もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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目の前でお菓子を大量に買ってる人が居ました……1人で食べる訳じゃ無いんだろうが、あんなに必要なのかな……


心の揺らぎ

教師用の食堂に一夏君と2人で買い物に来た。普段なら置いてあるお弁当をテキトーに見て、その日の気分でこれまたテキトーに買うのだが、今日は私はあくまで付き添いで、物を買うのは一夏君なのだ。

 

「学生寮の食堂とは全然違うんですね」

 

「そうなの?」

 

 

私は学生寮の食堂には行った事が無いので、如何違うのかまったく分からない……でも一夏君が言うって事は違うのだろうな。

 

「何か食べたいものはありますか?」

 

「別に、何でも食べるよ」

 

「そうですか……」

 

 

一夏君が一通り見て回った後、もの凄いスピードで食材をカゴに入れ始める。私から見ればテキトーに物を取っているように見えるのだが、一夏君には考えがあるのだろう。物を取る動きにまったく無駄が無いのだ。

 

「とりあえずこれくらいあれば大丈夫でしょう」

 

「……凄い買うんだね」

 

 

一夏君が買った物は大きな袋2つ分で、私と山田先生2人で食べたとしても、それなりにもつだろうと思われる量だった。

 

「さてと、帰りますか」

 

「そうだね……」

 

 

一夏君の買出しに、私は呆気に取られ生返事しか出来なくなっていた……休日のお母さん並に買い込んでいるのだ。

 

「おやナターシャ先生、今日はお弁当買っていかないのかい?」

 

「え、はい……」

 

「珍しい事もあるものだねぇ~」

 

「いやぁ……」

 

 

顔見知りの食堂のオバサンに話しかけられ、私はちょっと気まずい感じになった。

 

「おやその子は……」

 

「ん?」

 

 

オバサンに視線の先には、両手に袋を持ってなお食材を吟味している一夏君の姿があった。あんなに熱心に野菜なんか見て面白いのかな……

 

「あの子が噂の織斑一夏君かい?」

 

「えぇそうですが……噂?」

 

「この学園に勤めてる人間なら誰でも知ってる噂だよ。IS学園始まって初の男子生徒だって」

 

「そもそもISを動かせる男の子が初めてなんですけどね……」

 

「細かい事は良いのよ。それにしても随分とカッコいいのね、それに何だか所帯じみてる感じもするけど」

 

「織斑先生の弟さんですからね」

 

「あぁ、千冬ちゃんの弟さんなのかい。それなら妙に買い物慣れしてるのも納得出来るわ」

 

 

織斑先生はこの食堂でも有名な家事無能者なのだ……同僚や此処のオバサンたちには知られているが、世間や生徒の間ではそんな真実は知られていないのだが……

 

「ナターシャさん、帰りますか」

 

「おやおや、2人は付き合ってるのかい?」

 

「オバサン!」

 

「?」

 

 

オバサンにからかわれて顔を真っ赤にして怒鳴る私を、一夏君は不思議そうな顔で眺めている……私が必死になってる理由が分からないのだろう。

 

「彼氏の手料理ねぇ……家の旦那も少しくらい家事を手伝ってくれれば助かるのに」

 

「彼氏じゃ無いです!」

 

「ムキになってるのが怪しいのよ」

 

「う、うぐぅ……」

 

「何してるんですか……」

 

「貴方が織斑一夏君なのねぇ~」

 

「そうですが……」

 

「貴方も大変ねぇ、こんな初心な彼女で」

 

「だから違うってばー!」

 

 

オバサンのからかいに、私の心は穏やかとは程遠いくらい慌てているのに対し、一夏君は涼しい顔でその冗談を受け流している。

 

「今度から山田先生とナターシャさんにはサラダか何かを一緒に買わせてください」

 

「サラダかい?」

 

「お2人共お通じやら肌荒れやらを気にしてたので」

 

「あらあら、男の子にそんな話を」

 

「出来れば食物繊維が多めのサラダが好ましいですが、恐らく2人に言っても忘れると思うので」

 

「はいよ、任せておきなよ」

 

「お願いします」

 

 

一夏君に頭を下げられ、オバサンもからかうのを止めて一夏君と真剣に話している。それにしても一夏君の中の私たちっていったい……

 

「それじゃあ帰りましょうか」

 

「そうね……」

 

「またいらっしゃいね~」

 

「機会がありましたら」

 

 

一夏君はしっかりとお辞儀をして、食堂から外に出た。私も慌ててオバサンにお辞儀をして一夏君の後に続いた……どっちが年上だか分からなくなってきたわ。

 

「一夏君、随分と買ったけどそんなに使うの?」

 

「作り置きが出来るものを作っておくので、温めなおして食べるなり冷めたまま食べるなりしてください」

 

「ありがたいわね~」

 

 

これで当分はあのオバサンにからかわれる心配をしなくても済むのだ。良い人なのは確かなのだが、何となく噂好きでちょっかいを出してくるのだ。

 

「ナターシャ先生の部屋に調理器具は見当たらなかったので、山田先生の部屋で作りますか」

 

「私はまったく自炊しないからね」

 

「作れるんですよね?」

 

「さぁ、如何かしらね……」

 

 

一夏君の前で作れると言い切れるほどの腕は無いし、ぶっちゃけ食べられれば何でも良い人間なので、所謂男の料理感満載な料理が出来上がるのだ……

 

「家の駄姉もそうですが、あまり出来合いな物に頼るのは良く無いですよ」

 

「反省します……」

 

 

さっき一夏君がオバサンに頼んでいたように、私や山田先生はサラダを食べる習慣が無い。だからさっき言った問題などが生じるのだろう。

 

「一夏君が毎日作ってくれれば解決するんだろうけどね」

 

「もう1つくらいなら弁当作る手間は変わりませんが、さすがに毎日は嫌ですね」

 

「じゃあ偶にで良いから!」

 

「はぁ……考えておきます」

 

 

一夏君は曖昧な答えをして、寮の階段を上がっていった。お弁当を作ってもらえるなんて、何だか恋人同士みたい……男女逆だけど。

 

「お待たせしました」

 

「あっ、織斑君!」

 

「如何かしました?」

 

 

上の方から山田先生のすがりつくような声が聞こえる……何かあったのか気になるので私も急いで会談を上がった。

 

「榊原先生の甘々な話を聞いてたら……」

 

「あぁ……」

 

「山田先生、まだ話は終わってないですよ」

 

「もう結構です~!」

 

 

山田先生は泣きそうな声で榊原先生から逃げ出そうとしてたけど、通路には私と一夏君が居るので逃げ出す事は出来なかった。

 

「人の自慢話ほど聞いてて面白く無いものは無いですからね……榊原先生もこの辺で解放してあげてください」

 

「まだ全然話したり無いんだけど」

 

「それはまたの機会って事にしておいてください」

 

「仕方ないわね」

 

「もう聞きたくありませんよ……」

 

 

私と一夏君が買出しに行って帰ってくる間ずっと榊原先生の話を聞かされてたと思うと、山田先生がゲッソリしてるのを頷ける。まだ話したり無そうだった榊原先生だったが、最終的には満足顔で自分の部屋に戻っていった。

 

「それにしても弾のやつ、上手くやってるんだな」

 

「弾?」

 

 

聞いた事の無い名前に、私は首を傾げたが、山田先生はその名前を聞いた途端に肩をビクつかせた。

 

「その名前は聞きたくありませ~ん!」

 

「山田先生?」

 

「弾って言うのは、榊原先生の彼氏の名前なんですよ。ついでに言えば俺の悪友の1人なんですが……」

 

「なるほど……」

 

 

拒否反応が起こるほどこの名前を聞かされたのだろう……山田先生は耳を塞いでしゃがみこんでいるのだ。

 

「山田先生」

 

「嫌です、聞きたくありません」

 

「そうじゃなくって!」

 

「はい?」

 

「調理するので部屋を借りますよ」

 

「あぁ、お願いします」

 

 

一夏君に大声で呼ばれ、塞いでいた手を退かした山田先生。そこまで聞きたくなくなるなんて、どれだけ惚気たんでしょうか……ちょっと気になります。

 

「榊原先生って男運が悪いって聞いてたんだけど……」

 

「今の彼氏に出会うまでは悪かったらしいですよ」

 

「その今の彼氏、弾って男の子って一夏君と同い年なんだよね?」

 

「そうみたいですよ。織斑君の中学時代のお友達だってさっき聞きました」

 

「どんな子なの?」

 

「織斑君と何で仲が良いのか分からないくらい普通の男子高校生だって言ってました」

 

「普通?」

 

 

一夏君はあらゆる面で普通では無いが、その男の子は何処が普通なのだろうか……

 

「性に興味津々で、そう言った本も持ってるらしいですよ」

 

「そう言えば、一夏君ってそう言った本を持ってるのかな?」

 

「無いんじゃないですか?」

 

「そうかな、やっぱり」

 

「更識さんたちと同じ部屋ですし、そもそも織斑君がそう言った本を買ってる姿を想像出来ませんし」

 

「確かに」

 

 

一夏君がそう言った本を買ってる姿より、食材などを買っている姿の方が容易に想像出来るわね……さっき見たのもあるけど、そっちの方が一夏君らしいのだ。

 

「あと学校の勉強が辛いって言ってたらしいです」

 

「あぁ、何か普通っぽいね」

 

「織斑君に勉強を教わって、何とか今の高校に受かったとも言ってたらしいですけど」

 

「一夏君は頭良いからね」

 

 

なるほど、一夏君が人に何かを教えるのに慣れている感じがしたのは、中学時代に既に生徒を受け持っていたからなのか。

 

「それにしても彼氏か……」

 

「ナターシャ先生?」

 

「いや、さっき食堂のオバサンにからかわれたのよ。一夏君が私の彼氏だと決め付けられてさ」

 

「でも、ナターシャ先生はまんざらでも無いんじゃないですか?」

 

「まぁ一夏君ならね」

 

 

世界中の女が一夏君の彼女だと誤解されても不快感は覚えないだろう。それくらい魅力的な男の子なのだから。

 

「いっそ告白しちゃえば良いじゃないですか」

 

「誰に?」

 

「誰って、織斑君にですよ」

 

「誰が?」

 

「ナターシャ先生が」

 

「そんなの無理だよ!」

 

「何故です?」

 

 

何故って……一夏君には既に沢山の彼女が居るのだ。その中に私が加わる姿など想像出来ないし、万が一告白が上手くいっても、織斑先生を説得する自信が無いのだ。

 

「そう言う山田先生は如何なんですか!」

 

「如何……とは?」

 

「一夏君の事好きなんですよね?」

 

「私は妄想で十分ですから」

 

「……男同士の?」

 

「違います!」

 

 

さっき見つけた本から、山田先生の妄想って聞くとついついそっちだと思ってしまう。山田先生も織斑先生に負けず劣らずの変態だったのだ。そんな人が隣で生活してると思うと、何だかこの部屋に帰って来たくなくなるわね……

 

「あれはただの趣味です!リアルには求めてません!!」

 

「まぁまぁ、そんなに興奮しないで」

 

「誰の所為ですか!」

 

「誰って……自業自得では?」

 

「あうぅ……」

 

 

私の突き放した言い方に、山田先生は思いっきりへこんだ……自分の趣味の所為でこんな状況になってるのは理解しているようだが、私にからかわれるのは嫌なようだ。

 

「さっきから何大声出してるんですか?」

 

「織斑君……」

 

「な、何ですか……」

 

 

泣き縋る山田先生に、一夏君が思わず身構える。確かにいきなり異性に泣き縋られたら私でも身構えるわね。

 

「私にも誰か紹介してください」

 

「紹介?」

 

「お友達でも良いので誰か居ませんか?」

 

「何の話ですか?」

 

「もう1人は嫌なんです……」

 

「はぁ……」

 

「千冬さんの相手も疲れるんですよ!」

 

「それは知ってますが……」

 

「千冬さんに絡まれる所為で、出会いなんて無いんですから!」

 

「それはあの人も同じでは……」

 

「だから織斑君が責任持って私に誰か紹介してください!」

 

「そこで何故『だから』になるんですか……ナターシャ先生」

 

「何?」

 

 

一夏君に手招きされて、私は一夏君に近づく。さっき山田先生に言われ、オバサンにからかわれた所為で、一夏君に近づくのがちょっとドキドキするが、此処はそんな事気にしてる場合では無いだろう。

 

「山田先生、如何かしたんですか?」

 

「榊原先生の自慢話で壊れたんじゃない?」

 

「あぁ……」

 

 

私のいい加減な答えに、何故か納得した感じの一夏君。実際は榊原先生の話と、私のからかいで壊れたのだろうが、余計な事を言わないのは自衛の鉄則なのだ。

 

「何コソコソ話してるんですか!」

 

「別にコソコソはしてませんが……」

 

「独り身の私に対するあてつけですか!」

 

「私も独り身なんだけど……」

 

「ナターシャ先生にはおりもがぁ!?」

 

「いきなり何を言おうとしてるのかな~?」

 

 

余計な事を言いかけた山田先生の口を塞ぎ、私は一夏君に対して愛想笑いを浮かべた。

 

「ナターシャさん?」

 

「何でも無いよ、何でも」

 

「はぁ……」

 

「もがもが……」

 

「そろそろ離してあげないと死んじゃいますよ?」

 

「え?……あ、忘れてた」

 

「もがぁ!」

 

 

まるで野獣のようなうめき声を上げて苦しがっている山田先生の事をすっかり忘れていた。一夏君に指摘された事で思い出し、私は山田先生の口から手を退かした。

 

「いきなり何するんですか!」

 

「山田先生が余計な事を言いそうになったのが悪いんでしょうが!」

 

「余計な事って事実でしょうが!」

 

「例え事実であったとしても、貴女の口から言って良い事では無いんですよ!」

 

「いったい何の話ですか?」

 

「え?……一夏君には関係無い話よ」

 

「そんな事無いですよ、織斑君には関係もがぁ」

 

 

再び余計な事を言い出しそうだった山田先生を羽交い絞めにして口を塞ぐ。まったくこの人は懲りないわね。

 

「何か重要な話では無さそうなので気にしませんが、ご飯出来ましたよ」

 

「ありがとう、後で山田先生と2人で分けるわね」

 

「そうしてください。それじゃあ俺は帰ります」

 

「分かった、ありがとね」

 

 

一夏君を見送った後、私は山田先生を抑えていた手を離し、じっくりと話し合う事にした。

 

「如何して言わなかったんですか!」

 

「言えるわけ無いじゃないのよ!」

 

「勇気出さなければ絶対に成功はありえないんですよ!」

 

「勇気出してフラレたら如何するのよ!」

 

「何時もの前向きさは何処に行っちゃったんですか!」

 

「だって怖いじゃない!」

 

 

一夏君にフラレたら、これまで通りに付き合っていけなくなるんじゃないかとか、お互い気まずい雰囲気になるんじゃないかとか色々考えてしまうのだ。

 

「そんなものはフラレたら考えれば良いんですよ!」

 

「そんな無責任な……」

 

「相手の居ない私には羨ましい悩みですね!」

 

「織斑先生が居るじゃないの」

 

「私はBLは好きですが、自分で同性愛を確かめるつもりはありません!」

 

 

山田先生をからかっても気持ちは晴れない……一夏君の事は確かに好きなんだろうけど、告白する勇気が持てないのだ。更識さんたちは一夏君に告白する時、どんな気持ちだったんだろうな……軍属がこんな所で足を引っ張るとは思って無かったな。恋愛経験が皆無と言っても良い私にとって、この悩みはレベルが高すぎるのだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏君が先生を送って行ってる間、私たちはゲームで遊び倒していた。

 

「やっぱり簪ちゃんには勝てないわね」

 

「簪お嬢様には、勝負を挑むだけ時間の無駄でしょう」

 

「そんな事無いよ。お姉ちゃんも虚さんも十分強いですから」

 

「それ以上にかんちゃんが強いんだよね~」

 

「どれだけやりこんだらそこまで強くなれるの?」

 

 

遊びに来ている鷹月さんも簪ちゃんの強さには驚いている。普段の雰囲気からは此処まで簪ちゃんが強いとは誰も思わないから仕方ないかな。

 

「かんちゃんは時間があればずっとゲームしてたからね~」

 

「だってISの訓練と家の事情で外で遊ぶような友達は居なかったから」

 

「一夏君が屋敷に来るまではISの訓練だって真剣にやってなかったような気がしたけど~?」

 

「お姉ちゃんには言われたく無いよ」

 

「お嬢様は一夏さんが来てから家の仕事をしなくなりましたしね」

 

「まったく駄目なご当主様なのだ~」

 

「本音がもっとも駄目人間じゃないのよ!」

 

「それは確かに……」

 

「一夏さんが来る前から仕事をしてませんからね」

 

「本音様……」

 

「もっとしっかりしようよ……」

 

 

須佐乃男とマドカちゃんにも呆れられ、本音はさすがに堪えたようで俯いてしまった。普段部屋で着ているキグルミみたいなものの耳が垂れている……これは本気でへこんでいる時のサインなのだ。

 

「本音がへこんだので、誰か代わりにゲームに参加して~」

 

「それでは私が」

 

「今度こそ簪ちゃんに勝つんだから!」

 

「お嬢様、普段の仕事にもそれくらいの情熱を向けてくださいよ……」

 

「楯無さんにそんな情熱は無いと思いますよ」

 

「仕事は一夏様に任せっぱなしですから」

 

「そこ、五月蝿いよ!」

 

 

ゲームに集中したいのに、虚ちゃんのお小言が耳を突いて離れない……これも虚ちゃんの作戦なのかしらね。

 

「それにしても一夏君、遅いわね」

 

「お兄ちゃんの事だからきっと先生たちの部屋の掃除と、夕飯の準備とかやらされてるんだよ」

 

「ありえそうですね~」

 

「一夏さんなら進んでやりそうですしね」

 

「あぁ~それ分かるわ~」

 

 

一夏君は散らかってる部屋を見ると、無意識の内に掃除をしたい気持ちが湧き上がってくるのだ。長年の生活でそんな癖が染み付いているんだろうけど、あそこまで綺麗に掃除出来るようになるまで、いったいどれくらいの年月を費やしたのだろうか。

 

「散らかってると言えば、この部屋も相当だと思いますけど……」

 

「そうかな?」

 

 

鷹月さんが指摘した事に、この部屋の住人の誰1人として興味を示さなかった。確かに少しは散らかってるように思えるけど、これくらいなら何時もの事だからね。

 

「一夏様が片付けてくれますし、当然私たちも手伝いますから大丈夫です」

 

「普通逆だと思うよ?」

 

 

確かに散らかしたのが私たちだから、一夏君が手伝って私たちが片付けるのが普通なのだが、一夏君に任せた方が早く終わるのだ。

 

「怒られても知りませんからね……」

 

 

鷹月さんは不安そうにしているが、これくらいで一夏君が怒る訳無いのは此処に居る全員が分かってるのだ。お小言は言うだろうけど、結局一夏君は綺麗に掃除してくれるのだから、私たちは安心して散らかせるのだからね。




次回一夏がゲームに参戦?
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