──アングラビシダス当日の夜──
人だかりが減ったが、まだ街灯は光っている駅前で一人少女が歩いていた。
「はぁ、こんなに悩んでいるなんて私らしくない……」
周りは誰もいなく、アミは独り呟いた。そしてポケットからズタズタにされたクノイチを取り出す
右足と左腕は破損していてフレームはひび割れ、コアスケルトンは修理不可能な所まで壊れていた。
その時、アミはクノイチが何も出来ないまま破壊されていく記憶が蘇った
「……っ!」
体から大量の冷や汗が流れ、急いでポケットにクノイチをしまって足を動かす
少し歩くと露店がポツンとあった
「お、そこの嬢ちゃんどうしたんだい?こんな時間に、もう帰らないとお母さんに起こられるんじゃないの?」
「いえ、ちょっと少し……」
アミが気まずそうにゴニョゴニョ話すと察したのか露店主が話を切り替えた。
「ところでお嬢ちゃんはLBXやるんだろ?」
「ええ、……まぁ」
「だったらうちのを見ていかない?買いたくなったら安くしてあげるからさ」
「まあ、見るだけなら……」
そう言い、アミはじーっとLBXを見つめた。
「ムシャにズール、アマゾネスね……あまりピンとこないわね……」
「言ってくれるじゃない、これでも最新モデルのを集めたつもりなのに」
「でも気に入らないのは仕方ない……だったらこういうのはどうかな」
露店商が屋台の後ろに行き、ゴソゴソと何かを動かした後、戻ってきた。
そしてそれを屋台のテーブルに乗せた
「え、そのLBX初めて見たわ!」
「どっちとも一点物の激レアLBX『エジプト』と『鬼クノイチ』だ」
「エジプトに……鬼クノイチ?エジプトは知らないけど、そのクノイチは何か違うの?」
アミは悩むが、お金が余りないのでどうするか悩んでいる
「一度鬼クノイチを手に取ってみるかい?」
「いいんですか?」
そう言うとアミは鬼クノイチを手に取る。すると鬼クノイチを見ると一瞬くらっとふらついたが、その後何事もなかったかのようにそのまま何処かへ行ってしまった。
「毎度ありー!………へっへっへっ」
──キタジマ模型店──
アングラビシダスの翌日、拓也さんから昼からブルーキャッツに集まってくれとCCMでメールをもらったので恐らく今日はシーカー本部に行って明日海道邸に侵入するだろうと思い、キタジマでジョーカーのメンテナンスをしていた。
暫くすると入り口が乱暴に開けられた
「バーン!」
やってきたのはリュウだった
「どうしたの?そんな涙目になって……」
「オレのブルドが……」
「?ブルドがどうかしたの?また壊された?」
俺が冗談半分で聞くとまさかの答えが帰ってきた
「そうなんだよぉ!河川敷に行くんじゃなかった!」
「え!?リュウ、誰にやられたの!?」
そんなはずはない。恐らく『エジプト』にやられたのだと思うが、原作でそれを操作していたのはカズだったし、彼に特にそんな雰囲気はなかった筈だ……
しかし、そんな予想はあっさりと裏切られた
「ア、アミちゃんだ……」
「え!?アミが!?」
まさか、アミがそんなことをするはずがない。……よっぽどのことがない限り……
それにアミのLBXはリンのティターニアによってコアスケルトンを直す事が出来ないレベルで破壊されていた筈だ。
「そうなんだ、アミちゃんのLBXにやられたんだぁ!」
「……取り敢えず直ぐに河川敷に向かおう」
それから河川敷に向かったが、この時はまさかこんなことになるなんて思いもしなかった……
──河川敷──
河川敷に行くと下でアミがDキューブを展開して立っていた
「アミ、どうしてリュウのブルドを破壊なんてしたんだ?」
「……」
しかし、アミは何も反応してくれなかった
しかし、この時初めてアミが口を開いた
「……勝負よ、バン」
そうして取り出したのは黒く染められていて、いつもは緑の部分が黄色になっていた。
「もしかして新しいLBXを買ったのか……?」
しかし、アミは何も反応してくれなかった。この時怪しいと思い、アミの目を見たらハイライトが消えていた。
間違いなくこれは操られているに違いない
(でもこのアーマーフレーム、どっかで見たことがあるような気が………)
まあ、そんなことは考えてもどうしようもないので、さっさとあのクノイチを破壊してアミを元に戻すことにした。
バトルスタート!
舞台は恐らく原作では『砂漠』だったが、今回は『地中海遺跡』に変わっていた。恐らく単純なスピード勝負では負けるから遺跡の柱などで隠れて攻撃したりするのだろう
「……鬼クノイチで切り刻んであげるわ」
(鬼クノイチ!?そんな、まだディテクターはまだ出てこない筈だぞ!?)
バンが衝撃を受けている間に鬼クノイチが上から降りてきてジョーカーに襲ってきた
「っ!速い!」
今までのクノイチなんかよりも格段に速くなっていた
ジョーカーも対抗するが、クノイチに細かい攻撃にたじろぎ、どうしてもなかなか攻撃が出来ない
しょうがないので一旦遺跡の柱に身を隠す事にした
「……あの洗脳はもしかして普段よりも思考回路が回らないのか」
ジョーカーが少し探したらわかる場所にいるのにクノイチはウロウロと探していた。
(このチャンスを上手く使えれば……!)
ジョーカーは行動に移った。
クノイチにバレないように柱を足場として使って上から攻撃を仕掛けた。
それは見事に成功してクノイチの頭を大鎌で攻撃すると、クノイチのヘッドパーツが半分に割れて片方が外れた
それを食らったクノイチは間合いを取るために一歩後ろに行った
「今だ、必殺ファンクション!」
アタックファンクション!
デスサイズハリケーン!
黒い竜巻が鬼クノイチを襲い、クノイチから青い光が出て動きが止まった
「うぅ……」
アミが一瞬唸るとそのまま倒れてしまった。
「アミ!?大丈夫か!」
その後、俺はアミを背負って流石にこのままアミの家に運ぶのは不味いので一旦俺の部屋に運ぶ事にした
次回はバンの部屋でだらだら話をする予定です