もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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70話ですね~。
いや~長かった。


計画失敗?

「楯無様~、何でしっかりとおりむ~を捕まえてくれなかったんですか~!」

 

「そうですよ!せっかく一夏様に見てもらうチャンスでしたのに!!」

 

「そんな事言われても、ああも素早く逃げられたら無理だよ~。」

 

 

お嬢様が一夏さんを取り逃がしと事を攻める本音と須佐乃男。

この二人には恥ずかしいといった概念は無いのだろうか。

 

「昨日お風呂一緒に入った時に見せたでしょ?それで良いんじゃない?」

 

 

簪お嬢様も、最近はこの三人に影響され一夏さんに対して積極的に行動している。

私ももっと積極的になった方が良いかしら?

でも、一夏さんは基本的には普段と変わらない態度で皆さんと接してますし、あんまり積極的に行っても逃げられるだけですし・・・

 

「だってかんちゃん、お風呂じゃ湯気で良く見えないでしょ!」

 

「そうですよ簪様、私は一夏様にすべてを見てもらいたいのです!」

 

「それって変態・・・」

 

「違うよ~!」

 

「違います、断じて!」

 

「早くしないとと私だけ一夏さんと遊んじゃいますよ?」

 

 

今まで黙っていた碧さんが煽りながら急かす。

実際に二人で遊ぶ事はしないだろうが、万が一の可能性でも焦るには十分だ。

 

「駄目だよ~!」

 

「急ぎましょう!」

 

「私も着替えなきゃ!」

 

「じゃあ私は先に行ってるね~!」

 

「「「ああ~!」」」

 

 

さっさと着替えを済ませていたお嬢様が抜け駆けで一人先に行こうとする。

 

「駄目ですよ?」

 

「駄目ですね。」

 

「虚ちゃん、碧さん、怖いよ?ほら、笑顔笑顔・・・あ、あはは・・・」

 

 

両腕を掴まれたお嬢様は観念したようで、ガックリと肩を落とした。

まったく、油断も隙もあったものじゃないですね。

 

「おわった~!」

 

「私もです!」

 

「それじゃあ行こうか?」

 

「そうですね。」

 

 

簪様の一声で海に向かうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お~いおりむ~!」

 

「一夏様~!」

 

 

浜辺に着いて、本音と須佐乃男が一夏君に向かって大声を出す。

そんなに大きな声を出さなくても一夏君には聞こえてると思うんだけどね。

 

「相変わらず元気な二人ですね。」

 

「そうね、このメンバーの元気担当だからね~。」

 

「担当なんてあったんですか?」

 

 

碧さんが二人を見てつぶやき、虚ちゃんが私の発言に首を傾げる。

 

「一夏君と虚ちゃんが真面目担当、簪ちゃんと碧さんが半分真面目、半分ふざけ担当、そして私と須佐乃男、本音がふざけ、元気担当よ!」

 

「私は半分もふざけてませんよ?」

 

「自覚があるのなら改めてくださいよ・・・」

 

「まあ良いじゃない!」

 

 

胸を張り、一夏君の元に走る。

このまま虚ちゃんの傍に居たら怒られるからね。

 

「相変わらず元気ですね・・・」

 

 

一夏君にも言われちゃった。

実際に碧さんに言われたのは本音と須佐乃男だけだが、その中にはきっと私も含まれてるんだろうな。

 

「それより、如何?この水着。」

 

「如何って、一緒に買いに行ったじゃないですか。」

 

「そうじゃないの!海で見るこの水着は如何なの?」

 

「・・・似合ってるに決まってるじゃないですか。そもそも似合ってるからあの時買うのに反対しなかったんですよ?」

 

「そう・・・ありがとう///」

 

 

しまった!

一夏君は恥ずかしい事を平気で言っちゃうんだった。

攻撃したはずが、それ以上の威力で反撃されて私の顔は真っ赤になってしまった。

うう・・・年上の威厳が~!

 

「ねえねえおりむ~私は~?」

 

「だから本音も一緒に買いに行って、臨海学校で見た・・・?」

 

 

一夏君が本音を見て首を傾げる。

何かおかしな場所でもあったのかしら。

 

「本音、その水着、そんな小さかったか?」

 

「ほえ~?」

 

 

確かに、本音の水着は少し小さい気がする。

まさか、一夏君を誘惑するために!?

私は本音の水着を見て、見当はずれな事を考えていた。

なぜ見当はずれだと分かったかと言うと、すぐに本音が正解を言ったからだ。

 

「ああ~!なんだかおっぱいが大きくなってて~小さく見えるだけだよ~。」

 

「大きくって本音、臨海学校は先月だよ?何で水着が小さくなるまで大きくなるのよ!?」

 

「・・・それ、去年のだね。」

 

「あっ、簪ちゃん。」

 

 

本音の成長に驚いていたが、どうやら何時ものドジだったようだ。

しかし、去年のがあそこまで・・・本音、恐ろしい娘!

 

「これじゃあ泳げないでしょ?着替えてきなさい。」

 

「だって~水着これしかないよ~?」

 

「私が本音様の水着を具現化しますよ。」

 

「ほんと~?やった~!」

 

 

新しい水着が手に入ると分かって、本音は大喜びだ。

だが、喜びすぎて・・・

 

「おい本音!ズレてる!」

 

 

一夏君が凄まじいスピードでそっぽを向き、本音に注意する。

・・・けしからんおっぱいね。

 

「そんなに自慢したいのか?このこの~。」

 

「いや~ん楯無様~、止めてくださいよ~!」

 

「確かにけしからんですね~。」

 

「須佐乃男まで~!」

 

 

普段なら一夏君の制裁が来るころだが、一夏君はこっちを見ていない。

これは・・・いける!

 

「は~い、そろそろ止めましょうね~。」

 

「う、虚ちゃん・・・」

 

「これは・・・その・・・」

 

「須佐乃男は早く本音の水着を出してくださいね?」

 

「い、イエッサー!」

 

 

須佐乃男は本音の水着を具現化して逃げようとした。

だが・・・

 

「駄目ですよ~。これから一夏さんの説教タイムですからね~。」

 

「み、碧様・・・」

 

 

碧さんに捕まっていた。

前門の虚ちゃん、後門の碧さん、そして・・・

 

「さてと・・・二人共覚悟は良いですか?」

 

 

その門から来る鬼は一夏君。

とほほ・・・少しはしゃぎすぎちゃったか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「反省しましたか?」

 

「「は、はい・・・」」

 

 

10分間砂浜で正座させられて怒られていた二人はしょんぼりとしている。

まあ遊びに来たのに怒られたらへこむよね。

でも、あれは二人が悪いから同情はしない。

 

「かんちゃ~ん、如何したの?」

 

「いや、二人への説教が終わったな~って。」

 

「あれは酷かったよ~。」

 

「・・・気持ちは分かるけどね。」

 

 

本音の胸は確かにけしからんくらい大きい。

何を食べたらここまで大きくなるのかな?

 

「かんちゃん?」

 

 

食べてるものはほとんど一緒のはずなのに、何で私の胸は本音と比べて小さいんだろう。

クラスメイトと比べれば大きいかもしれないが、私の周りはもっと大きい人がいるのだ。

本音、お姉ちゃん、そして碧さん。

須佐乃男も順調に成長しているようだし、何時か抜かれるかもしれない。

 

「簪、如何した?」

 

「へ、一夏!?」

 

 

考え込んでたら一夏がすぐ傍に来ていた。

び、びっくりした~。

 

「何か悩み事か?」

 

「いや・・・」

 

 

この悩み事は一夏に話してもしょうがないんだよ。

これは女の子の悩みだからね・・・

 

「あっ!ひょっとしてかんちゃんはお・・・」

 

「本音!!」

 

「むぐぅ・・・」

 

 

また余計な事を言いそうだった本音の口を瞬間加速並みのスピードで塞ぐ。

 

「そんなスピードで移動できるんだな。」

 

「これは、色々条件が揃った時だけだよ///」

 

「?何で照れてるんだ?」

 

 

一夏には分からないよ!

だって胸の事で悩んでたなんて彼氏に知られたら恥ずかしいじゃない!

 

「一夏く~ん!向こうまで競争しようよ~!!」

 

「立ち直り早いですね・・・」

 

 

確かに。

さっきまで怒られてへこんでいたお姉ちゃんは、既に立ち直り一夏と競争しようとしている。

 

「簪、別に大きな問題では無いんだな?」

 

「それはそうだけど・・・」

 

 

私にとっては大問題だけど、他の人にとっては些細な問題だ。

 

「何かあったら言ってくれよ?問題が大きくなってからじゃ遅いからな。」

 

 

優しいけど、言えないよ~///

 

「それと簪。」

 

「な、何!?」

 

「そろそろ離してやれ。」

 

「え?・・・ああ!本音、ゴメン!!」

 

「むぎゅぅ~・・・」

 

 

口を押さえすぎたのか、本音は変な声を出して倒れた。

 

「本音!?大丈夫!!?」

 

「ただの酸欠だろ。すぐに治る。」

 

「でも・・・」

 

「はぁ・・・仕方ないな。」

 

 

一夏は本音に近づいて・・・

 

「このまま押さえてればその内起きるだろ。」

 

 

呼吸しやすいように体勢を整え押さえるように私に言った。

 

「人工呼吸とかしなくても良いの?」

 

「そこまで重度な酸欠でもないだろ。鼻では呼吸出来てたんだから。」

 

「そうなのかな・・・」

 

「てか、もう起きてるだろ。」

 

「え?」

 

「えへへ~バレちゃったか~。」

 

 

一夏に指摘され本音が目を覚ます。

 

「良かった!本音、平気?」

 

「かんちゃんは大げさだな~、平気だよ~。」

 

「お前が倒れたりするからだろ。」

 

「チョッとびっくりさせようとしただけだよ~。少し危なかったけどね~。」

 

「ゴメン・・・」

 

「私も余計な事言おうとしたし~お互い様かな~。」

 

「うん、ありがとう。」

 

「一夏く~ん!早く来てよ~!!」

 

「じゃあ俺は行くな。」

 

 

お姉ちゃんに呼ばれていた一夏は行ってしまった。

もう少し一緒にいたかったな・・・

 

「かんちゃん。」

 

「何、本音?」

 

 

一夏が居なくなったとたんに本音が近づいてきて耳打ちするように声を潜める。

 

「おね~ちゃんが言ってたけど、おりむ~はおっぱいの大きさ気にしてないってさ~。」

 

「!?本音!!」

 

「あはは~!」

 

 

気にしていた事は一夏には関係無い事だったのか。

でも、少しは気にしてくれても良いんじゃないかな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏君、あの二人と何話してたの?」

 

 

私の元に来てくれた一夏君に二人と何してたのか聞く。

別に逐一報告する義務は一夏君に無いのだが、気になるから聞いてしまう。

 

「別に、本音が悪戯しようとして簪を少し驚かせ過ぎたのを諌めてたくらいですよ。」

 

「本当に?」

 

 

ついつい疑ってしまう。

これって相当うっとうしい彼女よね・・・改めなきゃ!

 

「こんな事で嘘吐いて如何するんですか。本当ですよ。」

 

「なら良かった。」

 

「?刀奈さんも何か悩みがあるんですか?」

 

「いや・・・私も?」

 

 

一夏君の何気ない一言が気になった。

私もって事は誰か他にも悩んでる人が居るって事よね。

 

「簪も何か悩んでるようでしたし。」

 

「簪ちゃんが!?」

 

 

可愛い妹である簪ちゃんが悩んでいるなんて・・・姉として何とかせねば!

 

「まぁ、大方は解決してるようですし、気にする事は無いと思いますよ。何かあれば相談しろと言っておきましたし。」

 

「そうなんだ・・・」

 

 

何だか複雑な気分ね。

簪ちゃんの悩みが解決してるのは嬉しいけど、その悩みを聞けないのは残念だ。

 

「それで、刀奈さんの悩みは平気なんですか?俺で良ければ聞きますよ。」

 

「うん、ありがとう。でも平気よ。」

 

「そうですか?」

 

 

だって一夏君の事を一夏君に相談してもね~・・・

何処か納得出来てないような一夏君だったが、それ以上は聞いてこなかった。

優しいのか、興味が無いのか分からない所よね。

 

「それで、競争って何するんですか?」

 

「あそこまで泳いで行くのよ!」

 

「・・・あそこですか?」

 

 

私が指差しているのは遊泳禁止の境目にあるブイだ。

此処からだと小さく見えるブイまで一夏君と競争するのだ。

 

「遠いですよ?」

 

「分かってるわよ!だから良いんじゃない!!」

 

「?何が『だから』なのかは分かりませんが、疲れて戻ってこれなくなっても知りませんよ?」

 

「その時は一夏君に連れて帰ってもらうから平気よ!」

 

「・・・それは平気とは言いません。」

 

 

あそこまで泳げるのは私と一夏君くらいだ。

自然と二人っきりになれるし、海なら逃げ場は少ないはず。

一夏君にドッキリを仕掛けるには丁度良い場所だ。

 

「まあ刀奈さんが平気って言うなら、これ以上言っても無駄でしょうし、仕方ありませんね、やりましょうか。」

 

「よし!それじゃあ合図は如何する?」

 

「誰かに頼めば良いじゃないですか・・・お~い須佐乃男!チョッと来てくれ。」

 

 

そう言って一夏君は須佐乃男を呼ぶ。

 

「何ですか、一夏様?」

 

「遠泳の開始の合図を頼みたいんだが。」

 

「遠泳?何処まで行くのですか?」

 

「あのブイまでだそうだ。」

 

「それは・・・随分と大変そうですね。」

 

「仕方ないさ。刀奈さんが言い出したんだ、簡単には変更してもらえない。」

 

「そうですね~。」

 

「チョッと!?酷くない!!?」

 

 

二人の会話を聞いていたら、随分と酷い事を言われている事に気付いた。

慌てて突っ込むと、二人は我慢していた笑いを堪えられずに噴出した。

・・・遊ばれてたのか。

 

「もう!一夏君!!後で覚えてなさい!!!」

 

「はいはい。それじゃあ須佐乃男、頼む。」

 

「は~い。それじゃあ準備してください。よ~い・・・」

 

 

私と一夏君はスタートに備えて構える。

何か忘れている気がするけど・・・大した問題では無いわよね。

 

「スタート!」

 

 

合図を受けて、私と一夏君はブイめがけて泳ぎだす。

絶対に負けないんだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?お姉ちゃんと一夏は?」

 

 

スタートの合図をしてすぐ、簪様と本音様が私の元に来ました。

 

「遠泳ですよ。」

 

「遠泳?何処まで?」

 

「あのブイまでだそうです。」

 

「大変だね~。」

 

 

距離を見て、本音様はそんな事を仰いました。

 

「・・・う~ん。」

 

「如何かしましたか、簪様。」

 

 

うなっている簪様に思わず声をかける。

失礼かなとは思いましたが、気になってしまったのです。

 

「何か・・・忘れてる気がするの。」

 

「何かですか?」

 

「うん、何か。」

 

「何々~何の話~?」

 

 

私たちが話していると本音様も混ざってきました。

 

「何か忘れてる気がするそうです。」

 

「大切な事~?」

 

「多分・・・」

 

「何だろね~?」

 

 

本音様も首を傾げて考えてくださいましたが、結局分からなかったようで、

 

「分かんないや~。あっ、おね~ちゃん!」

 

 

虚様をお呼びになりました。

 

「如何かしたの本音、それに簪お嬢様と須佐乃男も。」

 

「何か忘れているようなのですが、思い出せないようです。」

 

「何かって何です?」

 

「多分お姉ちゃんに対する事だと思うんだけど・・・」

 

「お嬢様の事ですか?・・・ところでお嬢様はどちらに?」

 

「あそこだよ~。」

 

 

本音様が楯無様の居る海を指差す。

そこには随分遠くまで行った一夏様と楯無様の姿が微かに見える。

 

「!?お嬢様は足のつかない場所では泳げないはずでは!!?」

 

「それだ!!思い出した!!」

 

「それってかなり大変ですよね!?」

 

「一度足がつかないと気付くと、パニックを起こして溺れてしまいます!!」

 

「助けに行かなきゃ!」

 

「でも~誰かあそこまで泳げるの~?」

 

「「「・・・・・」」」

 

 

あんな遠くまで泳げるのは一夏様と楯無様くらいだ。

碧様もあそこまでは泳げないだろうし・・・

 

「如何しよう・・・」

 

「お嬢様が気が付かないように祈るしか・・・」

 

「楯無様自身は知ってるんですよね?如何して遠泳なんか・・・」

 

「さあ?お姉ちゃんの考えてる事は分からないよ。」

 

 

焦りながらも、自分の姉の事は分からないと冷静に言う簪様。

一夏様・・・如何か問題が起こった時は頼みますよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり一夏君は速いわね。

男女の差はあるだろうし、一夏君も手加減してくれているだろうが、それでも一夏君は私の前を泳いでいる。

もう足もつかない場所まで泳いできたけど、一夏君との差は広がる一方だ・・・ん?足のつかない場所?

何か思い出しそうな・・・!?

思い出した、私は足のつかない場所、駄目だったんだ!!

思い出したら足が動かなくなり、一気に溺れそうになる。

 

「あ・・・」

 

 

完全に身体が硬直してしまい、私は海の中に全身を引きずれれるように沈んでいく。

一夏君・・・助けて!

声に出せるわけ無い希望を心の中で強く願う。

ああ・・・私此処で死んじゃうのかな?

 

「刀奈さん!平気ですか!?」

 

「ゴホッ・・・一夏君?」

 

 

諦めて目を瞑っていた私は気付いたら海面に顔を出していた。

 

「急に後ろから凄い音がしたんで振り向いたら、刀奈さんが溺れてたんですよ。足でもつりました?」

 

 

心配そうに私の顔を覗き込む一夏君。

相変わらずこう言った行動は照れずに出来るのね。

 

「違うの、私、足がつかない場所だとこうなっちゃうんだ。」

 

「・・・じゃあ何であそこまで競争だって言い出すんですか?」

 

「いや~、すっかり忘れちゃって。」

 

 

笑顔で言う私に、一夏君は本気で怒る時にしている顔をした。

 

「忘れたじゃないでしょ!下手すれば死んでたんですよ!!」

 

「ゴメンなさい・・・」

 

「今回は俺が気付いたから良かったですが、次はもしかしたら助けられないかもしれないんですからね!?分かってますか!?」

 

「はい、ゴメンなさい・・・」

 

 

最早謝るしか出来ない。

今回は完全に私が悪いと自覚している。

 

「本当に反省してます?」

 

「してるよ~。今回は私も駄目かなって思ったし。」

 

「・・・でも、何でいきなり?とっくに足はつかない場所まで泳いで来たでしょうが。」

 

「足がつかないって自覚しなければ平気なんだけど、気付いちゃうともう駄目なの・・・」

 

「此処まで気付かなかったんですか?相当深いですよ、此処。」

 

「うん、一夏君を追うのに必死だったし。」

 

 

でも、一夏君を追ってたから気付けなかったんだよ。

 

「まあ、平気だったから今回は良いです。さて、帰りましょうか。」

 

「え?だって勝負はまだ・・・」

 

「続けるんですか?泳げない状態の刀奈さんを置いて行けるほど、俺は薄情では無いつもりなんですが?」

 

「そっか・・・じゃあ一夏君の負けだね。」

 

「それで良いですよ。」

 

「じゃあ敗者には罰ゲーム!」

 

「・・・此処でですか?」

 

 

急に罰ゲームと言い出され、一夏君は苦い顔をしている。

 

「私にキスして?」

 

「・・・それが罰ゲームですか?」

 

「おもいっきり長くよ!」

 

「・・・ハァ、分かりましたよ。」

 

 

強く抱きしめられ、一夏君とキスをする。

ん・・・一夏君とのキスはこれで四回目・・・

今までで一番長いキスをして、一夏君は離れていく。

 

「もう良いですよね?」

 

「あ・・・もう少し・・・」

 

 

私は一夏君を求めて自分からキスをする。

一夏君は逃げようと思えば逃げれたのに、逃げずに応えてくれた。

 

「ん・・・」

 

 

一夏君の吐息を感じて興奮する。

私ってここまで変態だったんだ。

 

「ねえ一夏君?」

 

「何ですか?キスはもうしませんよ?」

 

 

唇を離し、私は一夏君の名前を呼んだ。

警戒してるのか、一夏君は少し冷たい態度だった。

 

「そうじゃなくて・・・浜辺まで連れてって。」

 

「・・・仕方ないですね。」

 

 

冗談で言ってた事が本当になっちゃった。

私は一夏君に抱きつき、浜辺まで連れて行ってもらう。

思ってた事とは違ったが、一夏君と二人っきりでキスを出来たから良かったのかな?

 

「刀奈さん。」

 

「何?」

 

 

考え事をしていたら一夏君から呼ばれた。

 

「何か計画するのは良いですが、問題があるのは止めてくださいね。」

 

「は~い。」

 

 

そうよね、私はまだ一夏君と一緒にいたいしね!

一夏君に更に強く抱きつきながらそう思うのだった。

浜辺に着くまで一夏君におっぱいが当たっていたので、着いた途端一夏君は逃げ出した。

さっきまでカッコよかったのに今は可愛いわね。

ちなみに・・・

 

「心配したんだからね!」

 

「自分の事なんですから、しっかりと覚えていてくださいよ!」

 

 

簪ちゃんと虚ちゃんにこっ酷く怒られたのは言うまでもなかったかな?




今回は楯無メインで。
次回は誰にしようかな~。
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