ならないの!貴方達何て豚小屋で十分だわ!』

 

『なっ、言うに事欠いて私達にはFクラスがお似合いですって!』

 

あの~小山さん。あなたは豚小屋=Fクラスって認識をしてるんですか?

 

『手が穢れてしまうから本当は嫌だけど、特別に今回は貴方達をふさわしい教室に送ってあげるわ!』

 

秀吉、今さら言うのも何だが。もしこれを優子が知ったらお前は只じゃすまされんぞ。

 

『ちょうど試召戦争の準備もしているようだし、覚悟しておきなさい。近いうちに私達が薄汚い貴方達を始末してあげるから』

 

そう言い残し、靴音を立てながら秀吉は教室を出る。

 

「これで良かったかのう・・・・・・」

 

「ああ。素晴らしい仕事だった」

 

『Fクラスなんて相手にしてられないわ!Aクラス戦の準備始めるわよ!』

 

Cクラスから小山さんのヒステリックな声が聞こえてくる。

どうやら上手くいったみたいだな。多少罪悪感はあるが

 

「作戦もうまくいったことだし、俺達もBクラス戦の準備始めるぞ」

 

「あ、うん」

 

「あ~ちょっと待って。少しトイレ寄ってから戻るから先に行ってくれないか?」

 

「おう。さっさと準備するから早く来いよ」

 

雄二達がFクラスへ戻り一人残った俺はというと

 

 

 

 

 

「・・・・・・これがお前の狙いだったのかアラン」

 

俺が隠れてる奴の名を呼ぶと廊下の端からアランがでてくる。

 

「いつから気づいてたんだい?」

 

「昨日お前が俺達にBクラスとCクラスが繋がってるのを教えてくれた時からだ。他所のクラスであるお前が俺達を助ける理由が見当たらないし、雄二が作戦を思いついた時には秀吉もいてお前なら雄二の作戦くらい読める筈だ。その時点で優子に教えていたら今回の作戦は失敗に終わってたからな」

 

俺が説明するとアランは俺にパチパチと拍手をし

 

「流石だね斗真。じゃあ僕が敢えて君達Fクラスの作戦に乗ったかわかるよね?」

 

「今のところはまだ情報が少ないから何とも言えんが目的は俺達Fクラスへの対策なんだろ。お前は俺達がBクラスに宣戦布告してきた時点で雄二の目的に気づいてる筈だからな」

 

俺がアランにそう尋ねると

 

「お見事。君達Fクラスは僕達Aクラスに一騎討ちで決着をつける為にBクラスを利用する。それについては僕と霧島さんは当然気付いていたよ」

 

「お前はともかく霧島さんも分かってたんかよ。流石は雄二の婚約者なだけあるな」

 

「でもいいのかい?もうそろそろ君達はBクラス戦を再会しないと不味いんじゃないかい?」

 

「おっとそうだったな。じゃあなアラン。Bクラスに勝ったら首洗って待ってろよ」

 

そうアランに伝えた俺はすぐさまFクラスへと戻っていった。

 

 

(さて、木下さん達には迷惑掛けてしまったが。この機会を上手く使わせてもらうとするか)

 

 

 

 

 

 

そしてBクラス戦が再開されると

 

「ドアと壁を上手く使うんじゃ!戦線を拡大させるんじゃないぞ!」

 

秀吉の指示が飛ぶ

 

あの後午前九時よりBクラス戦が再開し、俺達は昨日中断されたBクラス前から進軍を開始した。

雄二曰く『教室に閉じ込めろ』とのこと

 

あの根本の事だ何らかの手段を考えている筈だが奴は一体何を隠してるんだ

ん?姫路さんの様子がおかしいみたいだがなぜ皆に指示を出さないんだ。むしろ戦闘に参加するようにも見えないが。

 

「勝負は極力単教科で挑むのじゃ!補給も念入りに行え!」

今指揮は副官の秀吉が執っており雄二の作戦通りに進んでいる。

 

「左側出入口押されています。」

 

「古典の戦力が足りない。援軍を頼む」

 

押し戻された左側出入口に立っているのは古典の竹中先生だ。

Bクラスは文系が多いから強力な個人戦で流れを変えなきゃ一気に突破される恐れがある。

 

「姫路さん、左側に援護を」

 

明久が援護を求めるが姫路さんは依然と変わらぬままでいる。

 

雄二の作戦だと午後には姫路さんに担われている重要な役割があり、姫路さんには負担かけないよう俺が側についているがこういった場合は仕方ないな。

 

「右側出入口、教科科目が現国に変更されました!」

 

「数学教師はどうした!」

 

「Bクラスに拉致されてます」

 

右側はBクラスの得意な文系科目へ変更されたが俺からすればそんな大して変わらんむしろ好機だ。なぜなら

 

「私が行きます。」

 

俺が考えている間姫路さんが戦線に出ようとすると

 

「あ・・・・・・」

 

急に動きを止めてうつむいてしまう。どういう事だ?

 

「あ、そ、そのっ・・・・・・」

 

姫路さんは戦線に加わらず泣きそうな顔をしている。

姫路さんがここまで狼狽えるって事は根本の奴、姫路さんに何かしでかしたのは間違いないな。

俺はそう思い今目の前にいるBクラス代表の根本を見てみると根本の手には何か便箋らしい物が握られていている。あれは確か前に姫路さんが明久にバレないよう隠し持ってた筈の・・・・・・そういうことか。

 

「明久!ちょっと来い!」

 

「えっ、ど、どうしたの斗真!?」

 

「アレを見ろ」

 

俺は明久を呼び根本の方へ指を指し右手に握られている物を見せると明久は顔を勃然とし

 

「なるほどね。だから姫路さんは・・・・・・」

 

根本に対する怒りを露にする明久に俺は指示を出す。

 

「明久、姫路さんを戦線から外すからお前が姫路さんのする役割を代わりにやっといてくれないか?この際手段は問わんから成功させろ」

 

「任せて斗真。必ずやってみせるからね!」

 

そして明久はどこかへと行き、俺は姫路さんに戦線から外れるよう話をつける。

 

「姫路さん、体調が優れないみたいだけどここからは俺と明久が何とかするから姫路さんは次に備えて一旦ここから外れといてね」

 

「えっ、っで、でも・・・・・・」

 

「大丈夫だ。見たところ、教科は現国に変わってるみたいだが、俺からすれば大して問題ないよ」

 

「はっ、はい・・・・・・。わかりました」

 

そして姫路さんが撤退し、俺は前に出ると

 

「あの野郎・・・・・・ぶっ殺す!!」

 

根本に対する怒りを露に前へと進む

 

「お、おい!東條がこっちに来るぞ!」

 

「狼狽えるな!今教科は現国だからこちら側が有利だ!」

 

「だが何だ奴の表情は!?こちらに対して怒りを向けてるみたいだぞ!?」

 

Bクラスの生徒が根本を守ろうと現代国語担当の先生を連れ俺に近づいていくが。

 

「失せろ!貴様らは俺に敵うわけないからな」

 

俺がそう言い放つと

 

「なっ!Fクラスの分際で舐めやがって!」

 

「この野郎。クラスの差を思い知らせてやる!」

 

「やっちまぇー!」

 

Bクラスの生徒達が現国のフィールド上に召喚獣を出すが俺はそれを気にせず自信の召喚獣を出す。

 

試獣召喚(サモン)!」

 

Fクラス 東條 斗真 555 点

 

『なっ!?』

 

Bクラスは俺の点数を見て驚愕する。残念だったな。俺の得意科目は現国で学年ランキングではあの霧島さんを遥かに上回ってるんだよ。

 

俺の召喚獣には腕輪が装着されており俺はすぐさま腕輪の能力を発揮する。

本来腕輪は使用するには単科目400点以上取らないと付かない仕様になってるが今なら問題ない。

俺の召喚獣は今装備してる2つの剣の柄を繋ぎ合わせ両刃剣にしそれを回転させると竜巻が発生し相手の召喚獣を飲み込んでいき

 

Fクラス 東條斗真 455 点

VS

Bクラス モブ×3 0点

 

「戦死者は補習ー!」

 

『ち、畜生~!』

 

相手の召喚獣は即死し補習室へ連行されていった。

 

「まっ、俺の役目はこんな所か。根本に関しては明久に任せるとして残りの部隊を潰すか」

 

そのまま俺は根本の周りにいる護衛を倒しながら進んでいくと

 

「斗真、なぜ姫路を下げたんだよ!?これじゃあ作戦が台無しになるじゃないか!」

 

 雄二は姫路さんに下がるよう言った俺に文句を言うが

 

「悪いな雄二、どうやら根本の野郎が姫路さんの大切な物を盗み、それを脅しに動きを封じてたんだよ。作戦に関しては明久に任せてあるから大丈夫だ。とりあえず雄二、今からあの卑怯者の所に行くぞ」

 

「そうか。斗真、俺と一緒に来い!」

 

「了解」

 

俺はすぐさま雄二に事情を話すと納得し、雄二はすぐさま俺と一緒に根本の前まで行く。

 

そして

 

「お前らいい加減諦めろよな。昨日から教室の出入口に人が集まって暑苦しいことこの上ないんだよ」

 

奥から根本の声が聞こえおり先程Dクラスに指示を出してきた雄二が根本を挑発する。

 

ドンッ! ドンッ!

 

「どうした?軟弱なBクラス代表様はそろそろギブアップか」

 

「はぁ?ギブアップするのはそっちだろ」

 

「無用な心配だな」

 

「・・・・・・そうか頼みの綱の姫路さんも調子が悪そうだぜ」

 

「お前ごときには姫路さんは勿体ないから下げただけさ」

 

「・・・・・・つまり相手には役不足なんだよ負け組代表さんよぉ」

 

「負け組?それがFクラスの事なら、もうすぐお前が負け組代表なんだよ」

 

ドンッ! ドンッ!

 

今だに根本と雄二が互いに挑発しあっている中Bクラスの教室の壁の方からは音が聞こえてくる。おそらく明久が隣の教室で何かやっているのは間違いないな。

 

「ちっ!・・・・・・さっきからドンドンと壁がうるせえな。何かやっているのか?」

 

「さぁな。人望のないお前に対しての嫌がらせじゃないのか?」

 

「お前が敗北するまでの時間もそう掛からんみたいだな」

 

「けっ。言ってろ。どうせもうすぐ決着だ。お前ら一気に押し出せ」

 

ドンッ! ドンッ!

 

「っそろそろ頃合いだな、雄二!」

 

「そうだな・・・・・・態勢を立て直す!一旦下がるぞ!」

 

「了解」

 

「どうした!散々吹かしておきながら逃げるのか!」

 

俺達が下がると

 

「明久、後は任せた」

 

と俺が言った瞬間

 

 

 

ドゴォン!!

 

Bクラスの教室の壁が崩れ中から明久が出てくる。

さっき手段を問わんって言ったけど本当にここまでやるとは大したものだよ明久

 

「くたばれぇ、根本恭二ぃ!!」

 

明久は根本に勝負を挑むように駆け寄っていく

 

「遠藤先生、Fクラス島田が・・・・・・」

 

「Bクラス山本が受けます。試獣召喚(サモン)」

 

「くっ!近衛部隊か!」

 

根本の近くにいた近衛部隊が行く手を塞ぎ。明久と根本との距離は20メートル程度。教室が広い分距離がある。

 

「ははっ、驚かせやがって、残念だったな。お前らの奇襲は失敗だ!」

 

根本は笑っており明久の奇襲が失敗したと思っているみたいだが甘いな根本。明久も囮の一部で既に俺達の目的は達しているからな。

 

因みにさっき雄二がDクラスに出してきた指示というのはBクラスの室外機を壊すことでその為Bクラスのエアコンは停止し、涼を求める為に窓が空いており。

 

 

ダンッ、ダンッ!

 

そこから屋上を伝って降りてくる二人の人影があった。

 

降りてきたのは行動力が自慢の保健体育担当・大島先生とムッツリーニこと土屋康太である。

 

「・・・・・・・・・・Fクラス、土屋康太」

 

「き、貴様!」

 

「・・・・・・・・・・Bクラス根本恭二に保健体育を申し込む」

 

「ムッツリーニィー‼」

 

試獣召喚(サモン)

 

Fクラス 土屋康太 441点

VS

Bクラス 根本恭二 203点

 

 

 

こうしてBクラス戦は俺達の勝利によって幕を閉じた。




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