もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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如何やらお気に入り登録者数が1,500人を突破した模様……


実の両親の手がかり

 弾と数馬に勉強を教えるにあたって、何処で教えるかが問題だった。弾の家じゃ下のお店に迷惑をかける可能性があったし、数馬の家には言った事すら無い。何でも人を呼べる家じゃ無いらしいんだが、そんな家は存在するのだろうか?

 と言う事で、俺はかなり久しぶりに織斑家を訪れている。ちなみにライフライン全般は前もって連絡しておいたので使う事が出来るのだ。

 

「一夏の家も久しぶりじゃねぇか?」

 

「そうだな。前来た時は千冬さんの部屋のクローゼットを漁って半殺しにされた時じゃね?」

 

 

 そう言えばそんな事もあったな……俺がまだISを使えると言う事が判明する前、弾と数馬は織斑家に遊びに来た事がある。その時はまだ俺もあの人と普通の姉弟だと思っていたので、部屋に忍び込むと聞いた時には止めた覚えがある。もちろん、止めたくらいで諦めるなら最初から忍び込もうとは思わないんだろうが……

 結局タイミング良く帰ってきた駄姉に二人は粛清と言う名の暴力に晒され、二度と織斑家を訪れる事は無かったのだ。

 

「今日はあの人は居ないし、勉強メインだからな。ふざけるのなら俺が粛清してやる」

 

「一夏の方が、千冬さんよりも怖いじゃねぇかよ……」

 

「もちろんふざけたりはしないつもりだが……あまり厳しすぎると俺たち死ぬぞ」

 

 

 別に死ぬほど厳しくするつもりはこっちにも無いのだが、場合によってはそれも辞さないつもりなのだ。

 

「とりあえずは俺が渡した問題集をやってろ。俺は各部屋の掃除と食材の買出しで忙しいから、質問はそれらが終わってからにしろ」

 

「……何と言うオカン発言」

 

「さすがは小学生から主夫やってるだけはあるな」

 

「五月蝿い! 俺だって好き好んでやってた訳じゃねぇや!」

 

 

 この二人は、あの駄姉が家事無能者だと言う事を知っている。だから俺が家事が得意な理由も知っているので、こうやってからかってくる時があるのだ。

 

「大体俺だって休み明けからテストなんだが? 何で落ちこぼれの世話なんぞせにゃあかんのだ」

 

「そう言うなって」

 

「一夏なら勉強しなくても赤点の恐怖に晒される事は無いだろ?」

 

「赤点取らなきゃ良いって考えはねぇよ」

 

 

 簪に負けるかもしれないと言う考えならあるが……別にトップである事に何の意味も無いんだから気にはしてないがな。

 

「それで? お前らは今のままで赤点回避出来ると思ってるのか?」

 

 

 コイツらの危機感がどれくらいのものかを確認するために、俺はあえて聞いてみた。

 

「ん~……出来るんじゃね?」

 

「そうだな。これだけ勉強してるし、赤点回避なんて余裕だろ」

 

「……もう少し現実を直視したら如何だ? 今の状態で赤点回避が楽勝な訳ねぇだろ」

 

「「えっ!? 嘘だろ!?」」

 

 

 如何やら冗談だと思われたらしい……俺は馬鹿二人に自分たちの成績がいかに酷いかを分からせる為に例のグラフを二人に見せた。初めから昨日までの成績は横一線……それだけ聞けば良い様にも聞こえるが、低いところでの横一線なので全く良く無いのだ。

 

「うわ、弾ヒデェ」

 

「数馬だって似たようじゃねぇかよ!」

 

「どっちもどっちだ! 分かったらさっさと勉強道具だして勉強する!」

 

「「はっ、はい!」」

 

 

 俺に怒鳴られて、二人は弾かれたようにリビングで勉強を始めた。

 

「さてと、その間に掃除掃除と」

 

 

 まずはプラグ周りの埃を取って、それから掃除機で床の埃を片付けるか。いきなり掃除機を使って静電気で引火なんて事態は御免だからな。えっと……雑巾は何処だ?

 久しぶりの織斑家と言う事で、何処に何があるかが正確に把握出来てないので、俺はとりあえず雑巾のありそうな場所を探す。

 

「おっ、あったあった」

 

 

 最後に何時使われたのか分からない布が、掃除用具置きにポツンと置かれていた。多分あの人が使う事は無いだろうから、俺が夏休み中に使ってから使われて無かったんだろうな……

 

「とりあえず使えるからこれを使うか……」

 

 

 何とも哀愁漂う雑巾を手に取り、俺はプラグ周りを掃除していく。もちろんその間に弾や数馬がサボって無いかを見張っていくので、掃除の手は普段より進みが遅い。

 

「なぁ一夏……そこまで気にしなくてもサボらないっての」

 

「そうそう。さすがにさっきの成績を見せられたらな……サボりたくともサボれないっての」

 

「それはそうなんだが……イマイチお前らを信用出来ない」

 

 

 とりあえずプラグ周りは掃除し終わったが、これから掃除機で各部屋を掃除していくので、その間にこの二人がサボるんじゃないかと心配なのだ。だがこの家には俺たち以外人が居ないので見張りを頼む相手も居ないのだが……

 

「邪魔するぞ」

 

「お邪魔します」

 

「は?」

 

 

 玄関から何か幻聴が……

 

「誰か来たぜ?」

 

「この声、千冬さんか?」

 

 

 如何やら幻聴では無かったらしく、弾や数馬にもその声は聞こえていたようだった。だが何故このタイミングで……

 

「一夏、手伝いに来てやったぞ」

 

「私は止めたんですよ……」

 

「別に来てくれなど頼んで無いが、丁度良いからコイツらがサボらないか見張ってろ。その間に俺は掃除と買出しを終わらせるから」

 

 

 『立ってるものは親でも使え』と言う言葉があるように、俺は使えるものは何でも使う。家事無能者の駄姉と、それに準じる山田先生に家事を手伝ってもらう愚策など打つはずも無く、俺がこの二人に命じたのは馬鹿二人の監視だった。

 もちろん教師二人は最初嫌そうな顔をしたが、だったら代わりに掃除するかと脅したら面白いほどあっさり態度を変えたのだった。

 

「これで掃除に集中出来るな」

 

「代わりに俺たちが集中出来ねぇよ!」

 

「そうだぞ一夏! あんなエロい胸した女性に見られてると思うと興奮するじゃねぇかよ!」

 

「……榊原先生とクラリッサさんに報告するぞ。ついでにラウラにも」

 

 

 馬鹿二人の視線が山田先生の胸に行ってるのを見て、俺は懐から携帯を取り出した。馬鹿二人の彼女の番号は、何故だか知ってるのだ。

 

「おい馬鹿!」

 

「そんな事されたら命が!」

 

「だったら大人しく勉強するんだな。別にお前らが振られようがなんだろうが俺には関係無い話だ」

 

 

 この脅しはよほど効果があったのか、二人は大人しく勉強する事になった。もちろん分からない箇所は沢山あったので、その説明は駄姉と山田先生に任せた。一応高校教師である二人だから、あれくらいなら説明出来るだろうしな。

 部屋の掃除、布団干し、風呂の掃除と一気に終わらせた俺は、残るキッチンの掃除に取り掛かる事にした。ここも当然使われて無いので、埃だらけだ。それでも水垢やカビが生えてないのは、最後に俺が使った後に綺麗に掃除しておいたからだろう。てか、その後あの人が使ってない証拠でもあるんだが……

 

「一夏ー何か飲み物無いのかー?」

 

「ある訳ねぇだろ。まだ買出しも何もしてねぇんだから」

 

「喉が渇いたぞー」

 

「知らねぇよ。そこら辺の自販機でジュースでも買ってくれば良いだろ」

 

「え~! 面倒だぞ」

 

 

 この人はどれだけ人を扱き使えば気が済むんだ……俺は掃除の手を一旦止めて近所の自販機で人数分の飲み物を購入、各自一本ずつ手渡して掃除を再開する。もちろん支払いは俺の財布からだ……

 駄姉以外は恐縮してたが、結局は喉の乾きに逆らえずに口にしている。山田先生は兎も角、弾や数馬まで恐縮するとは思わなかったな……あいつらも遠慮と言う言葉を知っていたんだな。

 などと失礼な事を考えながら、キッチンの掃除を終わらせる。これで後は買出しだけだが、男三人なら兎も角、駄姉と山田先生まで食べてくとなると如何するかな……てか、本当に食べてくんだろうか?

 

「なぁ、飯は食うのか?」

 

「当たり前だろ。私たちは今日明日ここで生活するんだから」

 

「は? テスト作成は終わってるんだろうな?」

 

「それは大丈夫です。昨日のうちに終わらせましたから」

 

「なら良いですけど……」

 

 

 つまりタダ飯喰らいが二人増えたと言う事か……食費くらい請求してもバチは当たらないよな?

 くだらない事を考えて時間の消費するのも馬鹿らしかったので、俺は買出しに出かける事にした。もちろん見張りは引き続き頼んでおいた……これなら学園で本音たちの相手をしてた方が何十倍も楽出来たかも知れないな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一夏君不在の為、私たちのお昼ご飯は簪ちゃんとナターシャ先生が作る事になった。さっき一夏君の電話して部屋にある食材は使って良いとの事だったので、二人で何を作るか話し合ってるのをさっきチラリと見た。

 

「あの二人なら、変なものは出てこないわよね?」

 

「……何故私に視線を向けるのですか?」

 

「ううん、特に深い意味は無いわよ?」

 

 

 自分でも無意識に虚ちゃんに視線を向けてたので、私は慌てて視線を虚ちゃんから逸らした。虚ちゃんも一夏君に教わる機会が減ってるので、自分が担当するとは言い出さなかったのだ。

 

「それにしても、一夏君が居ないのって絶対安静の時以来だっけ?」

 

「そうですね。それからずっと一夏さんに頼ってたんですね、私たち……」

 

「しょうがないよ。だって一夏君が一番早く、そして一番美味しくご飯を作れるんだからさ」

 

 

 言ってて何だか情けなくなってくるけど、嘘偽り無く一夏君がこの部屋で最も調理が早く料理が美味しいのだ。

 

「先輩たちも勉強してたんじゃ無いんですか?」

 

「あら静寂ちゃん。息抜きよ息抜き。私たちは一夏君みたいに何時間も集中が続く訳じゃ無いのよ」

 

「それは同感ですね。一夏君の集中力は凄まじいものがありますからね」

 

「本人が居たら怒られますよ……」

 

 

 虚ちゃんのつぶやきに、私と静寂ちゃんは揃って肩を竦めた。本人が居る場所では怖くて言えない事だと自覚してるからこそ、居ない場所で言うのだ。

 

「ところで、六人の様子は如何? 一緒のテーブルで勉強してる静寂ちゃんなら、詳しい状況が分かるでしょ?」

 

「そうですね……さすがに一夏君が一週間鍛えただけあって、皆それなりに問題を解く事が出来てますね。でもやっぱり程度の差は出てます」

 

「本音と美紀ちゃん?」

 

「そうです。やはりその二人は他の四人と比べるとペースが遅いですね。でもちゃんと問題を解けてるので気にしすぎかもしれませんけど」

 

「そうですか。なら良いのですが」

 

 

 静寂ちゃんの説明を聞いて、虚ちゃんが安堵した……ように見えた。やっぱり妹の事が心配なのかな?

 

「ところで、先ほど織斑先生と山田先生が出かけられてましたが、何処に行かれたか分かりますか?」

 

「織斑先生と山田先生が? う~ん……何処に行くのか皆目見当もつかない二人ね……」

 

「いえ、今日と言う日なら見当がつくかと……」

 

「何処? ……あっ! もしかして」

 

「恐らくは」

 

「? 何処ですか?」

 

 

 静寂ちゃんには分からないようだけど、一夏君が例の場所に居ると言う事は、あの二人なら可能性がある。私は携帯を取り出して一夏君に電話を掛けた。

 

『何かあったのか?』

 

「ねぇ一夏君、そっちに織斑先生と山田先生が居るでしょ」

 

『ん? 居るが……何かあの二人に用か?』

 

「そうじゃないけど……やっぱり行ってたんだね?」

 

『やっぱり?』

 

 

 こっちの話が分からない一夏君は、電話越しでも分かるくらい不思議そうだった。

 

「いやほら、二人が出かけてくところを静寂ちゃんが見たようだからさ。今日ならそっちに行ったんじゃないかって虚ちゃんが」

 

『なるほど……面倒な事が増えて大変なんだが』

 

「一夏君なら大丈夫でしょ! でも、無茶はしないでね」

 

『どっちなんだか……最悪蹴り出すから問題無い』

 

「……一応織斑先生の家よね?」

 

 

 家主は織斑先生って事になってるし、実際生活する可能性があるのも織斑先生だけなのだ。その家主を蹴り出すとは……さすがは一夏君ね。

 

『用件がそれだけなら切るぞ。こっちもそれほど暇じゃねぇんだ』

 

「分かった。それじゃあね一夏君」

 

 

 電話を切って、私は虚ちゃんの推測が当たっていたと報告する。

 

「向こうに居るってさ」

 

「聞こえてましたよ」

 

「向こうって、一夏君の実家ですか?」

 

 

 静寂ちゃんの言葉に、私も虚ちゃんも如何反応していいものか悩む。一夏君が育った家としての『実家』なら確かにそうなのだが、正確な意味ではあの家は一夏君の『実家』では無いのだ。

 簪ちゃんは知らないし、本音は忘れてるからわざわざ思い出させる必要も無いと一夏君が言ってたから黙ってるけど、この気まずい雰囲気は如何すれば良いんだろう……

 

「私、何か変な事言いました?」

 

「ううん、ただ一夏君と出会ってからずっと私たちの屋敷で一緒に生活してたから、一夏君の実家って事を忘れてただけよ」

 

「そうですね。もう三年以上屋敷で生活してますから、一夏さんの実家と言われてもピンと来なかったんですよ」

 

「そうなんですか……」

 

 

 一夏君が何で私たちの屋敷で生活しなければいけなくなったのかが分かった静寂ちゃんは、それ以上追及してくる事は無かった。正直追求されると困っちゃったんだけどね……

 とりあえず不審に思われる事無く一夏君の実家問題を終わらせる事が出来た為、私は虚ちゃんとバレ無いようにハイタッチをしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最近利用してなかったから、近所のスーパーのおばちゃんたちに質問攻めにされ、俺はほとほと参っていた。俺がISを動かせる事を知ってるんだから、あの家に居ない事くらい分かりそうなものなんだがな……

 

「お疲れかしら?」

 

「……何故居る」

 

 

 よく見れば周りに人が居ない……いつの間にか人払いの結界の中に入っていたのか。

 

「貴方が結界に気付かないなんて、よっぽど疲れてるって事でしょ?」

 

「色々と心労があるんだよ。お前らの事もだが、身内のもな」

 

「テスト前ですものね」

 

「それが分かってて何の用だ」

 

 

 出来れば会いたく無い相手……てか頻繁に会うような相手では無いのだが、スコールは面白そうに笑っている。

 

「私が貴方に会いに来る理由なんて一つしか無いでしょ? 大人しく私のものにならない?」

 

「誰が。大体何でそんなに俺に拘るんだよ? 戦力なら篠ノ乃を攫おうとしたようにどっかから調達してくれば良いだろ」

 

「貴方は戦力としてももちろんだけど、個人的にほしいのよ」

 

 

 そう言えば、コイツは俺の出生を知ってるようだったな……恐らくは駄姉と駄ウサギも知ってるんだろうが、何故コイツまで……

 

「ねぇ一夏、本当の親の事知りたい?」

 

「別に今更聞かされてもな……生きてるか如何かも怪しい相手の事なんて知らなくても困らない」

 

「そう……確かに生きてないものね」

 

 

 如何やら実の両親は既に故人らしい。気にはならないが頭の片隅に置いておく事にしておこう。

 

「貴方を攫われてすぐに自殺しちゃったからあの子……」

 

「攫われた? 自殺? 随分と穏やかじゃねぇな」

 

 

 聞きたく無いと言ったのにスコールは勝手に実の両親の話を始める……てか、両親と言うよりかはどっちか片方な感じだが……

 

「前に言わなかった? 私と貴方の実の母親は知り合いなのよ」

 

「いや、初耳だと思うが……」

 

 

 それで俺の事を知ってたのか……だが何故そんな事を気にするんだ? 母親と知り合いだってのは分かったが、それとイコールで俺がほしいには繋がらないと思うんだが……

 

「あの男の所為であの子の人生は滅茶苦茶になったのよ!」

 

「あの男? 誰の事だ?」

 

「貴方の父親よ」

 

「ふ~ん……まぁ話の流れ的にはそうだと思ったが」

 

 

 会った事も無い人の話しなので、全く感情移入が出来ない。実の親の話らしいのに薄情な事だな……

 

「……まぁこの話は一夏が私の許に来てくれたら話すとして、貴方の母親は既に故人よ」

 

「母親は? つまり父親は生きてると?」

 

 

 スコールの言い方が気になり、つい聞き返した。別に興味がある訳では無いので答えてくれなくても良かったのだが。

 

「そうみたいね。少なくとも死んだと確認されてないから生きてるんじゃない?」

 

「随分とあやふやな情報をどうも」

 

 

 如何やらスコールも父親の事は知らないらしい……いや、知ってるようだが教える気が無いらしいと言った方が正しいか……

 

「攫われたとか言ってたが、誰にだ? 織斑の糞親って事はねぇだろ?」

 

「当たり前でしょ。あの屑がそんな事出来る訳無いじゃない。落ちこぼれ二人が」

 

「何だ、織斑の両親の事も知ってるのか」

 

 

 コイツは色々と俺の周りの事を知ってるようだな。

 

「M……マドカを私に押し付けてどっかに消えたのよ、あの屑共は」

 

「あ? マドカは拾われたと言ってたが?」

 

「おっと。これも一夏がこっちに来たら教えてあげるわ」

 

「……マドカにも事情がありそうだな」

 

 

 捨てられ、亡国企業に拾われたと言っていたが、如何やら真相は別にありそうだな。調べようも無いが、あの駄ウサギなら何か知ってるかもしれんし。

 

「悪いが今すぐにお前の許に行くつもりは無い。もちろん、時間が経てばあると言う訳でもねぇがな」

 

「うふ、それでこそ一夏。手に入れ甲斐があるってものね」

 

 

 そう言ってスコールは徐々に近付いてくる。

 

「ッ!?」

 

「動け無いでしょ? 安心して、無理矢理連れ去るつもりは無いから。でも、貴方が悪いんだからね」

 

 

 そう言って思いっきりキスされた……てか、如何やって身体の動きを……匂いか。今更ながらこの空間に充満してる匂いに気付いた。神経を麻痺させて動きを止められたのか……相手が本気じゃなくて良かった……などと現実逃避気味に考えながら、動けるようになるまでスコールにキスされ続けるのだった……さすがに舌を入れられたのは困ったがな……




いくら凄い人でも疲れを溜め込むといけないという話でした……
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