それと皆さん、あけましておめでとうございます。
今年も『誰も知らないアブノーマリティー』をよろしくお願いします。
01.メグル、メグル
ずんずんと沈み、沈み込む
どこまでも深く、深くおぼれていく
もはやろくに体も動かせない
だけど、どこか暖かい光が浮かんでいた
―なんだよ、その顔は?―
―はぁ、まぁ聞かないでやるよ―
―ほら、行くぞ■■■■■―
―これからよろしくね―
―おいおい、地獄だと思ってたら天国についたのか?―
―どうする? 一気に怪物に変わったし、やつに出会った瞬間狂う根性無しばかりだし―
―まったく、よくやるよお前は―
―そうだな、行くぞ相棒―
―そんな顔してたら幸せが逃げていくっすよ―
―そうっすか? 別に普通だと思うんですけどね―
―まっ、これからよろしくお願いしますね―
―■■、■■■■■せん…… ぱ……―
―ごめ…… ん…… なさ……―
―あらあら、そんな顔してどうしたの?―
―せっかくのイケメンが台無しよ、もっと笑いなさいよ―
―ほらほら、リラックスリラックス―
―こんな場所なんだから、余計に笑顔が一番よ?―
―まったく、私もやきが回ってきたわね―
―どうしたって無理なもんな無理だっていうのに、こんなことしちゃってさ―
―あら、こんな私の為に泣いてくれるの?―
―……ふふっ、それだけで、頑張った甲斐があったわね―
―なんでこんなことしたのって、惚れた弱みに決まってるじゃない―
―そんな顔しないで、やっぱりあなたには、笑顔が一番似合ってるんだから……―
―てめぇはいつも辛気臭ぇな―
―へっ、いつものお前はもっと間抜け顔をしているだろうが―
―まさか、今の顔よりはあっちのほうがまだましだったってことだよ―
―はぁ? まさか……―
―てめぇ、笑ってんじゃねぇぞ■■■■■!―
―あいつは、どうなった……?―
―……そうか、俺たちの勝ちか―
―いや、俺はもう助からねぇ―
―だから、最後に言わせてくれ―
―お前と一緒に戦えてよかったぜ、あい、ぼ……―
―どうしたんですか、そんな顔して?―
―ほら、今日の■■■■■先輩の運勢は一位ですよ! だからそんな顔してたらもったいないですって!―
―そう、その調子ですよ! それじゃあ一緒に行きましょう!―
―いやー、今日はいい日になると思ったんですけどね―
―占いは一位だったし、朝一番に■■■■■先輩に出会えたし―
―けど、やっぱりみたとおりになっちゃいました―
―■■■■■先輩、最後にお願いがあるんです―
―どうか私が私でなくなる前に、私を……―
―もぉう、そんな顔しないでくださいよぉ―
―確かに面倒な話だとは思うんですけどぉ、他に頼れる人がいないんですよぉ―
―……えぇ、他のことを考えていたんですかぁ―
―別にいいですけどぉ、ちゃあんと私の相談にも乗ってくださいねぇ―
―あはは、失敗しちゃいましたぁ―
―まさかぁ、こぉんなことになっちゃうなんて思いもしませんでしたぁ―
―ふふっ、でもぉ、最期を看取ってくれるのが■■■■■先輩でよかったですぅ―
―だってこんな醜い姿、■■さんには見せられませんからねぇ―
―■■■■■先輩、ごめんなさい―
―そして、ありがとうございます……―
―■■■■■さん、いつものあなたらしくないですよ―
―まったく、あなたがそんな調子でどうするんですか?―
―ほら、いつもの馬鹿元気はどこ行ったんですか!―
―こんな日くらい、笑顔で皆さんを見送ってあげましょうよ―
―ごめんなさい、僕は彼女の後を追います―
―本音を言えば、もっと早くにこうしたかったんです―
―だけどどっかの誰かさんが目を離せないから、ずるずるとここまで生きてしまいました―
―■■■■■さん、だれもがあなたみたいに強いわけではないんです―
―だから…… えっ?―
―……はぁ―
―そこまで言われたら、まだ死ぬわけにはいきませんね―
―わかりました、その代わりに、最後まで付き合ってもらいますからね―
―■■■■■先輩、私夢を見ているみたいです―
―まさか、■■■■■先輩と、こんな風な関係になれるなんて―
―もう、夢じゃないか確認するために、昨日何回も頬をつねってしまいました―
―もう、笑わないでくださいよ!―
―えっ、私のほっぺそんなに赤いですか!?―
―本当に、あなたと結ばれてから今日まで、夢のような日々でした―
―あなたの知らないところをいっぱい知って、私の色々な姿を見てもらって―
―良い所も悪い所もいっぱい知って、それらもすべて愛おしくて―
―だから、その夢も今日で覚めてしまうんですね―
―最期に、わがままを言ってもいいですか?―
―どうか最期は、あなたの手にかかって終わりたいです―
―ほら、何してるんですか先輩!―
―まったく、そんな顔先輩には似合いませんよ―
―ほら、いつもみたいに間抜けな笑顔を見せてくださいよ!―
―私は今の先輩より、そっちの先輩のほうが好きですよ―
―いや、本当に…… ちょっと茶化さないでくださいよ!―
―……先輩は、いきなりいなくなったりしませんか?―
―だって、みんな、みんないなくなっちゃったんですよ?―
―■■■■■さんも、■■■■■■■■■さんも、■さんも■■ちゃんも―
―みんなみんな、あいつらに……―
―……えっ?―
―うそっ、ちょっと待ってください!―
―もっ、もしかしてからかっていますか? だって先輩が……―
―ほ、本気で言っているんですか?―
―本当ですか? 約束ですよ!―
―もう絶対取り消しませんからね!―
―絶対に、忘れたりなんかしませんから!!―
―■■■■、■、せん、ぱ、い……―
―■、■き…… です、よ……―
―ずっと、ずっと……―
―その手に持っているものの使用を、即刻中止しなさい―
―これ以上使用するというのであれば、即座に貴方の生命活動を停止させます―
―……これは私からの最大限の譲歩です、■■■■■―
―これがあなたの望んだ世界だとでもいうのですか―
「……あれ、ここはどこだ?」
気が付けば、どこかの底へとたどり着いていた。
あたりを見回しても、何かがあるわけではない。どこまでも、何もない空間が広がっているだけだ。
遮蔽物も何もない、何かがいればすぐに気が付くはずだ。
現に周囲には何もいない。そのはずなのに、背後から気配を感じる。
『よう、久しぶりだな』
「……正直、こんなところですらお前と会いたくなんてなかったよ、『外道魔業』」
どこまでも悍ましく、邪悪な気配を身にまとう巨大な人影は、まるで旧知の仲のように声をかけてきた。
『O-01-i19』、その名を『輪廻魔業』。邪悪で凶悪な存在ではあるが、ずいぶんと長い付き合いになっている。
『おいおい、俺の名前は『輪廻魔業』だぞ?』
「あだ名みたいなものだ、いいだろう?」
『なるほど、そりゃあいい!』
意外にも『外道魔業』というあだ名が気に入ったのか、『輪廻魔業』は大声で笑っている。まぁ確かに気にはしなさそうな性格をしていそうだな。
「それで、なんでお前はここにいるんだよ?」
『それは自分で考えることだな、それよりも聞くべきことがあるんじゃないのか?』
「……ここはどこかってことか?」
意識がはっきりしてきたことで思い出したが、俺は管理人にリセットを頼んで、おそらく死んだんだろう。
ならば、ここは死後の世界とでもいうのだろうか? いや、そうというよりは……
「まぁ、リセット前の猶予期間のような物なんだろうな」
『もしかしたらそうなのかもしれないな』
もしもそうなのだというのなら、こんな奴と一緒にいるというの苦痛だな。
『まあまあ、そういやな顔をするな』
「自分がどういう存在か思い出してから言え」
『何も俺の相手をしろとは言っていないだろう? ほれ、見ろ』
「うん?」
『輪廻魔業』が指さした先にあったものは、白く輝くふわふわとした球状の何かであった。
「なんだ、これは……?」
『俺にとってはくだらないものだ、触れればわかる』
「……まぁ、やるだけやってみるか」
どうせ『輪廻魔業』の相手をするよりかはましだろうと思い、思い切って白い光に触れてみた。
そして、その瞬間、俺の体が光に包まれ、『輪廻魔業』が言っていたことの意味を思い知る。
これは、俺の記憶の光だった
できれば週一くらいで書いていけるように頑張ります。