シャルルとラウラが編入してくる数日前……
「ふぅ、これで大体の書類は書き終えたな……」
千冬が職員室で1人で書類仕事をしていた。
「これであとは学生寮の部屋割りだが……〈プルプルプル〉こんな時間にだ……ふぅ、こんな時間に何の用だ?束」
千冬の携帯に着信が来たので誰からか確認すると束からだったので嫌な顔をしながら出た。
〔ヤッホー!ちーちゃん元気!?ー〕
「こんな時間まで仕事をしているんだ…。元気だと思うか?」
千冬の言葉から怒りを感じた束は慌てて用件を話した。
〔あっ、ご、ごめんねちーちゃん、それで束さんの用件なんだけど、今度フランスから来る子の事なんだ〕
「ほう、お前が他人に興味を持つとは珍しい事がある物だな」
〔ひどいなちーちゃん、これでも私だって他人に興味を持つ事位あるんだからー!〕
「分かった、分かった……それで用件の内容はなんだ?」
〔ブゥー 仕方ないなー 実は今度来るフランスの子を
「何?……なぜ武昭と同部屋にしなくてはならないんだ?今の同居者でも問題はないが」
〔うん……そうだね……けど、その子も……
束の言葉に千冬は片眉をピクッと上げた。
〔多分だけど、たっ君の記憶喪失は記憶の中に何らかの鍵が掛かってる状態なんだよ〕
「その鍵の1つがフランスから来るこの生徒だと言うのか」
〔うん……それにこの子の会社は……まぁ、これはまだ今は必要無いか……じゃあそう言う事だから宜しくねー!バイビー!!〕
「おい、束……全く……あいつは面倒ごとばかり持ち込んで来るな……だが、この生徒も武昭と何か繋がりがあると言うのか……」
千冬が書類に目を通すと色々なデータが書いてあったが、あるデータで止まった。
そこには……【性別・男】と書かれていた。
「名のあるIS企業の御曹司か……こいつも一癖や二癖もある感じだな……なら寮の部屋を……」
千冬は束に言われた通りに作業を始めた。
シャルルが編入してきた日の朝の生徒会室で……
「武昭君と本音ちゃんの同室を解消したいんですか?」
「あぁ、こちらの都合で変える事になるがな」
千冬と楯無が話していた。
「私よりも本音ちゃん自身に聞いた方が……」
「なら、その本人に聞いて賛成すると思うか?」
千冬の言葉に楯無の頭の中には反対する本音が浮かんでいた。
「絶対、反対する事が目に見えてますね」
「ですが織斑先生、武昭君の体が不自由な事を知っているのですか?お茶をどうぞ」
虚が淹れたお茶を持って話に入ってきた。
「あぁすまないな、布仏……それなんだがどうやら、その人物も
「そうなんですか!?けど、私は聞いた事が無いんですけど……」
「私も覚えてる範囲では心当たりが無いな」
「もしかして、その人物を武昭君と同室にする事で記憶喪失が解消されると考えてるんですか?織斑先生は」
虚の言葉に千冬がうなづいた。
「そうだ、皆も知ってはいるが武昭の記憶が戻りつつはあるとは言え、まだ全部思い出したとはいないんだ」
「そうですね……わかりました、私は織斑先生の意見に賛成します」
「そうか、では後で布仏に伝えておこう」
千冬は生徒会室を出て行った。