あかね色   作:にかリール

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こんにちは。
少しずつお気に入りが増えてまいりましたが非常に嬉しいです。
創作意欲がもりもり湧きます。


さて、今回のお話ですが前回の紗夜視点が明音視点に変わったお話です。

なかなかこの子達の1日は終わりません。

今回も駄文&文字数少ないetc…
読みずらいかもしれませんがご容赦ください。


貴女の意思で

 

 

紗夜にキスをしてから私は逃げるように自室へ籠った。

初めてのキス。いや、もしかしたら小さい頃に何回かしているかもしれないが物心着いてからは確実に初めてだ。

 

自らキスをしておいて一体どのような愛情を感じてしたのかは本人も不明。

ただただ本能が紗夜を求めていたと言うだけ。

 

紗夜にキスをしてから心臓の高鳴りが収まらない。やはりこれは恋というものなのか?

しかしながら恋なんて知らない歳、ましてや実の姉になどと頭のなかはこんがらがってしまっている。

少なからず今まで溜まっていた愛情が爆発してしまったのは事実として分かっていた。

それ故になぜあんな行動を起こしたのかが分からないのだ。

 

一旦思考を止め、ベットへ倒れ込む。スマホが振動していたが画面もみずに放置を決め込んだ。

制服の胸ポケットに少し違和感があるのを感じ、胸ポケットへ手を入れる。そこには1枚の紙切れが入っていた。

 

「白鷺さんのID…」

 

『私は貴女の味方だから、何があってもね』

 

あの言葉が頭の中で繰り返される。

 

多少の躊躇いはあったが、紙に書かれたIDをメッセージアプリに入力していく。

入力を終え検索をかけるとpastel*paletのメンバー全員で撮ったであろう写真をアイコンに『白鷺千聖』という文字が表示された。

 

意を決して登録ボタンを押し、その流れで文字を打つ。

 

『こんばんは。氷川明音です。今お時間よろしいでしょうか?』

 

何度も入力しては消しを繰り返しようやく完成した文。

普通のことを入力するだけだったが気がつけば五分以上時間を費やしていた。

最後に確認をして送信。すると数秒で既読の文字がつき、返信が返ってくる。

 

『大丈夫。060-××××-××××まで電話をかけてくれないかしら。その方が早いから』

 

絵文字も何もなしの簡素な返信が日菜とは真逆だとふと思ったがそれよりもこの電話番号が気になってしまった。

本当にかけてしまってもいいのだろうか。

不安が頭をよぎるが、今の私にとってこれ以上ない救いの手であることは確かだ。

 

再び意を決して電話をかける。

ワンコール目で彼女は出た。

 

『もしもし』

 

「もしもし、氷川明音です。すみません夜遅くに」

 

『別にいいのよ。それで、どうしたのかしら?』

 

「白鷺さんは恋をしたことがありますか?」

 

『はぁ?』

 

素っ頓狂な声が返ってくる。

それもそうだろう。彼女は今をときめくアイドルグループの一員なのだから。恋愛なんてご法度だ。

そんな相手にこんなわけも分からない質問をするなんて頭が湧いているに違いない。

違いないが、それでも尚、質問せざるを得ないのだ。

明音が紗夜に行ったあの行動の意味を知るために。

 

「いきなりごめんなさい。でも…」

 

『いえ、こっちこそごめんなさい。いきなりだったからびっくりしてしまって。それで、恋?についてだっかしら』

 

「恋というか、恋を知りたいと言うか…」

 

明音もどう説明したらいいかわからず煮え切らない答えになってしまう。

 

『…だいたい察したわ。今のあなたの感情が恋かどうかを知りたいってことね?』

 

合っているような合っていないような。

だが、概ねそんな感じだろう。

 

「そんな感じです」

 

千聖は数秒黙り、優しい声でこう答えた。

 

『今すぐ会いたい、ずっと一緒にいたいとかすぐにその人のことを思ってしまうのは恋ではないかしら?』

 

「でもそれだと日菜お姉ちゃんも当てはまります…」

 

『うーん…それならそうね。その人を思うとドキドキしたり、キスしたいとか…そういう感情があるのなら恋だと思うわ』

 

ドキドキしたり、キスしたい…か。

明音はあの時紗夜にキスがしたいと本能で思っていたわけであり、そうなると紗夜に恋をしていることになる。今だってその事で胸がドキドキしているのに変わりはない。

それに千聖ににだってドキドキするしそういった面では恋になってしまう。

千聖にキスしたいと考えたことは無かったが、想像してみると胸が熱くなる。

 

「そうなると白鷺さんにも恋をしていることになりますね…」

 

『…ガタッ』

 

明音がそう言い終わるとなにか物音が聞こえたが大丈夫だろうか。

 

『あ、あぁ…ごめんなさい。スマホ落としてしまって。』

 

少し動揺しているように聞こえたが大丈夫であろう。

明音は早速参考にすべく、お礼を言おうとしたのだがそれを千聖に止められる。

 

『ねぇ、明音ちゃん。今から会って話すことは出来ないかしら?』

 

会って話すとなっても時刻は午後8時に近い。

それを紗夜が許すとは思えなかった。

が、紗夜の為に…出来るだけ早くこの感情に気づきたかった。

 

 

 

だからーー

だからーーー

だからーーーー           

                                だからどうしたいのだろうか。

 

 

耳につけたスマホから千聖の声が聞こえる。

 

『こんな時間だしあまり無理をしないで。って誘った私が言うのもなんだけれど…。』

 

でもね、と続けて

 

『貴女の人生、全ての選択権は貴女にあるの。だから決めるのはーーー

                                       ーーー貴女の意思よ』

 

「えっ…」

 

『ふふっ、なんてね。ちょっと格好つけすぎたかしら。やっぱり今日はやめておきましょう。また今度の機会に』

 

おやすみと言う声の後、プツンと通話が切れた。

千聖は何が言いたかったのだろうか。

1つモヤが晴れたと思ったらさらに分厚いモヤが再びかかる。

 

「ダメだ。今日はもう寝よう…」

 

スマホを枕横に置き、眠りにつこうとしたのだが千聖と通話をする前に着信があったことを思い出した。

履歴には『日菜お姉ちゃん』の文字。

かけ直す気力はなく、明日の朝にでもと思っていた矢先。

 

ノックの音と同時にドアが開き、誰かが入ってくる。

 

そこには…

今1番会いたいけど会いたくない。

今1番一緒にいて欲しいけどいて欲しくない。

そんな複雑な感情を持っている相手が明音の目の前に立っていたのだった。

 





読んでいただきありがとうございます。
作者本人、展開の遅さになかなかビビっております。

どうやれば読者様に伝わるかなど、ない知恵を絞り絞り…
余談ではありますが、千聖に会えないか誘われたシーンの後、だからーーーの後ですかね、本来ならルート分岐のために作っていたのですがルート分岐せず一直線で〇〇ルートを走っております。

まぁ、駄文になってしまうのですが。
次回は第1章の最終話となっております。

間違えやその他指摘は随時訂正していこうかと思っておりますのでよろしくお願いします。

暖かいめで何卒よろしくお願いします。

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