もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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秋ですねぇ……朝晩寒いですが体調は大丈夫ですか?


苦労の連続

 織斑先生にナターシャと付き合ってるともう一回伝えたのだが、また意識を失ったのか棒立ちしている。そんなにも衝撃的だったのだろうか……

 

「一夏君、これってまた気を失ってるのかな……」

 

「多分な、だが二回目だから復活も早いだろ」

 

「根拠は?」

 

「叩けば治るだろうからな」

 

 

 ナターシャに言ってから俺は織斑先生の頭を引っぱたいた。

 

「痛っ!?」

 

「起きろ馬鹿」

 

「一夏? 私は何をしてたんだ?」

 

「俺がナターシャと付き合ってると聞いて、その場で意識を失ってたんだ」

 

「夢じゃなかった!?」

 

 

 某ジブリアニメのようなセリフを言われ、俺もナターシャも苦笑いだ。だがそんな事を気にしてる場合でも無い。

 

「何でアンタがそんなにダメージを受けるんだよ」

 

「だって一夏がまた何処かの馬の骨と付き合うんだぞ! ショックを受けるのは当たり前だろ!」

 

「馬の骨って……失礼だろ」

 

 

 碧さんの時もそうだが、何でこの人は俺の付き合う相手を頑なに認めないんだろう……気持ち悪い理由なら心当たりがあるのだが、そんなのは俺には関係無い事だ。

 

「大体一夏、お前は如何して他の女ばっかりと仲良くするんだ」

 

「他の女?」

 

「そうだ! 仲良くするならまずこの私……」

 

「却下だ」

 

「如何してだ! 私はこんなにも一夏の事を想ってるのに……」

 

「気持ちの悪い事を言うな! 大体何で義弟に恋愛感情を抱いてるんだよ!」

 

 

 ナターシャには教えたので、別に周りを気にして『弟』と言う必要は無い。この人も俺が教えたと分かったようで、鋭い視線をナターシャに向けた。

 

「教えたんだな……」

 

「ナターシャなら受け止められるだろうと思ったからな」

 

「更識姉と布仏姉以外には教えないんじゃ無かったのか」

 

「碧さんにも教えた」

 

「何時の間に……」

 

 

 今の時代は直接会わなくとも連絡手段などいくらでもあるだろうが……何でこの人が驚いたのかも理解出来ん……

 

「アンタが余計な事してくれた所為で、午後も忙しいんだから、用が無いなら離れてくれ」

 

「邪険に扱うなよ~……寂しいだろ~」

 

「ええい! 寄るな気持ち悪い! 少しは威厳と言うものを見せろよな!」

 

 

 俺以外には見せている威厳を、何故見せられ無いんだ、この人は……長年甘やかしてきたからだろうが、もう関係は変わってるんだから少しくらい切り替えろよな……

 

「お前に威厳を見せたところで、お前の方が上だからな。無駄に疲れたくないんだ」

 

「アンタ家で疲れるような事してたか? グータラ過ごすだけで何もしてこなかったように記憶してるのは、俺の勘違いか? ん?」

 

「一夏、怖いからその表情は止めてくれ……謝るから」

 

 

 問い詰めるように迫ったら、あっさりと謝ってきた。自分が悪いと分かってるなら最初から悪あがきなどしなければ良いのに、まったく……

 

「マドカが教えてくれなかったら、俺はアンタの事を今でも世話してなきゃいけなかったのかと思うと、こっちが疲れるわ!」

 

「出来るヤツがした方が早く終わるだろうが……」

 

「そう言う問題じゃねぇんだよ! 大体アンタがもう少ししっかりしてくれてたら俺だって少しは尊敬しただろうよ! だがアンタは全然駄目だ」

 

「……世間からは尊敬されてるんだが」

 

「それはアンタの本性を知らないからだろうよ。世間がアンタの本性を知って、それでも尊敬されると思ってるのか?」

 

「それは……」

 

 

 自分でも分かってるんだろう。自分がいかに尊敬に値しない人間かを……義弟相手に妄想して興奮するような人間を尊敬するヤツなど、その人も変態だ。同類を見つけて喜んでるに過ぎない。

 

「尊敬されたいんなら少しは努力するんだな。ただし余計な仕事は増やさないように」

 

「それじゃあ何も出来んぞ……」

 

「だから出来るように工夫しろって言ってるんだよ! 何でそんな事も分からねぇかな」

 

 

 いきなり実戦から入ろうとするから失敗するんだって、何度も何度も言ってるのに、何でこの人はそれが分からないんだろう……学習能力が無いのか?

 

「さて、この馬鹿は放っておいて午後の授業の打ち合わせでもするか」

 

「えっと、此処でするの?」

 

「この人は居ないと思えば問題無いだろ」

 

「ちょっと無理かな……」

 

 

 まぁいきなりこの人を無視出来るような人間は居ないか……俺だって小学校高学年の時に漸く会得したんだから。

 

「それじゃあ場所を移すか。俺の部屋で良いか?」

 

「駄目だ!」

 

 

 何故か俺の提案にナターシャでは無く千冬姉が反応した。何でこの人は会話に割り込んでくるかな……

 

「ナターシャを部屋に連れ込んで何をするつもりだ!」

 

「授業の打ち合わせだって言っただろうが! アンタのその脳味噌は腐ってるのか!」

 

「男が女を部屋に連れ込むなど、それしか無いだろうが!」

 

「……行くか」

 

 

 何を言っても無駄だと判断して、俺は暴走しかかっている義姉を職員室に残して移動する事にした。

 

「大丈夫なの?」

 

「山田先生が何とかしてくれるだろうよ」

 

「もし、出来なかったら?」

 

「そうなったら、あの人の本性が世間にバレるだけだ、何の問題も無い」

 

「いや、世間が大パニックに陥るってば……」

 

 

 それほど大げさな問題でも無いのだが、ナターシャが心配してしまうので正常に戻しておく事にした。つまり一発殴って気絶させたのだ。

 

「これで問題無いだろ?」

 

「別の問題が浮上したよ……」

 

「気にしすぎだ」

 

 

 あの人が職員室で寝てるなどざらにある事だし、そもそも山田先生がしっかりと処理してくれるから問題にならないだろうからな。

 

「余計な時間を食ったな……」

 

「お義姉さん相手に全く容赦無いんだね」

 

「下手に加減して調子にのられたら面倒なので」

 

 

 昔に同じような事があって甘やかしたら図に乗ったので、此処はしっかりと締めておく必要があるのだ。

 

「昼飯を食う時間は無いな」

 

「もうそんな時間なの?」

 

「急げばいけるかも知れんが、のんびり、しっかりと食べる余裕は無い」

 

 

 腕時計を見せてやり、ナターシャに時間を確認させる。あの馬鹿の所為で色々と面倒になったのだ。

 

「ちょっと行儀が悪いが、簡単なものを食べながら話し合うか」

 

「何か作ってくれるの?」

 

「部屋にパンが残ってたから、それとサラダでも作って済ます」

 

「まぁ、仕方ないよね」

 

 

 時間も絶望的では無いにしても、しっかりとしたものを作ってる時間では無いのだ。ナターシャもその事を分かってるので我が侭は言わなかった。

 

「それにしても織斑先生、今日だけで何回気を失うんだろうね」

 

「知らんよ、そんな事は。大体あれくらいで気を失うなんて、精神が脆すぎる」

 

 

 世界大会でも緊張と無縁だったはずなのに、何故こんなにも脆くなったんだろうか……興味は無いが少し不思議だ。

 

「山田先生も大変そうだね」

 

「人に仕事を押し付けてるんですから、それくらいの事はしてもらわなければ」

 

 

 自信喪失したらしいが、そもそも自分たちで仕組んだ事なんだから、現実を受け止める覚悟くらいはしてきてほしかった。それほど自信のある事では無いにしても、クラスメイトの反応から何となく山田先生との差は分かってたんだから。

 

「さてと、準備するから座って待ってろ」

 

「お願いね」

 

 

 キッチンで軽く調理をして、その間にコーヒーも準備しておく。せっかく部屋に戻ってきたんだから、一杯くらい飲んでもいいだろう。これはアルコール入ってないんだから。

 

「砂糖とミルクは自分で入れろ」

 

「分かった……苦くないの?」

 

 

 ブラックのままで飲み始めた俺を見て、ナターシャが顔を顰めた。多分自分の口に入ったらと想像したのだろうが、飲んでるのは俺なんだが……

 

「苦くない。むしろ砂糖やミルクを入れる人の気持ちが分からん」

 

「それはほら、人それぞれだよ」

 

「ならブラックでも構わないだろ?」

 

「……そうだね」

 

 

 少し考えてから返事をしてきたのは、自分が否定したのに自分は否定されたく無いと思ったのがおかしいと気付いたからだろう。

 

「確かにコーヒーをブラックで飲むのは、この部屋では俺と虚くらいなものだ」

 

「他の人は?」

 

「マドカはまずコーヒーを飲まないし、後のメンバーは砂糖もミルクもたっぷり入れてる。見てるこっちが甘く感じるくらいにな」

 

「そんなに入れてるの?」

 

 

 そんな事を言いながらも、ナターシャは砂糖を結構入れている……見てるだけで胸焼けしそうだ。

 

「まぁコーヒーはいいや。それよりも授業の事だが……」

 

 

 だんだんと自分が学生なのを忘れてる気がするのだが、フォローすると言ってしまった以上、しっかりと授業をしなければな。

 

「そう言えば一夏君」

 

「何だ?」

 

「人前でもその口調なの?」

 

「ん? あれは身内だから気にしてないだけで、他の相手だったら普段の口調に戻すさ」

 

 

 そもそも思いっきり無意識だったし、あの人相手に取り繕っても意味無いしな。

 

「私としては普段からその口調でも良いんだけどね」

 

「……そのうち慣れたら考えておく」

 

 

 なんだかこの答えを最近多用しているような気がするが、これ以外に適当な答えが思いつかないのだ。

 

「授業も大事だけど、そっちもちゃんと考えておいてよね」

 

「分かった分かった、それよりもナターシャも少しは成長してほしいんだが」

 

「あうぅ……分かってるけど無理なのよ~……」

 

 

 泣きそうな声で言われて、ついつい微笑ましい感じになってしまったが、何時までの手伝わされるのは面倒だしな……テスト前の補習を手伝ってもらってナターシャの補習もついでにするとか? ……でもそうすると赤点補習者が出そうだし、そもそも納得してくれるか不安だ。

 

「兎も角、今はしっかりと打ち合わせをしておかなければな。何処が分からないのか聞かないと、俺もフォローのしようが無いからな」

 

「ゴメンね、私がしっかりしてないが為にこんな苦労を……」

 

「むしろしっかりしてほしいのは山田先生とあの駄姉だが」

 

 

 あの二人が勝手に仕組んで勝手に絶望したからこんな面倒な目にあってるわけで、あの二人がもっとしっかりしてればナターシャもこうして悩む事も無かったのだろうから、謝るべきはあの二人かもしれないな……まぁ謝罪の言葉がほしいとは思わないんだが。

 

「さてと、そろそろ行くか」

 

「もうそんな時間なの?」

 

「俺は一応生徒だからな。チャイムが鳴る前には教室に戻っておかなければいけないだろ」

 

 

 教師の真似事などしてて忘れられがちだが、俺は生徒なのだ。だからしっかりと校則を守らないといけないし、生徒会役員としての……

 

「あ……」

 

「如何したの?」

 

「生徒会の仕事を手伝うの忘れてた」

 

 

 虚が居るから何とかなっただろうが、後で刀奈に何を言われるか分かったもんじゃないぞこりゃ……

 

「大丈夫なの?」

 

「本音が行ってるから事情は分かってもらえてるだろうし、刀奈も虚も文句は言うだろうけど本気で怒らないと思う」

 

「自信ないのね」

 

「怒りはしないだろうが、何かしらの要求はあるだろうな」

 

 

 もちろんそれは甘んじて受け入れるつもりだが、行き過ぎる可能性もあるからなぁ……一応の覚悟はしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 早朝から仕事を片付けてたのだが終わらず、昼休みにもう一度集まるはずだったのに、最も戦力として期待していた一夏君が来ない……

 

「何で一夏君は来てくれないのよ~!」

 

「さっき本音から聞きましたよね、織斑先生と山田先生の代わりに授業をしなくてはいけなくなったナターシャ先生のフォローで忙しいから、生徒会の仕事は出来ないって」

 

「何で一夏君を頼るのよ~! こっちだって大変なんだからね~!」

 

 

 一夏君が来れない代わりに、本音と須佐乃男が来てくれたけど、比べるまでも無く一夏君の方が仕事が速いのだ。

 

「そもそも一夏さんはなし崩し的に生徒会に入ってもらいましたが、本来なら生徒会の仕事はお嬢様と本音と私で片付けるはずだったんですよ?」

 

「優秀な人材は確保しておかなきゃ♪」

 

「その優秀な人材に殆どまかせっきりだったので今回のような事体になった時に仕事が終わらないんですよ」

 

「仕事は出来る人にやってもらえば良いの。主はどっしりと構えてなきゃ」

 

「仕事の出来ない主に仕える物好きはそうそう居ませんけどね」

 

「なら、虚ちゃんは相当な物好きさんだね」

 

 

 だって長年私に仕えてくれてるし。それに一夏君も仕えては無いけども私と、更識の家を支えてくれている。これもやはり物好きさんなんだろうか?

 

「家の事情が無ければとっくに見限ってますよ。お嬢様がグウタラなのに我慢の限界が何度訪れた事か」

 

「でも、爆発はしてないじゃない? つまりはまだ大丈夫って事だよ」

 

「……一夏さんが居なかったらとっくに爆発してますし、全然大丈夫じゃないんですよ!」

 

「ほえ!?」

 

「本音様、また寝てたんですか?」

 

 

 虚ちゃんの大声で本音が飛び上がった。須佐乃男が呆れているように、如何やら本音は作業中にも関わらず寝ていたようだった。

 

「何もそこまで怒鳴らなくても……あれ? 虚ちゃん、電話だよ」

 

 

 着信を告げるメロディーが流れてきて、私は虚ちゃんの興味をそっちに逸らす事にした。虚ちゃんも一度間をおこうと素直に電話に出た。

 

「はい……一夏さん? ……えぇ……ですがそれだと……はい」

 

 

 一夏君からの電話のようだが、こっち側からは一夏君の声は聞こえないし、虚ちゃんも殆ど返事しかしてないのでどんな内容なのかがさっぱり分からない……聞きたいなぁ~。

 こっそりと虚ちゃんに近づき、電話に耳を近づける……その途中で虚ちゃんにバレてしまい、手振りで追い返されちゃった……残念だなぁ。

 

「でも、それだと一夏さんが大変じゃないですか? ……まぁそうなんですが」

 

 

 如何やら一夏君が何かをしてくれるようなのだが、いったい何をしてくれるんだろう? その事が気になって全く作業に集中出来ないよ~。

 

「本音様、そこは違いますよ」

 

「ほえ!? 須佐乃男は私よりも役に立つね~! 私の代わりに生徒会役員をやってみない~?」

 

「そうやって怠けようとするから一夏様に怒られるんですよ?」

 

「だって退屈なんだも~ん!」

 

 

 虚ちゃんの電話を何とかして盗み聞きしようとしてたのだが、本音と須佐乃男の会話が邪魔で全く聞こえなかった……それにしても本音も随分とサボってるわね……私より酷いんじゃない?

 

「それじゃあ私も残ります……えぇ、一夏さんが居れば大丈夫ですし……分かりました。お嬢様には私から言っておきますので」

 

「何々? 何か用事?」

 

 

 電話が終わった虚ちゃんに話しかける。如何やら私に何か用があるようなので私から機器に行ったのだ。

 

「終わらなかったら一夏さんが放課後に残って片付けてくれるそうです」

 

「本当! ……あれ、でも今日って放課後に迎えが来るんじゃ……」

 

「えぇ。ですので一夏さんが残るらしいです。一夏さんなら車よりも早く移動出来ますし、危険も少ないとの事です」

 

「確かに一夏君なら大抵の相手なら瞬殺だろうけど、でもそうするとまた車の中が無言になっちゃうよ? せっかく碧さんも一夏君に会えるって楽しみにしてるでしょうし」

 

「碧さんは私たちと違って大人ですから、いくらでも時間は取れるでしょうし、一夏さんも起きてられます」

 

 

 確かにあの二人は私たちが寝た後も仕事をしてたりお喋りをしてたりしてるらしいけど、碧さんと一夏君が夜二人きりってなんだかズルイような気もするのよね……

 

「それとも、もうあまり時間もありませんが終わらせると言うのですか?」

 

「楯無様、無理しても仕方ありませんし、一夏様の好意に甘えた方が良いかと」

 

「そうだよ~! おりむ~がやってくれるって言ってくれてるんだからさ~」

 

「そうなのよね……でも、一夏君に頼ってばかりだと駄目だって言ったのは虚ちゃんだよね? 一夏君に任せても良いの?」

 

「ですから、私も放課後残って作業します」

 

「それって一夏君と二人きりって事?」

 

 

 なんだかズルイような……でも私が残ってもさほど戦力にならないし、本音は問題外だ。虚ちゃんが一緒に残るのが一番効率が良いのは分かる。分かるんだけど、納得行かないのだ。

 

「おね~ちゃんは如何やって屋敷まで帰ってくるの~?」

 

「恐らく一夏様におんぶしてもらうのかと」

 

「ズルイ~! 私も一夏君におんぶしてもらいた~い!」

 

「では、お嬢様が残って作業しますか? 一夏さんのスピードについていける自信がおありですか?」

 

「そ、それは……」

 

 

 あんなスピードで書類を読む事も捌く事も出来る訳が無い……虚ちゃんだって一夏君のスピードにはついていけないんだから、私が出来る訳が無い。

 

「私なら少し劣るだけで済みますが、お嬢様の場合は一夏さんが終わっても半分は残ってる可能性があります」

 

「じゃあ三人で……」

 

「私と一夏さんの二人で十分です」

 

 

 仕事の出来る二人に交じっても、足手まといにしかならないのは分かってる。だけどやっぱり虚ちゃんが羨ましいのだ。

 

「明日は一夏さんも休みですし、そこで甘えれば良いじゃないですか」

 

「でも、明日は一夏君、碧さんの部隊の訓練に参加するんじゃないの?」

 

「それだけで一日が潰れる訳じゃ無いんですから」

 

「そうよね……明日甘えれば良いのよね!」

 

 

 せっかくの土曜日に一日中訓練に費やす訳無いんだし、そこで皆揃って一夏君に甘えれば良いんだ! ……ってナターシャ先生は居ないけどね。

 

「それじゃあ教室に戻ろう!」

 

「そうですね。遅刻して一夏様に怒られるのは御免です」

 

「おりむ~先生は厳しいからね~」

 

 

 う、羨ましい……一夏君が先生だなんて、今度頼んで私も教えてもらおうかしらね。一夏君なら二年の範囲でも問題無く出来るでしょうし、何より本音や須佐乃男ばっか一夏君に教えてもらってズルイのだ。簪ちゃんや虚ちゃんも巻き込んで一夏君に授業をしてもらおっと。

 こうして生徒会の作業は終わらなかったけど、一夏君に甘える計画だけはバッチリだったのだ。




結局最後は一夏任せに……
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