なるべく遅れないように気をつけます!
顔を水で洗い、顔をあげる。鏡に写っている顔はもう、情けない表情はしていなかった。
これから同じようなことは何度も起こる、気持ちを切り替えねば。
「ようシロ、おはよう」
食堂で朝食をとっていると、隣にシロが座ってきた。彼女も今から朝食らしい。
シロの食事はサンドイッチとチョコプリンだった。少し量が少ないようにも感じると同時に、朝からデザートかと思わず笑いそうになる。彼女は結構可愛らしいところがあるな。
「そういえば、この前『T-01-i12』*1の収容室に入ったときにな……」
シロはあまり喋らない、だから一緒にいるときは基本的に俺が一方的に話しかける事になる。
もしかしたら嫌がっているかもしれないが、よくこうして一緒に食事をしたりするのでそんなことはないと思っておきたい。
「さて、そろそろ時間だな」
食器を片付け、お盆にのせて立ち上がる。すると、丁度シロも食べ終わったようで一緒に立ち上がった。
「お前ももう行くのか?」
彼女は何も語らなかった。だけどいつもより表情が柔らかくなっていたような気がした。
「……そうだシロ、この前はありがとな」
なんとなく、前のお礼を今言ってしまった。彼女の顔も見れずに歩いていたが、彼女も俺の顔を見ようとはしなかった。その後リッチにからかわれたので、とりあえずしめることにした。
今日の作業は『O-05-i18』、オリジナルというところに多少の不安を感じる。とにかく昨日のようなやばいやつでない事を祈りながら収容室に入る。すると、予想外のものが収容室の中に置いてあった。
「……ろうそく?」
収容室の中で煌々と光り輝くものは、人の手の形をした燭台であった。
その手は、決して届かぬところに必死に手を伸ばそうとするような、苦しみから逃れるために助けを求めているような形をしている。人差し指のところには青白いような薄緑のような光が常に灯っており、見つめていると引き込まれるような感覚が襲ってくる。
……あまり見つめておくのはやめよう、こういう感覚はろくな事にはならないと相場で決まっている。
「全く、こいつに何の作業をすれば良いというのやら……」
とりあえず思いつく作業を行うことにする。といってもいつもの洞察作業だが……
掃除用具を使って収容室の中を清潔にしていく。ついでにぞうきんで燭台を拭いていく。
大分綺麗になってすっきりしてきたな。それにしても、随分疲れた気がする。もしかしたら掃除だけで無く、こいつの作業に失敗しているからだったりするかもしれない。
「……あれ、火が消えている?」
そんな事を考えていると、『O-05-i18』から火が消えている事に気がついた。いきなりどうしたのかと不思議に思っていると、よくわからない感じが俺を襲ってきた。危険な感じがするような、そうでもないような変な感じだ……
「いや、気のせいか? でも、危なくない感じでも気をつけた方が…… あれ?」
しばらく『O-05-i18』を眺めていると、低い地響きのような音が聞こえる。なんだ、どうなっている?
『O-05-i18』をよく観察していると、土台のところから光が漏れ出し、ロケットのように焔を噴出し始めた。
「……はぁ?」
状況に追いつけていない俺をよそに、ロケットのように飛び立つ『O-05-i18』は、その手の先を突きのように手を細めて俺の方に飛んできた。
「いやいやいや、どういう状況だよぉぉぉぉ!?」
思わず襲い来る『O-05-i18』から逃げ出そうとする。そんな俺を追いかけて、『O-05-i18』は俺に襲いかかってくる。
『『O-05-i18』が収容違反を起こしました、エージェントの皆様は、至急鎮圧に向かってください』
「なんでお前が脱走するんだよぉぉぉぉ!!」
こうして俺と、『O-05-i18』との因縁が始まる…… のか?
O-05-i18 『尽きぬ蝋燭』
To Be Continued……?
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