「ここは……バンの部屋……?」
「アミ!起きたか……」
アミが目覚めるとバンは安心し、息を吐いた。
「良かった……何事も無くて……」
「え……私何かした?何も覚えてないんだけど……」
「え、そうなの!?」
「うん……」
「そっか……拓也さんには連絡から昼からはアミが無理そうだから夜にしてくれって言っておいたから……」
バンがアミを安心させる言葉を言うとアミは肩の力が抜けたのか、お腹からクゥーという音がした。
「ハハハ、お腹空いていたんだね、これからお昼ご飯を作ってくるからゆっくりしてってね」
そう言ってバンは部屋から出てった
「……久しぶりにバンの部屋に来たわね」
特にすることもなく、アミが独り言を呟く
「最後に来たのは何年前かな……」
アミはバンとは幼なじみでLBXを切っ掛けに仲良くはなっているが、実は9年前の出来事が切っ掛けで余り話さなくなったのだ……
──9年前──
その時はバンは車に引かれて病院で生活をしていた頃だ。
それでかなり遅くなるが、バンが病院に行ってから1ヶ月半後に私がお母さんと一緒にお見舞いしに行った時からだ……
「バン、大丈夫?」
「大丈夫だよ、ちょっと骨を折っただけだって」
バンは昔からよく事故や事件に巻き込まれやすいようで、この時は右手首と左足を骨折していた。
「それに子供は大人と違って骨が柔らかいからちゃんとカルシウムを取っていれば直ぐに直るからね」
その時はバンの言っていることがよくわかっていなくて凄く心配していた。そのお陰で今のような性格になったのだが
その日はバンに学校でわからなかった算数の勉強を教えてもらっていた。
今もそうだけど、彼の教え方はとても分かりやすくて今でも教えてもらっている
その日も彼の病室で勉強をしていたのだが、ドアからバンッと私と同い年くらいの病院服の女の子が入ってきた
「バン君、今日も遊ぼ!……あ……」
その子は私の事を見るとササッとバンの背中に隠れてしまった
「リン、ダメだよ人見知りするのは……」
「バン、その子はだれ?」
「紹介するよ。同い年のリンだよ」
「……よろしく」
よく考えればこの子がアングラビシダスで私のクノイチを破壊したのだと思い出す
「私は川村アミっていうの、よろしくね」
「アミとは幼なじみなんだ」
その時、一瞬この子の顔が暗くなった気がした
「それでバン君は遊ばないの?」
「ごめんね、今はアミに勉強を教えているんだ」
バンがリンの頭を撫でる。撫でられてたリンは機嫌を良くしていた
「じゃあ私も一緒に勉強する!」
そう言ってリンは病室から飛び出し、何処かへ行ってしまった
五分くらい勉強をバンに教えてもらっているとまたドアが勢いよく開いた
「勉強道具持ってきたよ!」
そのままバンのいるベッドに上がり、バンの横で教科書とノートを開いた。私が使っている教科書と同じものだ
そしてしばらく個々で勉強をしているとリンがバンが使っている教科書が違うことに気づいた。
「あれ、バン君は算数やらないの?」
「ああ、もう宿題はもう終わったから今は英語を勉強しているんだ」
「えいご?」
「世界中で通じる言葉の事だよ」
「へえー世界中の人と話せるようになるの?スゴーい!」
この時から既にバンは周りの人とはちょっと違う人だった。
その後夕方になり、私は彼の病室を出たが、筆記用具を忘れ物をしてしまったので病室に戻り、ドアを開けようとすると声が聞こえた
『ねえバン君』
『……』
私はそれが気になり、少しドアを開けてコッソリとなかを見た
そこには横になって寝ているバンと彼に馬乗りになって座っているリンの姿があった
『私のこと好き?』
『……』
バンは全く反応しない。恐らく寝ているのだろう
『ひどいよねバン君は、私の気持ちに気付いているのに分かっていながらこうやって遊んでくれるもんね……』
アミが入る隙がなく、それをずっと見ているとリンはバンの服に手をかけた
(何をするの──!)
リンがバンの服のボタンを一個ずつはずし始めたのだ
『私、バン君の事が好き……』
『だからさ、友達じゃなくてもっと上の関係になりないな……』
そして全てのボタンを外した後、中に着ていたシャツも
脇まで捲った
そしてリンはバンの髪を触ったりして最後はバンの首筋を舐めた
それを見ていて頭の中で段々と私とバンの思い出が黒く塗りつぶされていった
その時リンはバンの首筋を舐めながらドアの方を見てきた
『……ねぇ、そこに誰かいるんでしょう?』
(ッ!)
その時、私はその場から逃げ出した。怖かったのだ、あの茶色に近い瞳が……そして何よりも幼なじみのバンが同い年の子に馬乗りにされて、体を舐め回されている姿を見るのが辛かった
別にバンの事が好きだったとかそういうことではない。ただ、幼なじみで仲が良いだけだ。それでもあの焼き付くような光景は見たくなかった
その後病院を出てお母さんの車に乗って帰った。その後自分の部屋に入ると私はすすり泣きをしていた……
それ以降、バンとは話さなくなったが、LBXが切っ掛けでまた仲良くなって現在に至る。
「………い…丈夫……大丈夫?」
私がボーッとしていたらバンが心配してくれていた。よっぽどずっと考えていたのだろう
「ううん、大丈夫だよ」
「そっか……お昼ご飯を作ったからこれを食べてゆっくりしようか」
バンはサンドイッチをアミに渡してベッドに腰をかけた彼をついじっと見てしまった
「?どうかしたの?」
「いっ、いや何でもない!」
何だか彼の隣にいると何となく今まで考えていたことが馬鹿馬鹿しくなってきた
何となくだが、彼といると落ち着く。
「ずっとこのまま時が止まればいいのに」
そう思っていたがそんなロマンチックなことは起きない。
時間はあっという間に過ぎて拓也さんと待ち合わせの時間がやって来たのだった
ドラマでありそうなドロドロな三角関係になってしまった……
これ収集がつかないかもしれない……
ていうかリンがめっちゃ変態になった……