Fate/Breaker   作:アレア

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数年前に設定だけ書いてた物をサーヴァントの1部やら主人公やらの変更をして書いてみた の巻

基本設定以外ほとんど変わってる実質別物……

2話の公開は来年ですかね(とおいめ


運命の魔眼

‐‐‐2020年5月25日‐‐‐

 

人にはそれぞれの運命が決まっていてその運命通りに人生が進み、終わる。

私もそのうちの1人だ、運命のルートに従って生きてきた。

運命の通りいけば私は数日後に死ぬ。

私には人の運命を見る事が出来る能力がある、自分の意思で相手を選ぶことは出来ないけど。

運命を見る事が出来るのは私が知ってる人物だけ、今のところは。

知っている相手というのは、もちろん己も含まれる、今回の運命はそれが当てはまっただけ。

 

「この人生に悔いは無いけど、死にたくないなぁ……まだまだ若いしどうせならもっと色んな事してみたい」

 

1人、部屋の中でつぶやく。

今までの人生は特にこれといって大きな出来事は無かったけど、一部を除いて楽しい日々だった。

 

「忘れないように見た事を復唱しよう」

 

私は未来視の事をビジョンと呼ぶ事にしている、理由?なんかそれっぽいじゃん?

さて本題、自分が死ぬビジョン……それは何者かに殺される光景だった、私は座り込んで血を流していた。

その人はとても日本で作られたとは思えない大きな剣のような、旗のような物を持っていた。

意識が朦朧としてたのか、シルエットしか見えなかったからイマイチどういう物かは分からなかったから服の色が黒かったくらいしか情報は無い。

今まで私が見たことがあるビジョンは宝くじが当たっただの、つまずいて転けただの、どうでもいい事から車に轢かれた、事件に巻き込まれた、みたいな命に関わる事まで見られるけど、それを私の力でどうにかする事は出来ない。

実際、魔眼で見たビジョンの光景を数日後に目の前で見たことがある、道路で車が事故を起こしてそのまま歩道に入ってきた。

そこには少女が歩いていた……。

少女は私の知り合いの妹だった。

知り合いによれば重症だけど奇跡的に命に別状はなかったらしい。

 

「あれは絶対トラウマ残るだろな……」

 

私でさえあの光景は覚えていたくない。

けどビジョンとしてと、実際に見た光景として、2度も見てしまっているから忘れる事は出来ない。

 

「ま、今度は私の番なんだけど……ビジョンでは外だったし家に引き篭れば生き残れたりしないかな……」

 

一人暮らしでレトルトもほとんど残ってない我が家で引き篭るのは至難の業だな、と諦める。

私の魔眼には2つ弱点がある、1つは見た運命を変えられない事、もう1つはそのビジョンと同じ光景をいつ見るか分からない事だ。

いつどこでどのようにそういう場面に遭遇するか分からない、1時間後かもしれないし1週間後かもしれない、だから避けようとするのは不可能に近い。

 

「こういう時、普通じゃ有り得ない事が起こって未来が変わったりしたらなぁ……」

 

私の魔眼も普通じゃ有り得ない事の1つだ、他にも何か起こってもおかしくはない。

そもそもこの魔眼が覚醒したのは私が12歳頃の事だった。

曖昧なのはその時の記憶がほとんど無いから。

私は10歳の時、事故にあった事がある。

その事故で私は頭を強く打ったらしく、それから2年間寝たきりだったらしい。

寝ていた時は夢も見てなかったのか記憶が完全に抜け落ちている、今年で20歳になったらしいが私の中ではまだ18歳という認識だ、18回しか誕生日を迎えてないんだから当たり前よね。

見えるようになってからいい事があったかというとそうでも無い、大抵自分以外の事だったから、そして今回は自分の悪いビジョン、ウンザリするほど利益のない眼だ。

 

「どうして見えるんだろ」

 

これ以上考えても仕方ない気がしたから私は家を出る事にした、ビジョンで見た日が例え今日じゃ無くても、食料が無ければどちらにしろ私に未来はない。

 

「何食べよっかな」

 

たまには自炊しなきゃと思いつつ多分今日もレトルトで済ますだろうというのはビジョンで見れなくても察しはつく。

なんたって私の事だから。

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

スーパーで買い物を終えて店を出る。

 

「これでしばらくは引き込もれるかな……!」

 

両手いっぱいの袋を手に提げ歩く。

ビジョンで見た風景に見覚えはない、このまま直接家に帰ればそこに辿り着くことは無いだろう。

というかこんだけ買ったの全部無駄になったら殺した相手を恨むわ……。

 

「黒い服の人には気を付けなきゃね」

 

周りを執拗にキョロキョロしながら歩いてる私の姿は周りから見れば黒服の人よりも怪しい人物かもしれない。

 

「よし、家までダッシュしよう!」

 

GO!と心の中で叫んで走り出す。

そんなに体力がある訳ではなくすぐにバテたけど無事に家に着いた。

 

「誰もいない……よね」

 

確認して家に入る。

オートロックのマンションだから中に入ってしまえば大丈夫でしょ。

いつものようにエレベーターに乗って4階に上がる。

 

「鍵鍵〜っと」

 

カバンのポケットから鍵を取り出しドアの鍵穴に入れる。

ガチャっという音と共にロックが外れドアを開く。

やっぱり我が家は落ち着く、あんなビジョンを見たから尚更かもしれない。

 

「とりあえず買ったもん片付けてご飯食べよっと」

 

レトルトのカレーや牛丼を棚に仕舞い卵を冷蔵庫に入れる。

 

「レトルトって普通に食べても美味しいけど卵入れたらもっと美味しいよねぇ……って今日の分は仕舞っちゃダメだ……」

 

レトルトカレーにちんするご飯をレンジで温めてお皿に盛る。

卵も忘れずに乗せてっと。

 

「ん〜いい匂い……」

 

レトルトだからと侮るなかれ、今のレトルトはみんな美味しいよね。

思ってたよりお腹すいてたのかあっという間に無くなってしまった。

 

「さて、お風呂入って寝よ」

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

‐‐‐5月26日‐‐‐

 

お風呂から出た私はいつあの光景に遭遇するか怖くて気を張りすぎてたのか疲れて髪を乾かす暇もなく寝てしまった。

普段あまり見ない夢を見た、それも未来のビジョンを。

基本的に私がビジョンを見るタイミングは起きてる時が多い、夢で見るのは珍しい事だ。

だからなのか目覚めてからもその光景をよく覚えている。

私が知らない、私と同年代位の女の子が追われていた。

正しい言い方をすると追っているのは私だった。

でも多分私ではない……と思う。

目線が高かったし昨日のビジョンで見た私を殺した武器、に似てる剣を持っていたから。

今度ははっきり見えた。

それだけでは私じゃないとは言いきれない、けど考えてみると今までのビジョンとは何個か違う点があった。

1つ目は知り合いじゃなくて顔も知らない人のビジョンだった事。

2つ目は私じゃない?人の目で見ていた事。

3つ目はこのビジョンは今日起こる、そう確信出来ること、今まではいつ起こるか全くわからなかった。

4つ目は私が美少女を殺そうとするとは思わない事!

 

「4つ目は置いといて私の結論は魔眼の能力?が変異?して見れる光景が変わっている……という事だ」

 

そうなるとビジョンで見た光景では女の子は切られてもいなかったし逃げきれている可能性もあるし、私が助けに行く事で助かる可能性もある。

そして多分その場合昨日見たビジョンの通り私は死ぬ。

一か八かだし死ぬのは怖いけど分かっているのに放っておく事なんて出来ない、それが例え私の命と引き換えだとしても。

 

「そうと決まれば準備しなきゃ、ビジョンでは外なのに暗かった、つまり夜の出来事だからそれまでにあの場所へ行けば……!」

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

朝ごはんをレトルトで済ませた私は家を出て自転車で10分ほど走った先のディスカウントストアに行った。

そこでスタンガン、催涙スプレーを買った。

そして夜になってからビジョンで見た場所に向かった。

 

「ここを曲がったところのはず……スプレーは持った……行くぞっ」

 

覚悟を決めて飛び出す。

黒服の男とその男から逃げてる女の子の後ろ姿が見えた。

 

「あのーお兄さん……」

「……誰だ?君は、ここは危ないから離れた方がいいよ」

「な、何を言って……私は貴方をビジョンで」

「なんの事かは分からないが邪魔すると言うのなら……すまない」

 

黒服の男は声のトーンを変え、標的を女の子から私に変えて普通の人が片手で持てないような大きな剣を振り上げる。

 

「あわわ、えっと、今のうちに逃げて!」

 

思ったより怖くて思うように体が動かないからとりあえず女の子を逃がすことを優先した。

私の声に気付いた女の子は走って去っていったのを確認してホッとする……訳にもいかない、今は私がピンチなのだ。

催涙スプレーを男の顔に向ける。

 

「あれ?」

 

慌てていてロックの解除を忘れていた、最初に外しておくべきだった……。

終わったわこれ。

腰の力が抜けて尻餅をつく。

昨日のビジョンと同じ……ここで。

 

「抵抗はこれで終わりですか……それでは、力を抜いて、命を預けて欲しい。苦痛は与えない」

 

やっぱりビジョンで見た光景は変えられないのかな。

もうスタンガンを出す暇も気力もない。

あとは振り下ろされるのを待つだけ。

 

「はぁ……怖いな」

 

小声で呟く。

目をつぶる。

……。

あれ?

 

「誰だ」

「ん〜誰かと名乗って伝わるのかな、貴方海外の人でしょ?」

 

ガキンという金属の擦れるような音で目を開けるとそこには、和服のような服を着た日本刀を持つ女の人が男の剣を抑えて立っていた。

 

「邪魔をしないでくれないか」

「えーと……取り込み中だったかな?でもまぁ、可愛い女の子をいじめてるのを見過ごす訳にはいかないなぁ……!」

「君はセイバーか?」

「せいばー?なにそれ」

「魔力を感じない、サーヴァント……では無いのか」

「んーそれもよくわかんない」

「そうか、サーヴァントでは無い君が僕を止めるというなら……いや、今回は見逃すことにしよう」

 

助かった……?

 

「お嬢さん、次に会った時は覚悟をしてくれ」

「もう来なくていいよ」

「えっ消えた!?」

 

和服の女の人の言葉を聞くと共に黒服の男が透明になって消えた。

 

「さて、と……大丈夫?」

「はい……助かりました、ありがとうございます」

 

和服の女の人が手を差し伸べてくれたので私も手を伸ばす。

 

「うん、無事でよかった、ととっ自己紹介がまだだったわね、私は新免武蔵守……あー長い、宮本武蔵!武蔵でいいわ!」

「宮本武蔵……みやもとむさし……えっ宮本武蔵!?女!?」

「ど、どうしてそんなに驚いてるの?」

「宮本武蔵って男なんじゃ……」

「あ〜こっちの世界ではそうなのね……ま、そんなこと置いといて貴方は?」

「あ、はい、私は黒咲舞友莉(クロサキマユリ)です」

「マユリちゃんね、と〜ころでさ……ここはどこで今は何年?」

 

肩が出てる和服に刀、それに記憶喪失……?

怪し過ぎる……。

 

「えと、今は2020年5月26日火曜日です」

「なるほど……ところでさ、宿を探してるんだけど……どこかいい所ないかな?出来ればお金がかからないとこがいいかな」

 

ホテルもネカフェもお金かかるし……うち、片付けたらいけるかな。

怪しいけど助けてくれたし女の人だし大丈夫でしょ、多分。

 

「せ、狭いですけどうちで良ければ」

「ほんと!?良かったぁ……来たばっかりで宿が見つかるのはありがたい!」

 

人来る事ないから散らかってるし帰ったら速攻片付けしなきゃ。

 

「後、お腹すいちゃった……うどんとか食べれないかな?」

 

こうして私がこの世から居なくなる運命は宮本武蔵を名乗る腹ぺこ女剣士によって壊されたのでした。

 

 

 




聖杯戦争要素がほぼ皆無ですが2話からは聖杯戦争するつもりです、多分
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