それぞれの班に分かれた皆は、用意された機体を取りに向かった。
「それじゃウチの班は……ラファールだな……まずは……」
「はいはーい!出席番号1番!
「そうか……なら、最初は……ゆっくり歩行してみようか……」
武昭が指示を出すと相川は、その通りに動作を開始した。
「じゃあ、次は……『キャーッ!!』ん?……なんだ?」
どこかから声がしたので発生源を探すと一夏が班長の所で箒にお姫様抱っこをして機体に乗せているのが見えた。
それを見て自分達の班を見ると相川が同じ様な事をしようとしていた。
「あぁ……悪いが……俺は向こうと……同じ事は出来ないからな……
「そうか……なら仕方ないよね……」
武昭が右腕が無い事を示すと相川は最初時と同じ体勢に戻した。
その後班のメンバーが実習を続けていく中、最後は本音の番だった。
「最後は本音か……じゃあ……やるぞ……って何か機嫌が悪くないか?」
「ううん、別にあきっちは関係ないよ〜」
本音はそう言うが何処か頬をプクッと膨らませていた。
「それじゃ……歩行からだな……えっと……何かごめん……」
「フェッ?どうしたの、あきっち?」
本音は小声で謝られて戸惑っていた。
「俺が何か知らない内に……変な事をしたから……本音の機嫌が……悪くなったんだろ?……だけど理由が分からないから……俺にはこれくらいしか出来ないから……」
「あっ……(あきっちは何も悪くないのに……悪いのは私なのに……)ううんあきっちは……」
「そろそろ時間だから機体を保管庫にしまうんだ」
「もう時間だったのか……ほら本音……機体をしまうから」
「うん、分かったよ……(謝れなかった……)」
本音が機体から降りたので班の皆で機体をしまいに行く中、本音だけは落ち込んでいた。
実習終了後……
「ふぅ……疲れたな……何で俺だけで運ばないとダメなんだ?」
「アハハハ、ご愁傷様一夏」
アリーナの更衣室で3人が話していた。
実習後、機体を保管庫にしまう時……
一夏の班……
「女の子に運ばせる訳にはいかないから俺がしまっておくよ」
一夏が自分から運ぶ。
シャルルの班……
「僕も手伝うよ」 「ううん!デュノア君なんかに運ばせる訳にはいかないわ」
シャルルがしまおうとするが女子達が率先して運ぶ。
武昭の班……
「じゃあ……皆で協力して……運ぼうか?」 「村雨君は
武昭の状況を見た女子達が運んだ。
「大体……一夏は……1人でやりすぎなんだよ……」
「当たり前だろ、女子にやらせる訳にはいかないだろ」
「そうか……じゃあ俺は先に戻ってるぞ……」
「そうだ、一緒に昼飯食べないか?
(ねぇ……武昭、それってもしかして……)
(あぁ……箒は
一夏の言葉に2人は視線で何となく通じ合った。
「悪い一夏……俺はちょっと先生に……頼まれてシャルルと一緒に……職員室に行かなきゃ……ならないんだ……」
「うん、そうなんだ、いつ終わるか分からないから僕達は遠慮するよ」
「ん?そうか、なら、じゃあな」
一夏が更衣室から出て行くと武昭とシャルルの2人だけになった。
「ありがとうな……俺の嘘に合わしてくれて……」
「アハハ、僕も人の恋路を邪魔するほど野暮じゃないから」
「そうか……じゃあ、俺達も戻るか……」
「そうだね……(武昭……いつかは僕の事を……)」
2人は更衣室を出て行ったがシャルルの視線は武昭の背中を見ていた。