もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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2話連続で7,000字オーバーです。


校則の重要性

今日は一夏さんが生徒会室に来れない日、ですからお嬢様には何が何でも来てほしかったのですが、一向に現れず……携帯に掛けても繋がらないので、この作業を1人でやらなければいけないのですが、さすがに1人では終わらないような気がしてます。

 

「お嬢様は何処に行ったんでしょうか……」

 

 

本来ならお嬢様が率先して仕事を片付けなければいけないのですが、如何もお嬢様にはサボりグセがあるようで、重要な日に限ってサボろうとする傾向が強いのです。

 

「一夏さんに何とか来れないか如何か確認しておきましょう」

 

 

電話だと迷惑を掛ける可能性があるので、ここはメールを送っておきましょう。一夏さんならすぐ返信をくれるでしょうからね。

 

「さてと……少しずつ片付けていきましょうか」

 

 

アリーナの整備に関する書類を片っ端から片付けていかないと、今日中に部屋に帰れない可能性が出てきてしまうのだ……これって普通は職員室で処理するはずなんだろうけど、相変わらず生徒会に丸投げなんですよね……しかも当日に丸投げするってどれだけ仕事をしてないんですか、まったく。

 

「ブツブツと文句言ってる暇はありませんね」

 

 

自分に気合を入れて書類に手を伸ばす。前に冗談で言った一夏さんを生徒会長にする事を、本当に実行しようか迷ってきますね、これだけお嬢様が仕事をしてくれないと。

 

「メール……一夏さんでしょうか?」

 

 

机の上に置いておいた携帯が振るえ、メール着信を告げる。私は確認のため携帯に手を伸ばしその内容を読んだ。

 

『30分くらいしたら行けると思います』

 

 

メールの差出人はやはり一夏さんで、思いのほか早く来られそうだと言う内容だった。恐らく一夏さんの都合を後回しにしても30分はかかるって事なんでしょうが、わざわざ自分の都合を後回しにしてくれる辺りが一夏さんらしいです。

 

「よし、一夏さんが来るまでに、出来るだけ処理しておきましょう!」

 

 

一夏さんに頼ってばっかじゃいけないので、自分の出来る限りのスピードで書類を処理しようと決心した。

それにしてもお嬢様は何処に行ってしまったのでしょうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は珍しく一夏君が部屋に居ない。普通ならこの時間はコーヒーでも飲みに来るんだけど、今日は色々と用事が立て込んでるらしく、部屋には寄り付かないのだ。そのおかげで私たちはこうしてゲームをして遊んでいられるんだけどね。

 

「やっぱ簪ちゃんは強いわね~」

 

「そう言うお姉ちゃんだって、結構善戦してたよ」

 

「うう~、ゲームだけはかんちゃんに勝てる気がしないよ~」

 

「簪様はお上手ですね」

 

「次は絶対に簪に勝つんだから!」

 

 

何時ものメンバーに加え、今日はこれまた珍しく本音たちのクラスメイトの鷹月さんが遊びに来ているのだ。

 

「対戦ゲームって言うのは初めてやったけど、結構面白いのね」

 

「思いっきり出来るから楽しいよね~」

 

「一夏様が居ると途中で休憩を挟まないといけませんからね」

 

「目が悪くなる~って言うんだよね~」

 

「一夏の心配も分かるけどね」

 

「一夏君はあんまりこう言うのやらないからね」

 

 

一夏君もお友達と遊ぶ時はこう言うゲームもやるらしいんだけど、それでもぶっ続けではやらないらしいのだ。それに、練習とかしなくても、一夏君は1回やれば何となくのやり方は理解してしまうので、練習のために時間を費やすって事も無いらしいのだ。

 

「それにしても、この部屋は広いですね」

 

「元々あった部屋の壁を取り払って、3つの部屋を1つにまとめたからね~」

 

「おりむ~が入寮するにあたって、織斑先生が希望を聞いてきたんだって~」

 

「それで私たちも一緒に生活する事になったんだ」

 

「私とマドカさんは後から入ったんですが、それでもまだスペースが空いてるんですよね」

 

「その内姉さんもこの部屋に住みついたりしてね」

 

 

マドカちゃんは無邪気に言ってるが、織斑先生ならありえそうだし、そんな事を一夏君が聞いたらきっと嫌そうな顔をするのだろう。

 

「そう言えばお姉ちゃん」

 

「何かな?」

 

 

ふと思い出したように簪ちゃんが私の名前を呼んだ。何か深刻そうな顔をしてるけど、いったい何を思い出したのだろう……

 

「今日って生徒会の仕事が忙しいから、絶対に来てほしいって虚さんに言われて無かったっけ?」

 

「……あ!」

 

 

すっかり忘れてた……今日は一夏君が来れないかもしれないから、絶対に生徒会室に来てほしいって虚ちゃんに言われてたんだった。でも今から行ったら怒られるだろうし、それに私じゃそれほど戦力にならないからな~……でも本当に行かなかったら途中参加以上に起こられるだろうし、でもでもゲームはしたいし……

 

「行った方が良いと思いますよ」

 

「鷹月さん?」

 

「恐らくですけど、一夏君も布仏先輩と一緒にお説教すると思いますし」

 

「それは大変だ!」

 

 

一夏君のお説教は、ある意味虚ちゃんより怖い……虚ちゃんのお説教は本当に怒ってる感じのするお説教なのに対し、一夏君のお説教は静かに怒ってる感じなのだ。これが静かじゃ無くなったら、一夏君は本気で怒ってると言う事なのだが、その変化が何時起こるか分からないので更に怖いのだ。

 

「行ってくる!」

 

「いってらしゃ~い」

 

「ご無事をお祈りしておきますね」

 

「骨は拾ってあげるから」

 

「人の事を勝手に殺すな!」

 

 

マドカちゃんに不吉な事を言われ、私は出来るだけ生徒会室に早く着けるように走った。本当なら廊下は走っちゃいけないんだけど、今はそんな校則を気にしてる場合では無いのだ。もしこれ以上遅れようものなら、冗談では無く本当に殺されかねないのだ。

 

「もう少し早く……」

 

 

自分の出せる限界を超えようと必死に走る……何でこんな大変な事になるまで思い出さなかったんだろう。

 

「もっと……もっと早く!」

 

 

1秒でも早く生徒会室に着かなければと言う思いが、私の足を突き動かす……だが限界を超えるスピードはそれだけ身体に負荷が掛かるのだ。つまり何が言いたいかというと……

 

「あれ?」

 

 

脚に掛かるダメージが相当なものなので、踏ん張る事が出来ずに階段を踏み外したのだ。普段しない段飛ばしなんてしなければ良かったな……

 

「(せめて大怪我じゃなければ良いんだけど、駄目だろうな……)」

 

 

階段の上り始めならそこまで酷い怪我にはならなかったのだろうが、生憎私が踏み外したのは上り終わりの方、つまり相当な高さから私は落ちるのだ……良くて骨折かな。

 

「(仕事を忘れていた私への罰なんだろうな……でももう少し痛くない罰が良かったよ)」

 

 

重力に逆らう事は出来ないので、私の身体はゆっくりと落ちていく……冷静になればISを展開して衝撃を和らげる事も出来たのだろうが、今の私の頭の中にはそんな考えは思い浮かばなかったのだ。

 

「……あれ?」

 

 

何時まで経っても待ち構えていた衝撃が襲い掛かってこない……恐る恐る目を開けると、目の前に良く知っている顔があった。

 

「何してんの?」

 

「一夏君?」

 

 

この前約束した通り、一夏君は2人きりの時には敬語を使わなかった。それにしてもこのタイミングで現れるなんて、一夏君は本当に私の運命の男性なのだろうな。

 

「階段から落ちてくるなんて、よっぽど焦ってたのか?」

 

「生徒会の仕事が大変だって忘れてて……」

 

「それを思い出して焦ってたのか」

 

「うん……」

 

 

一夏君にタメ口で話されるのは、何だか違和感があるけど、それ以上に対等である感じがして嬉しいな。

 

「一夏君、大丈夫だから降ろしてくれる?」

 

「あぁ……ほら」

 

 

ゆっくりと廊下に脚をつける。本当は一夏君に抱きついていたいけど、これ以上遅れる訳にはいかないのだ。

 

「痛っ!」

 

 

歩き出そうとしたら右足に激痛が走った……さっき踏み外した時におかしな方向に捻ったのだろうか。

 

「大丈夫か?」

 

「平気平気……」

 

 

脂汗がひっきりなしに背中を伝う……口では平気と言ったが、これはかなりヤバイかもしれないわね。

 

「平気そうに見えないんだが」

 

「大丈夫だって……ほら」

 

 

一夏君を心配させないために、その場で軽くジャンプする……着地の度に右足に電気が流れたような感じを覚える……

 

「無理するなって」

 

「無理なんて……」

 

「大人しくしてろよ」

 

 

そう言って一夏君は問答無用に私を抱き上げ、生徒会室に向かう……生徒会室には簡単な治療が出来るくらいの道具は揃ってるし、虚ちゃんも一夏君も治療は出来るから保健室に向かうより良いのだが、今の姿を虚ちゃんに見られたく無いな……

 

「一夏君、ちょっと降ろして!」

 

「怪我人が無理するからだ」

 

「大丈夫だってば!」

 

「なら触って良いか?」

 

「それは……」

 

 

今触られたらきっと悲鳴を上げるだろう……抱き上げられた時にチラッと見えたが、足首が異様に腫れており、これは重症だと目からの情報でも確信してしまったのだ。

 

「虚さんには上手く言っておくから、刀奈は大人しく治療されてろ」

 

「うん……ありがとう」

 

 

サラッと呼び捨てにされたが、今度はまったく違和感が無かった。それに安心したら、一夏君に抱かれてる感じが、小さい頃にお父さんに抱かれた感じに似ていると気付いた。安心したから気付いたのでは無く、気付いたから安心したのかもしれない。一夏君に抱かれる感じは、何時も心休まる感じがするのだ。

 

「とりあえず忘れてた事は虚さんに謝るんだな」

 

「ゴメンなさい……」

 

「いや、俺にじゃなくてだな」

 

「だって一夏君も忙しかったんでしょ?」

 

「一通りは終わったから大丈夫だ」

 

 

一夏君は私を抱えあげたまま階段を2段飛ばしで上がっていく……下も良く見えないのに踏み外さないのは慣れだろうか?

 

「仕事の前に刀奈の手当てをしなければいけなくなったがな」

 

「ゴメンなさい……」

 

「だから謝る必要は無いから」

 

 

階段を上り終え、後はこの廊下を真っ直ぐ進めば生徒会室だ。一夏君が居てくれたから助かったけど、本当なら私は病院送りになっててもおかしくなかったので、無事に生徒会室に着けたのがちょっと嬉しかった……いや、無事では無いけど。

 

「虚さん、一夏です。ちょっと扉開けてもらえますか?」

 

「ちょっと待ってくださいね……如何かしました……か?」

 

 

虚ちゃんが私を抱きかかえている一夏君を見て固まった。だけどすぐに大声で攻め立てるのでは無く、虚ちゃんはゆっくりと視線を私の足首に向けた。

 

「お嬢様、その足首は如何したんですか!!」

 

「ちょっと踏み外して……」

 

「そこの階段から降ってきたんです」

 

「他に怪我は無いんですね!?」

 

「うん、一夏君が通りかからなかったら最悪死んでたかも」

 

 

もの凄いスピードだったし、衝撃もそれに伴うものだっただろうし、首や頭を強く打ってたらそれもありえたかも知れないのだ。

 

「まったく、お嬢様はどれだけ私に心配させるんですか!」

 

「ゴメン……」

 

「とりあえず虚さん、手当てをお願い出来ますか?」

 

「分かりました。一夏さんはお嬢様を抑えておいてください」

 

「逃げないわよ……」

 

「そうでは無く手当ての途中で暴れられても困りますから」

 

「出来れば痛くしないでほしいな……」

 

「それはお嬢様の足首次第でしょうね」

 

「さっき飛び跳ねたりしてたので、きっと痛いでしょうけど」

 

 

一夏君があっさりと私が無理してた事を虚ちゃんに教えた。その所為で私は更に虚ちゃんに怒られる事になってしまったのだ。

 

「飛び跳ねたって、お嬢様は何をしてるんですか!」

 

「だって一夏君に心配掛けたく無かったんだもん!」

 

「その所為で余計に怪我を悪化させたかも知れないですよ!!」

 

「あぅ……」

 

「まぁまぁ、虚さんも刀奈さんも落ち着いて。ハーブティーを淹れたのでこれでも飲んでください」

 

「何時の間に……」

 

「虚さんの方は気持ちを落ち着かせる作用が、刀奈さんの方には痛みを和らげる作用がありますから」

 

「何処かの執事並の早業でしたね」

 

 

今さっきまで私たちと話してたのに、いったい何時ハーブティーを淹れてきたんだろう?

 

「あっ、美味しい……」

 

「一夏さんはお茶を淹れるのが上手ですよね」

 

「これくらい誰でも出来ると思いますが」

 

「普通に淹れるんなら私や本音にも出来るけど、美味しく淹れられるのは、やっぱり一夏君だと思うよ」

 

「私でも同じように淹れられる自信はありませんよ」

 

「そんなものですかね?」

 

 

一夏君はコーヒーを啜りながら書類を見ている。私たちを落ち着かせるのと同時に仕事も進めていたのか……さすが一夏君よね。

 

「虚さん、やたらと今日までの期限の書類が多いですけど、これって昨日ありましたっけ?」

 

「職員室から今朝回ってきた書類です。何でも担当が閉じ込められたから代わりにやってくれって」

 

「担当は……織斑先生か」

 

 

一夏君は盛大なため息を吐きかけ、思いとどまって肩をすくめるだけに止めた。織斑先生が居ない原因は一夏君にもあるので、呆れるに呆れなかったのだろうな。

 

「お嬢様、大人しくしててください」

 

「してるじゃない」

 

「ぶらぶらと動いてるんですよ」

 

「完全に無意識だわ」

 

「じゃあ意識して止めてください」

 

「は~い」

 

 

虚ちゃんに手当てしてもらってる間、一夏君に淹れてもらったお茶を飲む。このお茶のおかげか、特に痛い思いをせずに手当てが終わった。

 

「手当てが終わったのならしっかりと仕事してくださいね」

 

「そう言っても殆ど虚ちゃんと一夏君で終わらせてるじゃない」

 

 

私が生徒会室に運ばれてきた時には1/3は虚ちゃんが終わらせてたし、手当ての間に一夏君が残ってた書類の半分近くは終わらせているので、私が焦って来なくても良かったんじゃ無いかと思ってしまう……有能なメイドと、それ以上に有能な彼氏が私の代わりに仕事をしてくれるおかげで、私はぐうたら主の印象が強くなってしまっているのだ。

 

「そう言えばお嬢様、焦って来る前は、何処で何をしてたんですか?」

 

「さぁ仕事しましょう!」

 

「何か誤魔化してますね」

 

「お嬢様、大人しく白状した方が見のためですよ」

 

「な、何するのよ?」

 

「足首の患部を思いっきり叩きます」

 

「ヒィ!?」

 

 

触られるだけで痛いのに、思いっきり叩かれたらきっと泣いちゃうよ……だけど虚ちゃんの顔を見る限り脅しでは無く本気だろうな。大人しく言った方が良いのだろうが、言えば一夏君にも怒られるかもしれないんだよね……でも痛いのは嫌だし、白状しよう。

 

「部屋でゲームしてました……」

 

「誰とです?」

 

「簪ちゃんと本音と須佐乃男とマドカちゃんと鷹月さん」

 

「静寂?」

 

 

最後に言った鷹月さんの名前に、一夏君が反応した。静寂って鷹月さんの名前よね、名前で呼ぶ仲なんだ……

 

「一夏さんのお知り合いですか?」

 

「クラスメイトです」

 

「ただのクラスメイトを一夏君が名前で呼ぶ訳無いよね?」

 

「じゃあ友達です」

 

「随分と仲良いんだね~」

 

「別に刀奈さんが勘ぐってるような仲では無いですよ」

 

 

確かに鷹月さんからは、他の女子から感じる一夏君に対する想いはそこまで強くなかった気がするし、友人で居る事で満足してるようにも見えた。

 

「それよりも、ゲームって長い時間ぶっ通しでやってないでしょうね?」

 

「さ、さぁ……」

 

「いくら午後の授業が無いからってずっとゲームで遊んでるなんて……」

 

「一夏さんって、偶にお母さんみたいですよね」

 

「さっきはお父さんみたいだったのにね」

 

「だから俺は虚さんと刀奈さんより年下なんですが」

 

「そうなんですが……」

 

「何て言うか、雰囲気が年下っぽく無いのよね」

 

「言いたい事は何となく分かりますが……」

 

 

おしゃべりをしながらも、一夏君と虚ちゃんは書類に目を通すスピードを緩めない。一方の私は思いっきり速度が落ちているのだ……同じようにしゃべってるのに、如何して2人は速度が落ちないのかしら。

 

「まぁ今日くらいは大目に見ますが、次からは許しませんよ」

 

「私はもうやってないでしょ?」

 

「そのメンバーの最年長だったんですから、少しは自重するように言ってくれても良かったんじゃ無いですか?」

 

「ゴメンなさい……」

 

 

一夏君の何とも言えないプレッシャーに、私は素直に頭を下げた。だってこれ以上怒らせたら何が起こるか分からないって想ったから。

 

「そう言う一夏君は何処に行ってたの?」

 

「変態共の掃除に」

 

「?」

 

「誰?」

 

 

一夏君があそこまで辛辣に言うって事はかなりの変態なのだろうけど、そうなると私たちでは想像が付かないのだ。

 

「駄姉と駄ウサギです」

 

「……織斑先生と篠ノ乃博士って事ですか?」

 

「駄姉に駄ウサギ……」

 

 

確かに織斑先生は一夏君の義姉だし、篠ノ乃博士はウサ耳を愛用してるようだったけど、その特徴に『駄』を付けるとは……

 

「駄姉からふんだくった駄ウサギからお金を回収してきたんで遅れたんですよ」

 

「どれくらい回収したの?」

 

「えっと……100万はあるかな」

 

「そんなに!?」

 

「あの駄姉、賭け事で増やしてたお金を駄ウサギにつぎ込んでたようで……」

 

「賭け事って、それってマズイんじゃ……」

 

「宝くじですよ」

 

「あぁ……」

 

 

確かに賭け事って言えば賭け事だけどさ……普通に言ってくれれば良いのに。

 

「まぁ俺みたいに株に手を出してないだけマシですよ」

 

「一夏君はしっかりと勝ってるじゃない……」

 

「更識の資金は一夏さんのおかげで潤ってますからね」

 

「それが仕事みたいなものですからね」

 

 

一夏君のおかげで、枯渇しかけていた更識の財政は立て直したし、一夏君への報酬も払えるようになったのだ。

 

「とりあえず生徒会の仕事は終わったんで」

 

「後はお嬢様だけですね」

 

「えっ、2人共終わったの!?」

 

 

おしゃべりに夢中になってたため、私の作業分はまだ残っている。2人は終わったので帰るとか言い出したけど、泣きついて残ってもらった……だって1人じゃ心細いし何かつまらないから。

 

「お嬢様もやれば出来るんですからやってくださいよ」

 

「やってるわよ!」

 

「やってないです!」

 

「やれやれ……」

 

 

虚ちゃんと口論になり、結局私の分の仕事は一夏君が終わらせた。私と虚ちゃんは申し訳無い気持ちで生徒会室を後にする事にした……




学生の皆さん、廊下や階段では走らないようにしてください。怪我しますから……
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