原作を半分無視して進めるダンボール戦機   作:ノヴゴロト

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今回はバトルとかは全くなく、ただただバンとリンとの思い出を話す回です


病院での記憶

「……本当に私の事憶えてないの?」

 

 

会場の端に連れ去られてからめっちゃさっきからこのようにグイグイ攻めてくる。

 

 

「ごめん、本当に憶えていないんだ。写真を見せてくれたら思い出すかもしれないけど……」

 

 

実際にバンはトキオブリッジの事件に巻き込まれていなかったし、リンのような特徴的な髪の子も見たことがない。

 

 

「じゃあ……これは憶えている?」

 

 

リンがグイッとCCMを寄せて見せてきた。

 

 

「ちょっと近いって………えっ……」

 

 

そこにはバンが見覚えのある白い部屋と白いベッドに幼稚園の頃のバンとリンとは違う真っ黒な髪の毛をした短髪の女の子が写っていた。

 

 

「どうして君がそれを!?」

 

 

バンの冷や汗が止まらず、顎にまで滴った。なんだか悪い予感がした……

 

 

「……バン君はあの時した『約束』憶えている?」

 

「……さあ?何のことだったか」

 

「そういう所もあの頃のバン君とそっくり……」

 

 

実際バンの口調や口癖はその頃からある程度形になっていたので実際変わっていない。そんなことは幼馴染みのアミで気付く位なのでリンは当時からずっとバンのことをよく観察していたんじゃないかと思う。

 

 

「へえ、よく俺の事を観察しているんだね」

 

「気になる人はどうしても目で追ってしまうでしょ……?」

 

 

何でこんな性格に変わってしまったんだ………

 

 

 

 

 

──九年前──

 

俺はその時、車に引かれて病院に入院してた。

 

あの時の記憶は今でも憶えている……

 

 

その時、非常階段の所で自分と同じ病院服を着た黒髪の短髪の女の子が泣いていた。

 

 

「ぐすっ、ぐすっ……」

 

「どうしたの?こんな所で泣いて」

 

 

何となくその時興味が湧き、女の子が座っていた所の横に座った。

 

 

「よかったら君の悩み事聞かせてくれないかな。一人で溜め込むのはよくないと思うよ」

 

「……本当に?聞いても私の事イジメたりしない?」

 

「しないよ。僕はそんな偏見は持っていない」

 

 

それからポツポツと彼女が話してくれた。両親が事故でなくなってしまってある大人の人の所にいるが、その時に大怪我をして至る所に包帯を巻いているので、転校したその先でいじめを受けているとのことだった。

 

「そっか……」

 

「どうせあなたも私の事をイジメたりするんでしょ……」

 

 

その時、俺と同じくらいの身長の彼女の背中がすごく小さく見えた。

 

そしていつの間にか彼女を抱き締めていた

 

 

「そんなことはない!僕は君のことはあまり知らないけど、君にだって良いところはいっぱいある筈だよ!」

 

 

勢いで彼女を抱き締めたが、俺はその時四歳だったのでセクハラとかは大丈夫な筈だ。

 

 

「それにそんなに自分に自信が無いなら、僕が自信をつける練習相手になる」

 

「……」

 

 

かはその時顔は見えなかったが、多分驚いていたのだろう

 

 

「……本当にいいの?」

 

 

その時、僕の肩が少し濡れた気がした。

 

 

「勿論。僕が病院にいる間、ずっと一緒にいてあげる」

 

 

彼女から離れようとすると今度は逆に背中に腕を回された。

 

 

「……もうちょっとこうさせて……」

 

 

そのままその姿勢でずっといたら非常階段から上がってきた看護婦に見つかり、怒られたがそこから彼女と病院内で過ごしていく。

 

 

それからいろいろあった。大きい病院だったので二人で病院を探索したり、こっそりアミから貰ったゲームやトランプで遊んだり、彼女が一人は寂しいと言って俺の病室のベッドに来て一緒に寝たり、彼女の誕生日を祝り、当然の俺が渡す事が出来る金額の物をプレゼントしたりもした。

 

そうした日々を送っていくうちに段々と彼女は明るくなっていった。

 

しかし、始まりがあるように終わりもある。俺の退院の日が決まったのだ。

 

それを彼女が知ると恐らく号泣して俺がいなくなったらまた元に戻ってしまうだろう。だから退院することは前日まで隠すことにした。

 

 

 

 

 遂にその時は来た。退院する前日の夕食が出る前に彼女を俺の病室に連れていき、辛いが、俺が明日退院する事を伝えた。

 

 

「いや!ずっと一緒にいたい!お願い、私の前から居なくならないで、ずっと側にいて!!」

 

 

予想どうり彼女は病室で泣きわめいた。まだ幼い彼女にはこの別れは辛かったのだろう。そこで俺は彼女とある約束をした。

 

 

「……じゃあこう約束するよ『僕が退院した後、君とまた出会えたらまたこうして病院で過ごしたように一緒に遊んだりする』って」

 

 

彼女はこれを聞いたとたん、ピタリと泣き止んだ。

 

そして彼女からも約束を提案してきた

 

 

「じゃあ私からもお願い事。『バン君と勝負して勝ったらずっと側にいてくれる』って約束して……」

 

 

俺は彼女から約束事をしてきた事に驚いたが、彼女もこの病院生活で自信がついたのだろうと思った。

 

 

「いいよ、じゃあ小指を出して」

 

「うん……」

 

 

ゆーびきりげんまん、うそついたらはーりせんぼんのーます!ゆびきった!

 

前世でも小さい頃約束をするときのおまじないみたいなことをこの時した。

 

 

「じゃあ約束だよ!」

 

 

そして沢山泣いたからか彼女はお腹が空いたようで、一度自分の病室に行った後、また俺の病室に来た。

 

 

「あれ、もう食べ終わったの?」

 

 

そしたら彼女はトランプを出した。

 

 

「バン君、トランプしよ!勿論、私が勝ったらずっと側にいてよね!」

 

 

その後、何回もトランプをしたが、そのたびに俺が勝っていた。

 

 

「もうそろそろ寝たら?」

 

「まだ……バン君に勝つまで諦めないもん……」

 

 

よっぽど俺が側にいて欲しかったらしく、トランプのカードを手に持ちながら寝てしまった。

 

 

「全く……そんなに離れたくなかったんだな……」

 

 

俺は小さい体で同じくらいの体の彼女を背中に背負って彼女の病室に行き、ベッドにおろした。

 

 

「……ごめんな。退院したらまた会える事を願うよ……」

 

 

俺は寝ている彼女の頭を撫で、布団を被して自分の病室に戻った。

 

 

 

 

退院当然、母さんは仕事が始まる前に迎えに来た。

 

昨日、俺とずっとトランプをしていた彼女は夜更かしをした反動でずっと寝ているらしく、俺が病院から出ても彼女は来なかった。

 

そして俺は元の生活に戻ったが、暫くは彼女のことが気になっていたが、時間が経つにつれてその事はあまり考えなくなっていった………

 

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

 

「『また出会ったら病院で過ごしたように一緒に遊んだりする』と『私が勝負で勝ったらずっと側にいてくれる』って約束やっぱり憶えているみたいね」

 

「……」

 

「私ね、実はあの時、髪の毛を黒に染めていたの……」

 

 

リンはバンと瞳孔がくっきりと見える所まで近付き、右手にCCMを持ったまま腕を腰に回した。

 

彼女は9年前とは違い、中学生とまだまだ幼いが、女性として魅力的になっていた。

 

 

「バン君、決勝戦で貴方とプラチナカプセルの両方を戴くわ……」

 

 

そう言いリンは腕を放し、人混みの中に消えていった……

 

 

「……とりあえず、三回戦は何とか勝たないとな」

 

 

成長したリンに会わせる顔がない。決勝戦まで実力は隠しながら上手く戦おうと思った。

 

 




 やべぇ……中学生なのにリンがめっちゃセクシーでカッコええ……!
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