バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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第十三問 肝試し Part7

 「おいお前ら。さっき姫路と木下姉とすれ違った際泣いていたが何かあったのか?」

 

 「・・・・・・東條。二人に何があったか聞かせて?」

 

 俺と明久が互いに決心をして、常夏コンビのいるチェックポイントに行こうとする直前。雄二と霧島さんが遅れながら到着する。

 

 「ようやく来たか二人共。今からワケを説明するけど、ちょっと頼みを聞いてくれないかな」

 

 「ああ? 頼みだぁ? 言っとくけど下らない頼みをするのならお断りだぞ」

 

 「いや、本気でお前にしかできない頼みだから聞いてくれないか。実は姫路さんがーー」

 

 

 俺が雄二と霧島さんに常夏コンビが俺達を罵倒した事、姫路さんが泣きながら俺達を庇ってくれた事を話すとさっきまでやる気のなさそうな顔をしていた雄二の表情は徐々に真剣な顔付きへ変わっていき、霧島さんも眉間に皺を寄せてアイツらを絶対に許さないっていう気持ちが読み取れるような顔付きになっていった。

 

 

 「良いだろう。それくらいなら引き受けてやろうじゃねぇか。但し、やるからには絶対に負けたりするんじゃねぇぞ」

 

 「ああ。元から負ける気はさらさらねぇよ」

 

 「翔子。着いて早々悪いが、今から世界史の田中を呼んで来てくれないか。勝つ為に必要な策だからな」

 

 「・・・・・・わかった」

 

 雄二の指示を受けた霧島さんはすぐにその場を立ち去ると先生を呼びに先程まで通った道を引き返すのだった。

 

 「後は翔子が教師を連れてくればいいだけだ。作戦は俺たちに任せて、お前ら二人は常夏コンビの処へ行ってこい」

 

 「すまない、雄二」

 

 「貸し一つな」

 

 

 

 

 

 「待たせましたね。先輩方」

 

 「遅かったじゃねぇか東條。格下が目上の人間をあまり待たせるんじゃねぇぞ」

 

 「それはすみませんでしたね。あなた達なら俺が本気を出さなくても勝てると思ってましたので」

 

 「! 貴様!先輩を舐めるのも大概にしろ!」

 

 俺と明久がチェックポイントに足を踏み入れると、常夏コンビはさっきまでは嫌な笑みを浮かべていたが俺が軽く舐めた口を聞かせると即座に逆上した。

 

 「まぁいい。ここでてめぇらをぶちのめして二度と逆らえないようにしてやればいいだけの話だ」

 

 「ところで、昨日お前ら『個人的な勝負をする』って言ってたよな? それって当然、何か賭けるんだろ?」

 

 どうやら二人は勝ちを確信しているようだな。夏川は挑発するように俺と明久を交互に睨みつけた。その後ろでは常村もニヤニヤと笑っていた。ここで俺達が賭けに乗ってくるとは思っていないようだ。どうせ、俺達が約束を反故にして逃げた、と罵倒してやろうとか、コイツらが考えそうなのは見てわかるしな。

 

 「やりたくねぇってんなら・・・・・・そうだな。この場で土下座でもしてもらーー」

 

 「お断りですよ。俺はあなた達みたいなクズ如きに土下座するつもりはありませんから」

 

 「な! てめぇ・・・・・・。先輩をクズ呼ばわりするとはいい度胸してるじゃねぇか・・・・・・!」

 

 「その代わり、個人的な勝負はここでやりますよ。負けた方は勝った相手の言うことを聞くという条件を付け加えてですけどね」

 

 「「んあ?」」

 

 明久がにこやかにそう答えると、常夏コンビは間抜けな声を上げた。

 

 「そ、そうか。お前がそういうなら乗ってやろうじゃねぇか」

 

 「但し、俺達が勝ったらその場で土下座してもらうからな」

 

 「いいですよ。ま、学力はあってもその使い方をまともに知らないあなた達じゃ俺達に勝てるかどうかすら怪しいですけど」

 

 「てめぇ・・・・・・ぶっ殺す!」

 

 「明久。準備はいいか」

 

 「僕はいつでもいいよ」

 

 「よし、じゃあ始めるとしましょうか」

 

 「・・・・・・まぁいいだろ。お前らが何を企んでいるのかは知らねぇが、どうせ猿知恵だろうからな。行くぞーー 試験召喚(サモン)っ」

 

 「ぶちのめしてやる。試獣召喚(サモン)っ」

 

 常夏コンビが物理の木村先生がいることを横目で確認してから召喚獣を呼び出す。通常なら幾何学模様が浮かび上がるが

 

 

 起動(アウェイクン)

 

 

 「ぁあ? なんだ? 出てこねぇぞ?」

 

 「なんだこれ? どういうことだ?」

 

 「おや? おかしいですね。本当に不調でしょうか」

 

 「木村先生。不調じゃありませんよ。ちょっとある細工をしただけですから」

 

 「あ!? 細工だと・・・・・・」

 

 「雄二。もう出てきてもいいぞ」

 

 「あいよ」

 

 俺が呼び出すと雄二は常夏コンビに負けず劣らずな嫌な笑みを浮かべならチェックポイントに現れた。

 

 「な、坂本!?てめぇ・・・・・・何しやがった!?」

 

 「何って、俺はただ斗真に言われた通り、腕輪を使ってフィールドを展開させただけですよセンパイ方」

 

 「う、腕輪だと?まさか!?」

 

 「お、気づいたみたいだな。アンタらの考えてる通り、木村先生が展開した物理のフィールドと俺の腕輪が展開したフィールドがぶつかりあって《干渉》を起こしたんだよ」

 

 「つまり、干渉し合ってるこの状況で先輩方の得意科目である物理のフィールドは展開できないってことですよ」

 

 「てめぇ、なんて卑怯な真似を・・・・・・っ!」

 

 「卑怯も何も肝試しで腕輪を使ってはいけないってルールは書いてないから別に問題ねぇだろ」

 

 「そういうこと。アンタらは俺達を得意科目で圧倒する筈が敢え無く失敗してしまったんですよ。ふっ、ざまぁねぇな」

 

 「くっ・・・・・・!てめぇら・・・・・・!」

 

 俺が軽く小馬鹿にすると常村が顔を真っ赤にしている。

 

 「・・・・・・安心しろよセンパイ。その代わりと言っちゃあなんだが、今翔子が他の科目の先生を呼んできてますのでそれで斗真たちと戦えばいいんじゃないですか?」

 

 「まさか、自分達の得意科目じゃなきゃ俺と明久には勝てないと言うのですか?さっきまでの威勢が嘘みたいになってますよ」

 

 「・・・・・・の野郎・・・・・・っ!」

 

 互いにフィールドを展開している為干渉を引き起こし、打ち消し合っている。そんな中で決着をつけるには他の科目の教師にフィールドを展開してもらうしか方法はなくなったわけだ。

 

 「上等じゃねぇか・・・・・・! そこまで言われたからにはやってやる。賭けのこと、忘れんじゃねぇぞ!」

 

 「そっちこそ忘れるなクソ野郎。・・・・・・斗真、明久、後は任せたぞ」

 

 「ああ、行くぞ明久」

 

 「うん。こんなヤツらには倍返ししてやらないとね」

 

 「・・・・・・雄二。先生を連れてきた」

 

 「お、ようやく来たか。それじゃあ先生、お願いしますよ」

 

 「ああ、はいはい。わかりました」

 

 霧島さんが田中先生を連れてきてくれた。着いて直ぐ様雄二に言われて、田中先生は召喚許可を出す。物理の木村先生は干渉を起こさないように気を遣って、何もしないでいてくれた。これは俺と雄二の作戦通りだ。

 

 「「「「試獣召喚(サモン)」」」」

 

 俺と明久と常夏コンビの喚び声が重なる。

 今度はさっきまでとは違いきちんと幾何学模様が出てきて、そこからいつもとは違いオカルト仕様になっている召喚獣が現れる。但し、点数はというと

 

 

 

三年Aクラス 常村 勇作 15 点

 

三年Aクラス 夏川 俊平 65 点

 

VS

 

二年Fクラス 東條 斗真 355 点

 

二年Fクラス 吉井 明久 161 点

 

 

 「「あ」」

 

 昨日、学園長に止められる寸前のままになっていた為、もう勝負は見えていたのだった。

 

 「明久。・・・・・・殺るぞ」

 

 「オーケー」

 

 

 ドカ! バキ! ゴス!

 

 

 勝負は一瞬でけりが付き、俺と明久が勝利した。

 

 「く、クソがぁぁぁぁっ!」

 

 「なんで・・・・・・なんで三年Aクラスの俺達がこんなクズどもに・・・・・・っ!」

 

 常夏コンビは俺と明久に敢え無く敗北してしまったことに、悔しさを露わにした。

 

 「賭けは僕たちの勝ちです、先輩」

 

 「さて、約束は守って貰いますよ」

 

 「・・・・・・・・・・。・・・・・・けっ。俺に・・・・・・何をやらせようってんだ」

 

 「明久、お前から先に言え」

 

 「うん、わかった。・・・・・・僕からの希望はただ一つ。・・・・・・姫路さんに謝れ」

 

 「ま、予想通りだな。但し、ちゃんと謝ったかどうか確かめる為にムッツリーニに撮影してもらいますよ。あなた達が姫路さんに土下座して謝る姿をね」

 

 「く!・・・・・・てめぇ・・・・・・!」

 

 「約束は約束ですからちゃんと守って貰いますよ。クズ共が」




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