もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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授業まで行かなかった……


マドカとの訓練

部屋を抜け出して校舎周りでも走ろうと思ってたら先客が居た。遠目でも分かる男子生徒の姿、この学園に男子生徒は1人しか居ない。

 

「おはよ、お兄ちゃん」

 

「マドカ?随分と早いんだな」

 

「お兄ちゃんこそ何時から起きてるのよ。まだ5時になってないんだよ?」

 

 

絶対誰も居ないと思ってたのに、部屋を抜け出す時にお兄ちゃんのベッドは確認してこなかったからな……昔はこんなに早く起きる事なんて無かったから知らなかったけど、お兄ちゃんは何時から起きてるんだろう?

 

「何時からって……4時前からだと思うが……」

 

「そんなに早くから起きてるの!?」

 

「驚く事か?」

 

 

お兄ちゃんが意外そうに私を見る。いやいや、そんな顔をされてもこっちが困る……ていうかその顔をしたいのは私の方だよ。

 

「だってお兄ちゃん何時に寝た?」

 

「……12時過ぎには寝たと思うが……」

 

「それって今日だけじゃ無いでしょ?」

 

「何時もはもう少し遅くまで起きてるかな?」

 

「はぁ!?」

 

「な、何だ?」

 

 

お兄ちゃんは気付いて無いのか、私が驚いた原因が分からないようだ。人間、高々3時間寝ただけで1日の疲労が回復するはず無いのだが、お兄ちゃんはまったくと言って良いほど疲れた様子が無いのだ。

 

「お兄ちゃんって何時からそんな生活なの?」

 

「何時からって……多分小学校高学年くらいからはこんな生活だったと思うが……」

 

「……確認だけど、お兄ちゃんって風邪引いた記憶ってある?」

 

「……そう言われると無いかもしれん」

 

「はぁ……」

 

 

お兄ちゃんが凄いって事は知ってたけど、私の想像以上にお兄ちゃんは凄い人だった。もしお兄ちゃんが風邪引いたら看病とかしてみたかったのに、その計画は実行出来る可能性は限りなくゼロだった……

 

「それよりマドカも走りに来たんじゃ無いのか?」

 

「そうだけど……」

 

「なら一緒に走るか?」

 

「良いの!?」

 

「あ、ああ。別に一緒でも問題は無いぞ」

 

「それじゃあ一緒に走ろ!」

 

 

まさかこんな事になるなんて思ってなかった。お兄ちゃんと一緒に走れるなんて嬉し過ぎて小躍りしそうな気分だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か?」

 

「う、うん……何とか大丈夫……」

 

 

お兄ちゃんと一緒に走っていたんだが、あまりにもお兄ちゃんが速すぎて途中からついていけなくなった。お兄ちゃんも途中からスピードを落としてくれたんだけど、私にはそのスピードについていけるだけのスタミナも気力も残ってなかったので先に行ってもらったのだ。

 

「お兄ちゃんって凄いね……」

 

「あれくらいならマドカもすぐにこなせるだろ」

 

「多分無理だよ……」

 

 

スピードやスタミナには自信があったのに、お兄ちゃん相手じゃそんな自信は一瞬たりとも自慢にはならず、粉々に砕け散った……

 

「マドカは専用機があるんだよな?」

 

「一応専用機って事でサイレント・ゼフィルスがあるけど……」

 

 

お兄ちゃんは何かを考えるように目を瞑ってたが、すぐに目を開きこちらを見た。その仕草がカッコよくて少しドキドキした……

 

「ならアリーナにでも行くか」

 

「あれ?でもアリーナって許可無く使えないんじゃ……」

 

「生徒会の権限で使えるんだ」

 

「なるほど……でもお兄ちゃんは如何するの?」

 

 

専用機である須佐乃男はまだ部屋で寝ているはずだが……

 

「マドカがどれだけ出来るのか確認するだけだから必要無いだろ」

 

「そうなんだ……」

 

 

お兄ちゃんと一緒に訓練出来ると思ったのに……

 

「それは今度な」

 

「あれ?今声に出てたの?」

 

「思いっきり残念そうな顔して俯かれれば誰でも分かると思うぞ」

 

「……そんなに顔に出てた?」

 

「誰が見ても分かるくらいにな」

 

「あう~……」

 

 

しょぼくれて情けない声を出しながらさっきより深めに肩を落とす。仮面をしていたのは顔を隠すのと同時に表情を見られないためと言う理由もあったのだ。

 

「あんまり落ち込まれるとこっちが困るんだが……」

 

「ゴメンね……」

 

「須佐乃男が起きたらアリーナに呼ぶから、それで勘弁してくれ」

 

「それで良いよ」

 

 

お兄ちゃんが気遣ってくれてるのが良く分かる……お兄ちゃんは優しいから自分を犠牲にする癖があるんだろうな……

 

「なら、さっさとアリーナに行こうか」

 

「うん!」

 

 

お兄ちゃんが伸ばした手を掴み、仲良くアリーナに移動し始める。お兄ちゃんの手は凄く温かくそして大きかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サイレント・ゼフィルスは遠距離主体の機体だよな?」

 

「お兄ちゃんとペアを組めば相性が良いと思うよ」

 

「……そうだな」

 

「ん?お兄ちゃん如何かしたの?」

 

「何でも無い……」

 

「?」

 

 

お兄ちゃんがおでこを抑えながら首を2,3回振った。何かあったのかな?

 

「とりあえずどれくらい動けるのか見せてくれ」

 

「分かった!」

 

 

お兄ちゃんに私の技術を見える。あの組織でこのサイレント・ゼフィルスを任されるだけの実力はつけてきたし、普通の学生になら負けない自信もある。

 

「それじゃあ行くよ!」

 

「ああ」

 

 

まずは移動からの高速移動、それから急ターンからの急停止。次に急降下からの停止、再上昇。私が出来る最高の動きが出来たと思う。

 

「如何かな、お兄ちゃん?」

 

「その動きは独学で学んだのか?」

 

「誰も教えてくれなかったからね」

 

「そうか……」

 

 

お兄ちゃんは黙り込んで何かを考えている。私、お兄ちゃんに心配されるような動きでもしてたんだろうか……

 

「もう少ししたら須佐乃男が来るからゆっくり練習しような」

 

「練習?」

 

 

いったい何の練習だと言うのだろうか。私は時分の出来る最高のパフォーマンスをしたのだが、お兄ちゃんにはイマイチ伝わらなかったのだろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏様、いきなり呼びつけて何の用ですか?」

 

「マドカの朝練だ」

 

「それに何故私まで……」

 

「お前が俺の専用機だからだ」

 

「そうでしたね……」

 

「頼むから自分がISだって事を忘れるなよ……」

 

 

何時呼びつけられたのか、須佐乃男が文句を言いながらアリーナに現れた。私はまだ須佐乃男が人の姿からISに変化するところを見たことが無いので、須佐乃男が本当にISなのか疑問に思ってるのだが……

 

「さっきマドカがやって見せてくれた動きを俺がやるから良く見ておいてくれ」

 

「分かった」

 

「それじゃあ須佐乃男」

 

「はいはい、分かりましたよ」

 

「不貞腐れるなよ」

 

「私だって眠いんですよ」

 

「授業の殆どを寝てる須佐乃男が眠いとなると、殆どの生徒は寝不足になるんじゃないか?」

 

「失礼な!千冬様の授業は起きてますよ!!」

 

「……あの人の授業の殆どは実習だ。つまり須佐乃男はISの姿なんだから疲労を感じる事は無いだろ」

 

「さて、さっさとしましょうか!」

 

「もの凄い誤魔化しだな……」

 

 

お兄ちゃんと須佐乃男が何かやり取りをしていたが、須佐乃男が惚けて逃げ出したようでお兄ちゃんが呆れている。須佐乃男はお兄ちゃんと仲良さそうで羨ましい……私も仲悪くは無いけど、やっぱりまだ遠慮がある。それが無くなる日は来るのかな……

 

「では一夏様、行きますよ」

 

「何時でもどうぞ」

 

 

そう言って辺りが一瞬だけ光ったと思ったらお兄ちゃんがISを纏って宙に浮かんでいた。本当に須佐乃男はISだったんだ……

 

「それじゃあマドカ、お前と同じ動きをやって見せるから良く見てろよ」

 

「は~い」

 

 

そう言ってお兄ちゃんはゆっくりと移動し始めた。そこから一瞬で離れた所まで移動して、タイムラグ無くターンをして停止、地面スレスレまで降下して再び一瞬で上空まで移動して見せた。正直ここまで凄いとは思ってなかったので驚き過ぎて声が出せない……

 

「まあ、視認出来るスピードでやればこんなもんだな」

 

「……もしかして今のは全力じゃ無いの?」

 

「俺の全力は俺自身が知らないからな……」

 

「如何言う事?」

 

 

お兄ちゃんの全力をお兄ちゃんが知らないなんてありえるのだろうか?普通に考えれば自分の実力は自分自身が一番知っているはずなのだが……

 

「如何やら俺は、自分に枷を設けてるらしく、その枷が外れるとその間の記憶が一切残らないんだ」

 

「枷が外れてる時が全力のお兄ちゃんなんだけど、お兄ちゃん自身はその時の記憶が無いから時分の全力がどんなものか分からないって事?」

 

「そう言う事だ」

 

「映像が残ってるので見ようとすれば見れますよ」

 

「だがあれを見るには教師の許可が必要だろ。わざわざ許可を取ってまで見たいとは思わないんだが……」

 

「私は見たい!」

 

 

お兄ちゃんの全力を見たいのもあるが、もしお兄ちゃんが全力を出しているのなら、きっとその時は真剣そのものだろうからお兄ちゃんはもの凄く真剣なんだろうな……絶対カッコいいに違い無い。

 

「モニター室の入室許可は確か織斑先生が担当だったな……」

 

「諦めよう」

 

「早いですね~」

 

 

だってお兄ちゃんの映像を見るためにアイツと話さなきゃいけないなんて我慢出来ないからね。授業では仕方なく話しかけるけど、それ以外でアイツと話すなんて絶対に嫌だ!

 

「別に全力を見なくても良いだろ。俺自身だって見たこと無いしな」

 

「それに一夏様は全力で無くても学園最強ですからね」

 

「その肩書きは刀奈さんのものだぞ」

 

「生徒会長の別名だっけ?」

 

「聞いたのか」

 

「昨日生徒会室で」

 

 

この学園の生徒会長になるには学園最強になるべし。そんな事を昨日楯無さんから聞いたのだが、お兄ちゃんは会長になるつもりが無いので表向きの学園最強は楯無さんって事になってるのだ。

 

「兎に角、マドカにもあれくらいは出来るようになる素質はあるからじっくりと教えてあげるぞ」

 

「……お手柔らかにお願いします」

 

 

お兄ちゃんの少し黒い笑みを見て私は震え上がった。お兄ちゃんに指導してもらえるのは嬉しいけど、きっと厳しいんだろうな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ初日はこんなもんだろ」

 

 

あれから2時間。私はみっちりとお兄ちゃんの指導を受けていた。

 

「お、お兄ちゃん。私もう動けない……」

 

「そのようだな」

 

「一夏様はスパルタですからね~」

 

「そこまで厳しくは無かっただろ?」

  

 

えっ?

 

「まあ普段よりは優しかった気はしますが」

 

 

えっ?

 

「妹相手に厳しく指導するのはな……まだ初日だし」

 

「ですね~。一夏様は始めは優しく指導してましたものね」

 

「今は優しく無いって?」

 

「優しいと思って無いですよね?」

 

「否定はしないがな」

 

「ちょっ、ちょっと待って!」

 

「ん?」

 

「如何かしましたか?」

 

 

お兄ちゃんと須佐乃男の会話を聞いていたらとてつもなく恐ろしい事を言っていた気がして2人の会話に割り込む。さして気にした様子も無く私の発言を待つお兄ちゃんと須佐乃男……そんなに見つめられると良い辛いんだけどな……

 

「さっきの指導って優しい方なの?」

 

「厳しくは無い」

 

「一夏様の指導を受けて動ける内は優しい方だと思った方が良いですね~」

 

「俺だって動けなくなるまで指導したりしないぞ?」

 

「この間本音様が動けなくなってましたよ?」

 

「あれは本音が自分で限界以上の動きをしようとして失敗した結果だ」

 

「その前の一夏様が見せたあの動きが原因ですよね?」

 

「さあな……」

 

 

いったいどんな動きを見せたのだろうか……それも気になるがお兄ちゃんと須佐乃男の会話はそれを気にさせてくれない程の衝撃を含んだ内容だった。お兄ちゃんが本気で指導したら動けなくなっちゃうのか……

 

「立てるか?」

 

「それくらいなら何とか……」

 

 

手を差し出されてそれを掴みながら立ち上がる。お兄ちゃんに引っ張られて漸く立ち上がった私を見て須佐乃男がつぶやく……

 

「随分とマドカさんには優しいんですね」

 

「何だいきなり……」

 

「だって一夏様に手を引っ張られて立ち上がった記憶なんてありませんし」

 

「お前は疲れ果てて立てなくなるなんて無いだろうが!」

 

「じゃあ羨ましいです!」

 

「はっきり言ったなおい……」

 

 

須佐乃男はただ単に嫉妬していたようだ……でも、お兄ちゃんは私にはこうして手を引っ張ってくれるんだ……なんだか嬉しいな。

 

「早くしないと時間なくなるぞ」

 

「え?」

 

「シャワー浴びて着替えたりしてるとHRにギリギリだって言ったんだ」

 

「ええ!?」

 

 

時間を確認すると、確かに結構な時間だった。汗掻いたしさっぱりしたいし制服にだって着替えなきゃいけない……私は大慌てで更衣室に走っていく。

 

「……まだ動けるならもう少し厳しくすれば良かったな」

 

「あれは世に言う火事場の馬鹿力の親戚かと……」

 

「何処で覚えてくるんだか……」

 

 

私の背後でしみじみと何か言っている2人だったが、その内容は私には知りようも無かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にギリギリだ……」

 

 

シャワーを浴び終えて着替えながら時計を見ると余裕は無い事が良く分かる。お兄ちゃんみたいに人外のスピードで『歩く』事が出来れば良いのだが、生憎私にはそんな事は出来ない。廊下は走っちゃ駄目みたいだし、これは遅刻ギリギリだな……

 

「やっぱりマドカちゃんだったか」

 

「え?」

 

 

誰も居ないはずの更衣室で背後から声を掛けられた。普通の人間だったらビックリしたり飛び上がったりするのだろうが、私は反射的に戦闘態勢をとった。

 

「……随分物騒ね」

 

「あっ、楯無さん……」

 

 

私の背後には生徒会長の楯無さんが居た。何時の間に現れたのだろうか……

 

「生徒会権限でアリーナを使用しているってメールが事務から来てて確認に来てみれば一夏君が居てね」

 

「お兄ちゃんと会ったんですか?」

 

「外で待ってるわよ」

 

「本当ですか!!」

 

「え、ええ……」

 

 

お兄ちゃんだって遅刻ギリギリのはずなのに、私の事を待っててくれてるなんて……

 

「嬉しいな!」

 

「喜ぶのは良いけど、早くしないと一夏君まで遅刻になっちゃうわよ?」

 

「え?……もうこんな時間!?」

 

「精々『廊下』は走らないようにね」

 

 

何故か廊下を強調して言った楯無さん。何で強調なんてしたんだろう……

 

「お待たせ、お兄ちゃん!」

 

「意外と早かったな」

 

「そんな暢気な事言ってる場合じゃ無いよ!」

 

「何を慌ててるんだ?」

 

「時間!かなりギリギリなんだよ!?」

 

「そうみたいだな」

 

 

何でそんなに落ち着いてるの!?だって今日のHR担当はあの人なんだよ!私の所為でお兄ちゃんまであの人に叩かれるなんて我慢できないよ……

 

「普通に行けば間違いなく遅刻だろうな」

 

「だから急がなきゃ!」

 

「須佐乃男を先に行かせて正解だったな……」

 

「お兄ちゃん?」

 

 

何か考え込むようにつぶやいたお兄ちゃんだったが、次に瞬間には無い事も無いように笑っていた。

 

「普通で間に合わないのなら普通じゃ無い方法で行けば良いんだ」

 

「普通じゃ無い方法……?」

 

「でも、これやると後が大変なんだよな……」

 

「お兄ちゃん?」

 

「まあ、後の事を考えて前に進めないのは愚か者か……マドカ」

 

「何?」

 

「乗れ」

 

「はい?」

 

 

お兄ちゃんは私の前に屈み背中に乗れと言ってきた。え~と……これは所謂おんぶと言う行為ではないのだろうか……

 

「しっかり掴まってろよ?じゃ無いと落ちるかも知れないからな」

 

「如何言う事?」

 

 

お兄ちゃんの背中に抱きつき質問する。このまま廊下をお兄ちゃんの人外なスピードで歩くんじゃ無いの?

 

「この時間じゃ歩いて行っても間に合わないだろうからな」

 

「それじゃあ?」

 

「走る」

 

「でも廊下を走ったらいけないって……」

 

 

さっき楯無さんに言われたばっかの事を思い出しお兄ちゃんに言う……もちろんお兄ちゃんだってそれくらい知ってるはずだ。

 

「誰が廊下を走るって言った」

 

「じゃあ何処を……」

 

 

廊下以外の何処を走って教室まで行くって言うのだろうか……外に出て走っても教室には着かないし、他に走れそうな場所は無い。

 

「だからしっかりと掴まってろよ」

 

「え?……ええ!!?」

 

 

突如世界のすべてが反転した……いや、私が反転したのか。お兄ちゃんは天井を走っている。

 

「お兄ちゃん!」

 

「何だ?」

 

「怖いんだけど!」

 

「我慢しろ」

 

「無理だよ……」

 

 

ISに乗って逆さ移動はした事あるけど、まさか生身で逆さ移動、しかも高速で移動する事になるとは思っても無かった。

 

「一端降りるぞ」

 

「あっ、良かった……」

 

「廊下は走っちゃ駄目だが、階段は走っても問題無いからな」

 

「へ?」

 

 

そう言ってお兄ちゃんはもの凄いスピードで階段を駆け上がっていく。私は生きて教室にたどり着くのだろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「到着」

 

「あ、あはは間に合っちゃった……」

 

 

教室の前に到着した時間は、チャイムの鳴る少し前だった。つまり遅刻せずに済んだのだが……

 

「如何した?」

 

「お兄ちゃん、色々と人間離れし過ぎ……」

 

「こうでもしなきゃ遅刻だったぞ?」

 

「天井を走るなんて人間業じゃ無いよ!」

 

「そうかな……」

 

 

お兄ちゃんは少し不満そうだったが少なくとも普通の人間が出来るような事では無いのは、間違いなく事実だろう。

 

「お前たち、何時までそこに突っ立てるつもりだ」

 

「チッ」

 

「マドカ、教室に入るぞ」

 

「うん」

 

 

背後から聞きたくも無い声を聞いて不機嫌になった私だったが、お兄ちゃんに促されて大人しく教室に入る……我ながら単純だ。

 

「ではHRを始める」

 

 

偉そうに教壇に立つ実の姉を忌々しく思いながら学園生活2日目の授業が始まろうとしていたのだ。




色々と人間離れした一夏の行動に、さすがのマドカも引き気味……でも最終的にはさすがお兄ちゃんと思うあたりがブラコンの血筋なのでしょうね
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