『悪魔』と始めるブラ鎮建て直し計画   作:si@新米書き手

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真夜中の食事~駆逐艦~

食堂の調理場は食事スペースから死角になる場所がある。

 

そこに駆逐艦を一人ずつ招き、話を聞く。

 

提督「君は?」

 

駆逐艦「わ、私は…、あ、あ、あかちゅきでしゅ!!」

 

緊張のせいか、噛み噛みだった。

あかちゅき…俺が知らない駆逐艦だな、沖縄あたりでけんぞうされたのだろうか。美ら海的な感じで。

確かに怖いよなぁ、申し訳なく思いながら仕事をさっさと済ませようとあかちゅき?に声をかけた。

 

提督「えーと、あかちゅき?で良いのか?」

 

駆逐艦「暁よ!!!!………あっ、ごめんなさい」

 

暁か。なるほど、第六駆逐隊の子か。

一人納得した俺だったが、暁の様子が気がかりになる。暁はプンスカという擬音がピッタリな怒り方をしたが何かに気づき顔を下に向け震えだした。

 

提督「そうか、暁。すまなかったな、名前を間違えてしまった。」

 

暁「…え?」

 

暁はポカンとした顔を俺に向ける。

そして、恐る恐るといった様子で声をかけてくる。

 

暁「あの、怒らない、の?」

 

提督「誰だって名前を間違えられてしまうと不愉快だろうさ。」

 

そう言って暁を帽子の上から撫でる。

暁は驚いていたがしばらくすると目を細めて心地よさそうな顔をしていた。

 

暁「も、もう!子供扱いしないで!!暁はレディーなのよ!」

 

俺への警戒を解いたのか素の暁が見れた気がする。

 

提督「そうか、一人前のレディーか。了解した。」

 

そう言って俺は、暁の手を取りかしずいた。

 

提督「では、暁。姉妹艦を連れてきてはくれないだろうか。君達が嫌な思いをしないようにすることは保証する。なんなら、後ろに控えている夕張と鳳翔に艤装の使用許可を与えるから私が危険だと思ったら助けを求めると良い。」

 

俺の言葉に暁はしばらくポカンとしていたが先程までの俺の行動と、警戒を天秤にかけているのだろう。

 

暁「…信じてあげる。暁達が嫌なことは絶対だめなんだからね!」

 

そう言うと暁は姉妹艦を呼びに行ってくれた。

しばらくすると暁と銀髪の少女を先頭に茶髪の双子のような子が後に続いて入室してくる。

 

暁「司令官、連れてきたわよ!」

 

提督「ありがとう、暁」

 

そう言ってまた暁の頭を撫でる。何故だろう、暁は無性に撫でたくなるな。

 

暁「も、もう!子供扱いしないでったら!!」

 

そう言いつつも顔が気持ち良さそうに緩んでいる暁は見ていて微笑ましい。

そう思い、そして、俺がまた撫でたい為返答を考える。

 

提督「すまないな。一人前のレディーだからこそ頭を撫でて愛でたいと一人の男性として思うのだよ。一人前のレディーとして許容してくれないか?」

 

暁「そ、そうね!暁は一人前のレディーだから司令官の撫で撫でを許して上げる!」

 

暁はドヤ顔で胸を張る。

その様子を見ていた3人は安心したような顔で名乗り出す。

 

響「司令官、私は暁型二番艦の響だよ。」

 

雷「雷よ!かみなりじゃないわ」

 

電「電なのです!」

 

提督「あぁ、響に雷、電だな。よろしく頼む。」

 

響「それで、司令官は身体検査とは何をする気なんだい?」

 

響が話し方や態度は緩くなりつつも姉妹艦を守ろうと一歩前に出て声を出す。

 

提督「あぁ、君達が『英雄』やここの憲兵共につけられた傷を確認したい。可能なら大本営に提出できるよう写真を撮らせてくれるとありがたい。勿論、君らの許容範囲内での撮影であることは誓おう。」

 

響は俺の言葉を聞いてキョトンとする。

 

響「司令官は『英雄』と繋がっているんじゃないのかい?」

 

提督「まさか。大本営の会議でしか顔を合わせたことはないし、戦果1位だから『英雄』なんて呼ばれてるが、私だって戦果3位で横須賀を運営してきた人間だからな。勿論、横須賀で轟沈なんてさせたことはない。」

 

俺が『英雄』へ思ってることをそのまま答える。

それが良かったのか、どうやら響は安心してくれたようだ。

 

響「うん。嘘は言ってないようだね。私は司令官を信じるよ。」

 

こうして、第六駆逐隊のメンバーがあの害虫共から受けた暴力の数々を写真に納めた。

そこで気になったことが艦娘は入渠すれば傷は癒えるはずでは…?

俺の疑問を感じ取ったのか響が答える。

 

響「司令官、私達駆逐艦や軽巡洋艦の皆は資材の無駄だって入渠は禁止されているんだ。何の効能もないシャワーしか使ってないのさ。」

 

提督「…そうか。明日まで耐えてくれ。」

 

響「うん、信じてるよ。」

 

写真撮影も一息着くと、4人にチーズリゾットと即席コンソメスープをよそい「食堂で食べなさい」とだけ言って食事スペースに返そうとした。

 

暁達はなにがなんだか分からない顔をしていたが食事から漂う香ばしい匂いに我慢できなかったのか、期待に満ちた顔で笑顔を向けてくれた。

 

「「「「ありがとう(なのです!)!」」」」

 

提督「あぁ、熱いからよく冷まして食べるといい」

 

暁「大丈夫よ!」

 

そして、4人が食事スペースに戻ると部屋中がざわつく。

しかし、数秒後には4人の歓声で部屋の空気が変わっていくのを感じ、口元の笑みを消せず次の駆逐艦を呼び寄せるのだった。

 




あとがき

ようやくお食事会が始まりました!
次話は艦娘視点でのお話になります、結局???の声の艦娘でなかったのですが、次話ではメインになる予定ですのでお楽しみにしていただけると幸いです。

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