もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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二話続けて8,000字越え。
もう少し少なくしたかった・・・


一夏の疲れる一日

「さぁ!出かけるわよ!!」

 

 

部屋で本を読んでいたらいきなり刀奈さんがやってきてそう宣言した。

 

「何ですかいきなり?」

 

「いきなりじゃないよ!昨日言ったでしょ、買い物に付き合ってもらうって。」

 

「・・・言われましたけど、あれって今日なんですか?」

 

「言ったでしょ?」

 

「聞いてません。」

 

「あれ?おかしいな。」

 

 

それを言いたいのは俺なんですけど・・・

まあこの人が自分の中で決めて、それを言い忘れた事なんて今までもあったしな。

 

「それで、刀奈さんだけですか?」

 

「ん?もちろん他の三人も行くわよ!」

 

「三人?」

 

 

何時もなら四人のはずだが・・・

 

「誰か予定が入ってるんですか?」

 

「うん。簪ちゃんと本音は今日予定があるんだって。だから私と虚ちゃん、須佐乃男と碧さんの四人よ!」

 

「ああ、碧さんもですか。」

 

「言ったでしょ。新しい彼女も居るんだからって。」

 

「確かにそれは聞きました。でも昨日の今日で行くとは思ってなかったもので。」

 

「兎に角、出かける準備をしてね!」

 

「他の三人には言ってあるんですよね?」

 

「当然!言い忘れる訳無いじゃない!」

 

「・・・俺に言い忘れてましたよね?」

 

「それはそれよ!」

 

 

そうなのか・・・

納得は出来なかったが仕方ない。

 

「それじゃあ準備するので部屋から出てってください。」

 

「何で?」

 

「・・・刀奈さんは俺の着替えを見たいんですか?」

 

「見たい!」

 

「・・・はぁ。」

 

 

この人は・・・

 

「虚さんに怒られますよ、それでも良いんですか?」

 

「言わなきゃバレないもん!」

 

「・・・俺が言いますよ。」

 

「ええ!何で言っちゃうの!?」

 

「分かりませんか?」

 

「うん!分からない。」

 

 

マジか・・・これはマジで分かってないのか?

 

「例えばですけど、刀奈さんは俺の前で着替えられますか?」

 

「一夏君が見たいなら///」

 

「・・・・・・」

 

 

恥ずかしがるのは良いが、恥ずかしがるポイントはそこじゃない。

これは恥ずかしがってるのじゃなくて、照れてるのか?

兎も角俺がほしかった反応ではない。

 

「今更恥ずかしがる事ないでしょ?お互いに裸見た事あるんだから。」

 

「・・・下に水着着てたりタオル巻いてたでしょ。」

 

「それに比べたら生着替えなんて・・・」

 

「表現が卑猥ですよ。」

 

「ちょ!一夏君!!女の子に卑猥って!!!」

 

「言われたくなかったら出てってください!」

 

「ええ~!」

 

「ほら、早く出てってくださいよ。」

 

 

こっちとしたらいきなり出かけると言われただけで予定を組みなおさなければいけないのだ。

これ以上時間を無駄にしたくない。

 

「一夏君、冷たい・・・」

 

「何でそうなったのか知りたいですけど、今は着替えますので後で聞きます。」

 

「良いじゃない。男の子なんだから見られても。」

 

「何ですかその理屈・・・」

 

「だって男の子はそんなに恥ずかしくないでしょ?」

 

「さあ?少なくとも俺は恥ずかしくは無いですけど・・・」

 

「じゃあ良いよね!」

 

「何でそんなに見たいんですか・・・」

 

 

こうなった刀奈さんを止めるのは容易ではないのを、俺はここ数年で学習した。

時間の無駄を減らすためにも此方が折れた方が早いな。

 

「だって見た事ないからさ!」

 

「覗き魔みたいな理由ですね・・・」

 

「そんな変態と一緒にしないでよ!」

 

「堂々としてる分まだマシなような気もしますが・・・分かりましたよ!着替えれば良いんでしょ!?その代わり怒られても知りませんからね!!」

 

「は~い。」

 

 

・・・着替え一つで此処まで疲れるとは。

俺は刀奈さんの前で部屋着から着替えた。

 

「一夏君って鍛えてあるだけあって引き締まってるわね~。」

 

「まじまじと見ないでくださいよ!」

 

「だって目の前で着替えられたら見るでしょ?」

 

「知りません!」

 

 

普通は異性が目の前で着替え始めたら逃げると思うが・・・

 

「さあさあ一夏君、次は下ね!」

 

「もう嫌だ・・・」

 

 

何でこんな罰ゲームくさい事やらされてるんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで一夏さんの着替えをまじまじと見たと。」

 

「ゴメンなさい・・・」

 

 

他の三人と合流してすぐ、俺は虚さんに刀奈さんの変態行動を報告した。

それが原因で今、刀奈さんは床に正座して虚さんに謝っている。

・・・謝るのは虚さんにではなく俺にだと思うのだがな。

 

「それで、何処まで見たんですか?」

 

「え?」

 

 

虚さん、何でそんな事気にするんですか!

 

「パンツまで・・・」

 

「うらやま・・・いえ何で見たんですか!」

 

「虚さん、今羨ましいって言いましたよね!?」

 

「言ってません!」

 

「「羨ましい・・・」」

 

「碧さんと須佐乃男は言い訳出来ないレベルで言ったよ!?」

 

「羨ましい・・・」

 

「虚さんもはっきりと言いましたよね!?」

 

「「「だって羨ましいんだもん!」」」

 

「声を揃えて言わないでくださいよ!」

 

「ほらね。一夏君の着替えは見たいものなのよ。」

 

「開き直らないでくださいよ!」

 

 

この空間にまともな人間は居ないようだ・・・俺を含め。

 

「兎も角!お嬢様はズルイです!!一夏さん、今度は私たちの前で着替えてくださいね!」

 

「もちろん簪様や本音様も一緒ですよね!!」

 

「お礼に私たちも着替えますよ!!」

 

「何でこうなった・・・」

 

 

時間の無駄を減らすために刀奈さんの前で着替えたのに、余計に時間が掛かってる気がするのだが。

しかも俺が皆の前で着替えるの前提で話が進んでるんだけど。

 

「それじゃあ私も一夏君の前で着替えるよ~!!」

 

「一先ず刀奈さんは黙ってってください!余計話がややこしくなりますから!!」

 

「それとも、裸が良い?」

 

「そう言った発言が卑猥だって言ったんですよ!」

 

「別に一夏君になら///」

 

「ああ~もう!」

 

「一夏さんが見たいなら私も///」

 

「もちろん私も見せますよ///」

 

「一夏様、私もみせますよ!」

 

「何で須佐乃男は気合が入ってるんだよ!後、碧さん!もちろんって何ですか!!」

 

 

突っ込みきれない・・・

誰か来てくれないかな。

 

「それじゃあ今から一夏君に裸を・・・」

 

「出かけるんですよね!早く行きましょう!!」

 

 

刀奈さんが余計な事を言いそうだったので強引に話を変える。

これ以上は精神が持たない。

 

「一夏君がそこまで言うなら行こうか!」

 

「そうですね、一夏様がここまで言うのなら行きましょう!」

 

「・・・なんで俺が出かけたがってるんだ?」

 

 

嵌められたような気もするが、一先ず裸になられるのは止められたようだ。

 

「それじゃあ裸は今度ね♪」

 

「見ませんよ・・・」

 

「「「「ええ~!」」」」

 

「・・・見せたいんですか?」

 

「「「そ、それは///」」」

 

「一夏様になら!」

 

「照れるなら言わないでください!後、須佐乃男は少しは照れろ!!」

 

 

出かけるまでが長い・・・

既に疲れたんだが・・・精神的に。

簪~助けてくれよ~!

心の中で助けを呼ぶが、簪は今日屋敷に居ない。

俺は今日、予定を入れていなかった自分を恨んだ。

ちなみに・・・

 

「?今、一夏に呼ばれたような・・・」

 

「簪様、此方です。」

 

「ああ、はい!今行きます。」

 

 

一夏の心の叫びは簪に届いたのだが、当然助けには来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ出発~!」

 

「おお~!」

 

「・・・はぁ。」

 

「スミマセン一夏さん、悪乗りが過ぎました。」

 

「ゴメンね、一夏さん。」

 

「謝るくらいならしないでくださいよ・・・」

 

 

ようやく屋敷から出た俺たちは、何時ものショッピングモールを目指して駅に向かう。

既に俺は疲れていてヘロヘロだ。

 

「一夏君、元気ないけど大丈夫?」

 

「誰のせいですか誰の・・・」

 

「誰だろうね~?」

 

「誰でしょ~ね?」

 

「私たちですね。」

 

「そうだね。」

 

「ええ~!私たち何もしてないよ~!!」

 

「してませんよ!」

 

「したでしょ!十分に貴女たちはしたんですよ!!」

 

 

あくまで白を切る刀奈さんと須佐乃男にツッコミを入れ、ため息を吐く。

最近の俺はため息が多い気がする。

ため息を吐くと幸せが一つ逃げてくんだよな?

いったい幾つの幸せが逃げていったんだ・・・

 

「一夏さん、疲れてるならほら。」

 

 

そう言って碧さんが手を引いてくれる。

ここら辺は年上の余裕なのだろうか?

 

「ズルイですよ!一夏さん、私も。」

 

 

反対の手を虚さんが引く。

 

「ありがとうございます。これで少しは楽になりましたよ。」

 

 

実際に歩くのも億劫だったので、これはありがたい。

 

「「ああ~!!」」

 

「何です?いきなり大声だして。」

 

「だって虚ちゃんと碧さんが一夏君と手繋いでるんだもん!」

 

「ズルイですよ!」

 

「誰のせいで疲れたと思ってるんですか・・・」

 

 

再びため息が出そうになったが、何かに口を塞がれた。

 

「駄目だよ、一夏さん。ため息ばっかりじゃ。」

 

「スミマセン・・・ところでそろそろこの手を退けてほしいんですが。」

 

 

こう言ったのだが、声が篭って分からなかったようだ。

 

「何?何て言ったの?」

 

「碧さん・・・一夏さんの口を塞いでる手を退けてあげてください。」

 

「だって退けたらまたため息を・・・」

 

「その前にまともにしゃべれませんよ!」

 

「あっ!」

 

 

その事を考えてなかったのか、碧さんは慌てて俺の口元から手を退けた。

 

「ありがとうございます虚さん。碧さんも、ため息を抑えてくれてありがとうございます。」

 

「いえ、私は何も・・・」

 

「私だって、これ以上一夏さんの幸せが逃げないようにって・・・」

 

「それでもです。ありがとうございます。」

 

「「///」」

 

「ん?何で赤くなってるんですか?」

 

「一夏君が素直にお礼を言うからよ!」

 

「そして何で刀奈さんは怒ってるんですか?」

 

「怒ってないもん!」

 

「・・・拗ねてるのか。」

 

 

二人の相手ばかりしていたので、刀奈さんは拗ねているようだ。

・・・あれ?須佐乃男は?

 

「(私は平気ですよ。)」

 

 

こう言った会話は久しぶりだな。

最近は普通に話してたから。

 

「(そうですね~。ですが、本当に思考をよめるのは私たちだけですからね。)」

 

 

まあ完全ではないがな。

お互いに相手の思考がある程度分かるのは事実だしな。

 

「(ですので私は平気ですよ~。一夏様が少し呆れてるのも分かってますんで。)」

 

 

そこまで呆れてはいないんだがな。

俺は内心ため息を吐きながら須佐乃男と話していた。

当然その会話は他の人には聞こえないので、

 

「一夏さん?」

 

「如何したの、急に黙り込んで。」

 

「一夏君?怒ったの?」

 

 

このように心配されるのだ。

 

「いえ、何でもないですよ。」

 

「そうですよ~。一夏様が急に黙るのは今に始まった事じゃないですしね~。」

 

「お前が言うなよ・・・」

 

「「「?」」」

 

 

いまだに脳内会話が可能だとは分からないのだろう。

須佐乃男と普通に会話出来る前の事を知っている刀奈さんと虚さんも首を傾げている。

 

「変な一夏君。」

 

「刀奈さんと比べたらマシだと思いますよ。」

 

「何それひっど~い!」

 

「笑いながら言わないでくださいよ。」

 

「ゴメ~ン。」

 

「あっ!」

 

「碧さん?どうかしましたか?」

 

「財布忘れた・・・」

 

「またですか・・・」

 

 

昨日も忘れたばかりなのに、連日忘れるとは・・・

 

「分かりましたよ。電車代は奢ります。」

 

「一夏君、私たちは?」

 

「財布持ってるでしょ!」

 

「ゴメンね、一夏さん。二日続けて・・・」

 

「仕方ないですよ。買い物代は貸しますので、屋敷に戻ったら返してください。」

 

「ありがとう、ゴメン・・・」

 

「そこは一夏様が払う場面ですよ?」

 

 

須佐乃男が少し顔を顰めて言ってくる。

 

「だって碧さん一人俺が払ったら他の人が嫉妬するだろ?唯でさえ今月は赤字なんだから。」

 

「赤字?そんなに使ったの?」

 

「ええまあ・・・飲み会、ボーナスの無駄使い、千冬姉の小遣い前借、祭りでの五人への奢り、虚さんへの弁当の食材、昨日のデート、後本買ったんで既に今月の織斑家は普段以上の出費です。まあ蓄えはありますけど、それは今使う訳にはいきませんし・・・」

 

「一夏君も大変ね・・・」

 

「慣れてますよ、もう。」

 

指を折りながら数える俺を見て刀奈さんがしみじみ言う。

 

「ああ、それと須佐乃男が買ったものの代金も俺が払ったんだっけ?」

 

「ギク!」

 

「あれ何だったんだ?中身を見てないから知らないんだが・・・」

 

「女性のプライベートを知りたがるなんて、一夏様不潔です!」

 

「じゃあ今すぐ金払え!」

 

「それは・・・」

 

 

既に今月分の小遣いをほぼ使い切ってる須佐乃男は俺の仕事を手伝って金を稼いでいる状況なのだ。

したがって何を買ったか分からないが、その分の代金を払うだけの余裕は無いのだ。

 

「まあ良いや。ちゃんと来月には払えよ。」

 

「はい、それはもう!」

 

「一夏君も更識の仕事を手伝ってるもんね。お小遣いいる?」

 

「俺に払うなら、自分の仕事は自分でしてくださいよ。」

 

「しまった!やぶへびだった。」

 

「まあくれるなら貰いますけど・・・」

 

「それじゃあこれからもお願いね!」

 

「お嬢様?」

 

「な、何虚ちゃん・・・」

 

「少しは自分でもしてくださいね?」

 

「は、はい!」

 

 

ニッコリと笑顔で刀奈さんに迫る虚さん。

最近虚さんがおかしいのも、刀奈さんが仕事をしないから疲れているのだろう。

俺と出かけたくらいじゃその疲れは取れなかったのだろう。

そう思う事にして、電車に乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、何を買うんですか?」

 

「決まってるじゃない、水着よ!」

 

「決まってるんですか?」

 

「当然!去年の水着じゃもう入らないからね~。」

 

「・・・・・・」

 

「虚さん?どうかしましたか?」

 

「何でもないです・・・」

 

「?」

 

 

何が入らないのか知らないが、それを刀奈さんが言ったら虚さんがへこんだ。

何に対してへこんでるんだ?

 

「そう言えば私も最近また大きく・・・」

 

「!?」

 

「へぇ~、碧さんもまだ成長してるんだ~。」

 

「??」

 

 

いったい何の話だ?

 

「(一夏様、これはおっぱいの話ですよ!)」

 

 

何で教えた・・・

別に知りたくなかったぞ。

 

「(一夏様は変な所で鈍いので、教えて差し上げたのです!)」

 

 

余計なお世話だ!

それに変な所で鈍いって言うな!・・・自覚はしてるが。

 

「(私も最近大きくなってきてるんですよ?)」

 

 

ISも成長するのか?

 

「(しっかり食べて、適度な運動すれば身体は成長しますよ。)」

 

 

ふ~ん・・・そうなのか。

 

「(あまり興味を持ってない!?)」

 

「一夏君?また黙って・・・大丈夫?」

 

「ん?ああ、平気です。スミマセンね、心配掛けて・・・」

 

「別に良いけどね~。何時もは私たちが一夏君に心配掛けてるし。」

 

「自覚あるなら止めてくださいよ。」

 

「さあ、水着売り場に行くわよ~!」

 

「・・・露骨過ぎませんか?」

 

 

無理矢理話題を変えて逃げていく刀奈さんを見て、苦笑いをしながらつぶやいた。

 

「ほら、一夏さんも行こう?」

 

「ええ、行きましょうか。」

 

「ズルイです!私も。」

 

「はい、どうぞ。」

 

 

再び碧さんと虚さんと手を繋ぎ、移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、今から水着披露をしたいと思いま~す!」

 

「・・・毎回するんですか?」

 

「「当然!」」

 

「?」

 

「今回は私も拾披露しますよ~。」

 

 

何時もしている刀奈さんと虚さんは断言し、見てるだけだった須佐乃男は嬉しそうにしているが、初めての碧さんは首を傾げている。

 

「それじゃあトップバッターは碧さんね!」

 

「へ?私ですか!?」

 

「初めてなんだから、ほらほら~!」

 

「楯無様!?押さないでくださいよ~。」

 

 

そんなやり取りをしながら試着室に入っていった碧さん。

 

「楽しみね~、一夏君?」

 

「オヤジみたいですよ、刀奈さん?」

 

「ヒドイ!」

 

 

からかおうとしている刀奈さんを撃退し、俺は碧さんが出てくるのを待つ。

 

「お、お待たせ・・・」

 

「良く似合ってますよ碧さん。」

 

「そ、そう///」

 

 

碧さんが選んだ水着はオレンジ色のビキニタイプの水着だ。

少し目のやり場に困るのだが・・・

 

「わ~お!碧さんセクシー!!」

 

「だからそれがオヤジくさいんですよ。」

 

「でも、一夏君だっけそう思うでしょ?」

 

「それは・・・まあ。」

 

「///」

 

 

顔を真っ赤にして試着室に戻る碧さん。

・・・悪い事したな。

 

「それじゃあ次は須佐乃男ね!」

 

「はい!一夏様、行ってきます!!」

 

「はいはい、行ってらっしゃい。」

 

 

おざなりに返事をして須佐乃男を行かせる。

そのやり取りの最中に碧さんが戻ってきた。

 

「平気ですか?」

 

「う、うん。もう平気だよ?」

 

「何故疑問系・・・」

 

「一夏様!準備出来ました!!」

 

 

碧さんと話していたら須佐乃男が出てきた。

 

「へぇ~須佐乃男は紺か。」

 

 

紺のセパレート、遠目で見たらスク水みたいだな。

 

「似合います?」

 

「似合ってるぞ。」

 

「本当ですか!良かったです!!」

 

「それじゃあ次は私ね!」

 

「あれ?何時も最後なのに、今回は違うんですね。」

 

「今回は虚ちゃんに譲ってあげたのよ。」

 

「そうですか・・・」

 

 

また何か企んでるのか?

少し不安になったが、確証が無いので今は見逃した。

 

「一夏様、これのお金貸してください。」

 

「須佐乃男のは俺が払うよ。どうせ財布は一緒だからな。」

 

「スミマセン・・・」

 

「でも、あれの代金は払えよ?何だか知らないが・・・」

 

「もちろん!あれは払いますよ!!」

 

「?何を慌ててるんだ?」

 

 

変な奴だな・・・

 

「おっまたせ~!」

 

「相変わらず元気ですね・・・」

 

 

元気良く試着室から出てきた刀奈さん。

この人は元気なのが一番可愛いな。

 

「(一夏様、父親みたいですよ?)」

 

 

だから思考をよむなよ。

それと父親って、俺は刀奈さんより年下なんだが・・・

 

「一夏君、如何かな~?」

 

「似合ってますよ、それに可愛いです。」

 

「そ、そう///一夏君ったらもう///」

 

 

刀奈さんの水着は緑色のビキニだ。

しかし、本当に似合ってるな・・・

 

「い、一夏君?そんなに見られると恥ずかしいよ///」

 

「スミマセン、ただ似合ってるなと・・・」

 

「もう///」

 

 

そう言って試着室に戻る刀奈さん。

あれ?またズレてたのか?

 

「(思いっきりズレてますよ。)」

 

 

そうか・・・またか。

 

「それじゃあ最後は虚様ですね!」

 

「え、ええ・・・」

 

「?如何かしましたか、虚さん。」

 

「いえ、何でもないです。」

 

 

何か慌ててるような感じで試着室に向かう虚さん。

何かあるのか?

 

「それじゃあ虚ちゃんの水着を見ましょうか!」

 

「何で楽しそうなんですか・・・」

 

 

戻ってきた刀奈さんの態度に内心ため息を吐きたかったが、堪えた。

 

「お、おまたせしました・・・」

 

「・・・・・」

 

「お~い一夏君?」

 

 

正直この色は無いと思っていた。

虚さんの水着は黄色のビキニ、しかも随分と際どいタイプだ。

 

「珍しいですね、虚さんが黄色って。」

 

「似合いませんか?」

 

「いえ、とても似合ってますけど・・・」

 

「良かった・・・」

 

「でも正直黄色は本音のイメージだったんで驚きました。」

 

「あのね、黄色は膨張色だからね~。」

 

「お嬢様///」

 

「?何で膨張色を選ぶんです?」

 

「だって虚ちゃんは・・・」

 

「うわ~!!!」

 

「もがもが。」

 

「??」

 

 

いきなり刀奈さんの口を押さえる虚さんを見て、俺は首を傾げる。

いったい何なんだ?

 

「一夏様、おっぱいですよ。」

 

「!!!?」

 

「ぷは~。そうよ、おっぱいよ!」

 

「大声で言わんでください・・・」

 

 

虚さんが真っ赤な顔で俯いている。

 

「別に虚さんだって小さい訳じゃないじゃないですか。何を気にする事があるんですか?この前言いましたけど、大きければ良い訳じゃないと思うんですけどね、俺は。」

 

「そうですけど・・・やはり周りが大きいと気にするんですよ。」

 

「そうですか・・・」

 

「一夏さん!?」

 

「ん?ああ、スミマセン。無意識でした。」

 

 

へこんでいる虚さんの頭を無意識に撫でていた。

 

「///」

 

 

更に顔を真っ赤にして試着室に戻っていく虚さん。

 

「可愛い・・・」

 

「一夏君、ズルイ!私も撫でて!!」

 

「はいはい・・・」

 

 

結局この場にいた三人とも撫でる事になった。

正直虚さんのへこんでいる姿は可愛いと思うのだが、本人はへこんでいるので必ずしも良いとは言えないんだよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ帰りましょか。一夏君、今度は私と手を繋ぎましょ?」

 

「私も一夏様と手を繋ぎたいです!」

 

「分かりましたよ・・・はい。」

 

 

手を差し出し二人と繋ぐ。

 

「よ~し!来週は旅行よ!」

 

「楽しみですね~。この前は一夏様の腕に居ましたが、実際に自分の目と足で楽しめるのは嬉しいです!」

 

「私も行っていいのかしら?」

 

「良いんじゃないですか?俺たちの護衛と言うことで。」

 

「そうですよ。碧さんも一夏さんの彼女ですし、一緒に楽しみましょう。」

 

「そうそう、碧さんも遠慮しちゃ駄目よ。」

 

「は、はい!」

 

 

こうして買い物デートは終わったのだ。

・・・本当に疲れた。




モテる苦労など知らん!
しかし書いていると大変そうですね。
次回は悪友たちとの一日を書こうと思ってます。
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