×月▲日
今日から新しいところに来た。新しい仲間たちと仲良くやっていけるか心配だけど、皆あまりこちらには興味が無いようだ。それは少し悲しいが、そんな事を嘆いていても仕方が無い。割り切るしか無いだろう。
ここは恐ろしい施設だと聞いていたが、それほど悪いところでもなさそうだ。意外と住み心地は良いし、変な気を遣わなくてもいい。
ここには色々な人たちがいる、これから楽しくなりそうだ。
×月△日
せっかく日記を買ったので、毎日日記をつけていこうと思う。突然大変な事が起こったりもしたが、それらもなんとか乗り越えることが出来てきた。しかし、いつ死んでもおかしくないのであれば、生きていたという証拠が欲しい。
もしこれからこの日記を読むものがいれば、こんな存在がいたのだと覚えていて欲しい。
今日は2体のアブノーマリティーが収容された。一体はツール型だが、もう一体は随分と恐ろしい存在であったらしい。作業に当たった先輩に話を聞くと、どうやら暗すぎて全く姿が見えなかったらしい。懐中電灯もライターも光を灯さない。不思議な話もあるものだ。
そのような恐ろしい体験なんて今までしたことは無いが、これから私も同じように恐ろしい体験を重ねていくのだろう。そう考えると少し憂鬱になる。
別にあのキャンディにあやかるわけでは無いが、こう祈らずにはいられない。どうか明日も良い日でありますように。
×月▼日
今日は新しい友達が出来た。彼はさみしがり屋で孤独だった。だから一緒にいると彼はさみしくなんて無くなったんだ。一人じゃさみしいことは知っている。だから一緒に孤独を紛らわそうとしてるけど、それでもいいのかもしれない。これからは一人じゃ無い、それだけで気持ちは楽になるのだ。
せっかくだから、なるべく友達を増やそう。こんな場所に来たんだ、少しくらい楽しんだって罰は当たらないだろう。どうせもうここから出られない、それは彼らだってわかっているはずなんだ。
×月▽日
最近仲良くなった職員が、今日帰らぬ人となった。彼はオフィサーで、そんなに長い時間を過ごせたわけでは無かったが、思い出はあった。
原因は何かわからなかった。今日はアブノーマリティーの脱走も無く、試練での被害も聞いていなかった。だが、この施設において不思議なことなんて無い。何が原因かまではわからないが、誰が犯人かはおおよそ見当がつく。というよりも、アブノーマリティーの仕業以外の何物でも無いのだろう。
寝る前に自室でコーヒーを飲む。この苦みは苦手だったが、彼が教えてくれた豆のコーヒーはおいしかった。もう二度と彼と話すことが出来ないなんて、なんだか実感が無い。これ以上考えれば参ってしまいそうだ。今日はもう寝るとしよう。
明日は良い日でありますように。
×月■日
ここに来てから順調に友達は増えていった。ここの施設の人々は常に何かにおびえ、生活をしている。それは悲しいことだ、だから少しでも彼らの恐怖を和らげることが出来れば良いのだが……
そうだ、今度皆で一緒に遊ぼう。そうすれば少しはみんなの気も晴れるだろう。そうと決まれば準備をしなくては、友達も一杯集めて皆で楽しもう。
これから忙しくなりそうだ。
*月□日
今日から懲戒部門が解放されたが、なんだか施設内が変だ。この施設に来てから結構立つが、それでもこんなことが何度も起こることは無かった。
また職員が消えた、しかも一人や二人では無い。死体も残らずに何人もだ、はっきり言って異常だ。今日入ってきたアブノーマリティーの仕業じゃ無いかって言っている奴もいるが、それなら昨日のあいつは何だっていうのか。
きっとそれ以前に収容された奴のせいに違いない。その中で心当たりのある奴と言えば、あいつしかいない。
しかし、おそらく今の俺の職員レベルでは収容室に入ることすら許されないだろう。
……あの人に頼むしか無いか。どうか明日こそ、良い日でありますように。
*月◆日
今日はとても良い日だった。皆で助け合い、励まし、支え合う。皆で一つのことに向かって取り組むことはどうしてこんなにも輝かしいものなのだろうか?
うらやましい。その輝きが、その美しさが。
きっとそれは、こちらが望んでも手に入らないものなのだろう。こればっかりは仕方がないと思うしか無い。だから、少しばかり拝借させてもらった。
今日も友達が増えた、それにいい人を見つけた。彼ならきっと良い友達になれる。
*月◇日
お、おわりだ。どうしてこんなことになったんだ!
なにがいけなかったんだ、どうして……
いや、こういうときこそ落ち着いて行動するしか無い。せめて、何があったかだけでも誰かに残しておかなければならないだろう。
今日は恐ろしい目に遭った。あれを恐怖と言わずになんと言えば良いのだろうか?
今日の正午頃、他の職員たちと昼食を取っていたときの話だ。
私は一人、彼のことを考えながら食事をしていた。その時、ジョシュアさんがシロさんと一緒に食事をしながら会話をしていたと思う。
正直恋人同士の語らいに割って入るのもどうかと思ったが、こちらも頼むことが出来る相手が他にいない。
意を決してジョシュアさんに話しかけようと思ったその時だ。食堂の電気が一斉に落ちて真っ暗になった。
ここは地下施設だ、電気が落ちれば光なんぞ入ってこない。とりあえず光を確保しようと懐中電灯を取り出してスイッチをつけようとするが、なぜか電気がつかない。
そのことを不審に思っていると、何かに気がついたのかジョシュアさんが大きな声で一カ所に集まるように指示を出したのだ。
訳もわからず皆一カ所に集まるが、彼らの他にもリッチさんやルビー姉さん、メッケンナなんかは何かに気がついたみたいだ。
全員が気をつけていたはずだ、警戒して何かを見つけようとしていたはずだ。
だが、そんな俺たちをあざ笑うかのように、奴は行動を起こしたのだ。
気がつけば、一人一人と誰かが消えて言った。うかつな奴から消えていった、注意散漫な奴から消えていった。
次に誰が消えるかわからない、そのことに誰かがパニックになってしまった。そして、その瞬間にそいつもどこかに消えてしまった。
もはや誰もが、泣き叫びたい状態だっただろう。だが、そうすれば次に消えるのは自分だ。誰もが無理矢理心を奮い立たせて、なんとか正気を保とうとした。
そんなとき、サラさんの近くでジョシュアさんがE.G.O.を振るい、何かに攻撃した。
そこからは、警戒していたエージェントの皆が奴と戦っていた。
戦っている姿は見えるのに、その相手がわからない。その意味のわからない光景を目の当たりにしながら、どうにかして現実であると頭で処理をする。
戦いは苛烈なものであったんだと思う、正直俺には何かがいるような気がするだけで、よくわからなかった。
そして、おそらく決着がついたんだと思う。その時に、俺はそれを覗いてしまったんだ。
あぁ、見てしまった、目が合ったんだ!
アレは目なんかじゃ無い、そのはずなのに、何も無いはずなのに、そもそもなにもないはずなのに……
今も奴がそこの暗闇に隠れている気がする。こんなに明るくしているのに、少しの影でも奴がいるような気がする。
俺は、魅入られてしまった。きっと奴は俺のところにやってくる。どうにかして生き残らなければ、管理人に、ジョシュアさんに相談してみよう。
どうか、どうか明日は良い日であれ。
*月◎日
そうだ、せっかくだから一緒に遊ぼう。一緒に遊べばきっとこっちに来てくれるよね?
もう逃がさないよ
月 日
どうやら俺はもう終わりみたいだ。奴についてわかったことは少ない、だか後進のために少しでも情報を残しておく
・うかつな奴は絶対に近づいてはいけない
・奴の収容室の近くに近づくのもだめだ
・奴が脱走して部屋が暗くなれば、そこに奴がいる合図だ
・その場所にいたら、近くにいる奴らとお互いを見張り合え、誰も見てなければ次の瞬間には消えている
・それと……
だめだ、もう時間切れみたいだ。うまく頭も働かないし、ここは暗闇に飲まれてしまった。非常用の懐中電灯も意味をなしていない。奴が近づいてくることがわかる
どうせしぬなら、せめてかれのもとへ……
いやだ、いやだいやだいやだ! たすけてくれ! しにたくないんだ!
こんなところでしにたくない、たすけてくれ!
かんりにん、こういうときのためにあんたがいるんだろう!?
みてるんだろう、たすけてくれよ!
くらい、くらいよ!
じょしゅあさん、あんたはいままでだってなんたいものあぶのーまりてぃーをたおしてきたんだ、だったらこんかいもたおしてくれよ! あんたはいっかいたおしただろう!
なんでこんなめにあわないといけないんだよ! いやだよ、こわいよ!
いやだ、たすけてこわいよ
てが、てがくる! なんでてが!? おかしいよ!
こんなのいやだいやだいやだ、たすけt
*月★日
みぃつけた
月 日
手
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Risk Level ALEPH
T-06-i30 『常夜への誘い』