それと、四神たちの出現場所を間違えていました。
正確には
安全部門に青い龍
コントロール部門に朱い鳥
教育部門に白い虎
中央第一に玄い亀
でした。
訂正します。
「よし、行くぞ」
「あぁ!」
全ての風が集い、黄色き風となって人の形を成し四神が目を覚ます。それらは様々な風を身にまとって施設の内部に具現化する。
あの巨大な人型に攻撃が効かなかったため、俺たちは一緒に安全部門のメインルームへと向かい、周囲から切り崩していくことにした。
安全部門のメインルームに続く扉を蹴り開き、リッチとともに内部に侵入する。扉を開くと同時に、爽やかな春の風を感じた。
「おいおい、厄介なことになってるな」
「くっ、早急に鎮圧しなければ!」
安全部門に入ると、人の形の木々の中央に、何かがとぐろを巻いて鎮座していた。それは蛇のような体に鯰のようなひげ、珊瑚のような角を頭から二本生やし鋭い牙を携えている。
さらに手には青く輝く珠を持ち、静かに目を閉じていた。
それは、青き龍であった。
龍はまるで何かを待っているかのように微動だにしていなかったが、俺たちの存在に気が付いたのピクリと動くと、ゆっくりとその瞼を開いた。
「気づかれた、戦闘態勢に入れ!」
「わかっている!」
「グオォォォ!!」
こちらが戦闘態勢に入るのと同時に、青き龍は咆哮をあげて宙に舞った。
そして天井まで飛び上がると、そのままこちらに向かって突撃を仕掛けてきた。
「くっ、任せろ!」
「頼んだぞ!」
こちらに向かって突撃してくる龍の顎を、“墓標”でかち上げて軌道をずらす。ついでにダメージも与えようと思ったが、どうやら効いている様子はない。
そしてその間にリッチが“超新星”で龍の横腹を切り裂く。するとその刃はきれいに鱗の鎧を切り裂いて真っ赤な血が噴き出した。
「くっ、効いてないか!」
「だが俺の攻撃は効いているようだ、そのまま引き付けていてくれ!」
「わかった!」
攻撃がリッチのほうに行かないように相手の注意を引き付ける。いくら攻撃がきかないからって、視界をふさごうとされたり口の中に武器を突っ込まれるのはさすがに気が散るだろう。
そのあいだにリッチが“超新星”で傷を増やしていく。さすがは『O-01-i02』*1のE.G.O.だ、火力が違う。
「よし、さすがは“超新星”だ! このままいけば楽に……」
「いや、悪い。そうもいかなくなったかもしれない」
「なに?」
リッチの言う通り、このままいけば大丈夫だったかもしれない。だが完全にやらかしてしまった、俺は同じような事例である『終末鳥』の特性を失念していたのだった。
「どういうことだ、傷が回復している!?」
「すまない、たぶん俺の攻撃を吸収しやがった」
「なっ……」
気が付けば、青き龍の傷は古いものから順にどんどんと治っていっていた。傷が治るタイミングも俺が攻撃してからすぐなので、おそらくは間違っていないだろう。
それに、完全に治っているわけではないが、明らかに俺の攻撃の回数的に治りが速い。おそらくは回復量が本来与えるダメージよりも多いのだろう、これは厄介なことになった。
「すまないリッチ、ここを頼めるか」
「わかった、こうなったら一人でやるべきだろう。ジョシュアもなるべく早く周りを頼んだ」
「あぁ!!」
このままここにいても邪魔になるだけだ、この場はリッチに任せて俺は安全部門のメインルームから抜け出した。
そして走りながら管理人と連絡を取る、どこから手を付けるべきか話を聞かなければ……
「すまない管理人、おそらく奴らは同じ属性で攻撃すれば回復してしまう。鎮圧要員の変更を提案する」
『わかった、奴らの属性とは別の属性の職員で攻撃するように連絡しよう。ついでだ、コントロール部門が手薄になっているからそちらを頼む』
「了解した、そっちにはだれが向かっている?」
『現状『O-02-i24』*2だけだ、この部門は他の部門に出張させているため手薄になっていた。すまない、こちらのミスだ』
「了解した、気にするな」
どうやらまた『O-02-i24』がタダ働きさせられているようだ。さっきの青き龍の様子を見るに、おそらくコントロール部門のオフィサーも全滅していることだろう。
急いでコントロール部門へと向かう。
「突入する!」
コントロール部門のメインルームに続くドアを蹴り破り、内部に侵入する。すると、部屋の中から燃え盛る日差しを思い浮かばせる熱風が噴き出してきた。
「目標を確認、鎮圧に入る!」
コントロール部門のメインルームに入ると、その中央には巨大な鳥が羽を羽ばたかせていた。
それは、全身に炎を纏った朱い鳥であった。その翼の羽ばたきから発せられる熱風は燃えるように暑く、真夏の日差しを連想させる。
嘴は鋭く槍のようで、鉤爪も同様に鋭く捉えたものは決して離さないだろう。そしてその瞳は鋭いが暖かく、どことなく知性を感じる。
その朱い鳥はこちらに気が付くと声を上げ、大きく羽ばたいて熱風を巻き起こした。
「うおっ!?」
身が焼けるような熱風とともに、朱い羽根がこちらに飛んできた。俺はそれを“墓標”で弾き飛ばし、接近する。
周囲では燃えるような熱風とともに、この場に似合わない、非常においしそうな香ばしい匂いが漂っている。
おそらくはすでに『O-02-i24』がやられてしまったのだろう。よく見れば周囲に赤い殻が転がっていた。
「くっ」
天井が高いとはいえ、その巨体ではあまり意味がないようだ。今までであれば手が届かないようなところに飛ばれているが、ゲブラーの地獄の特訓で飛ばすことのできる斬撃の飛距離、威力ともにあのころよりも格段に上昇した。
それでも戦闘中に気軽に使うことができるわけではないが、このような状況では仕方がない。なるべく相手の攻撃に気を付けて斬撃を飛ばしていく。
『ジョシュア、今『O-02-i25』*3に依頼した、気にせず殴れ!』
「了解、助かった!」
朱い鳥からの攻撃を避けながら斬撃を飛ばすが、なかなかうまく当たらない。そんな状況が続いたためか、管理人がこちらに『O-02-i25』をよこしてくれた。これで受ける攻撃をある程度無視できる。
「まったく、君も大変だね」
「あぁ、お前もな」
「おうおう、俺もいるぞ!」
『O-02-i25』と会話をしながら斬撃を飛ばしていると、『O-02-i24』がやってきた。そういえばこいつらは不死身だった、死んでも何度でも蘇るしこういった場面で使いつぶせるのはいいな。
「おらおら、やってやるぜ!」
「あぁ、やるぞ!」
『O-02-i24』が泡で牽制している間に、俺が“墓標”で斬撃を飛ばして朱い鳥に攻撃を加えていく。すると先ほどまでよりも圧倒的に朱い鳥に攻撃が当たるようになった。
「ぐあっ」
「大丈夫か!?」
「ぐっ、助かったぜぇ!!」
朱い鳥が炎の球体を飛ばすと、それが『O-02-i24』の鋏に当たって爆発した。さすがに装甲が固いのか鋏はとれずにいたが、殻が壊れて炎で燃えてしまっていた。
このままでは炎で全身が包まれてしまうと思いその鋏を“墓標”で切断する。武器の扱いもうまくなったおかげで、殻の隙間に振り下ろして切断するのもできるようになってきた。
「気をつけろよ」
「大丈夫、片鋏でもやってやるぜ!」
食料ゲット。燃える鋏がいい感じに焼けるまで待って『O-02-i25』に消火させる。直接的な攻撃はできないけど、こういった支援はできるのが地味に便利だ。こちらをジト目で見てくるが気にしないでおく。
このまま勢いに乗って斬撃を飛ばしていく、するとようやく効いてきたのか、朱い鳥が着地して再び炎の球体を飛ばしてきた。
「ぐあっ、何しやがる!?」
「よし、止めだ!」
『O-02-i24』を盾にして突っ込んで朱い鳥の懐に入る。奴は馬鹿だからこんな扱いしてもすぐに忘れてくれるのはありがたい、その後の『O-02-i23』*4が怖いけど。
俺はそのまま“墓標”を朱い鳥の胸に突き立てる。すると朱い鳥の炎はどんどんと勢いを失っていき、やがて少女の形となってもたれかかってきた。
「……お休み」
もたれかかってきた『O-01-i41』*5の頭をなでると、彼女は嬉しそうにしながら風を纏いながら、光とともに消えていった……
「……さて、次に行かないとな」
「あぁ、それなんだけど、そろそろ僕は時間切れだからお暇するよ。またのご利用をお願いね」
「あぁ、わかった。またな」
そういうと『O-02-i25』はどこかへと消えていった。このままやつがいてもほかのやつらが危なかったから、都合がいいのはいいのだが、あの守りがないのは少し怖いな。
「よし、行くか!」
腹ごしらえをしてから、次に向かう。
次は教育部門に向かう。あそこは新人ばかりだから早く向かわなければ。
「待ってろよ!」
俺は確かな満足感を感じながら、教育部門に向かうのであった……
二週目の展開はどれがいいですか?(詳しくは活動報告をお読みください)
-
これまでのような感じで幻想体変えて二週目
-
まだ出ていない幻想体の紹介だけ
-
アンケートで次回の幻想体を決める