「……もうひと踏ん張りだな」
朝目が覚めて、気合を入れる。
今日を乗り切れば、あとは最後の日のみ。
頑張らなければ……
『ジョシュア、あと少しだな』
「……あぁ」
『ちゃんと俺の出番は用意してくれているんだよな?』
「もちろんだ」
輪廻と話をしながら仕事の準備を終える。
部屋を出ていつも通りに食堂へ。
終わりも近いが、みんないつも通りだ。
……最も、それを知っているのは俺と管理人、ホクマー、そしてアンジェラくらいのものだ。
「……やぁ、ジョシュア」
そして、食堂で待っていた人物はその中の一人、管理人であった。
「おはよう、管理人」
とりあえずいつものように挨拶をする。
こうして彼と話すのも、あと少しか。
「ジョシュア、最近調子はどうだ?」
「……なんか昨日は迷惑かけたみたいで」
「大丈夫、それよりお礼はシロとパンドラに言ってあげてくれ」
その後の話はいつも通り、近況の報告や最近会った楽しいことなど、和やかに話し続けた。
一緒に食事をしながら話をしていたが、気が付けばお互いにすべて平らげていた。
「……さて、実は君には伝えておかないといけないことがある」
「なんだ?」
「実は、これでこうして会うのは最後になると思う」
「……あぁ」
なるほど、わざわざお別れを言いに来てくれたのか。
それは、なんというか……
「意外と真面目なんだな、管理人」
「ははっ、そうでもないよ。でも、友人にはちゃんとお別れを伝えておきたかったんだ」
友人、か。
こうしてたまに会話をしていただけだが、それでもそう思ってくれていたのか。
……今思えば、俺が死んだときはちゃんと巻き戻してくれたし、そういうことも関係していたのかもな。
「そうか、ありがとう管理人。またな」
「……ふふっ」
「なんだよ」
またなは違ったか? でもさようならっていうのもなんか冷たいしな……
「いや、やっぱり気づいてるよね。もうすぐこの施設も終わりって」
「……っ」
「あぁ、いや、別にだからなんだって話じゃないだよ。誰にも言わない」
「……そうか、ありがとう」
「やっぱり、君と友達になれてよかった。またね」
「……あぁ、また」
管理人が手を振って食堂を去る。
俺はそれに、手を振り返すしかできなかった。
「……よう、ジョシュア。今日も大変だったな」
もう今日の勤務が終わりそうな時間帯に、リッチに出会った。
「あぁ、リッチか。まさかまた『F-06-i61』*1が脱走するとはな」
「鎮圧大変だっただろう」
そう笑うリッチに苦笑してしまう。
それはもう鎮圧は大変だった。
「まぁ、それでも『T-09-i81』のおかげでまだ楽に鎮圧できたよ」
今日収容されたツールである『T-09-i81』を付けていたおかげでまだ気を楽にして鎮圧することができた。
……まぁ、気休め程度だったけど。
「そういえば、今日収容されたアブノーマリティって何だったんだ?」
「……さぁ?」
今日収容されたアブノーマリティの『T-02-i72』の作業指示、結局来なかったな。
T-02-i72『天下の不如帰』