もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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誰の事なんでしょう……


結局甘い…

 一夏君が作ったテストは、私たちから見ればそれ程難しい感じでは無い。だけど六人からしてみれば、五割取れるか如何か微妙な問題だ。

 一夏君がドSだと言われるのは、こうして取れるか取れないか微妙なラインで問題を作ってるからだと思うんだよね……絶対に取れないんじゃなくて、微かに希望を残しておいて苦しめるんだから……

 

「静寂、俺は別に苦しめようとはしてないぞ」

 

「でもさ、これって結構レベル高いでしょ?」

 

「そんな事無いだろ。さっきまでの問題と殆ど変わらない」

 

「だけど殆どであって、全くじゃ無いでしょ?」

 

「そりゃ全く変わらないんだったら、五割なんて低いハードルにしない」

 

 

 それもそうなんだけどさ……でも、既に六人は死にそうな雰囲気なんですけど?

 

「五割が低いって言えるのは、おりむ~が頭良いからだよ~」

 

「そうですよ。私たちは五割なんて取れる見込み薄いんですから!」

 

「お兄ちゃんたちには簡単でも、私たちには難しいんだからね!」

 

 

 本音、須佐乃男、マドカが一夏君に抗議しようと立ち上がったが、一夏君が一睨みすると大人しくその場に座った……どれだけ怖いのよ……

 

「何か文句言いたそうだが、聞くだけなら聞いてやるぞ。その代わりに、合格基準を一割ずつ上げてくが」

 

「そ、それは~……」

 

「文句なんて……」

 

「無いよ、お兄ちゃん……」

 

「そうか……お前ら三人は如何だ?」

 

 

 黙って座って勉強しているエイミィ、美紀、香澄に視線を向ける一夏君。あまりの恐怖に先に沈められた三人は震えている。

 

「私たちは一夏君の指示に従う」

 

「私もです、一夏様」

 

「私も。一夏君のおかげで訓練も勉強も補習になら無くて済んでるんだから」

 

 

 この三人は、何時も一夏君と行動を共にしてないので、彼女や妹とは立場の違う、生徒として一夏君に接してるようだ。素直に一夏君の言う事を聞いている。

 

「そうか。それじゃあテストを開始する。筆記具以外はしまえ」

 

 

 文句が無かったので(あったが言わせなかったのだが)、一夏君はテストを開始すると宣言した。こう言ったところは織斑先生と似てるのかもしれないな。

 

「相変わらずだね、一夏君は」

 

「お姉ちゃんだって何時も怒られてるでしょ」

 

「私はあそこまでプレッシャーかけられないもの」

 

「そうかな? お姉ちゃんに本気で怒る時の一夏は、さっきくらいのプレッシャーを放ってるような気がするけど?」

 

「……本気の一夏君のプレッシャーはあんなものじゃないわよ」

 

 

 如何やら更識先輩は、本気で一夏君に怒られた事があるようで、さっきの一夏君のプレッシャーは本気では無いと分かったようだ。私にはさっきのでも十分だと思うんだけどね……

 

「今回の制限時間は三十分。目標は五割なんだから簡単だろ」

 

「そんな事ないよ~……」

 

「五割って、半分正解しなければいけないんですよ!」

 

「簡単には無理だよ、お兄ちゃん……」

 

「お前ら三人は七割でも八割でも構わないようだな」

 

 

 一夏君が再び睨みを利かせると、三人は抵抗を諦めて黙った。恐怖で押さえつけるのはやっぱり織斑先生と似てるけど、一夏君の場合は理不尽に押さえつける訳では無いから皆大人しく言う事を聞いてるんだろうな……

 織斑先生の場合は、若干理不尽だと思う事もあるし、現に抵抗したデュノアさんは何処かに閉じこめらちゃってるし……何処に居るんだろう?

 

「始め!」

 

 

 一夏君の合図で、一斉に問題を解き始める六人。私たちは終わった後の採点を手伝うのと、カンニングが無いか監督するだけで、この時間は比較的暇になるのだ。

 

「じゃあ頼むな」

 

「一夏は?」

 

「この間に洗濯と掃除を済ませる」

 

「お願いね~」

 

 

 洗濯? ……一夏君が洗濯するって事は、もちろん私たちのものも洗濯するって事だよね?

 

「一夏君、私が洗濯するから!」

 

「何だいきなり……」

 

「だって、洗濯って事は、私たちの下着も洗うって事だよね!?」

 

「洗うのは洗濯機で、俺は干すだけだがな」

 

「でも、それって……」

 

 

 かなり恥ずかしいし、それに一夏君だって抵抗あるんじゃないのかな……

 

「あんまり騒ぐと、六人の邪魔になるぞ」

 

「何でそんなに冷静でいられるのよ……」

 

「今更だからな」

 

「何が……」

 

 

 一人騒いでいた私の肩を、更識先輩が軽く叩いた。

 

「一夏君は、小学生の頃から織斑先生や篠ノ乃博士の下着を洗濯してたし、今現在も私たちの下着や、やっぱり織斑先生の下着を洗濯してるから、それくらいじゃ動揺しないのよ」

 

「一夏は着けてる時は慌てるけど、脱いだものは洗濯物としか見ないから」

 

「そうなんだ……」

 

 

 既に主夫の領域に辿り着いてたんだ……何か慌てた私が馬鹿みたい……じゃなくて!

 

「一夏君が平気でも、私が恥ずかしいよ!」

 

「そうなの? 静寂ちゃんだって一夏君に洗濯してもらった方が楽でしょ?」

 

「でも、異性に下着を見られるて言うか、触られるのはちょっと……」

 

「大丈夫、一夏は変な事しないから。それに、この部屋で生活するんだから、絶対一夏が洗濯する日はあると思うよ」

 

「そうそう。むしろ早めにやってもらった方が、後々楽だよ」

 

 

 何でこの二人はあっさりと受け入れろと言うんだろう……だって異性に下着を触られるんだよ? しかも同い年の、更にはクラスメイトに……そんな事実を簡単に受け入れられる方がおかしいと思うんだけど……

 

「香澄や美紀やエイミィだって嫌だよね?」

 

「「「………」」」

 

「集中してて聞こえて無いみたいね」

 

「この三人は一夏に洗われても文句言わないと思うよ」

 

「それに、美紀ちゃんと香澄ちゃんは昨日も泊まってるし、既に一夏君に洗濯してもらってるからね」

 

 

 何でその事実を受け入れられるんだろう……だって、美紀も香澄も、明らかに一夏君に好意を持ってるのに……好きな相手が自分の下着を洗濯して、しかもそれを平然と受け取れる二人の神経が信じられない……

 

「碧さんもナターシャ先生も洗濯してもらった事があるんだし、慌てる方が変だと思うよ?」

 

「むしろ静寂が慌てすぎなんじゃない?」

 

「絶対違う! 私が普通の反応だってば!」

 

 

 大体一夏君も、異性の下着を触るのに何も抵抗が無いわけ? いくら着けてないからって、その前までは着けてた訳なんだよ? つまり……まあそれは良いや。兎に角私の神経が普通なのであって、皆の神経がおかしいんだと、私は声を大にして言いたい。

 

「お母さんが息子のパンツを洗ってても何も言わないでしょ? それと一緒だからさ」

 

「違う! 絶対に違うと思います、その例えは!」

 

「静寂、皆の邪魔になるからもう少し声を抑えて」

 

「むしろ冷静で居られる更識さんがおかしいんだって!」

 

「じゃあ静寂ちゃんが一夏君のパンツ洗う?」

 

「それは……」

 

 

 何故いきなりそんな事に……そりゃ、私が一夏君のパンツを洗う方が、私の精神衛生上良いかもしれないけど、同級生のパンツは出来れば洗いたくない……

 

「お前ら、さっきから下着だパンツだ五月蝿いぞ」

 

「だって!」

 

「もう洗濯機には入れて洗濯してるんだから、今更如何こう言っても変わらないぞ」

 

「嘘……」

 

 

 一夏君に私の下着を触られた……もうお嫁にいけない……

 

「大げさだろ……」

 

「一夏君ってそんなに鈍いの? だって女の子の……」

 

「何だ?」

 

「なんでもない……」

 

 

 さすがに口に出すのは恥ずかしいし、一夏君が意識してないんならそれで良いよ……一夏君が変態チックな事をするようには見えないし、洗濯物としか捉えてないのなら、下手にものを言って意識させるのも悪いしね……

 

「静寂ちゃん、責任取って彼女にしろなんて言わないよね?」

 

「これ以上一夏に彼女が増えると私たちも辛いんだよ?」

 

「い、言いませんよ……」

 

 

 ちょっと思いはしましたけど、そんな事で彼女になれるのなら、篠ノ乃さんとかが喜んで洗濯物を持ち込んで来そうだし、その原理で言うと、織斑先生や篠ノ乃博士までもが一夏君の彼女になれると言う事になってしまう訳で……そうなると一夏君が本気で怒りそう……

 

「掃除してるから、何かあったら呼んでくれ」

 

「は~い」

 

 

 一夏君は全く興味無さそうで、慌てている私に興味を持たずに部屋の掃除を始めた。それはそれで何か癪だけど、一夏君は本当に私たちの下着も洗濯物としか見てないようだ……もはや主夫の鑑ね。

 

「……ふと思ったんだけど、一夏君が洗濯した下着を着けて、二人は何とも思わないの?」

 

 

 本当にふと思っただけだったのだが、二人は少し考えて固まった。

 

「そう言えば一夏君が触った下着を着けてるのよね……」

 

「つまり一夏に触られてるのと一緒!?」

 

「んな訳あるか!」

 

 

 会話が聞こえてたらしく、一夏君のツッコミが入る。てか、二人共想像力が豊かな事で……

 

「洗濯してるのも、畳んでるのも一夏君なのよね……」

 

「言われてみると、ちょっと恥ずかしくなってきた……」

 

「でも、どうせ一夏君に触ってもらうんだし、今更だと思うけどね~」

 

「お姉ちゃん、まだ気が早いよ」

 

 

 触って……つまりはそう言う行為をするって事よね……女尊男卑の世の中で、これほどの美人とそんな事が出来るなんて……

 

「静寂、顔が赤いが如何かしたのか?」

 

「うへ? ……い、一夏君!?」

 

「声がデカイ。目の前で叫ぶな」

 

 

 何時の間にか目の前に来ていた一夏君に気付いた私は、慌てて後ろに逃げようとして背中を角にぶつける……かなり痛い……

 

「何やってんだお前……」

 

「一夏君の所為よ……」

 

「何でだよ」

 

 

 顔が赤いのも背中が痛いのも全部一夏君の所為! てか、何で私は一夏君にそう言う行為をしてもらってる自分を想像してるのよ!

 

「静寂ちゃんも結構エッチィんだね~」

 

「耳年魔?」

 

「違うッ!」

 

「何の話だ?」

 

「お子様の一夏君には関係無い話よ~」

 

「お子様って、一つしか違わないだろ」

 

「そう言う意味じゃ無いのよ~」

 

「? 訳分からん」

 

 

 首を傾げながら、一夏君は掃除に戻って行く……もしかして、一夏君ってそっちの知識に疎いの?

 

「一夏君はね~一学期の時は私たちにくっつかれるだけで真っ赤になってたくらい純情なんだよ~」

 

「最近は慣れてきたのかそうでも無いけど、一緒にお風呂入ろうとするだけで本気で逃げてたから」

 

「……その行為もおかしいとは思いますが」

 

 

 羞恥心が無いのだろうか、この姉妹は……

 

「一夏君のベッドの下を探っても、何も出てこないしね」

 

「更識の屋敷にある一夏の部屋にも、特にそう言った本は存在しない」

 

「探したの……」

 

「世帯主はお姉ちゃん」

 

「主様が部屋を漁っても文句は言われないのよ!」

 

 

 いや、言われるとは思うけど……

 

「つまり、一夏君は異性に対して免疫を持ってないの。ハニートラップを仕掛けられても気付かないくらい純情なんだよ」

 

「あからさまなら気付くだろうけど、興味を示さないからね」

 

 

 そうなんだ……その話を聞いて、私は一夏君の事をジッと見つめてみた。見た目はそんな風には見えないのに、意外と可愛い一面を持ってるんだなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三十分の間に、私たちはどれだけ問題を解けるか、どれだけ数をこなせるかに賭けている為に、周りが騒がしくても集中を切らす事はありませんでした。

 そんな事で集中を乱したら、確実にお昼抜きと言う未来が待ってるので、刀奈お姉ちゃんたちが何かを話していてもその事は耳には入って来なかったんだよね。

 

「残り五分、皆頑張れー」

 

「お姉ちゃん、他人事だと思ってテキトーに応援しない」

 

「でも、此処まで出来てるんだから、応援くらいしたくなるでしょ?」

 

「確かに、頑張ってるとは思うけどさ」

 

 

 なにやらまた話始めたようだが、途中から全く耳に声が入ってこなくなる……一夏様から教わった精神集中が此処で生きるとは……ありがとうございます、一夏様。

 

「(後はどれだけ問題を解けるかですね……一夏様が言っていたように、難易度は昨日のよりは低いようですし、さっきの問題の中から抜粋してそこに少し手を加えただけですから、私たちがちゃんと理解してれば出来るようにしてくれてますしね)」

 

 

 テストのレベルは、私たちから見れば高いものですが、それでも絶対に出来ないようなイジワルな問題はありませんし、昨日今日で一回は必ず目にしている問題も結構あったりしてるので、覚えてさえいれば解ける問題も多々あるのだ。

 

「後一分だよ~」

 

「昨日のお姉ちゃんみたいに、名前を書き忘れるなんて失敗はしないように」

 

「簪ちゃん、心の傷を抉ってる……」

 

「自業自得だよ」

 

 

 名前は書いてある、これでとりあえずゼロの心配は無くなる。確実に分かった問題もある事だし、五割に届くかどうかは、残り一分の見直しにかかってる……これ以上解き進めても最後まで出来ないだろうし、見直しで間違いを減らす方が点数の上積みにも繋がるだろうしね。

 

「はい、しゅ~りょ~!」

 

「シャーペンを置いて机から手を離して」

 

「回収するまで動いちゃ駄目だから」

 

 

 三人の監督官がそれぞれの指示を出し、私たちはそれに従う。今はあの三人は私たちより高い発言権を持っているのだから、逆らっても意味は無いのだ。

 

「一夏君が採点してる間は、各自自由にしてて良いよ」

 

「お姉ちゃん、私たちも採点するんだよ」

 

「そうですよ。さっきそう言われましたよね?」

 

「そうだっけ? そんな気もするけど……」

 

 

 刀奈お姉ちゃんがおとぼけをかまして逃げようとしてたけど、簪ちゃんと静寂にしっかりと捕まえられて一夏様と一緒に採点をする事になったようだ……私が言える立場じゃ無いけど、言われた事はちゃんとしようよ……

 

「どうだった~?」

 

 

 テストの重圧から解放されたからか、本音ちゃんのテンションが高い。だけど本音ちゃんは自信があってテンションが高いのかな……

 

「一夏様の作る問題は、必ず何処かに引っ掛けが存在しますからね……それを見つけるのに苦労しましたよ」

 

「でも、これで五割取れないなら本当にお昼抜きなのかな?」

 

「お兄ちゃんは優しいから、五割近く出来てれば大丈夫だと思うよ?」

 

「つまり四割以下だと本当にお昼抜きって事? それってかなり怖いんだけど」

 

 

 エイミィがそんな事を気にしてるって事は、四割も手応えが無いって事なのかな……なんだか私まで不安になってきた……

 

「香澄は? 自信あるの?」

 

「分からない。でも、出来る事はやったから」

 

「おりむ~が基礎を叩き込むって言ってたから、もっと厳しいかと思ってたけどね~」

 

「その口ぶりから察するに、本音ちゃんは手応えがあるんだね?」

 

「ううん~、別にそこまで手応えがある訳じゃ無いよ~」

 

 

 あれ、違うんだ……てっきりバッチリ手応えを掴んでるのかと思ってたんだけどな……

 

「そう言えば途中、何か後ろで話してたよね?」

 

「ああ、そう言えば。でも何を話してたんだろうね?」

 

「聞いてみます?」

 

「おりむ~たちは採点中だし、終わってからでも良いんじゃないかな~?」

 

「そうだね。一夏君たちの邪魔をしたら悪いしね」

 

「エイミィ? 顔が赤いような……」

 

 

 今の会話の何処に顔を赤くするポイントがあったんだろう……それとも、エイミィは後ろでされてた会話が聞こえてたんだろうか……

 

「ねえエイミィ……」

 

「採点が終わったぞ」

 

 

 エイミィに聞こうとしたら、そのタイミングで一夏様たちが此方に戻って来ました。

 

「ねえねえおりむ~、さっき後ろで何話してたの~?」

 

「さっき? 洗濯の話か?」

 

「洗濯ですか?」

 

「お兄ちゃん、何で今更洗濯の話なんてしてたの?」

 

 

 確かに……あのタイミングで何故洗濯の話なんてしてたんでしょう……気になりますね。

 

「静寂ちゃんが恥ずかしいから自分で洗濯するって言ってたんだよ」

 

「恥ずかしい? 何が~?」

 

「一夏に下着を触られるのが」

 

「この部屋ではその感情は不要ですしね」

 

「お兄ちゃんは主夫だからね~」

 

 

 なるほど、そう言った話をしてたんですか……あれ? つまり私の下着も一夏様が洗濯したって事ですよね……でも、昨日も洗濯してもらったんですし、今更慌てるのも何だか違うような気もしますが……とりあえず気にしないでおきましょう。

 

「結果を返すぞ。本音と美紀はもう少し頑張れ」

 

 

 全員に答案を返す一夏様は、私と本音ちゃんだけにそう言ってそれ以上は何も言いませんでした。

 

「一番はね~美紀ちゃんの62点だね~」

 

「ちなみに最下位は本音の49点だね」

 

「てことは、本音ちゃんはお昼抜き?」

 

「おりむ~はそんな事しないよね? ねぇ?」

 

「そうだな……次のテストの時に本音だけ合格点が上がっても良いなら食べても良いぞ」

 

 

 一夏様は少し悪い笑みを浮かべながらそう提案してきました。

 

「ちなみに、上がるのってどれくらい?」

 

「1点だな。今回合格に届かなかった分だけ上乗せで」

 

「つまり60点が合格だったら、本音は61点取らなきゃいけないんだね」

 

「しかも上乗せはずっと続くからな」

 

 

 つまりは一回食事を抜けば、次の合格点は私たちと一緒、食事を採ればこれからのテストはずっと合格点より1点多く取らなくてはいけないって事? さっきの悪い笑みの正体はこれですか……

 

「本音、如何する?」

 

「うぅ……我慢するよ~……」

 

「そうか、じゃあ本音に作った分は余るな……誰か食べるか?」

 

 

 ぐるりと私たちを見た一夏様は、何故だか楽しそうです。まだ何か企んでるのでしょうか?

 

「誰も食べないならもったいないが捨てるしか無いか……誰か食べてくれる人は居ないもんかねぇ……」

 

「お、おりむ~?」

 

「何だ?」

 

「それって私が食べても良いのかな?」

 

「まあ捨てるよりは食べてもらった方が食材も喜ぶだろうしな」

 

「おりむ~!」

 

「ただし、次はしっかりと合格点を取れよ」

 

「うん!」

 

 

 最終的には本音ちゃんもご飯を食べられるようだった。でも、次もこうなるとは決まって無いんだし、ちゃんと頑張らないとな……一夏様はイタズラ好きのようですしね。




一点ですし、大目に見てあげてください。
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