もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

165 / 394
今回はヒロインは出てきません


織斑一族の威圧感

職員室に戻ってきた織斑先生は、何故だか疲れているような感じがした。テストの採点はこれからだし、他に疲れるような原因に、私は心当たりが無かった。

 

「如何かしたんですか?」

 

 

席に着くなり頭を抱えそうな勢いで伏せた織斑先生に、私は好奇心半分心配半分で声を掛けた。こんな姿の織斑先生は非常に珍しいので職員室に居る他の先生方も気にしているのだ。

 

「いやちょっと……」

 

 

なんとも歯切れの悪い返事に、私の疑問はますます深まった。普段ならはっきりとした回答をしてくれる織斑先生が、こんなにも歯切れが悪いなんて……表情も絶望しきった感じがするし、もしかして大問題でも起こってるんでしょうか!?

 

「山田先生、少し付き合ってください」

 

「え、あ、はい」

 

 

一瞬何を言われたのか分からなくっておかしな反応をしてしまいましたが、周りには聞かせられないから場所を移すと言う意味が込められてると理解して、私は織斑先生と一緒に職員室から移動する事にした。

 

「採点もあるから、私の部屋で良いか?」

 

「私は何処でも構いませんよ」

 

 

廊下に出て行き先を決めようと織斑先生が提案してきましたが、私としては話しを聞くだけなので本当に何処でも構わないのです。寮長室だろうと食堂だろうとトイレだろうと……最後はちょっと嫌ですね。

 

「それなら山田先生にも手伝ってもらいながら話しましょうか」

 

「私も採点するんですか!?」

 

「だから連れ出したんですよ」

 

「は、嵌められた……」

 

 

私が織斑先生を連れ出したんでは無く、織斑先生が私を連れ出した形になってしまっていた……やっぱりこの人の優位に立つのは無理ですね。

 

「多少散らかってるが気にするな」

 

「これが多少……ですか?」

 

「何か文句でも?」

 

「いえ、何もありません!」

 

「だろうな」

 

 

多少では無くかなりだと思ったけど、織斑先生から向けられた逆らいようの無い視線を受けて私は敬礼で織斑先生の発言を受け入れた……あれは肉食獣の瞳ですよ。

 

「さて、採点をしながらゆっくりと付き合ってもらおうか」

 

「別に良いですけど……」

 

 

採点するのは織斑先生のクラスの答案……つまり私が副担任を務めるクラスの答案なのだから、私が採点しても何も問題は無いのだから……本当は担任が1人で採点しなきゃいけないんですがね。

 

「それで千冬さん、いったい何があったんですか?」

 

 

部屋に2人きりと言う事で、私は呼称を『織斑先生』から普段呼んでいる『千冬さん』に変えた。この空間では堅苦しい話し方は無しと言う雰囲気を醸し出していたからだ。

 

「あぁ、一夏に怒られる事になってな……」

 

「また何かしたんですか?」

 

 

一夏君に怒られる事に事欠かない千冬さんだ。どうせまた何かやらかしたのだろうな……

 

「おい、真耶」

 

「何ですか?」

 

「馴れ馴れしく『一夏君』と呼ぶな!」

 

「エスパー!?」

 

 

私、さっきのは声に出して無いですよね?そもそもその呼称は一夏君が許可してくれているのに、何故か千冬さんは私がそう呼ぶと怒るのだ……それに最近はどうも距離が出来てるような気もするんですよね。

 

「また呼んだな……」

 

「ま、まぁそれはさておき……いったい何をしたんですか?」

 

 

このままでは私の身が危ない……かなり強引だとは思ったが話しを元の流れに戻すために私はそう聞いた。

 

「今回は本当に心当たりが無いんだ……」

 

「『今回は』……ですか」

 

「ああ、今回はだ」

 

 

つまり何時もは心当たりがあるって事ですよね。少しは一――

 

「(ギロリ)」

 

 

――じゃなくって織斑君の負担を減らそうと思わないのでしょうか?

 

「私がいったい何をしたと言うんだ、一夏!」

 

「千冬さんが気付いて無いだけで、結構やらかしてるんじゃないですか?」

 

「あぁん!?」

 

「ヒッ!何でも無いです」

 

 

完全に何人か人を殺っているような目で見られ、私は縮こまって攻撃されないようにするしか出来ませんでした……この空間、かなり怖いです。

 

「一夏め、もしかして私をビクつかせるのが目的なのか?」

 

「そんな事して織斑君に何の得があるって言うんです?」

 

「そうだよな……」

 

「そうですよ」

 

 

こんな小さい嫌がらせをして喜ぶような子じゃ無いですし、そもそもその姿を見てないんですから意味無いじゃないですか。

 

「一夏が本気で嫌がらせをしてきたら、私は日常生活を送れて無いだろうからな……」

 

「千冬さんの中の織斑君ってどれだけえげつないんですか!?」

 

「真耶が思ってる10倍はえげつないだろうな」

 

「そこまで!?」

 

 

私の中の織斑君は、人当たりの良い好青年ですし、自分のためでは無く他人のために本気で怒れる男性なのですが、それの10倍……正直想像も出来ません。

 

「私は何をしたんだ……一夏に聞くか?いや、そんな事して余計に怒られたら嫌だし……でも分からないのも怖いし……なぁ真耶、私はいったい如何すればいいんだ!?」

 

「とりあえずは採点を終わらせるのが良いかと……」

 

 

さっきからまったく手が動いていないのだ……このままだと全て私が採点しなくてはいけなくなりそうなので、私はそう言った。

 

「今はそれどころでは無い!」

 

「採点が大事でしょうが!」

 

「ムッ……」

 

 

私が反論してくると思って無かったのか、千冬さんは短くつぶやいて黙ってしまった……採点する手は動いているので、私の言葉がちゃんと響いたようです。

 

「そう言えば……」

 

「何だ?」

 

「今朝、第1アリーナの監視映像がまったく残ってなかったらしいんですが、何か心当たりはありませんか?」

 

「第1アリーナ?……それは私には関係無い事だろうな。まったく思い当たらない」

 

「そうですか……」

 

 

生徒会の方で内密に処理したらしいと職員室で噂されていたので、もしかしたらこれが原因かとも思ったのですが、如何やら千冬さんは無関係だったようですね。

 

「映像か……」

 

「如何かしました?」

 

「アイツなら知ってるかと思ってな」

 

「アイツ……?」

 

 

千冬さんが言うアイツが誰の事を指しているのか分からなくて、私はしきりに首を傾げました。

 

「だが、アイツに聞くのはそれはそれで嫌だし……」

 

「誰の事です?」

 

「アイツだアイツ……悪名高い大天災」

 

「ああ!」

 

 

千冬さんの唯一のお友達、世界中が血眼になって探している篠ノ乃博士の事でしたか。

 

「でも、何で篠ノ乃博士なら知ってると思うんですか?」

 

 

IS学園に関係すら無い篠ノ乃博士が、千冬さんが怒られる理由に心当たりなどあるはず無いと思うんですけど……

 

「アイツが興味を持っている対象は全てこの学園に居るからな。アイツならハッキングしててもおかしくは無い」

 

「………」

 

 

IS学園に保存されているデータは国軍のデータベースに匹敵するくらいの極秘データ扱いなのでセキュリティーも厳重と言う表現で事足りるか如何かのレベルなのですが、千冬さんは篠ノ乃博士ならそれくらい簡単にハッキング出来ると自信を持って言いました……何か根拠でもあるのでしょうか?

 

「だが、その事がバレて一夏に怒られるのは嫌だし……どっちにしろ八方塞か」

 

「後で分かるんですから、今から気にしてても仕方ないのでは?」

 

「怒られる前に理由が分かれば対処しようがあるだろうが!」

 

「怒られる事前提で話してますけど、本当に説教なんですか?」

 

「如何やら榊原先生が関係してるらしいのだが、怖くて聞けなかったんだ」

 

「それで私にウジウジと言ってるんですか?それならさっさと榊原先生に理由を聞いた方が早いじゃないですか!」

 

「そうなんだが……」

 

 

普段ならこれほど千冬さんに対して強気に出られる事など無いのですが、今回はさすがに強気にもなりますよ!

 

「携帯で聞いてください!」

 

「だって怖いし……」

 

「世界最強の称号を持つ人が何言ってるんですか!」

 

「そんなもの、一夏を前にしたら何の意味も持たないぞ……」

 

「それは同感ですが、今はそんな事言ってる場合では無いでしょ!」

 

 

私は千冬さんの手から携帯を取り、榊原先生の番号に電話を掛けようとした。……したのだが……

 

「榊原先生の番号が登録されて無いんですが?」

 

「聞いて無いものは登録出来ないだろ?」

 

「ああもう!」

 

 

私は自分の携帯から榊原先生に電話を掛ける事にした。

 

『はい』

 

「榊原先生ですか?山田です」

 

『お疲れ様です。それで、何か御用ですか?』

 

「織斑君が怒ってるらしいのですが、如何やら榊原先生と織斑先生に原因があるみたいなんですが、心当たりはありますか?」

 

『………』

 

「榊原先生?」

 

 

電話越しに榊原先生が固まったのが分かった。この人は何かやらかしたのだろう……

 

『嬉しさのあまり、つい……』

 

「何したんですか?」

 

『いや、これ以上は真耶には話せない……』

 

「じゃあ千冬さんに代わります」

 

 

関係者同士なら話せるのだろう……私は千冬さんに携帯を手渡した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真耶から携帯を受け取り、私は榊原先生に事情を聞く事にした。

 

「それで、何をしたんですか?」

 

『彼氏からデートに誘われまして……それで嬉しさのあまりISの武装でアリーナを……』

 

「何してるんですか……」

 

 

私が教えた事によってアリーナが破壊されたのだろう……それを内密に生徒会が……いや、一夏が処理してくれたんだろうな……それで朝から何処か疲れてる雰囲気だったのか。

 

『せっかく織斑君が紹介してくれたのに、互いに忙しくて会えなかったんですよ!』

 

「いや、私に言われても……」

 

『あ、ああ……スミマセン、つい興奮しちゃって……』

 

「ん?……一夏が紹介した、ですか?」

 

 

アイツの知り合いに榊原先生と歳の近いヤツなんて居たか?

 

『私が自棄コーヒーしてた喫茶店に織斑君と今の彼氏が居まして、私が一目ぼれして紹介してもらいました』

 

「え、友達?」

 

『ええ』

 

「それじゃあその……彼氏って高校生?」

 

『ええ///』

 

 

なんて事だ……いくら男運が無いからと言って、高校生に走るって言うのは如何なんだ……まぁ、相手の居ない私が言えた事では無いが。

 

「彼氏にデートに誘われたくらいでIS武装でアリーナを破壊したんですか?」

 

『誘われたくらいって何ですか!織斑先生には分からないでしょうね、私の気持ちなんて!』

 

「まぁ、分かりませんが……」

 

 

生まれてこの方、彼氏なんてものが居たためしが無いからな。

 

『この前の彼氏にはデートする前に振られたんです!』

 

「……だから誘ってくれて嬉しかったと?」

 

『ええ!』

 

「………」

 

 

一夏よ、この事件の原因の一旦にはお前も関係してるみたいだぞ……私を怒るのはお門違いじゃないのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

採点が終わり、特にする事も無くボケーとしていたら、昼休みになってしまった……あの後一夏に事情を話そうとしたが怖くて話しかけられずに今に至っている……仕方ない、釈明は部活棟の榊原先生の部屋でするとしよう。

 

「織斑先生、頑張ってくださいね」

 

「他人事だと思って楽しそうに……後で覚えてろよ」

 

「ヒィ!?」

 

 

真耶がひやかして来たので軽く睨み脅しておいた……そんな事でもしてないと私の精神はすぐに崩壊しそうなくらいガタガタだったから……

 

「事情を話せば許してくれるよな……」

 

 

一夏だってそこまで鬼じゃ無いはずだ。原因の一旦が自分にあると分かれば、少しは酌量してくれるだろう。

 

「あっ!」

 

「ん?……フン!」

 

 

部活棟に向かう途中でマドカとバッタリ会った……向こうは私を見るなり何処かに行ってしまったが、少しくらいは話しをしてくれても良いじゃないか……

 

「まだ怒ってるんだろうな……」

 

 

幼いマドカから一夏を取り上げたのは私なのだし、それが私を恐れた両親が原因だと言う事を分かっていても、マドカの中では悪いのは私のようだ……

 

「マドカには嫌われてるし、一夏には怒られるし……私の可愛い弟と妹は何処に行ってしまったんだ!」

 

 

私は此処が廊下だと言う事を失念して大声で嘆いた……

 

「廊下の真ん中で何馬鹿な事言ってるんだアンタは……」

 

「い、一夏!?」

 

 

さっきまで誰も居なかった私の背後に一夏が居た……さすが一夏だ、私にすら気配を掴ませ無いとはな。

 

「さっさと部活棟に行くぞ」

 

「待て、待ってくれ一夏」

 

「何だよ?」

 

「今回の事件の一旦はお前にもあるんだぞ?」

 

「弾の事か?」

 

「えっ、まぁ、多分……」

 

 

彼氏の名前は聞いていないので、名前を言われても分からないのだが……多分その『弾』とか言うヤツが原因だろう。

 

「アイツの事も後で電話で説教するつもりだ」

 

「それって……」

 

「弾の事を言って説教を軽くしようとしたアンタの目論見は失敗って事だ」

 

「……あぁ」

 

 

私は一夏相手に策を講じたのに、その策は策にすらなっていなかったと言う事か……私はこの世の終わりが訪れたような気分で、素直に一夏の背中に付いて行き部活棟に向かった……気分は連行される犯人の感じだろうか……手錠も引く縄も無いのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の部屋に織斑姉弟が訪ねて来た……理由は分かってる、朝の件に対しての注意と説教だろう……説教するのが弟の一夏君で、怒られるのが私と姉の千冬さんって言うのもおかしな感じがするわね。

 

「さて、此処なら監視もありませんし、防音対策もバッチリですから思いっきり怒れますね」

 

「お手柔らかにしてもらえるとありがたいかな~……なんて」

 

「学園に朝の件を報告して良いのなら手加減もしますが?」

 

「それって手加減じゃ無くって止めだよね!?」

 

 

織斑君相手なら説教で済むだろうが、学園にバレたら最悪解雇もありうるのだ……教師がIS武装を使ってアリーナを破壊したなんて、学園始まって以来の大不祥事じだろう……解雇で済めばまだ良い方だと思った方が良いだろうな。

 

「まぁ、嬉しさのあまりって言うのがなんとも言えないんですがね……」

 

「ゴメンなさい……」

 

 

せっかく織斑君が紹介してくれた相手が、デートに誘ってくれるのは当たり前だと思えなかった私が悪いわよね……織斑君も見た目は兎も角中身はまとも(?)だと言ってくれたんだし……舞い上がっちゃ彼にも織斑君にも失礼だったよね。

 

「それは何に対しての謝罪ですか。朝の件ですか?それとも舞い上がった件ですか?」

 

「えっと……両方です」

 

「まったく……」

 

 

織斑君は首を数回横に振ると、疲れたような笑みを浮かべてくれました。

 

「よっぽど嬉しかったって言うのは分かりますが、次回からはその喜びの表現の仕方を変えてくれると助かります」

 

「はい、反省してます……」

 

「次は容赦しませんからね」

 

「は、はい……」

 

 

織斑君は見たものを全員震え上がらせるだろう笑みを浮かべてそう言いました……笑顔なのにすっごい怖いのは何でだろう……そして織斑君はその笑みを消して織斑先生に向かいあいました。

 

「さて、貴女には色々言いたいのですが……まず、IS武装を使っての護身術などあるか!」

 

「護身術には変わりないだろ……」

 

「身を守る必要がある時にIS武装が傍にある訳無いだろうが!」

 

「あぅ……」

 

「大体あれは貴女が編み出した秘技だとか言ってたよな、それを簡単に人に教えてんじゃねぇよ!」

 

「だって……」

 

「だってじゃねぇよ!どうせ酒でも奢ってもらって調子に乗ったんだろ」

 

「何故分かった!?」

 

「何年アンタと一緒に生活してたと思ってんだよ。アンタの行動パターンなどすぐに分かる」

 

「さすが一夏だ!」

 

「怒ってんだよ!分かれよ!!」

 

「あぅ……」

 

 

織斑君は私に対する時よりも数段怖い表情で、しかも口調も崩れていてかなり怖い感じ……もし私があの口調で怒られたら失禁するかもしれないわね……織斑先生じゃなきゃ耐えられないだろうな。

 

「アンタだけでも学園に教えてやりたいが、それだと連鎖で榊原先生の事もバレるだろうから今回は見逃してやる……だが、次は無いと思え」

 

「あぁ……良く分かった」

 

 

織斑君の目は、表現するなら人殺しの目とでも言えば良いのだろうか、もの凄く鋭く、そして怖い感じがした……

 

「それから……」

 

「まだ何かあるのか!?」

 

 

終わったと思った織斑君の説教には、まだ続きがあったようだった……織斑先生も終わったと思ってたんだろうな……

 

「いい加減マドカと仲直り出来ないのか?」

 

「それは……」

 

 

そう言えば織斑先生って、妹さんのマドカさんと仲があまり良く無いって聞いた事があったわね……真ん中の織斑君としては姉と妹が仲悪いと気まずいんでしょうね。

 

「マドカの態度もアレだが、アンタもいい加減歩み寄ったら如何だ?」

 

「それが出来るのなら苦労しない!」

 

「威張って言う事かよ……」

 

「スマン……」

 

 

珍しい、織斑先生が素直に頭を下げる姿なんて……もし今此処に誰も居なくて、かつ織斑先生に私の存在がバレて無かったら携帯で写真を撮っていたかもしれない、それくらい貴重な光景だったのだ。

 

「変な事を考えてる榊原先生は兎も角、少しは努力するんだな」

 

「分かった……榊原先生、変な事を考えると己の寿命が縮みますよ?」

 

「ええ!?」

 

 

この姉弟……ひょっとして人の心が読めるのだろうか。私の考えていた事が分かってるような話し方だったし、織斑先生にいたってはさっきの織斑君ほどでは無いにしろ鋭い視線を私に向けていた……それでも十分怖いんだけど。

 

「さてと、それじゃあ榊原先生、お邪魔しました」

 

「え、ええ……」

 

「弾とのデート、楽しんできてください」

 

「ありがとう……」

 

 

織斑君はそれだけ言って部屋から出て行った……織斑先生を引きずって行きながら……あの光景を生徒が見たら如何思うんだろうな……憧れの織斑先生が弟に引きずられてるんだ、きっと驚くだろう。

 

「あれ?」

 

 

恐怖から開放された事に今気付いた身体が、全身の力を一気に抜いてしまって、私はその場にへたり込んでしまった……良く居れば足が震えている。

 

「これからは織斑君と織斑先生を怒らせないようにしよう……」

 

 

もう1回あの恐怖を体感したいとは思わないし、次は容赦しないって言ってたから気をつけないと……私は心にそう刻み込んで忘れないようにした。




正確には一夏は『織斑一族』では無いのですが、他に表現しようが無かったのでこのタイトルに……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。