アングラビシダスが始まって一回戦、相手は原作どうりブルド使いの『首狩りガトー』だ。
「ほぉ、最初に『白い死神』が相手か」
バンは原作と違いアングラビシダスには何度も出場しているので首狩りガトーとは顔見知りだ。
「お互い良いショーを見せようぜ」
「そうだなぁ。その生け贄になるのは今度こそお前だからなぁ!」
実はバンは首狩りガトーには一回も負けたことがない。初出場の時にちょっと危なかったことがあるぐらいだ。
『皆さん、お待たせしました。ただ今から第一回戦を開始します』
「いくぞ白い死神、バトルスタートだぁ!」
バトルスタート!
戦場は地中海遺跡、立ち位置はバンが上にいた。
ガトーは現状、地の利においては不利な立ち位置にいるため、階段をかけ上がる。
しかし、そんなことはバンは予想しており、わざわざ階段の上で戦わずにじっと待ち構えていた。
「オラァ!くらえぇ!!」
ガトーのブルド改は階段をかけ上がったらすぐに斧を振りかざしバンの元に走った。
「このブルド改、前回よりも加速力が上がってるね」
そうバンは少し褒めたが、その攻撃はあっさり避けてそのまま遺跡の柱を使って忍者の様に柱と柱を伝って行く。
「相変わらず動きがすばしっこいなぁ!」
ジョーカーはブルド改を少しずつ大鎌で削っていく。もちろんブルド改もそれに対抗するためにカウンターをするが、かなりの重量があるブルド改の攻撃はジョーカーにとっては避けやすいのだ。
「装甲を増やすのは確かに大切だが、俺のジョーカーには有効じゃなかったね」
ジョーカーはその時攻撃をするかと思いきや、LBXの手の平サイズのカプセルを投げつけた。
「ッ!!スモークグレネードか!」
ブルド改を中心に白い煙はどんどん範囲を広げていく。
「さぁ、ショーの始まりだ!!」
ジョーカーは煙の中に入り、その中でジョーカーを探しているブルド改の姿を見つけた。
(いた……!)
そしてブルド改が追い付くことの出来ないスピードで大鎌を振る。
その一振り目は斧を持っている右腕を根元から切り下ろした。
二振り目はその反対の腕を切り下ろし、そのまま居合い斬りをするように今度は右足を装甲の薄い根元を切り下ろし、最後に、倒れようとしていたブルド改の胴体は当てない様に首を刈り取った。
そして煙が晴れるとそこにはバラバラになったブルド改と片足で体を踏みつけ、左手にブルド改の首を持っている姿があった。
『うおおおぉぉぉお!!!』
この光景に観客は大きく感興していた。
『第一回戦の勝者は山野バンのジョーカーMk2、煙に紛れて首狩りガトーをあの大鎌で切り裂きました。正に『白い死神』の名に相応しいプレイを見せてくれました』
なお、二回戦は原作どうり不戦勝だった。
(俺はリン以外は大丈夫だからいいけど……そいえばカズが三回戦の相手がリンだったっけ?見に行かないとないとな……)
バンがバトルを終えて戻ってきた頃には既にカズとリンがバトルをしていた。
(あれ!?ジ·エンペラーじゃない!!)
リンが使っていたのはゲームではパスワードでしか入手できない『赤のジ·エンプレス』を使っていたのだ。
カズは背中のブースターを上手く使いながら銃を射つが、リンはそのすべてを最小限の動きで避けながら近づいている。
「くそっ!コイツ上手い……!」
「……終わりです」
ジ·エンプレスは一気に攻勢をし、ジャンプしてアキレスを叩き落とした後、アキレスの頭をティターニアで叩き潰した。
「……13秒46」ボソッ
「!?」
マジか……カズとはいえ、あのアキレスを瞬殺するなんて……
更に、MCの言葉に驚いた。
『第二回戦の勝者は海道リンのジ·エンプレス、『瞬殺の女帝』の名に恥じないようなバトルを見せてくれました。次も期待しましょう』
(瞬殺の女帝!?)
秒殺の皇帝も瞬殺の女帝に変わっていた。
女帝はリンは女の子なのでわかるが、『瞬殺』と言うならばもっと強くなっているのではないだろうか……
瞬殺は瞬きをする間に殺されるという意味で、瞬きが0.1秒で、秒殺は1秒を指すので瞬殺の方が圧倒的に強い。
「悪いバン……とんでもないくらい強かったぜ」
「知ってる。瞬殺だったね」
「……まあ、アミなんかはバトル開始から10秒以内でやられてたからな……」
学校でもそうだったが、リンはアミのことが本当に気に入らないのか……そのアミは柵に肘をかけて拗ねていた
「全く失礼しちゃうわ……ってバン!?」
「お疲れアミ、どうしたの?そんなに拗ねて」
アミは反論しようとしたが、口を閉じた。
「いや、何となく腑に落ちないだけよ……」
「……リンとのバトルか?」
「そうよ!あの女、カズとかはちょっと手加減してたみたいだけど、私には本気で潰しに来たのよ!全く動かずにやられたわ!」
「ああ……」
まあ、クノイチではジ·エンプレスには勝てないだろう……せめてパンドラを使わないと勝てない。
「ごめん、とょっと一人にさせて……」
「そうか……悪かったなアミ」
そのままアミは地下から出てってしまった……
「……心配だからまた後で様子を見に行くか」
アミが地下から出てった後、入れ替わるように肩をチョンチョンッとつつかれた。
「バン君……ちょっと一緒に来てほしいんだけどいい?」
「え、いいけど……」
そのままリンに腕を引っ張られて会場の端っこに移動させられた。
実は最初はリンのLBXは普通にジ·エンペラーにするつもりでしたが
「よく考えたら女帝なのに皇帝のLBXを使うって変じゃない?」
という理由で女性型のジ·エンプレスに変えました。
次回はバンとリンの関係性についてです