もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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今年も今日を入れて残り二日……早いですね


一夏のおかげで

 午前中に引き続き午後も一夏君が居ない中で、勉強会は進んでいく。今日は一般教科の英語が中心になってるようだ。

 

「私たちもやっとく?」

 

「そうだね。私たちもテスト受けるわけだし、勉強しておいた方が良いかもね」

 

 

 更識さんの提案で、私たちも自分たちで一夏君の作った問題をコピーして勉強する事にした。教えるのもそうだが、私たちも勉強しないと本番のテストで酷い目に遭う可能性だってあるのだから……

 

「お姉ちゃん、私と静寂は勉強してるから、何かあったら虚さんと二人で何とかしてね」

 

「えっ、ちょっと簪ちゃん……さすがに二人では無理だよ」

 

「じゃあ一夏にでも電話したら? 一夏なら何とかしてくれるから」

 

 

 一夏君への信頼度はハンパ無いわね……まあ彼女だし私よりも一夏君との付き合いが長いからこその信頼度なんだろうけども、妙に説得力があると感じるのは何でだろう……

 

「ですが簪お嬢様、一夏さんも作業中ですし、下手に電話を掛けて作業を中断させるとなると問題があるのではないでしょうか」

 

「大丈夫だと思うよ? だって一夏だし」

 

「それはそうですが……まあ何とかします」

 

 

 やっぱり一夏君への信頼度は皆さんハンパ無いんですね……普段のめんどくさそうな表情を浮かべている一夏君は本来の姿では無いんだろうな。

 

「じゃあ頑張ってね。それじゃあ静寂、私たちも勉強を始めよう」

 

「そうだね……」

 

 

 解決したのかどうか微妙だけど、とりあえず何とかなったのなら良いのかな……意気揚々と更識さんが問題をコピーして、その内の一枚を私に手渡してくれた。

 

「結構分かりやすく作ってるんだね」

 

「元々が六人が解けるレベルだからね。基礎と応用がしっかり入ってるからそれなりにテスト対策としては使えると思うよ」

 

 

 さすが学年二位、更識さんが言うと説得力があるわね……そしてこの問題を作ったのが学年一位の一夏君だもんね……この二人が揃うと結構余裕でテストに挑めるんじゃないだろうか。

 

「そう言えば静寂」

 

「なに、更識さん」

 

「私の事は簪で良いよ。この部屋に更識は二人居るから」

 

「そう? じゃあ簪」

 

 

 確かにこの部屋には更識という苗字の人が二人居る。でも私は更識先輩と呼んでるから、簪の事を苗字で呼んでても大してややこしくはならないと思うんだけど……まあ名前の方が呼びやすいし、何時までも苗字で呼んでると距離が縮まらないものね……

 簪から名前呼びを許可され、心の中でも名前で呼ぶことにした。やっぱりまだしっくりこないわね……

 

「とりあえず勉強しようか。遊んでても仕方ないし」

 

「そうだね……でも簪は独自の勉強法とかあるんじゃないの?」

 

 

 一夏君の勉強法も気になるけど、簪の勉強法もかなり気になる……いったいどんな勉強をしてるんだろう……

 

「そんなのは無いよ。普通に勉強してるだけだもん」

 

「そうなの? それでよく二位を取れるわね……」

 

「そんな事言ったら、一夏なんて人に教えてるだけで殆ど自分の勉強をしてないよ」

 

「そうなの!? ちょっと意外かもしれない……でも少し考えると妙に納得出来る」

 

 

 一夏君は何て言うか、授業中で理解しちゃって、その後で誰かに教えて自分の知識にしてるイメージがあるし……

 

「でもまあ、一夏も私たちが知らないところで努力してるのかもしれないけどね」

 

「一緒の部屋なんでしょ? 何で知らないって事がありえるのよ」

 

「だって一夏は私たちの誰よりも遅くまで起きてて、私たちの誰よりも早くに起きてるんだもん」

 

「あ~」

 

 

 一夏君の生活スタイルはもの凄いんだって事を忘れてた……二日この部屋に泊まって分かった事は、一夏君は何時死んでもおかしく無い生活をしてるって事だったのだから……

 

「かんちゃ~ん……ここ教えて~」

 

「お姉ちゃんか虚さんに聞いてよ」

 

「だって二人共別の人に教えてるんだも~ん!」

 

 

 よく見れば二人はマドカさんと香澄に質問されているではないか。やっぱりこの問題は六人には難しいのね……

 

「何処?」

 

「これ~」

 

 

 本音が指差した問題を、簪は簡潔に説明し始める。一夏君も凄いって思ったけど、やっぱり簪も学年二位だけあって教えるのが上手だ。

 

「分かった?」

 

「う~ん……何となく分かったような気もするけど~……でも微妙かも」

 

「それじゃあねぇ……」

 

 

 さっきの説明では本音を完全に理解させる事が出来なかったようで、簪はもっと分かりやすく説明を始める。私的にはさっきので十分、分かりやすかったと思ったのだが、本音には少し難しかったようなので、更に細かい部分まで説明に加えていた。

 

「これで分かった?」

 

「うん! モヤモヤも晴れたのだ~!」

 

 

 如何やら本音の中にあった微妙に分からなかった部分も解消されたようで、本音は満足そうに自分の位置に戻って行った。

 

「やっぱ簪は凄いね」

 

「何、急に」

 

「だって私はあそこまで噛み砕いた説明が出来るか如何か……むしろ出来ないよりかもしれないし」

 

「そんな事無いでしょ。静寂だって十分分かりやすく説明出来てる」

 

 

 何時の間に私の説明を聞いたのかとか色々と聞きたい事はあるけど、妙に自信を持って言ってくれてるので、此処で謙遜するのは簪に失礼だと思い、私は素直にお礼を言った。

 

「ありがとう。簪にそう言われると何だか自信になるよ」

 

「私なんかが褒めて自信がつくならいくらでも褒めるよ」

 

「あまり褒められすぎると、今度は恥ずかしくなるから……ほどほどで良いよ」

 

「そうだね……私も褒められるの慣れてないから、同じ状況になったらきっと恥ずかしいと思うかも」

 

 

 互いに顔を赤らめながら問題を解いていく。一夏君らしく所々に引っ掛け問題が設置されているが、私も簪もそれをしっかりと回避して答えを埋めていく。

 

「静寂、これを教えて」

 

「香澄? 他の二人は……なるほど」

 

 

 更識先輩と布仏先輩は今度、エイミィと美紀に捉まってるようで、香澄は私に聞きに来たのだ。

 

「えっとこれはね……」

 

 

 さっきの簪の説明を聞いたからと言う訳では無いが、私は出来るだけ細部まで説明した。

 

「今ので分かった?」

 

「大丈夫、ありがとう」

 

 

 如何やら理解してくれたようで、香澄は笑顔で自分の位置に戻る。それにしても、香澄のあんな笑顔を間近で見たのは初めてね……同性だけどドキドキしたわね……よく一夏君にあの笑顔を向けてるけど、一夏君は良く平気ね。

 

「やっぱり静寂も説明上手だね」

 

「やめてよ、さっきのは簪を意識してたからだよ」

 

 

 本当はそこまで意識してた訳では無いんだけど、何となく気恥ずかしかったので簪の所為にしておいた。

 

「そんな事無いでしょ。あれは普段の静寂の説明だったよ」

 

「普段って、簪は私に教わってないよね?」

 

「うん。でも隣で聞いてる事が多かったから。ほら、静寂はよく香澄に質問されてて、私は本音に質問されるでしょ? あの二人は隣同士だから」

 

 

 なるほど。確かに言われれば私も簪の説明を受けたことが無いのにも関わらず、やっぱり説明が上手いとか思ってたわね……

 

「聞きやすいってのもあるんだろうけど、何でかあの二人は決まって私たちに質問してくるんだよね……」

 

「一夏君が居れば別なんだけどね」

 

「そうそう。本音も香澄も、一夏が居ればそっちに聞くし、居なければ私たちに聞いてくるんだよね」

 

 

 まあ本音は一夏君の彼女だし、香澄は一夏君のおかげでクラスに馴染めたと言ってたしね。だけど香澄が一夏君と仲良くなったのって、確か二学期からよね……つまり一学期は馴染めたなかったと言う事?

 そう思って記憶を探ると、確かに私も一学期中は香澄と話した記憶が無い……一夏君経由で仲良くなったんだから当たり前か……

 

「一夏君は何時帰ってくるんだろうね」

 

「如何だろう。作業が終わったら帰ってくるとは言ってたけど、テスト範囲全てを考慮したうえ、更にどんな先生が教えてるのかも分からない以上、一夏でも時間かかると思うよ」

 

 

 別の高校に通ってる友達の為に勉強を教えてあげるなんて、やっぱり一夏君は優しい人なんだろうな……でも、本人はその友達の為では無くその彼女の為とか言ってたけど……

 

「簪様、この場所を教えてください!」

 

「静寂~これ教えて~」

 

 

 自分たちの勉強もしながらおしゃべりしてるとは言え、こうやってちょくちょく質問されるのは結構辛い。簪は須佐乃男に、私はエイミィに質問され再度自分たちの勉強の手を止めて説明を始める。一夏君、早く戻ってきて~!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 弾と数馬にファックスをしてきた俺は、何処かで時間でも潰思っていたのだが、なにやら部屋の方からヘルプが聞こえてきたので真っ直ぐ帰る事にした。

 

「ただいま……なんじゃこの状況は……」

 

 

 質問待ちなのだろうか……刀奈と虚が説明してる後ろで他の人が待っている……よく見ると簪と静寂も説明中のようで、全員の勉強の手が止まっているのだ。

 

「マドカ、美紀、こっちで説明するから」

 

 

 説明待ちをしている二人に声をかけて、俺が説明する事にした。如何やら二人共似たような場所で詰まってたらしく、纏めて説明する事が出来そうだったのでそうしたのだ。

 

「分かったか?」

 

「うん! さすがはお兄ちゃんだね」

 

「ありがとうございます、一夏様。おかげでもう少し頑張れそうです」

 

 

 別にそこまで感謝される覚えは無いのだが……どうもこの二人は俺に対しての感情がおかしいような気がするんだよな……

 

「(マドカの方はあの駄姉と血が繋がってるだけあって多少ブラコンの傾向が強いのはしかたないにしても、何で美紀は此処まで俺に懐いてるんだ?)」

 

 

 よほど四月一日家での生活が嫌だったのかも知れないし、入学の際の推薦状の事で感謝してるのかもしれないが、それだからと言って此処まで懐かれるとは思えないんだよな……懐かれるというか忠誠を誓われてるような感じも無くはないんだが……

 

「(よく分かんねぇな……考えてもしょうがないか)」

 

 

 美紀が俺を裏切る事はありえないと言う事だけ分かってれば今はそれで十分だ。俺を裏切らないと言う事はイコールで更識を裏切らないんだから。

 

「一夏君、ゴメン……此処私じゃ上手く説明出来ない」

 

「静寂が? しょうがねぇな……」

 

 

 香澄に質問されていた静寂が、俺にヘルプを出してきた。そう言えば俺が感じたヘルプと同じような感じがするんだが……静寂は念を飛ばせるのだろうか?

 

「と言う訳だが香澄、理解出来たか?」

 

「うん、ありがとう一夏君……」

 

「? 何かついてるか?」

 

 

 香澄がジッと俺の顔を見てきたので、俺はそんな事を聞いた。

 

「違くて……一夏君が居てくれなかったらきっとこんな楽しい学園生活は送れなかっただろうなと思って……」

 

「楽しい? 今は勉強中なんだが」

 

「そうじゃないよ。一夏君が居てくれたから、こんなにお友達が出来たんだよ」

 

「香澄の実力じゃねぇの?」

 

 

 そもそも俺は特に何かをしてやった訳でも無いのだから。

 

「違うよ。だからありがとう」

 

「あ、あぁ……」

 

 

 何か変な感じになったが、とりあえず説明は分かってもらえたようだから良いか。

 

「あと十分したらテストをするから、各自見直しと分からない箇所の質問を済ませとけよ」

 

 

 六人にその事を伝えた後、ついでに二人にも視線を向けた。

 

「お前らもテスト受けるか?」

 

「そうだね……一夏君のテストは本番に役立つって噂だからね」

 

「的中率が凄いもん」

 

 

 そんな噂を誰が流してるのかは知らんが、何故だかそんな事になってるのだ。赤点ギリギリの顔も知らない同級生に泣き付かれる事もあったほどだ……どっから聞きつけたんだろうな、あの子……

 

「これを転売すればかなりの儲けが……」

 

「やったら特別指導室行きだからな」

 

 

 刀奈がおかしな事をつぶやいたので、とりあえず脅しておく。

 

「特別指導室って、織斑先生が恐れるあの?」

 

「他に無いだろ」

 

「一夏君、冗談だからやめてよね!?」

 

「もちろん分かってたが、念のためにな」

 

 

 刀奈の反応から察するに、如何やら結構本気だったようだ。コイツも油断なら無いからな。

 

「一夏様、此処を教えてください」

 

「構わないが、珍しいな須佐乃男が俺に聞くのは」

 

「そうですか? 何時も一夏様は別の方に説明してるので、私は遠慮してた訳じゃ無いのですがね」

 

 

 とりあえず須佐乃男への説明を終え、時間も丁度になったのでテストを配る事にした。

 

「今回の制限時間一時間、その代わり合格点は七十点以上だ」

 

 

 そろそろゆるいのでは意味が無くなってくるので、俺は時間を少しのばして合格点を十点上げた。これで厳しいようだとこの次からはついて来れなくなる可能性が高いからな……なるべくなら全員合格してほしいが。

 

「始め!」

 

 

 合図をして、俺は別の作業に取り掛かる。監視は刀奈と虚、あとは碧に任せる事が出来るが、晩飯の支度は三人に任せると時間がかかるからな……刀奈は普通に料理上手なんだが、何故だか脱線が多いのだ。虚と碧もそれなりにこなせるようだが、それでも一時間では終わらせるのは厳しい、勉強して腹を空かせてるであろう相手を待たせるのは可哀想だから俺が支度するのだ。

 もちろん、合格出来なかったヤツには食わせるつもりは今のところ無いのだが……英語のテストは六人とも苦手らしいのだが、中でも本音と美紀が微妙なラインだと俺は思っている。

 

「(さっきの問題プリントでも、説明書きが多かったのはその二人だしな……)」

 

 

 此処に来て勉強嫌いの本音と、苦手の美紀が遅れ始めているのだ。もちろんそこまで大げさに遅れてる訳では無いので、こっちの対応次第で何とかなるのだが、それでも気になるのはあの二人なのだ。

 意外なことと言ったら失礼なんだろうが、この勉強会で一番優秀なのは香澄だ。彼女も勉強が苦手だと言っているが、如何やら理解力は高いようで、教えればしっかりと理解してくれるのだ。

 

「(こうなってくると、やっぱり山田先生にも問題があるように思えるんだよな……だってちゃんと理解してくれるんだから……)」

 

 

 授業に妨害が入るのもあるのだが、山田先生の教え方は教科書通りと言うか、何か工夫が無いのだ。教えて満足なのか、理解してるか如何かは度外視してるようにも思えてくる……

 駄姉の相手で忙しいのは知ってるが、もう少し工夫を凝らしたら如何なのだろうか……駄姉だけでは無く、今日は榊原先生に連れ出されてるようだがな……

 

「(考える時間くらいは、あの人でも確保出来るとは思うんだが……)」

 

 

 人に仕事を任せっきりなのだから、それくらいの時間は確保出来て当然だと思っている。駄姉や榊原先生に連れまわされるとは言っても、それだって一日中って訳では無いはずなのだから。

 

「(部屋も汚かったし、何してるんだ、あの人は……)」

 

 

 それほど興味がある訳でも無いが、あの部屋の汚さはろくに掃除をしてない事を物語っている。掃除する暇が無いほど忙しい風には見えないし、ナターシャ曰くしょっちゅう何処かに飲みに行ってるらしのだ。

 

「(それも駄姉絡みなのだろうか? それとも彼氏が出来ない事からの現実逃避の為なのだろうか?)」

 

 

 どっちにしても同情の余地はあるんだよな、あの人は……男運に恵まれないのは、IS世界で生活してきたからであり、その原因を作ったのはあの駄ウサギだ。そしてIS世界に居たからこそあの駄姉に絡まれるようになったので、身内として申し訳無い気持ちがあるのだ……

 

「(だけど、あの人にはそれ以外にも問題があるんだよな……酒癖の悪さとか)」

 

 

 酒を飲むと人格が変わるのか、妙に明るくなるのだ。そして人に絡みまくるとかで、前に織斑家で酒盛りをした時はつまみを食いまくって結局リバースしたんだっけか……ホントあの時は勘弁してほしかったな。

 

「(俺の周りにはまともな大人と言える人が居ないんだな……)」

 

 

 碧はまともと言えなくはないが、あのドジっ子っぷりは目を瞑れないし、ナターシャも人格には問題無いが、アメリカ軍との事がまだ正式に解決してないので世間的にはまともとは言えないのだ……

 

「(更識の人間も何か企んでる人が多そうだし、周りに恵まれてないのは俺なのかも知れないと思えてきたぞ……)」

 

 

 元々周りなど気にせずに生活してきた代償なのか、俺の周りの大人で「まとも」と言い切れる人は存在しなかった……

 

「一夏君、そろそろ時間だよ」

 

「分かってる。こっちももう終わる」

 

 

 考え事をしながらもしっかりと調理は進めていたので、後は洗い物をすれば終わりなのだ。俺はさっさと洗い物を済ませて部屋に戻る。

 

「六十九点以下は晩飯抜きだ」

 

 

 残り十分でそんな事を言われても焦るだけだが、言っておかないとラストスパートをかけないと思ったので一応言っておいた。

 それが功を奏したのかは知らないが、全員が諦めずに最後まで手を動かしていた。

 

「そこまで! 全員手を止めろ」

 

 

 解答用紙を回収して、俺は採点を始める。今回は簪と静寂の分もあるから少し時間がかかりそうだな。

 

「(全員何とか埋めたって感じだな……)」

 

 

 採点をしていくと、解答から自信の無さがもの凄く伝わってきた……何で字まで細くなるんだよ……

 

「テストを返すぞ。順番に取りにこい」

 

 

 一人一人に間違った箇所の説明を添えた答案を返す。それを受け取るまで全員が妙にビクビクしているのには少し笑えた。

 

「本音と美紀は残念ながら飯抜きだな」

 

「そんなぁ~……」

 

「残念です……」

 

 

 美紀が六十八点で本音が六十二点、これじゃあ次からはかなり厳しいと思うんだよな……

 

「一夏君、何とかならないの?」

 

「そうだな……それじゃあ三十分後に違うテストをやるから、それで合格出来れば食べても良いぞ。その代わり合格点は八十点だ」

 

 

 三十分の見直し時間と、テストのレベルを若干下げたからか、二人は意地で合格点をたたき出してきた。最初からその力を発揮してほしいんだがな……これじゃあ駄姉と同じくらい理不尽かもしれんが……




間に誰かを挟むと友人関係は上手くいくのでしょうか……
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