「ちょっと待ってください、その体で逃げ回らないでくださいよぉ!!」
「チュー!」
「このくそタヌキィ!!」
目の前でパンドラがパンドラを追いかけている…… いや、正確にはパンドラに化けているナニカ、をだが。
「あはははっ!!」
「なぁ『F-02-i32』*1、お前って自分以外も変化させられるのか?」
「そうだよ、でもそううまくはできないんだけどね」
今俺の膝の上でなでられているのは『F-02-i32』だ、パンドラたちの追いかけっこを見ながら爆笑している。相変わらず性格がよろしくない。
今こいつは自身の能力をそこら辺のネズミに使い、パンドラに変化させている。ただ、クリフォト抑止力下では自身に同時に使えないし、動くこともできないようだ。
「あー、そろそろむりぃ」
ポンッ っという音とともに、先ほどまでパンドラだったネズミは元の姿に戻り、どこかへ走り去っていった。
どうやら『F-02-i32』の力が限界に達してしまったらしい。
「どうどう、僕も結構やるでしょう?」
「そうだな、あとはこの力を俺たちの迷惑にならない方向で使ってくれたらうれしいんだけどな」
「えぇ~、それは嫌だなぁ」
「なんでだよ?」
なんとなく理由はわかるが、一応聞いてみる。すると『F-02-i32』は目をキラキラと輝かせながら口を開いた。
「だってさ、収容室を開いて人間たちが慌てふためいているのを見てるとさ、めちゃくちゃ面白いじゃん!!」
「普段は辛気臭い顔や達観したような顔してるのにさ、脱走した瞬間めんたまひん剥いてビビり散らかしてるんだよ!」
「……はぁ、じゃあ『F-01-i63』が脱走してもいいんだな?」
「すいませんそれだけは許してください」
どうやら『F-02-i32』でも、あのやばい奴の相手は嫌なようだ。
それにしても、こうして話してみると、やっぱりアブノーマリティはアブノーマリティだな。正直こればっかりはどうしようもないように感じる。
だが、それでも……
「なぁ、お前が面白いって理由でそんなことしてるんだったらさ、もしもそれ以上に面白いことがあればやめてくれるのか?」
「へっ?」
俺の提案が意外だったのか、『F-02-i32』は目をぱちくりさせていた。
そしてしばらくの間考え込むようなそぶりを見せると、こちらに顔を向けてきた。
「うーん、面白いことってどんなことだ?」
「そうだな、すぐに見せれるわけじゃないんだ。でも、もし約束してくれるなら、俺がお前に面白いことを教えてやるよ」
「えー」
さすがに、こんな約束じゃ無理があるか。わかっていたことではあるが、すこし期待してしまっていたようだ。
だが、『F-02-i32』は再び俺を見ながら口を開いた。
「いいよ、でも絶対面白いことを教えてよ!」
「本当か!? よっし、それじゃあまずは楽しい遊びから教えて行ってやるよ!」
「おー!!」
「……やっぱり、二人は似た者同士なんですね」
仕事が忙しくてなかなか更新できなくてすいません。もう少し忙しい日々が続きそうなので、もう少し更新が遅れてしまうかもしれません。
もうすこしお待ちください。