千冬に言われて武昭は本音の部屋に来ていた。
〔ここが本音さんの部屋なんだ〕
「そうだけど今日からは違うよ、あきっち……私とあきっちの部屋だよ」
〔そうか、そうなるのか……えっと、片方のベッドにヌイグルミが沢山置いてあるけど……〕
「うん、そっちが私のベッドだから空いてる方をあきっちが使ってね〜」
〔分かったよ……ふぅ何か疲れたな……〕
「ん〜あきっち〜?……あっ」
ベッドに横になった武昭が静かになったので本音が見ると眠っていた。
「あきっち……こうして学園で再会するまで何があったかは私は知らないよ……けどね、私はずっとそばにいるから……だから……今は、こうさせてね……」
本音は武昭を起こさない様に膝枕をしたが、その表情は優しかった。
本音が武昭に膝枕をして30分程経った頃……
〔う……アァーッ!〕
「ふえっ!?あきっち!どうしたの!?」
寝ていた武昭が急に魘されたので、それを見た本音は驚いていた。
「どうしたら良いの……そうだ!」
本音は携帯を取り出すと千冬に連絡をした。
それから暫くして……
〔アッ……ふぅ……〕
「やれやれ……どうやら落ち着いた様だな……」
呼ばれた千冬が武昭に何かを注射して落ち着かせた。
「ありがとうございます、織斑先生……あの……それで、あきっちに注射した
「うむ……布仏には渡しておいた方が良いかもしれないな……」
千冬は本音に注射器と薬の入っているケースを渡した。
「コレは村雨を保護した者が作成した鎮静剤だ……生徒会室で見たと思うがあの傷は……
「そうだったんですか……多分、そうだとは思ってたんですけど……もしかしてあきっちが魘されてたのは……」
「あぁ、拷問の時の事を思い出しているのだろう……」ギュッ!
事情を話していた千冬は怒りから自身の服の袖を強く握り締めていた。
「それは一度注射をすれば1週間は保つ筈だ……もし薬が無くなった時は私に連絡してくれ、じゃあな……」
千冬はそう言うと部屋を出て行った。
「あきっち……いつになるか分からないけど……昔の事を思い出してね……」
本音は武昭の頭を撫でていたが、その表情はとても優しい物だった。
その頃……
「ふぅ……次は……「束様」ん?どうしたの?クゥちゃん」
束が自分の研究室で作業をしてると長い銀髪で両目を閉じてる少女【クロエ・クロニクル】が声をかけた。
「いえ、ここ数日束様が食事をお取りしていないので……」
「分かってるよ……けどね、どうしても許せないんだよ……たっ君にあんな事をした奴らが……」
「束様……確かに……武昭様を私達が見つけた時……
束とクロエは武昭を見つけた時の事を思い出して怒りを浮かべていた。
「束様が武昭様の為に、そうしてる事は理解しました……ですが、束様が倒れられては……武昭様も……」
「クゥちゃん……うん、分かったよ少し休むよ……けど終わったら作業を再開するからクゥちゃんにも手伝ってもらうから」
「はい!分かりました!!」
束は作業を一旦終えるとクロエと一緒に部屋を出た。
自分が出来ることを完璧にする為に……