模擬戦を終えた武昭は寮の部屋に戻っていたが……
〔ハァ……ハァ……ハァ……幾ら機体のアシストがあるとは言え……あれだけの軌道動作は……無理があったみたいだな……〕
〈そうだね……本当に武昭は無茶ばかりするんだから……〉
軽く息が上がってベッドに横になってたが
〔許せなかったんだよ……アイツらが……
〈その気持ちは私も分かるぜ!けど、それでアニキが傷付いてたら……〉
武昭が怒りに顔を歪めていると先程とは違う声がした。
〔良いんだよ……俺は傷付いて……それ以上の事をしたんだから……〕
〈待ってください!
〈あぁ、アレはマスターが生きる為にしたのだから……〉
また違う声が今度は2人分聞こえた。
〔ありがとうな、そう言ってくれて……けど、どんな理由があっても俺はやっちゃいけない事をしたんだよ……〕
〈武昭……〉〈アニキ……〉〈武昭さん……〉〈マスター……〉
〔皆、悪いけど……俺は休むから……〕
武昭がそのまま眠りにつくと同時に話していた声が聞こえなくなった。
一方……
「タッ君がした事で私は何も怒ってないよ……」
何処かにある研究所では束が武昭の様子を見ていた。
「私が怒るのは、タッ君が自分の事を大事に思ってない事にだよ……」
「束様……武昭様は、やはり
「うん、クーちゃんの言う通りだよ……タッ君は自分が傷つく事が贖罪になると考えてるんだ……
けどね……そんな事をされても私や周りの皆が悲しむだけなんだよ!」
束は声を荒げながら机を叩いた。
「ねぇ、クーちゃん……どうやったらタッ君は自分が許せるんだろう……」
「すみません束様……それは私には分かりません……ただ私の考えとしては、武昭様の傍にいてあげる事ではないかと思います……」
「そっか……クーちゃんはそう考えてるんだ……そうだね、私達に出来る事はタッ君の傍にいる事だよね……」
束は何処かスッキリした笑顔を浮かべていた。
その頃、寮の部屋では……
「あきっち、お嬢様から聞いたよ……ちょっとした騒ぎがあったって……」
帰ってきた本音が武昭に膝枕をして頭を撫でていた。
実は本音が帰ってきた時に武昭が魘されていたのだった。
「あきっち……いつになったら……私達に話してくれるの?
なんで……自分1人で背負おうとするの?
私達に何が出来るが分からないけど……
あきっちは1人じゃないから……」
本音の顔は優しい笑顔になっていた。