落日か、日の出か【完結】   作:ベルリン=モスクワ枢軸

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戦争裁判~勝者の思考(其の一)

第三インターナショナル指導者特に、フランス・コミューン指導者に対する求刑は苛烈を極めた。

「即刻、今大戦の元凶を処刑せよ‼」

まぁ、そうなのだ。ドイツ帝国は第三インターナショナルとの戦争に関しては、完全に被害者だった。しかも、いきなり越境してきたのだ、憤慨しない方が不思議だ。

大日本帝国とて同じである。いきなり、協商(妙川は気付いていた)が侵攻してきたのだ。挙げ句、占領下の日本人は、略奪、強姦、虐殺の被害者やそれで親を失った子が大勢いる。

大日本帝国も占領下の都市で同じ狼藉を働いたバカが確かにいたが、妙川の指示に依り、例外無く処刑されている。(この辺は世界中から評価されている。)

妙川は戦後処理に非常に苦悩していた。指導者を処刑すれば、その国からの恨みを買う。かといって、無かったことにはできないし、する気はない。

逆に抵抗した指導者の中には確かに評価されるべき人もいる(牟田口みたいな奴は処刑したい)。

結局、日本側としては宣戦布告をした、或いはそれを使嗾した人間の処刑、及び死ぬまで禁固を求刑、そうではない人(戦争に引きずり込まれた指導者)は、群衆指導禁止、禁固三年、謹慎を、求刑。

妙川としてはチャーチル、ド・ゴールを救いたいのもあった(ほぼ唯一、妙川が私情で動いた。)。

有名なエピソードがある、、、

日本側の意見を聞いたとき、第三インターナショナル参加国のリベリア社会主義共和国指導者が、刑の軽さに。

「ミスター.妙川。貴方は我々を憎んでいないのか?」

「確かに、嫌いですよ。ですが、将来に禍根を残すわけにはいかない。この戦争はこの世代で終わらせる。そうでしょう?

、、、まぁ、私からしたら重すぎると思いますがね」

と語った。

 

先程の話が伝えられる程、ドイツ帝国の求刑内容は、余りにも苛烈すぎた。

、、、『戦争指導者の一律処刑、又は禁固二十年間、公職追放。』

ヴィルヘルム3世は、初めて聞かされたらしく、すぐに減刑させたが、明らかに異常に感じた、元首に無断で求刑内容を決定したのだから。この出来事には、ドイツ帝国側の怒り、復讐心、狂気、憎悪が注がれていたのが、手に取るように理解できる。

 

・・・・・・・・

 

太平洋第一帝国ホテル、妙川の部屋

「懐かしいな、妙川」

「本当ですね。あ、インドの紅茶です」

互いに懐かしく感じる

「、、、有り難く頂いておこう」

「チャーチルさん、挨拶以外にも、目的があるのでしょう?どうせ。」

「ふむ、君の政治体制や、求刑内容だよ。」

白々しく、「何か、仰りたいのでしょうか?」

「まあいい、質問を続けるぞ?

君の政治体制、あれはどう見ても独裁体制だ。

君の求刑内容の軽さ、明らかに私情が入っているだろうな。」

「よく政治体制を御理解頂いて、」

僅かに口の両端を吊り上げて、妙川は

「相当な数の内通者がいそうですね」

 

返答はなかった。

「求刑内容についても、土壇場で決めてはいませんし、で、いつご存知に?」

ひとしきりチャーチルは笑って

「では失礼するよ、土産の返礼品だ」

と紙を置いて去っていった。

「、、、イギリスの諜報網は健在なり、か」

 

、、、刑が決定したのは、後日だった。

驚いたのは、処刑の判決を受けた人がいないことだった。

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