巫女と天パと超絶ラッキーガールが異世界から来るそうですよ?   作:ジャンヌ

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感想で銀時と紅葉が似ているって指摘がありましたが…

霊夢も、結構共通点あるんですよね。貧乏なとことか。

ま、狙ってやりましたけどね(ドヤァ)

…嘘です。


ちなみに今回は説明回ですが、コピペとかしてないんで、飛ばさず読んでくれればと思います。


第三訓 自己紹介っていっても、結局はうわべだけ

 さて、なんかんやで、お互いに顔をあわせた問題児たち。

 黒ウサギはいまだ縛られたままだが、誰も突っ込みはしない。唯一の救いは、熊谷がドンマイ、と言ってくれることか。なんの助けにもなりゃあしねぇ。

「で、誰から行きます?」

 もちろん、顔も知らぬ奴らが集まったら、することは一つ。

 自己紹介、である。

 だが、約三名ほど、明らかにめんどくさがっている。

「仕方ないわね・・・桜市子。泰安高校一年生よ」

「じゃあいきますか・・・どうも~貧保田紅葉でぇ~す☆生理は割と軽め、好きな体位はまつB」

「いきなり何ほざいてんだあこの貧乏神ぃぃぃ!!」

 市子のハイキックで、吹っ飛ばされる。それでもすぐに回復するあたりは、流石神。

「ちょ、その話くわしく」

「おまえはどこに食いついてんだぁぁ!!」

 ハリセンで容赦なくぶったたく市子。

 かなりの衝撃だったのか、叩かれた天パは痛そうに頭をさする。

「はぁ・・・博麗霊夢。巫女よ」

 簡潔に答える霊夢。状況がよくわからない以上、幻想郷については黙っていたほうがいいと感じたからだ。

『俺は熊谷。紅葉の使い魔だ』

 熊谷もスケッチブックを掲げるが、全員立っていたせいか誰も気づかなかった。

「で・・・最後は俺かよ、めんどくせぇ・・・」

 鼻をほじりながら、気だるげに答える。

「俺ぁ坂田銀時。侍だ」

「「「「侍?」」」」

 その場にいた全員が素っ頓狂な声を出す。

 侍など、彼女らの世界ではどこにもいなかったせいだ。過去の遺物と化したか、もしくはそもそも認知されていないか。

 それにも構わず、銀時は言葉を紡ぐ。

「おう。そんで、こんなのをやってる」

 懐から出した名刺を全員に配る。まあ、黒ウサギには目の前に置いたが。

 それをみてさらに疑問の声が上がる。

 

「「「「万事屋銀ちゃん?」」」」

 

「そうだ。報酬さえくれれば何でもやりますってな。責任もってやるぜ?」

 侍に続き、万事屋と来た。ずいぶんとまあ変わった人物だと思う一同。

「で、次はアンタだぜ、ウサ耳のねぇちゃん?」

「うう、話しますから。だから、まず縄を解いてくれませんか・・・?」

「はぁ、それくらいテメーでやれよ、まったく・・・」

 そうして、縄をとこうと、黒ウサギに近寄る。

 だがまあ、こんな目にあわせた張本人とはいえ、よく見ればずいぶんとかわいい。胸も市子に負けないほど、いやこちらは谷間がモロに見えているため、さらにエロイ。おまけに泣きそうな目で上目づかいにこちらを見つめてくるときた。

「・・・(ぼたぼた)」

「は、鼻血!?大丈夫ですか銀時様!?」

「なに色気づいてんだ腐れ天パ侍ぃぃぃぃ!!」

「オイ今天パつったか!?馬鹿にすんじゃねぇぞ!!アレだかんな、天パに悪い奴はいないんだからね!?」

「はぁ・・・クズね」

「いやぁ、これはなかなか・・・面白い」

『気持は分らんでもないがな・・・自重しろ』

 しかし、銀時は貧血にならないのであろうか?

 ハリセンでぶったたかれるも、とりあえず縄をほどいた銀時。やっと枷が外れたことを喜び、ピョンと跳ねる黒ウサギ。

「あ、ありがとうございます銀時様!!なんとお礼を・・・って。なんでまた黒ウサギの首元に縄をかけているのデスカ?」

「え?そりゃおめぇ、亀甲縛りにきまって」

「「「るわけねぇだろうが!!!」」」

 女性陣三人の膝蹴りさく裂。銀時の意識は、血をだいぶ失ったこともあり、刈り取られた。

「はぁ・・・なんか酷く貞操の危機だった気がいたしますが・・・それでは御四人と一匹様。定例文で言いますよ?言いますよ?さあ、いいますようこそ”箱庭の世界”へ!!」

「・・・もったいぶりすぎだろ・・・」

 血を吐きながらも、すでに立ち上がっているタフさに、一同驚く。もう全員、この男をスルーしていくつもりだったのだから。

 気を取り直して、説明再開。

「そ、それでですね。我々は皆さまにギフトを与えられた者だけが参加できる《ギフトゲーム》への参加資格をプレゼンさせていただこうかと、この度は召喚させていただきました!」

 ここで一同、顔を見合わせる。ギフト。耳慣れない単語であるが、確かにそうといっても差支えない力があることは、各々理解している。

 この男だけを除いて。

「オイオイ・・・俺ぁそんなもん持ち合わせていねぇぜ?俺はただのギャグ漫画の主人公なの。そんなとんでもねぇ能力あるわけないの」

「・・ギャグマンガ?で、ですがここにいるという時点で、普通の人間でないことは確定しています。きっと御自身が自覚していないだけだと思いますよ?」

「そういうもんかねぇ・・・」

 渋々引き下がる銀時だったが、タイミングを見計らったように紅葉が手を挙げる。

「あーそのギフトゲーム、ですか?それは我々が所持する”ギフト”に関係しているんですか?例えばそう・・・ギフトを賭けて戦う、とか」

「・・・察しがいいですね。その通りですヨ」

 今まさに自分が説明しようとした事を、この少女は鼻くそをほじりながら言い当てて見せた。

 見かけによらず、なかなか頭の回転が速いようである。勘のいいそこの巫女といい、やはり曲者ぞろいだと改めて認識する。

「”ギフト”は修羅神仏から与えられた恩恵。それを用いて戦うのが《ギフトゲーム》なのです!!紅葉様がおっしゃったように、チップには御自身のギフト、土地、利権、名誉など様々です」

「ちょっといい?さっき”我々”っていっていたけど、それは何かしらの組織が点在しているという意味かしら?で、その組織どうしでゲームをするとか」

 発言したのは、あの巫女である。

「YES!箱庭で生活するにあたり、皆さんには数多とある”コミュニティ”のどこかに必ず属していただきます!」

「「「メンドイ、いやだ」」」

「属していただきますっ!ってなんでそんなに息ピッタリなのですか!?」

 示し合わせたように拒否した、銀時、紅葉、霊夢。

「まったく・・そしてギフトゲームの勝者はゲームの主催者が提示した商品をゲットできるという大変シンプルな構造となっております。先ほどのチップのことですね」

「へえ、で、内容はどんなのがあるの?」

 市子が問いかける。

「それも様々、ピンキリですね。修羅神仏が人々を試すものからコミュニティの力を誇示するためのものまで。中には命がけのゲームもあれば運任せのものもありますね」

「ふーん・・・運任せなら、楽勝ね」

 黒ウサギは愛嬌たっぷりの笑顔の裏に黒い影を見せる。

 市子は市子で、自身の力が通用するのか確認が取れ、気分が高揚していた。

「なるほど・・・ギフトゲームが、一種の法として機能している、ということですか」

「YES!といっても、八割ですけどね。もちろん強盗窃盗などの犯罪行為は専用の法があり、悉く罰せられます・・・が、しかし!ギフトゲーム内では勝者が特をするもの!ルールさえ守ればタダで商品を入手することも可能です」

「・・・スペルカードルールに近い、わね」

 霊夢がボソリ、と呟く。もっとも成立した経緯、目的は根本的に違うのであろうが。

「それゆえ、ギフトゲームは弱肉強食の世界となっております。ルールを守れなければお話になりません。空を飛べないからといって、救済措置がもらえることは皆無なのですよ」

 ここでふぅ、と一息つく黒ウサギ。あらかた話し終え、少し疲労が出たのだろう。

 そして、一通の、全員が見覚えのある便箋をとりだす。

「さて、ここに召喚した以上、黒ウサギには箱庭に関わるすべての質問に答える義務がございます。ですがそれには少々時間もかかることでしょう。新たな同志候補である皆さんをいつまでもこんな野外に出しておくのは忍びない。どうでしょう、ここから先はわれらがコミュニティでお話しさせていただきたいのですが・・・」

「ちょっと待ってください」

「奇遇ね。私も一つ言いたいことがあるわ」

「・・・ZZZ」 

 紅葉が待ったをかけ、霊夢が続いて手を挙げる。

 銀時は、立ったまま寝ている。

「はいな、なんで・・・って!?最後おかしいですよね銀時様!?寝てたんですか、まさか徹頭徹尾ずっと寝てらしていたのでございましょうか!?」

「・・・はっ」

「は、じゃねぇでございますよぉぉぉぉ!!」

 本来の言葉使いも瞬時に崩れ、怒声を上げる。

 うう、ブルブル肩を震わせる黒ウサギにかわり、市子が銀時に説明する。

「ほら、なんか聞きたいことあれば言えば、だってさ」

「おうそうか、サンキュ乳子」

「市子だっつーの!!」

 なぜかれが元の世界でも蔑称を知っているのか、まあたまたま思い付いただけだろう。

「んじゃえーっと」

「それでですね、」

「で、」

 

 

「「「いつになったら帰れんの?」」」

 

 

「・・・は?」

 

 

 

***

 

 

(ま、まずいのでございますよぉ~!?)

 困る。非常に困る。今すぐ帰りたいとか申されたら、もうまずい。

 そもそも黒ウサギは、箱庭云々よりもっと大事なことを隠しているのだ。ばれたら・・・。

 彼らは藁をもつかむ思いで召喚した、最後の希望。絶対に、手放すわけにはいかないのである。

 だからこういうしかない。

「あ、あはは~。申し訳ないのですが、こちらに召喚した以上、帰すのは無理なのでございますよ~」

 あくまで誠意を見せる。そうして本当の目的を隠す。我ながら汚い手だとは思うが、仕方がない。

 案の定、三人は納得してくれたようで、気落ちしたように肩を落とす。

「はあぁ、しかたねーな・・・明日ジャンプの発売日なのに」

「はあぁ、しかたねぇですね・・・メンドイ」

「はあぁ、しかたないわね・・・このままだと幻想郷崩壊するのに」

「そんな理由だったんですか!?というより最後!?霊夢さんはどういう事情を抱えているのですか!?」

 思ったよりもくだらない、いや最後はホント切羽詰まっているようだが・・・。

 市子があきれたように声をかける。

「ま、別に私はいいわよ。多分あいつらも元気でやるだろうし」

「おんやぁ?そんなこといっちゃってぇ~。愛しの石蕗君はどうするんですぅ~?」

「な・・べ、別にアイツは関係ないわよっ!!」

「えぇ~口はそうでも、体は正直だぜ、いっちー?」

「やかましいわっ!!」

 ムキになって反論しているが、顔が真っ赤になっていることから、もろばれだ。ずいぶんと分かりやすい感情の持ち主のようである。

「あはは・・・そ、それくらいにして、早速まいりましょう!!」

 焦ったように促す黒ウサギ。

 そのせいで気がつかなかった。三人の目が、水を得た魚のごとく、キラリと輝いたのを。

 銀時が、歩き出した黒ウサギの肩をがしっと、強くつかむ。

「・・・あ、あの?銀時様?」

「まてよ・・・話しはおわってねぇよ?」

「え?」

 みれば紅葉も銀時も、滅茶苦茶底意地の悪い笑みを浮かべている。霊夢にしても、顔は無表情だが、目が怖い。

 その時点で悟った。自分は、はめられたのだと。

 罠にかかった、ウサギのように。

「帰せねぇっていうなら、しかたねぇ・・・」

「ですが、随分とあなた、焦ってましたよねぇ・・・?売り急いだ住宅の広告のように」

「え、その、あの・・・」

「勘だけど、あんたがなんか隠し事をしていることくらい、猿でもわかるわよ」

 そうして、ニヤリ。と三人の口が三日月のように薄く裂ける。

 

「「「話せよ、コミュニティの現状を」」」

 

 

 その時の事を、桜市子はこう語っている。

「ええ、そのときだけはあの死んだ魚たちが、手を組んでリンチしているようだったわ・・・あのときばかりは、黒ウサギに同情したくなったわね」

 

 

***

 

 

 それから、黒ウサギは取調室で三日三晩カツ丼ばかり毎食出され、精神肉体ともに疲労した犯罪者のごとく、洗いざらいぶっちゃけた。

 コミュニティに名も旗もないこと。

 中核を担う主力メンバーが全ていなくなってしまい、残っているのは子供ばかりであること。

 それゆえ、ギフトゲームに参加できるのが黒ウサギとリーダー(齢十一)しかいないこと。

「というわけで、皆様方をお呼びしたわけなのですよ」

「まじかよ、随分ヤバいな」

「流石に、それは・・・」

「ひどいわね・・・」

『そんなに困窮しているとは・・・』

「でしょうね」

「ホントですねー♪」

 アハハ、とねじが切れた人形のように笑い、がっくりと膝をつく黒ウサギ。

 まさか、こんなに早く看破されるとは、夢にも思わなかった。

 銀時と霊夢は勘、紅葉は観察と推測故なのだが、そんなことはどうでもいい。

 だって、みなさん、むっちゃ帰りたがっている人達なのである。

 無理に引き止めることは、したくない。でもそれをしなければ、コミュニティがつぶれてしまう。

「つーかよぉ、だったら新しくコミュニティをつくればいいんじゃねーの?せっかく”箱庭の貴族”だっけか?そーいう広告塔があんだしよ、人くらいワンさか」

「・・それじゃ、ダメなのですよ・・・!」

 妙案とばかりに提案した銀時だが、初めて黒ウサギが悲しみに詰まった声を出したことに驚き、口を噤む。

「私たちが守りたいのは・・・帰ってくる場所なのです。新しく作ってしまっては、彼らはどこに帰ればよいのですか。どこで帰りを迎えればいいのですか。諦めたくないのです。ただ・・・あの方たちを・・・!」

 うぐっ、えぐっ、と嗚咽交じりに思いを吐露する。

 もう、限界だ。

 自分たちの甘えで、迷惑をかけたくはない。

 でも、それでも。家族の場所を・・・!

「・・・いいから、泣くのをやめろ。黒ウサギ」

 力強い声に、おもわず涙を止め、銀時を見上げる。

「俺ぁてっきり、いつか旗が戻ってくるとか、そんな甘い考えでいるんじゃねぇかって思ってたけどよぉ・・・」

 ポン、と黒ウサギの肩に、手を置く。

 彼の手のひらが、なぜだか。あったかく、かんじる。

 だから、彼のいうことが信じられる。

 

 

「協力するぜ、黒ウサギ」

 

 

 ニッと笑って、そう宣言した。

「ぎ、銀時様・・・!」

「はぁ・・・そういうのには弱いんだよ、まったく・・・。あと。様ってつけんのやめろ。これから家族になる奴に、他人行儀は似合わねぇ。だろ?」

 ガシガシと頭をかきながら、恥ずかしげもなくそういってのけた。

 ・・・先ほどまで、どうしようもないチャランポランだと思っていた。やる気のない、ダメ人間だと。

 でも、違った。出会って数時間しかたっていないのに。ここまで心を通わせられるなんて。彼を、信用できるなんて。

「・・・はいっ!!」

 だから。私も、彼には誠意を尽くそう。

「カッコつけてくれちゃって・・・。いいですよ、私も協力しますよ。任務には支障なさそうですので」

「最初から言ってくれればいい話なのよ。ね?」

「私ははっきりと確約はできないけど・・・スキマ妖怪が来るまでなら協力したっていいわよ」

『任せとけ…!』

 各々違う言葉だけど、思いは同じ。

 誠意を、伝えよう。

 

「・・・はいっ、よろしくお願いします、皆さん・・・!」

 

 涙があふれるのにも構わず、深く、深く頭を下げた。

 

 

 




銀さんは、やるときゃやる男。
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