もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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寒いっす……体調管理には十分気を使って下さい


街での遭遇

 蘭の勉強を見ていたら、数馬と弾が覗いてきた。如何やら二人で対戦するのに飽きたようで、興味は無いが暇つぶしになると思ったようだった。

 

「うわ、全然分からねー」

 

「一夏は良く分かってるな」

 

「普通は男には必要ない知識だけどな。俺は授業や試験で必要だからやってるだけだ」

 

「お兄ぃや御手洗先輩には必要無いでしょ! 向こうでゲームでもしてたら?」

 

「一夏が参戦してくれねぇと二人でずっとやらなきゃいけねぇんだよ」

 

「そうだな…蘭、続きはまた今度」

 

 

 既に一時間は蘭の勉強を見てた事に気付き、今日は遊びに来たのだと思い出して今日のところはこれで終わりにする事にした。

 

「そうですね。一夏さんのおかげで大分捗りました」

 

「元々蘭は理解力があるからな。クラスメイトや彼女に教えるよりは楽だったよ」

 

「そう言えば一夏は成績良いんだっけか?」

 

「中学でもトップだったしな。IS学園でも上位なんじゃねぇの?」

 

「一応はな。だが偶然感が否めないトップだったがな」

 

 

 偶々山が当たっただけで、全範囲を確実に理解してる簪には次は負けそうなんだが……

 

「ん? 何だ二人共、その顔は」

 

「本当にトップだったのかよ……」

 

「一般教養以外にもISの専門知識とかあるんだろ? それでもトップなのかよ」

 

「専門知識は山が当たっただけだ。後は普通に分かるだろ、多分同じ様な事なんだから」

 

 

 ISの授業がある以外は普通の高校とやってる範囲はそう変わらないと思うんだが、この二人だと当てにならないからな……

 

「とりあえずゲームするんだろ? 蘭も如何だ?」

 

「良いんですか?」

 

「蘭だけのけ者にする理由も無いしな。この後も一緒に来るか?」

 

「おい、一夏。蘭は午後から用事が……」

 

「お兄ぃは黙ってて!」

 

 

 蘭に鋭い睨みを向けられ、弾はその場で縮こまっていった。相変わらずこの兄妹の力関係は分かりやすい。

 

「誘ってくれて嬉しいんですが、この後生徒会の仕事があるんですよ」

 

「そう言えば蘭も生徒会長だったな。それじゃあ仕方ない、また機会があったら誘うよ」

 

「絶対ですよ!」

 

 

 妙に念を押されたのだが、IS学園に蘭が入学すれば自ずと遊ぶ機会は増えるんだろうな。

 

「それじゃあ今は対戦でもするか」

 

「一番負けたやつが後でジュースおごりな」

 

「どうせお兄ぃの一人負けだと思うけどね」

 

「うるせぇ! 今日こそは勝ってやる!」

 

「さっきから数馬に全敗のようだったが?」

 

 

 視界の端で捉えていたが、弾の集中力が乱れていたようで、今日は何時にも増して酷い負け方をしていた。

 

「そう言えば一夏、今日行こうって言ってた店、この前強盗が入ったらしいな」

 

「強盗? 随分と物騒だな。でもまあ一夏が居れば問題無いか」

 

「お兄ぃは本当に頼りないね」

 

「何だと! この前ちゃんと菜月さんを守ったぜ」

 

「嘘だー」

 

「本当だっての! なあ一夏?」

 

「一応は守ってたが、自分の身も守れるくらいにはなれよな」

 

 

 偶々傍に居たから助けたが、次も助けられるとは限らないからな。

 

「一対一なら負けねぇっての」

 

「如何だか……弾は口だけの事が多いからな」

 

「言えてる」

 

 

 蘭対弾の試合を見ながら、数馬と二人で弾を冷やかす。別に他意は無かったのだが、結果として弾の集中力を乱す事になったようだ。

 

「はいお兄ぃの負け」

 

「相変わらず弱いなー」

 

「これって弾のゲームだよな?」

 

 

 鈴が居なくても相変わらずの負けっぷりで、弾は全員に一回も勝つ事無くゲームは終了した。

 

「それじゃあそろそろ外に出るか」

 

「一夏のおごりで飯だもんな」

 

「飲み物は弾のおごりだけどな」

 

「ゴチでーす」

 

「くそっ、金貯めてるって言っただろうが」

 

「負けたヤツがおごるのは昔からの決まりだろうが」

 

 

 財布の中を見ながらぼやく弾に、数馬は容赦無く集るようだ。

 

「蘭は如何する? 時間あるなら蘭にもおごるけど」

 

「すみません、お昼は生徒会の子たちと一緒に食べる約束なんです」

 

「おら、さっさと行けっての」

 

 

 弾が邪険に蘭を扱った事で、厳さんからありがたい一撃を貰った。相変わらず厳さんの蘭への溺愛っぷりは凄まじいな。

 

「とりあえず出るか」

 

「そうだな」

 

 

 その場に沈んだ弾を放っておき、数馬と二人で五反田食堂から出る。出て行く際に、蓮さんがこっちを見て微笑んでいたが、何か意味があったのだろうか。

 

「相変わらず蓮さんは一夏がお気に入りのようだな」

 

「蓮さんは皆に優しいだろうが」

 

「そりゃそうなんだが、お前にだけは特別優しいような気がする」

 

「そうか? 弾や蘭の勉強を見たりしてるからじゃないか?」

 

 

 中学時代は弾の勉強も見てたからな…結果は芳しくなかったが。

 

「一夏が見てなかったら弾は全教科0点だったろうな」

 

「そりゃ言い過ぎじゃねぇか? さすがの弾でも5点は採れるだろうよ」

 

「殆ど変わらないじゃんかよ」

 

「違い無い」

 

 

 高校でも全教科赤点とか言ってたしな、何で理解出来ないんだろう弾のヤツ……

 

「一夏は相変わらず教える側なんだな」

 

「駄姉が使い物にならないから仕方なくな。クラスの半分を補習にさせる訳にはいかないし」

 

「そんなに難しいのか」

 

「駄姉ともう一人の教師の教え方がな…模範的過ぎるのと理解できてなくても先に進む阿呆だから」

 

「千冬さんに聞かれたら大変じゃねぇ?」

 

「本人にも言ってるから大丈夫だろ」

 

 

 そもそも人に丸投げするのが多いからな、あの駄姉は……給料の半分くらいしか働いてないような気もするんだよな。

 

「イテテ……じいちゃんめ、加減してくれたって良いじゃねぇかよ」

 

「今日は復活早かったな」

 

「最短記録更新じゃねぇか?」

 

「そんな記録は取ってねぇっての!」

 

「さて、弾も復活したし、そろそろ行くか」

 

「そうだな。何処で飯食う?」

 

「ショッピングモールの傍のファミレスで良いだろ」

 

「あんなところにファミレスあったっけ?」

 

「最近出来たんだよ。一夏は行かねぇもんな」

 

 

 行かない事も無いんだが、如何しても味付けやらが気になって食事に集中出来ないんだよな。それに値段とか考えると自分で作った方が安かったりするし…素直に外食を楽しめないだけなんだが……

 

「飯食った後で少しゲーム屋に寄っても良いか?」

 

「弾が? 珍しいな」

 

「そろそろ新しいゲームが出るだろうしよ」

 

「じゃあ俺も何か買うぜ」

 

「……好きにしろ。俺は本屋にでも行ってるから、何処か集合場所を決めておこう」

 

 

 間違ってもゲーム屋には行かないからな…簪が好きそうだけど、今は考えないでおこう。

 

「とりあえず飯食ってからな」

 

「一夏のおごりだから遠慮なく食えるぜ」

 

「少しは遠慮しろよな」

 

 

 成長期男子が遠慮無く食ったら相当金が掛かるだろうから、一応釘は刺しておく。ファミレスならそこまで高く無いだろうが、量食われたらそれなりにするだろうしな。

 

「飲み物は弾のおごりだし、俺は今日飯代がかからねぇな」

 

「その分例の店で使うつもりなんだろ?」

 

「弾だって興味あるんだろうが」

 

「だってメイドだぜ、メイド! 興味無い男子高校生なんて居るのかよ」

 

「確かに、だけど可愛いメイドさんなら兎も角、何となく怖そうなのは御免だけどな」

 

「分かるぜ!」

 

 

 こう言った会話についていけないのは、俺が女子に囲まれて生活してる所為だろうか。それともこの二人がズレてるからだろうか。どちらにしても黙って目的地を目指した方が良さそうだな。

 

「この辺も随分と変わったよな」

 

「中学の時はこの辺の空き地で遊んでたなー」

 

「鈴が勢い付け過ぎて飛んでったのは笑えたぜ」

 

「あの後一夏が助けに行ったんだよな」

 

「頭から突き刺さってて引っ張りあげるのに苦労した」

 

 

 挙句にスカートだったからパンツ丸見えだったんだよな…数馬と弾が見に来て鼻血出してすぐ戻って行ったのは鈴には言ってないんだがな。

 

「あの頃から一夏は女物のパンツに興奮しなかったよな」

 

「駄姉の物を洗濯してたし、ただの布にしか思って無かったからな」

 

 

 もっと言えば駄ウサギのも洗濯してた時期があるから、女物のパンツは俺にとっては洗濯物でしか無かったのだ。

 

「そう言えば今度はアタシも誘えって鈴に言われたんだが」

 

「都合が悪かったのは鈴だろ? 俺は誘ったぜ」

 

「今度は鈴が計画するって言ってた」

 

「マジかよ…菜月さんとのデートがある日は勘弁してほしいぜ」

 

「だから土曜日にしてくれとは言っておいた。俺もデートとか色々あるしな」

 

「クソッ、これだからリア充は」

 

 

 一人彼女無しの数馬が地面を蹴った。お前だったもう少し頑張れば彼女が出来るだろうに、ギャルゲーにのめり込むから駄目なんだよ……

 

「さてと、ファミレスに着いた訳だが」

 

「何でこんなに混んでるんだ?」

 

「昼にはまだ早いような気がするんだが」

 

 

 満席と言う訳では無いのだが、昼前にしては随分と混んでいる。家族連れなんかも見られるから、恐らく家族で出かけてきた帰りか何かなのだろう。

 

「いらっしゃいませ、お客様三名様で宜しいですか?」

 

「ええ」

 

「おタバコはお吸いになられますか?」

 

「いえ」

 

「それでは此方にお名前をご記入の上お待ち下さい」

 

 

 如何やら禁煙席は満席のようだった。俺の名前を書くと面倒なので、此処は弾の名前を書いておく事にしよう。

 

「五反田様ですね。席が空き次第お呼びしますのでお待ち下さい」

 

 

 店員が一礼して下がっていくと、弾が俺の脇を突いた。

 

「何で俺の名前なんだよ。一夏ので良いだろ」

 

「色々と有名だからな、俺の苗字は。騒ぎになるのも面倒だったから」

 

「そう言えばそうだな。一夏もだが、千冬さんも有名だしな」

 

 

 良くも悪くも『織斑』姓は世界的に有名になってしまったし、そうそうある苗字でも無いからなるべく言いたくないんだよな……

 

「お前も大変だな」

 

「今に始まった事じゃ無いし、もう慣れたよ」

 

 

 呼ばれるのを待ちながら、俺は持ってきてた本を開き続きを読み進める。最近は仕事してない時は本を読んでるかISの整備をしてるかのどっちかになってきてるな……

 

「弾はバイトしないのか?」

 

「じいちゃんが許してくんねぇんだよ。家の手伝いをしろって」

 

「それで金が貰えるんなら良いじゃねぇか。煩わしい上下関係が無いんだからよ」

 

「数馬はそれでも良いからバイトしてるんだろ?」

 

「金が良いからな。そうじゃなかったら辞めてるさ、あんなところ」

 

 

 バイトってものを経験した事無いから如何言う感覚なのかイマイチ分からないんだよな。上下関係も殆ど無いような場所で生活してるし、何時の間にか上の方になってるしで煩わしさもさっぱりだからな。

 

「五反田様、お席の用意が出来ましたのでご案内いたします」

 

「だってよ、ほら行くぞ」

 

 

 栞を挟んで本をしまい、弾と数馬を席へと促す。良く考えれば男のみでの食事など何時以来だろうな。

 

「あ~あ、偶には女の子と飯を食いたいぜ」

 

「お前には彼女が居るだろうが」

 

「菜月さんとは滅多に会えないからな。飯となると男友達とか親や蘭とが多いんだよ」

 

「俺なんか友達が掴まらなかったらボッチだぜ」

 

「一夏は? 普段誰と飯食ってるの?」

 

「最近は殆ど一人だな。作業時間確保の為に、飯は殆ど手抜きが多い」

 

「それ以外の時は?」

 

「それ以外? そうだな……時間があれば彼女たちと食べるが、大体一人かな。それくらいしか一人になれそうな時間が無いし」

 

 

 部屋でも考え事とかするには適さない環境だからな。何処に居ても誰かしら居るし……

 

「羨ましい環境だな」

 

「一人になりたいなんて贅沢な悩みだ」

 

「うるせぇな、さっさと注文しろ」

 

 

 あまり人の多い場所には居たくないんだよな……何かしら問題に遭遇するから。

 

「それじゃあ俺はこれにするぜ」

 

「じゃあ俺はこれだな」

 

 

 何を食べるのか決まったようなので、店員を呼び注文をする。それにしても良く食べる二人だな……これが普通なのか?

 

「ゴチでーす」

 

「そう言えば一夏って、よく金持ってるよな。バイトとかしてないんだろ?」

 

「学園の仕事でチョコチョコ稼いだりはしてるが、基本バイトはしてないな」

 

「学園の仕事って、さっき言ってた整備か?」

 

「それもあるが、他にも色々と」

 

「ふ~ん、結構儲かるのか?」

 

「小遣い程度にはな。だがその金も妹や須佐乃男への小遣いで無くなる」

 

「ちょっと待て!」

 

「ん?」

 

 

 数馬が慌ててるが、俺何か変な事言ったっけ……

 

「妹って何だよ! お前千冬さん以外に家族が居たのか!?」

 

「如何やらそうみたいだった。記憶が無いからはっきりとは分からないんだが、明らかに駄姉そっくりだから間違い無いだろう」

 

 

 DNA鑑定もして、駄姉とは間違い無く家族だと言う事が判明してるし、誰が如何見ても姉妹にしか見えないしな。

 

「写真とか無いのかよ!」

 

「何興奮してるんだよ……」

 

「だって一夏の妹だろ? どんなのか気になるだろ」

 

「駄姉を小さくしたような感じだ。性格は違うがな」

 

「千冬さんの小さい感じか……かなり美人なんだろうな」

 

 

 どんなイメージを駄姉に持ってるのかは知らんが、あれは見た目はそこそこだが中身は親父だぞ。まぁ弾も数馬も駄姉の本性を知ってるからそれ以上は言わないが。

 

「今度会ってみたいな」

 

「だから見た目は完全に駄姉だぞ」

 

「だから千冬さんは見た目最高だろ!」

 

 

 力説されても俺にとっては駄姉であり面倒事を押し付けてくる迷惑な教師でしかないんだがな……

 

「さて、腹も膨れたし行くか」

 

「弾、後で飲み物代返せよ」

 

「分かってるって」

 

 

 食い終わったようなので会計を済ませる事にした。二千円でお釣りが来るって事は、結構安いんだな、この店。

 

「さて、それじゃあ俺たちはゲーム屋に行ってくるぜ!」

 

「掘り出し物のギャルゲーとかねぇかな」

 

「それじゃあ一時間後にあの噴水の前集合な」

 

「分かった」

 

「一夏もそれまでのんびりしてるんだな」

 

 

 駆け足でゲーム屋に向かう二人を見送りながら、俺は本屋へ向けて歩き出す。日曜だけあって人が多い……

 

「あれ? 一夏じゃないか!」

 

「まぁ一夏さん!」

 

「何してるの?」

 

「篠ノ乃にセシリアにシャルか……友人と遊びに来たんだが、今は別行動中だ」

 

 

 この三人に出くわすとは思って無かったな……ラウラが居ないのは副官が日本に来てるからだろうか。

 

「鈴やティナは国の用事とかで忙しそうだったが、お前たちは良いのか?」

 

「僕は候補生だけど殆ど形だけだし」

 

「私も今回は関係ありませんわ」

 

「ふ~ん、それで三人でぶらぶらしてるのか?」

 

「別にお前には関係無いだろ」

 

「そうだな、じゃあそう言うことで」

 

 

 特に興味も無いのでその場で三人と別れる事にした。

 

「待って! 一夏も一人なら僕たちと何処かに行かない?」

 

「良いですわね! 一夏さん、ご一緒しませんこと?」

 

「遠慮しとく。別行動中とは言え今日は男友達と一緒だからな。今日はのんびりしたいんだ」

 

「まるで私たちと一緒だとのんびり出来ないみたいな言い方だな」

 

 

 自覚してないのかよ……一学期散々人の周りを引っ掻き回しておいて、それを自覚してないとは篠ノ乃も相変わらず面倒なヤツだな。

 

「偶には男のみでゆっくりしたいんだよ。そう言うわけだから悪いな」

 

 

 波風立てるのも後々面倒だし、それっぽい理由をでっち上げて三人と別れた。しかし何でこんな場所で会うかね……

 三人と別れた後、本屋でIS関連の本を探していたら、またまた知り合いに出会った。

 

「静寂?」

 

「あら一夏君、偶然ね」

 

「そうだな」

 

 

 静寂と学園外で会うのは初めてかも知れんな。私服は完全に初見だ。

 

「今週は寮に残ってたみたいだけど、何してるの?」

 

「中学時代の男友達と遊びに来てるんだが、今はちょっと別行動中だ」

 

「それで一夏君は本屋さんに来てるの?」

 

「丁度欲しかった本があるしな。それで、静寂は一人か?」

 

「ううん、篠ノ乃さんたちと一緒だったんだけど、さっき何処かに走って行っちゃったのよ」

 

 

 ……明らかに俺を見つけて走ってきたんだな。偶然だと思ってたが違ったのか。

 

「香澄や美紀も居るわよ?」

 

「大勢で何やってるんだよ」

 

「体育祭に向けて一致団結を図ろうとしたんだけど、相変わらずのバラバラっぷりを披露してる感じかな」

 

「仕方ねぇな……」

 

 

 一致団結など無縁のクラスだからな。いくら頑張っても個性が強すぎて一つには纏まらないだろうよ。

 

「そんじゃあ俺はもう行くわ」

 

「そうなの? それじゃあまた明日」

 

「おう、また明日」

 

 

 欲しかった本も見つかり、嫌な気配も近づいてきたのでさっさと本屋から離れる事にした。休日で人も多いから油断してたが、まさか篠ノ乃たちが居るとはな……

 

「ん? そう言えばクラスメイトなのに呼ばれてねぇな……まぁ良いか」

 

 

 女子の一致団結を図ろうとしたって事で納得しておくか。まぁ呼ばれても行かなかっただろうけどな。

 

「あれ? 一夏様」

 

「織斑君?」

 

「静寂なら参考書のコーナーに居たぞ」

 

 

 美紀と日下部さんに遭遇したので静寂の場所を教えておく。どうせ逸れたか何かだろうしな。

 

「良く静寂を探してるって分かりましたね」

 

「さっき本人から聞いた。まぁ楽しんでくんだな。明日からまた訓練と勉強の日々だろうし」

 

「忘れてたんですから思い出させないでくださいよ!」

 

「いや、忘れてるなよ……」

 

 

 任務で学園に通う事になってるんだから、最低限の事はきっちりとこなして欲しいんだが。まぁいざとなれば働いてくれるとは思ってるがな。

 

「それじゃあね、織斑君」

 

「『一夏』で良いぞ」

 

「じゃ、じゃあ私の事も『香澄』で良い」

 

「分かった、じゃあな美紀、香澄」

 

「うん、じゃあね一夏君」

 

「また明日です、一夏様」

 

 

 学外だと言うのに知り合いに良く会う日だな……待ち合わせの時間まではまだあるので、噴水の近くのベンチで暇でも潰すか。




次回数馬に運命の出会いが…(予定)
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