もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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今回はあまりタイトルは関係しません


解き放たれた変態

 シャルが失言をしたと思った、次の瞬間には床に倒れていた。まぁ千冬姉ならこれくらい楽勝なんだろうが、解放してすぐに生徒を殴り倒すとは……問題ありと言えばありなんだが、今のはシャルが悪いだろうな。

 

「問題になると思わなかったのか?」

 

「だって一夏! コイツ、私の事を年増って!」

 

「泣きそうになるなよな……シャルの毒舌なんて何時もの事だろ」

 

「言われたのが初めてだから、如何反応して良いのか分からなくて……」

 

「乙女かアンタは……」

 

 

 意外な反応を見て気分が悪くなってきたな……とりあえずシャルを保健室に運んでから、千冬姉に詳しい情報を与える事にしよう。マドカに亡国企業が接触して来たと言っただけで、私が守るって言い出したからな……

 

「運ぶの手伝ってくれ」

 

「何で私が運ばなければならない」

 

「アンタが沈めたんだろうが!」

 

「コイツに原因があるんだ、私は知らんぞ!」

 

「やれやれ、じゃあ抱きかかえて行くしか……」

 

「待て! 私が運ぶから一夏は気にしなくて良いぞ」

 

「そうか」

 

 

 シャルを抱えるように動けばこうやって反応する事は分かってたのだが、こうもあっさりと思い通りに動いてくれるなんて何だか心配になってきたな……

 

「それで一夏、亡国企業がマドカに接触して来たのは確かなんだろうな」

 

「それは間違い無い。何が目的かは分からないが、亡国企業の幹部、スコールがマドカに接触したのは事実だ」

 

「見たのか?」

 

「いや、スコールが愛用してると思われる香水の匂いがマドカからしたからな」

 

「……そんなに強い匂いをさせてたら敵にバレるんじゃないのか?」

 

「あれは仕事以外の時に使ってるんじゃないのか? 学園に襲い掛かってきた時には匂わなかったし」

 

 

 あの時はオータムを回収に来ただけだったから気付かなかったのかも知れないが、アイツがそこまで馬鹿だとは思えないからな……きっと香水を使ってる時は仕事以外なんだろう。だが今日の接触は仕事ではなかったのか? そう言えばこの前俺に接触して来た時も匂ってたし……何がしたいんだろうか。

 

「如何した一夏。何か考え事か?」

 

「まぁな……スコールの狙いが何なのか分からない以上、警戒しておくべきだろうから貴女を解放したんだ。その事は分かってるよな?」

 

「安心しろ。お前とマドカだけは何があっても守ってやる!」

 

「学園を守れ、この馬鹿!」

 

 

 別に俺とマドカだけならアンタを解放するまでも無く守れるんだよ。それ以外を俺一人では守りきれないから解放したって事が何故分からないんだ、この人は……

 

「だが一夏、学園ならしっかりと警備されてるぞ?」

 

「その警備をすり抜けてスコールはマドカに接触して来たんだ。何時またすり抜けて学園を襲うか分からないんだぞ?」

 

「学園を襲って、何の利益になるんだ?」

 

 

 この人は……それでもIS学園の教師なのか……

 

「学園にある機密情報を手に入れれば、相当な額の利益になるだろうが! 海外にはそれがほしくてスパイまで忍ばせようとする計画まであったらしいじゃないか!」

 

「何でそれをお前が知ってるんだ?」

 

「過去の情報を学長から聞いたんだよ……」

 

 

 教えてくれたのは学園の警備を俺に任せようとしたからだろうな……経費節約の為とは言え、学生を使おうとするなよな。

 

「それで、亡国企業の目的は分かってるのか?」

 

「それが分かってるならアンタを解放しなくても済んだだろうよ」

 

「そうか……」

 

「何だか嬉しそうだな?」

 

 

 心なしか普段より表情が柔らかいような気が……特別指導室に入った事によって表情が豊かになったのか?

 

「だって一夏に頼られたんだ、嬉しいに決まってるだろ!」

 

「あっそ……」

 

 

 この人の考える事は良く分からないな……嬉しいなら別に良いが、良く分からない事でキレたりするから面倒なんだよな。

 

「さてと、コイツを保健室に運び終わったら、朝食と行こうじゃないか!」

 

「……何だその目は?」

 

「一夏の料理が食べたいな」

 

「アンタの分は作って無いぞ」

 

「なら、今から作ってくれ」

 

「七人分作ったんだ、これ以上は面倒だ」

 

「今更一人分増えたところで……」

 

「材料とかの問題だってあるんだ。アンタは学食で済ませたら如何だ?」

 

「パンやおにぎりばっかだったんだぞ! それなのに解放されてからもそんな食事をしろと言うのか!」

 

「自分で作れば良いだろ? 出来ればの話だがな」

 

 

 この人が料理など天地がひっくり返ってもありえないからな……ベッタベタな爆発オチが見えるから、やろうとしても止めるのだが、如何やらその心配は必要無かったようだ。

 

「私が出来る訳ないだろうが! こうなったら真耶を叩き起こして作らせるか」

 

「何て迷惑な……あ、そう言えば」

 

「何だ?」

 

「山田先生の部屋に、まだ作り置きがあるかも知れないな」

 

「何? 何で真耶の部屋に一夏が作ったものがあるんだ?」

 

 

 一昨日の事は知らないんだっけか……事情説明も面倒だが、山田先生の部屋で暴れられても面倒だな……仕方ない、説明するか。

 

「山田先生を解放したその日に、アンタの部屋にあった不審物を一緒に確認したんだ。その後に部屋まで送って行ったついでにナターシャさんと山田先生の部屋の片付けをして、さらについでに当分の食事を作り置きしておいたんだ」

 

「あれを見せたのか!?」

 

「恥ずかしいのはこっちだ!」

 

 

 恥ずかしがった千冬姉に拳骨を喰らわせ反省させる……なんてものを見せてくれたんだこの人は……

 

「それじゃあ真耶の部屋に行けば一夏の料理が食べられるんだな!」

 

「山田先生が大食いで無ければな」

 

「良し! 今すぐ真耶の部屋に直行だ!」

 

「シャルは保健室に連れて行ってやれよ」

 

「お前に任せた!」

 

 

 シャルを俺に放り投げて、千冬姉はもの凄いスピードで廊下を駆け抜けていった。

 

「やれやれ……何時ナターシャの事を言おうか悩むな」

 

 

 山田先生に料理を作っただけであれほどの反応をしたんだ、ナターシャと付き合ってると言ったら如何なるのだろう? 決闘とか言い出しそうだな……前に碧さんの事でもめたから、きっとありえるだろうし。

 

「またリミッターの限界を超えなければ良いんだが……」

 

 

 あの時は須佐乃男に散々言われたし、その次の日はまともに動けなかったからな……今そうなるのは問題ありだからな。

 

「とりあえず生徒会室に行って本音と簪を起こすか」

 

 

 仕事が終わってれば良いのだが、虚一人では終わらせられないだろうな……刀奈がちゃんと仕事してくれてれば別だが……

 

「少しは成長してるんだろうが、飽きっぽいのは問題だよな……」

 

 

 独り言を言いながら生徒会室に向かう。生徒会の仕事も大切なのだが、スコールが何しに来たのかも気になるし、悩み事が尽きないな……

 

「俺って呪われてるんじゃないだろうな……」

 

 

 一学期もそうだったが、何で俺の周りばっかり問題が起こるんだろう……束さんや千冬姉が原因だったら解決も簡単なのだが、最近のはそればっかりじゃ無いしな……国の問題まで抱え込むなんて思って無かったぞ。

 

「第一俺は無国籍なんだがな……」

 

 

 勝手に国籍を剥奪しておいて、学園にある機密情報を守れだなんて、随分と都合の良い政府だ事で……増援は送れないが今の人数でも十分のはずだからとか言って自分たちに責任が及ばないようにする辺りの悪知恵はあるようだが、本当に危険な目に遭わなければ現場の事など分からないのだろうな……

 学長も再三増援要請をしているって言ってたが、無視されてるところをみると、この学園の警備は自分でしろって事なんだろうな……それで万が一情報が漏洩したところで、学長の所為にして難を逃れようって魂胆なのだろうか……何時の時代も政府の考える事など一市民には分からないな……

 

「せめてスコールの目的が分かれば、また状況も変わるんだが……」

 

 

 前に俺に会いに来た時も、何が目的かさっぱり分からなかったし、仕舞いには俺を亡国企業にスカウトしてきたし……さっぱり分からん。周りに居た亡国企業の人間はスコールとは関係無いとか言うし、組織の中でも違う目的でこの学園を狙ってるやつ等も居るって事なんだよな……ますます面倒だ。

 

「如何したものか……」

 

「一夏君? 何独り言言ってるの?」

 

「ん?」

 

 

 何時の間にか生徒会室に辿り着いていたようで、刀奈が不思議そうに俺の事を覗き込んでいた。

 

「仕事は終わったのか?」

 

「終わらないわよ! 簪ちゃんも本音も寝ちゃってるし、一夏君は来てくれないし!」

 

「刀奈と虚の二人でも十分終わりそうなくらいには、俺は片付けたつもりだったんだが?」

 

「お嬢様がまともに仕事をしてくれてれば終わっていたでしょうが、簪お嬢様や本音を見て羨ましそうにしてただけですからね」

 

 

 やっぱり刀奈はろくに仕事をしてなかったようだ。何時もの事だが今日くらいはしっかりとしてほしいものだ……

 

「まだ時間はあるし、さっさと終わらせるか」

 

「そうですね。一夏さんには何時も苦労を掛けてしまって……」

 

「別に虚に謝られる事では無いだろ。原因は刀奈と本音なんだから」

 

「私もちゃんとやるわよ~!」

 

 

 嫌味たらしく虚と話していたら、刀奈が居辛そうにそう言って机に向かった。俺と虚は互いに苦笑いを浮かべて残りの仕事に取り掛かった。

 こうして何とか溜まっていた仕事を終わらせる事が出来た俺たちは、本音と簪を起こして部屋に戻る事にした。

 

「簪は誰でも起こせるだろうから、刀奈が起こしてやってくれ」

 

「二人共一夏君が起こせば?」

 

「何でだよ」

 

「その方が簪ちゃんも嬉しいだろうし」

 

「……そんなもんか?」

 

 

 少し考えたが、簪を起こすのはそこまで苦労しないだろうから引き受ける事にした。気持ち良さそうに寝ているのを起こすのは忍びないが、そろそろ起きてもらわないとまた廊下を特殊な移動方法で駆け抜けなくてはいけなくなるのだ。

 

「簪、起きろ」

 

「う~ん……あれ? 何でまだ生徒会室に居るの?」

 

「寝ぼけてるのか? お前は途中で寝ちゃったんだ」

 

「そんな……あれ? でも途中まではちゃんとやったよね?」

 

「まぁな」

 

 

 訂正箇所は多かったけど、それでもしっかりと仕事はしてくれてたさ。隣で寝てる本音よりは十分役に立ったよ。

 

「さてと、残るはこの問題児だけだが……」

 

「放っておいて朝ごはんにしようよ」

 

「そうだね~本音の分は私たちで分ければ良いし」

 

「それじゃあ分けますね」

 

 

 何時もなら出来ない方法だが、今日は周りも手伝ってくれるらしい。即興コントで朝食を抜かれる展開になった本音は、もの凄い勢いで起きたのだった。

 

「起きてる! 私、起きてるよ! ……あれ?」

 

「さてと、部屋に戻るか……」

 

 

 本音が起きたので、俺たちはさっさと生徒会室から移動する事にした。

 

「あれ? おりむ~のご飯は~?」

 

「部屋にあるよ」

 

「本音も何時までも寝ぼけてないでさっさと行くわよ」

 

「う、うん……」

 

 

 刀奈に背中を押されながらも、何とか真っ直ぐ歩いている本音を見て、俺と虚は軽く笑ってしまった。

 

「何々、何か面白い事でもあったの?」

 

「おりむ~とおね~ちゃんが苦笑い以外の笑いを見せるなんて、珍しいもんね~」

 

 

 まったく、誰の所為で苦笑いが多くなってる思ってるんだか……苦笑いも今の笑いも自分たちが原因だと分かってない二人を見て、再び笑ってしまった。色々と問題山積みなんだが、刀奈と本音を見てると不思議と落ち着けるんだよな……一種の精神安定効果でもあるのだろうか?

 

「お嬢様と本音が微笑ましかっただけですよ」

 

「ほえ?」

 

「私と本音が?」

 

 

 虚に言われてもまったくピンと来ないようで、刀奈と本音は揃って首を傾げた。しかもピッタリのタイミングでだ。その姿を見て、ついに簪まで笑った。

 

「何だよ~皆して!」

 

「かんちゃんまで~!」

 

 

 その微笑ましい時間は、部屋につくまで続いた。部屋に戻ったら須佐乃男とマドカが、ナターシャの事を困らせていたので、軽く説教をしてから朝食にする事にした。

 

「だって退屈だったんだも~ん!」

 

「一夏様たちはお仕事中でしたし、他に相手してくれる人が居なかったんです」

 

「だからってなぁ……」

 

「別に良いのよ。私も楽しかったし」

 

「それはそれで問題なんだが……」

 

 

 散らかり放題の部屋を見て、朝から頭を抱えたくなる問題が増えたと、内心ため息を吐きたいんだよ、こっちは……

 散らかすのは得意なんだが、誰一人片付けが得意な人間が居ないのは何故だ……本音やマドカは片付けてるんだが散らかしてるんだか分からないくらい下手だし、簪や虚は他と比べればマシだが、やっぱり遅い……刀奈は途中で飽きて何処かに行ってしまうし、須佐乃男はゴミかそうでないかの区別を一々俺に聞いてくるので、結局は自分一人で片付けた方が楽だし早いのだ。

 

「兎に角、片付けはやっておくからさっさと着替えて朝食にしてくれ。今日だって余裕がある訳では無いんだから」

 

「「は~い」」

 

「あの、一夏君は?」

 

「俺は片付けたらテキトーに済ますから心配するな」

 

 

 普段は本音を起こしてる所為で時間が無いのだが、今日は片付けで食べてる時間が無いのだ。まぁ自分の分は作って無いんだから、時間があっても食べないんだがな。

 

「それでもつの?」

 

「おりむ~は何時もテキト~だよ?」

 

「自分の事は結構いい加減なんだよね、一夏って」

 

「食生活だけはと言った方が良いでしょうがね」

 

「一夏様は無駄なエネルギーを使わないような生活をしてますからね」

 

「朝から無駄だらけだと思うんだけどね」

 

「でも、それがお兄ちゃんなんだからしょうがないよ」

 

 

 彼女たち+義妹が言いたい放題言ってくれてるが、誰が原因でそんな生活になってるのかを自覚してもらいたい……まぁ、好きでこんな生活をしてる俺にも原因はあるのだろうが。

 

「後でパンでも買ってあげれば一夏君は大丈夫だよ」

 

「それはそれで可哀想な気がするんだけど……私たちは一夏君の作ってくれた美味しい朝ごはんなのに、作った本人はパンだなんて……」

 

「でも、私たちじゃ一夏以上の料理なんて作れないし」

 

「おりむ~に食べてもらうのって緊張するんだよね~」

 

「一夏さんに教えてもらってる身としては、もう少し上手くなってからじゃないと恥ずかしいですし……」

 

「千冬様と生活してた頃も、一夏様は結構食生活がいい加減でしたし」

 

「お兄ちゃんが大丈夫って言ってるうちは大丈夫だから、心配するだけ無駄だと思いますよ」

 

 

 無駄って言うな……お前らもせめてナターシャみたいに心配くらいはしろよな! まぁマドカの言う通り無駄に終わるんだろうが……

 

「それでも心配だよ。一夏君、はいあ~ん」

 

「「「「「「ああ!!」」」」」」

 

 

 ナターシャに口まで運ばれたので大人しく食べたが、これってまた面倒な展開になるんじゃないだろうな……

 

「一夏君、私も食べさせてあげる!」

 

「一夏、ほら食べて!」

 

「一夏様、これ食べてください!」

 

「一夏さん、よければこれも食べてください」

 

「おりむ~はいあ~ん!」

 

「じゃあ私は口移しで……」

 

「最後待て! いや、刀奈と本音も自分が嫌いなものを食べさそうとするな!」

 

 

 やっぱり面倒な展開になったか……だから食事は一人でゆっくりとしたいんだよな……

 

「俺は大丈夫だから、皆はさっさと食べてくれ。何時まで経っても片付かないだろ」

 

 

 部屋の片付けはとっくに終わってるのだが、何時まで待っても食べ終わらないから一向に片付けが終わらないのだ。

 その間に軽い食事を済ませたので、皆が心配するような事は無いのだが、皆の朝食と比べたら確かにショボイし栄養も少ないだろう。

 

「一夏君が大丈夫なら良いけど、駄目そうなら言ってね。下手だけで何か作ってあげるから」

 

「あ、ありがとう」

 

 

 ナターシャの気持ちは嬉しいんだが、そんな事を言ったらまた張り合おうとする人が……

 

「一夏君の為なら頑張って作るわよ!」

 

「私だって、あんまり上手じゃないけど作るもん!」

 

「私だって一夏さんに教えてもらってるんですから、それなりに作れます!」

 

「一夏様の手際を、誰よりも間近で見ていたのは私です!」

 

「おりむ~に美味しいご飯を食べさせられるのは私だよ~」

 

「わ、私だって頑張るもん!」

 

 

 そう言えば、マドカって料理出来るんだっけか? 千冬姉ほどじゃ無いにしろ、マドカも一人でキッチンに立たせるのは危険なような気がするんだよな……今度機会があったら出来るかどうか見てみよう。

 

「だから大丈夫だからさっさと食べてくれ! また空中を駆ける事になるぞ!」

 

 

 腕時計を指差し、時間が無い事をアピールする。別に大変では無いのだが、あれはとても面倒なのだ。

 

「一夏君に抱っこしてもらえるなら嬉しいんだけど、確かに時間が無いわね」

 

「一夏さんに頼りっきりは良く無いですね」

 

「一夏に運ばれると、クラスメイトが羨ましそうに話しかけてくるんだよね」

 

「「「良いな~」」」

 

 

 昨日運んだ三人と、須佐乃男に任せた二人+本人で、随分と反応が違うな……そんなに良いものでも無いだろうに……

 

「終わったよ」

 

「私も食べ終わりました」

 

「私も~」

 

 

 次々と食べ終わったアピールをしてくるが、それは別に普通の事なので特に褒めたりはしない。食べ終わった食器を洗い、時間を確認してまだ何とか余裕がある時間だった事は嬉しかったが、食べ終えた本音が舟を漕いでいたのはさすがに焦った。

 刀奈と簪が本音の鼻を摘んで起こしたのだが、その所為で更にギリギリの時間になってしまったのだった。

 

「急ぐぞ!」

 

「廊下を走らないで急ぐなら、やっぱり一夏君に……」

 

「早足でまだ間に合う時間だ!」

 

 

 面倒な事は避けて、校則に反しない程度の速度で教室まで向かう。これじゃあまた静寂に何か言われそうだな……




そろそろ亡国企業と一戦交えようかと思ってます
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