鈴達が女性に連れられて来たのは旅館の敷地内にある離れだった。
「あのーもしかして私達をここに呼び出したのって……」
「はい、あなた達が考えてる方です。私はコレで失礼します」
「鈴、とりあえず入ろうよ。詳しい事は
鈴が何かに心当たりがあると案内して来た女性がその場を離れたので簪が言うと皆は離れに入った。
「ヤッホーごめんね、こんな所に呼び出したりして」
「やっぱり束さんだったんですね」
「そうだよ、ほらほらまずは座ってよ」
皆が離れに入ると束が真ん中に座っていたので皆は言われた通りに周りに座った。
「それで束さんがここにいるって事は……武昭の事で良いんですよね?」
「うん、そうだよリッちゃん……ねぇ君達に聞くけど……本当に聞くの?」
鈴が束に理由を尋ねると笑顔だった表情が真剣な物に変わり声からは殺気が感じられた。
「っ!……はい……ちゃんと考えて決めました。私は武昭が何をしてきてもずっと傍にいる事を決めました……」
「私も鈴と同じです……武昭がいなかったら今もここにいる事に出来なかったんです……だから……」
「私はあきっちが学園に来て同じ部屋になってから何回も魘されてるのを見ました……何が出来るかわからないですけど……私には私が出来る事をしてあげたいんです……」
「私は……武昭が何を隠しているのか知りません……けど、それを知る事で私が何かあったとしても構いません……」
鈴、シャル、本音、簪の言葉を聞いた束は殺気を鎮めると優しく微笑んだ。
「そっか……そこまでたっくんの事を思ってくれてるんだね……私からしたらある意味羨ましいよ……それじゃ束さんがたっくんを保護した時の事を話すけど……私も詳しくは知らないんだよね」
「え?それってどういう事ですか?」
「うん、束さんがたっくんを見つけた時は……
束の言葉に鈴が尋ねると理由を話した。
「全て終わった後って……」
「まぁ、束さんが話すよりも
束はシャルの言葉を遮るとポケットから何らかの機械を取り出した。
「コレは束さんが
「え?あきっちを保護って……」
「皆……本当に聞くけど……今ならまた引き返せるよ?」
「束さん……私も、そして皆は何があっても受け入れるからここに来たんです」
「うん、簪の言う通りです」
「はい、私も引き返すなんて選択肢はありません」
「束さん……私達は武昭が好きでここにいるんです……もしそれで命を落としても後悔はしません」
束が皆に止める様に促したが簪、シャル、本音、鈴はやめようとはしなかった。
「そっか……束さんが間違ってたんだね。じゃあ皆に教えてあげるよ……たっくんが行方不明になってか私に保護されるまで何があったのかを……」
束は納得した表情を見せると機械を起動させた。
それを見た鈴達は……
次の日の朝、浜辺に生徒達が集まっていたが専用機持ちの生徒と一般生徒の組に分かれていた。
専用機持ちの方は千冬が担当し、一般生徒達の方は麻耶を始めとした他の先生達が教える事になっていた。
「さて、それでは専用機持ちは私が訓練を担当するが……」
「織斑先生、なんで専用機持ちじゃない箒がいるんですか?」
千冬が訓練を開始しようとした時に鈴が手を挙げて質問した。
「あぁ、それはだな……」
「それは私が専用機を作ったからだよ」
皆が声のした方を見るといつもの格好をした束が立っていた。
「た、束さん!?何でこんな所にいるんですか!!」
「ん?それは箒ちゃんに、ちょっと頼まれたからね……久し振りだね、箒ちゃん」
「え、は、はい久し振りですね……あの、本当に私の知る姉さんなんですか?」
「そうだよー 酷いなぁー久し振りに会った束さんの事を忘れるなんて」
「束、忘れてるとかではなく昔と雰囲気が変わったからだと思うぞ。それよりも知らない奴がいるから自己紹介をしろ」
「それも、そうだね私はISの開発者、篠ノ之束だよ」
束が自己紹介をすると顔見知り以外の人員は驚いていた。
「あの、それで姉さん……私が頼んだ件なんですが……」
「うん!それは大丈夫だよ!危ないから少し下がってて」パチン
束が指を鳴らすと上空から八角形の物体が落下してきて着地と同時に展開された。
「これが私が箒ちゃんの為に作った専用機
物体が展開されると赤色を主体とした機体が鎮座されていた。
「これが私の専用機の赤椿……」
「ねぇ、あれって篠ノ之さんだけが貰えるの?」
「何かズルくない?」
「うーん……私はズルいと思わないなぁ〜」
一般生徒達が箒を見て色々な意見を言っていたが本音は違う事を言っていた。
「本音、それってどういう事?」
「うん、しののんって篠ノ之博士の妹なんでしょう〜?だったら
「そうだね、その子の言う通りだよ」
本音の言葉が聞こえた束は真剣な表情で箒を見た。
「箒ちゃん、私がこれを作ったのは頼まれた事もあったけど1番は箒ちゃんが少しでも危ない目に遭わない為なんだよ……」
「そうだろうな……俺や一夏も男性操縦者として狙われる事はあるけど一応専用機はあるから、それなりの自衛手段は持ってるんだ」
「たっくんの言う通りだよ……私がコレを箒ちゃんに渡すのは何か危ない事があっても大丈夫な様にって束さんのワガママが大きいんだよ……けど、箒ちゃんに1つだけ約束して欲しいんだ……専用機を手にしても力はあくまで力だって事を……」
「姉さん……はい、わかりました……」
「うん、ありがとう、それじゃ箒ちゃんに合わせてフィッティングとフォーマットを開始するね」
束は箒に赤椿を纏わせると作業を開始した。
「あっ、たっくん、コッチに来てくれるかな?新しい右腕を作ってきたから私がコッチの作業をしてる間に向こうでつけてもらってね」
「はい、わかりました……おっ来てたのかクー」
「えぇ束様に頼まれましたので」
武昭が束に呼ばれていくと物陰にクロエがいた。
少しして……
「これが私の専用機赤椿……」
「うん、俺の方も大丈夫です」
設定が終わった赤椿を纏った箒と新しい右腕をつけた武昭が皆の所に戻った。
「さて、それでは「た、大変です!織斑先生!!」どうしたんだ?山田先生」
「こ、これを見てください!!」
千冬が新しく指示を出そうとした時に麻耶が慌てて来たので理由を聞くと小型の端末を見せてきたので見ると千冬の表情が変わった。
「これは……山田先生、急いで他の先生達と協力して生徒達を……」
「は、はいっ!わかりました!!」
「現時点をもって今日の訓練を全て中止する!専用機持ちは私の所に集合するんだ!悪いが束、お前の力を借りる事になるかもしれん」
「うん、分かったよ。ちーちゃん」
千冬の指示を受けた皆は指示に従った。
千冬達が通信を受ける少し前……
ハワイ沖に停泊してる空母で軍用IS
そんな中……
「ふーん……コイツが有れば楽しくなりそうね」
1人の女性が福音のあるハンガーにいて何らかので設定をしていた。
「さてと、コレで良いわね……さぁ、遊びましょうよ……2人目の男性操縦者さん?」
女性はハンガーから出る時に写真を見ていたがそれにはIS学園で学校生活をしている武昭が写っていた。