転生者は友が多い   作:北方守護

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第53話 闇の中での決意……

千冬に運ばれて生徒会室に来た武昭は室内のソファーに寝かされていた。

 

「悪いな布仏、急に武昭を連れて来て」

 

「いえ織斑先生気にしないでください、武昭君も生徒会役員ですから……紅茶をどうぞ」

 

「あぁ、悪いな……ふぅ……」

千冬は虚に説明をすると近くにあった椅子に座り紅茶を飲んで一息ついた。

 

「それで織斑先生……武昭君の過去について1つ聞きたいのですが……それほど辛い物なんですか?」

 

「………そうだな……布仏も以前に見た武昭の体を知っているだろう……」

 

「はい……それ以上に私が知っている武昭君と表情が何か違ってました……」

 

「そうか、お前も昔の武昭を知っているんだったな……だが、そうだとしても私から話す事はしたくないんだ……」

 

「分かっています……ただ、私やお嬢様達の事を覚えている武昭君にいつ会えるのかと思っただけです……」

虚が武昭を見る表情は優しい物だった。

 

「だからこそ、武昭が自分から過去の事を話すまで待っているんだ……さてと私はそろそろ職員室に戻るとするか……悪いが武昭を頼む」

千冬は虚に頼むと生徒会室を出て行った。

 

武昭が生徒会室に運ばれた頃……

 

「ふぅ……やっぱり、あいつらには話せないよな……」

 

〈アニキ……〉 〈マスター……〉 〈武昭さん……〉 〈武昭……〉

武昭はコア空間で佇んでいた。

 

「なぁ、皆……あいつらは俺の……()()()を知ったら俺を蔑むだろうな……」

 

〈アニキ……そうかもしれないよ……けど!彼女達は本当にアニキの事を!!〉

 

〈マスター……マスターがあの事を知られる事に恐怖を抱いているのは分かります……〉

 

〈だけど、武昭さんも分かってる筈……このままじゃいけない事に……〉

 

〈武昭は自分の事を知られるのが辛いのかもしれないよ……だけど、私達だって辛いんだよ……苦しんでる武昭を見るのが……〉

武昭が自己嫌悪に陥ってるとコア人格達が自分の意見を言ったが、その瞳からは涙が流れていた。

 

「皆……そうだな……いつかは話さないといけないのかもしれないけど……そろそろ潮時なのかもな……

俺は……自分が覚えている()()()()()を話す……それでどう思われても俺は受け入れる……」

武昭はコア人格達に近づくと頭を撫でた。

 

「それが終わったら……()()()()()()()()……」

武昭は空間内にある扉を見て優しく微笑むとその場から姿を消した。


武昭がコア空間から戻ってくると時間は夕方になっていた。

 

「朝にあんな事があったから、結構長く眠ってたって事か……」

 

「「「「「武昭(君)あきっち!!体は大丈夫なの!?」」」」」

武昭が目を覚ますと同時に生徒会室に楯無、本音、鈴、シャルロット、簪が入って来ていた。

 

「ほう……心配だから様子を見に来たが、その感じなら問題は無さそうだな」

その後ろからは千冬が立っていて、その手にはたくさんのプリントがあり、それを武昭に渡した。

 

「あの……織斑先生()()は?……」

 

「簡単に言うと今日の授業の課題のプリントだ、村雨は授業をボイコットしたのだからこれ位はしてもらう。良いな?」

 

「は、はい、分かりました……(まぁ、自分が悪いからしょうがないか……そうだ)ちょっと皆に言いたい事があるんだけど、織斑先生だけは残って一旦出てくれないかな?」

 

「え?まぁ、武昭君がそう言うなら私達は構わないわ、それじゃ皆少しの間武昭君と織斑先生だけにしてあげましょう」

武昭がある事を希望すると楯無が代表して皆を連れて生徒会室を出て行き武昭と千冬だけの2人だけになった。

 

「ふぅ、それで村雨……なんで私だけを残したのか聞かせてもらおうか?」

 

「はい、その前に織斑先生に確認したいんですけど……織斑先生は俺が学園に来る前の事……正確に言うと()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「っ!……あぁ、知っている……束から渡された書類と本人から聞かされたからな……()()……まさかお前が話そうとするのは……」

千冬は武昭が何か話そうとした事に思い当たるとプライベートの呼び方になっていた。

 

「はい……俺が束さんに保護された状況……正しく言うと()()()()()()についてです……()()()()

 

「(まだ私や束の呼び方がさん付けと言う事は……)武昭に聞くがお前はまだ昔の事を思い出していないのだろう?それなのにあいつらに、その事を話すと言うのか?」

 

「はい……俺があの事を話す事で皆からどう思われても仕方ありません……俺はそれだけの事をして来たんですから……」

 

「(武昭がそう決めたのなら私が反対する理由は無い、だが……)武昭、私からも良いか?それについてなんだが……」

千冬は何かを決めると武昭にある事を提案した。

 

その後……

 

「皆、さっきの話したい事なんだけど……今はまだ話せなくなったんだ」

 

「はぁ!?どういう事よ武昭!!」

千冬との話を終えて皆が入って来たの武昭が言うと鈴が詰め寄った。

 

「いやー織斑先生に「その事を話すならもっと安全な場所を用意する」って言われたんだ……だから」

 

「織斑先生が、そう言うのなら私達は何も言えないね」

武昭が理由を言うとシャルロットの言葉に皆が納得した表情を浮かべていた。

 

「それで武昭君、体の方はどうなんですか?」

 

「えぇ、特に問題は無いです、織斑先生からも大丈夫なら部屋に戻って良いって許可は貰いました」

 

「そう、じゃあ今日はここまでにしましょう」

虚に体調を聞かれた武昭の返答を聞いて楯無が皆に退室を促した。




その日の夜、千冬は学園の屋上で束と通信していた。

「……と言うわけで束には何者にも盗聴など出来なくなる様な物を作ってほしいんだ」

〔うん、束さんは構わないよ。そうだなー……今度、学園の方で海に行く行事があったよね?〕

「あぁ、臨海学校の事だな、その時に来るのか?」

〔そうだよ、ちょうど箒ちゃんの誕生日とかぶってるからね〕

「そうだったな……なぁ束、私達は武昭に何をしてやれば良いんだろうか?……」

〔簡単だよ、ちーちゃん私達が出来る事は何があってもたっくんのそばにいてあげる事だよ……〕

「そうか……そんな簡単な事で良いんだな……」

〔それじゃ、束さんはやる事があるからバイビー〕
束は千冬との通信を終えた。

「私も部屋へ戻るか……」
千冬は何かを思いながら寮に戻った。
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