転生者である俺が特典で好き勝手やってみたwwwww 作:胡椒こしょこしょ
フェイトちゃんを出すのが遅い-114514
週末。
俺となのは、恭也さんの3人は玄関で靴を履いて外出しようといていた。
なんでもすずかが今度お茶会しようよとなのはに言ったらしく俺も一緒に月村家に行くことになったのだ。
お茶会にはアリサも居るらしくなぜか俺も一緒に行くことになった。
ちなみに恭也さんは恋人であり、すずかの姉である月村忍に会いに行くつもりらしい。
....あの人にもそういう一面あるんだな。
正直はやての家に行ったあの日から少し恭也さんは苦手だ。
...剣術の稽古をつけてくれるので悪いのだが。
ちなみになのははユーノを手に抱えている。
最近はもうその光景にも慣れて来たものだ。
「あのさぁ....お茶会って行く必要ある?
女子会だろ?俺いらなくない?」
俺が言うとなのはは首を振る。
「そんなことないよ!すずかちゃんもアリサちゃんも正和君が来るの楽しみにしてたよ!
それに最近私もほら、大変で正和君と休日遊ぶことが少なくなってきたし.....」
そう言うなのはにジト目を向ける。
「そりゃどっかの誰かさんが俺の事連れて行ってくれねぇもんな。俺が居ない間に集めて楽しい?」
「あ、あはは.....」
なのはにそう言うと彼女は気まずそうに笑うだけだった。
休日なのはと最近一緒に居ないのは認めるが、それはなのはが俺をハブってユーノとジュエルシードを集めに行っているからである。
正直、拗ねてもいいと思うんだが。
....まぁその間ははやてと遊んだり、電話で話したりしているからもうあんまり気にしていないんだが。
『しょうがないよ...ジュエルシードを集めることは危険を伴う。魔法を使えないマサカズを連れていくわけにはいかないから....』
ユーノが俺を通信魔法で宥める。
もう一度言うが最近はあんまり気にしていない。
確かに彼らの言うことは分からなくもない。
俺は最強の魔力を持っているとはいえ、今はデバイスを持っていない。
行けば死ぬかもしれないということは分かっているのである。
「...冗談だよ。もう気にしてない。」
「正和君....ごめんね。」
俺を不安そうな目で見つめてくるなのは。
いや本当に気にしてないって。
....これからはあんまりハブられた云々言うのはやめようかな。
ここまで相手が気にしているとは思わなかった。
「....心が躍るな。」
恭也さんは良い顔でボソリと呟く。
隣であなたの妹、浮かない顔してるんですけど。
さっきから恭也さんはこの調子なのだ。
どんだけ恋人の家に行くのが楽しみなんだよ。
もうそのことしか考えてないじゃないか。
この人がこんなになるなんて意外だ。
この人にもこんな一面があったんだなぁ....。
人には色々顔があると改めて分かった瞬間である。
そうして俺たちは家を出て、バスに乗って月村家へと向かうのだった。
所変わって月村家。
なんかメイドさんに出迎えられて恭也さんは部屋に、そして俺達はテラスに通される。
今日はポカポカと暖かい日であるからか、柔らかな日差しが差し込むテラスには猫たちが寛いでいる。
そしてテラスの一角、西洋風の複雑な意匠の椅子に腰掛けているアリサとすずかが俺達に気づくと手を振ってきた。
俺たちが歩み寄るとすずかは笑顔を向ける。
「ふふっ、休日でも二人に会えるなんて私嬉しい。」
笑うすずかの隣で俺に対して視線を向けるアリサ。
「へぇ~アンタ来たのね、てっきりアンタのことだから変な気でも使って来ないかもと思ってたんだけど。」
「なんだお前、俺に来てほしくなかったのか。
話が違うぞなのは。俺もう帰っていい?」
俺はなのはをジト目で見る。
俺は出る前になのはに二人とも会いたがってたよ的なことを聞いていたから来たのだが、アリサがそう言うのなら帰るのもやぶさかではない。
するとなのはが慌てた様子で俺を止める。
「ま、待って!私が聞いた時は本当に二人ともそう言ってたもん!帰っちゃダメだよ!」
するとすずかはおかしそうに笑う。
「本気にしないで、正和君。ほら、アリサちゃん素直じゃないから。
ずっとちゃんと二人で来るか落ち着かない様子で待ってたよ!」
「ちょっ、ちょっとすずかぁ!わ、私は別に待ってたわけじゃ.....」
ほー、なんだこれがツンデレという奴か。
なんだ結構見ていて面白いじゃないか。
「なにアンタニヤニヤしてんのよ、潰すわよっ!」
「あっ、そういう照れ隠しいいから。いや~来て欲しかったならちゃんと口にすればいいのに~。」
俺は顔からニヤつかせながらアリサの肩を叩く。
正直、ちょっと傷ついていたので安心した。
ま、まぁ?よく一緒に居るし、俺的には友人くらいには思っていたのでちょっと不安になったのだ。
「うざったいわ!さわんなっ!」
「ハッハッハ、愛い奴め。」
アリサが俺の手を払い、激昂するも笑って流す。
いや~揶揄うの楽しいぃ~。
「それじゃ、みんな席について。お茶会始めちゃおっか。」
すずかはそんな俺たちを微笑まし気に眺めながら、席に座る。
「そうだね!でもユーノ君どうしよう...。」
なのはが抱いているユーノを見る。
確かにお茶会となればお菓子などの食品も出るはずだ。
であれば動物が一緒に居ることが気になる人も居るかもしれない。
しかしすずかは笑顔で首を振る。
「膝に座らせるんだからあんまり気にしなくてもいいと思うよ。
私達は別に平気だし、ねぇ?」
「そうね、この子には前会ったし。」
そう言いながらユーノの頭を撫でるアリサ。
ユーノは目を細めて気持ちよさそうにする。
この野郎....媚びるのが随分とうまくなったじゃないか。
でも俺はお前が俺らと同年代くらいのショタだってこと知ってるからな。
いつか正体をばらした時にネタにして弄ってやる....。
そして俺たちは茶会の席に着く。
目の前に置かれるお茶。
なんかこれアレだよね?
レモンの風味するお茶葉の奴。
昔結構飲んでたんだよなぁ。
俺はカップに手をつけて口を付ける。
口の中に広がるレモンのような風味と茶特有のえぐみ....って。
「ぶっごほっごほっ....え、なに...なんで.....?」
お茶を少し吐き出して唖然とする。
前の世界ではかなり好きだったお茶。
それが飲めなくなっていることに。
あれ、この茶ってこんなに受け付けない程に味が濃かったか?
ていうか俺こんなにえぐみと酸味が苦手だったか...?
突如吹き出した俺を見て周りは驚くものの、すずかは笑顔を見せた。
「あっ...ごめんね。正和君苦手だったか。
確かに結構独特な味してるもんね。」
そう言って俺の茶を別の茶葉に変えるすずか。
出されたものを吐き出してしまったのだ。
そして気を遣われてしまっている。
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「アンタこの程度のお茶を飲めないなんてとんだ子供舌ねwww」
アリサは小馬鹿にしたような半笑いを浮かべる。
そんなアリサに対して頬を膨らませるなのは。
「正和君は年下なんだから子供舌でも当然なのっ!そんな言い方しちゃダメだよ!!」
いやそのフォローも中々心に来るぞ。
本人はよかれと思って言ってるんだろうけど。
それにしても前の世界で飲めていた物が飲めなくなっている。
....アリサの言う通り子供の舌になっているのだろう。
まぁ今は子供だしな。
でも前おいしく飲めてたものが飲めなくなっているのは結構来るものがある。
割とショックだった。
俺が唖然としているとアリサが溜息を吐いた。
「な、なんだよ.....?」
俺が問うとアリサは手を振る。
「いや、アンタの事じゃないわ.....。
ただこのままグダグダするのもじれったいって思っただけよ。」
じれったい?
どういうことだろう。
俺が首を傾げているとアリサはなのはの目を真っ直ぐ見つめる。
「なのは....アンタ、最近なにかあった?」
「えっ、なにもないよ?」
なのはは首を傾げる。
しかしアリサは納得しない。
「それにしては最近暗いじゃない。なに?そこの子供舌となにかあったの?」
アリサは俺を見つつ、なのはに聞く。
ていうか俺を子供舌と呼ぶな。
俺には北形正和というちゃんとした名前があるんだ。
なのはは慌てて首を振る。
「正和君と?ないない!なにもないよ!.....急にどうしたの?そんなこと聞いて。」
なのはが問うとすずかも心配そうな表情をする。
「私達がお茶会を今日開いたのは、最近なのはちゃんの元気がないって話になったからなんだよ?」
すずかの言葉に難しい顔をするなのは。
「私の元気が...ない?.....あ、あははは、そんなこと...ないと思うけど。」
ぎこちない笑みで答えるなのは。
しかしアリサはそんななのはに訝し気な目で見る。
「アンタねぇ...なにかあるなら私達に言いなさいよ!!私達ッ!....友達でしょ。」
アリサはなのはに言い放った後、照れくさそうに顔を横に逸らした。
そんなアリサを見て一瞬微笑むも、すずかはなのはに真剣な表情で向き直る。
「悩みや心配があるなら話してほしい....。力になりたいから。」
「私は....。」
なのはは逡巡する。
逡巡するのも無理はない。
彼女が思い悩んでいるのは魔法少女としての自分について。
彼女たちに言えるわけがない。
すると,,,,
『うわぁぁ!!!!ちょっ、誰かたすけ...!!』
頭の中で今の雰囲気に似つかわしくない素っ頓狂な声をユーノが通信魔法越しに上げる。
見るとユーノが庭に居る猫の内の一匹にちょっかいを掛けられてなのはの膝から飛び降りる。
そしてそのまま猫と追いかけっこを始めた。
「...!?ユーノ君!?」
なのはが驚きの声を上げる。
しかし追いかけられているユーノは止まることなく走り続け、そして.....
「アフタヌーンティーを持ってまいりまし...キャッ!?」
『うわぁあ!?』
アフタヌーンティーのケーキなどの菓子を持って来たすずかのメイドであるファリンさんに飛び込む形になってしまう。
ファリンさんは鈴を転がしたかのような声を発して、尻もちを付く形になる。
菓子は地面に落ちて滅茶苦茶だ。
しかしそんなことよりも....。
『あ、あれ!?なんか真っ暗だ!な、なのは!マサカズ!い、今僕はどうなってるの!?』
どうなってるかって?
コイツマジで聞いてきてんのか?
テメェ、ファリンさんのスカートの中に突っ込んだんだよ。
なんだコイツ、どこのラッキースケベなんだよ。
確かに原作でもお茶会でユーノ君、猫に追いかけられてファリンさん巻き込んだよ?
でもてめぇどこぞのとらぶる感じの主人公みたいなムーブしてなかっただろ。
どうなってんだ。
『ユーノ君....』
なのはが何とも言えない顔でユーノを見つめていた。
「大丈夫?ファリン?」
すずかがファリンさんに聞く。
するとファリンさんが笑顔を向ける。
「だ、大丈夫です。すみませんテラスを汚してしまって。すぐ清掃致します。」
そう言ってファリンが立ち上がる。
「ご、ごめんなさい、ユーノ君のせいでこんなことになって.....」
なのはが慌てて立ち上がり、ファリンさんに頭を下げて謝罪する。
「ふふっ、大丈夫です。すごく元気なペットなんですね。フェレットですか?珍しいです。」
ファリンさんは寛容にも笑顔を浮かべるとユーノを撫でる。
どうやらファリンさんは許すようだ。
確かに普通なら所詮ペットがやらかしたこと。
そこまで責めはしない。
.....だが、俺はユーノが動物ではなくショタであると知っている。
ていうかなにあのラッキースケベ。
めっちゃ羨ましんだけど。
最強系転生者である俺でもそんなイベントなかったぞ。
ぜってぇ許さねぇ!!
「おし、ユーノ!外の空気吸いに行こうぜ!!」
急に立ち上がり、ユーノをファリンさんから引っ手繰るようにして抱えて外へと走る。
「!正和君どこにいくのっ!?」
なのははそんな俺に行先を聞く。
「外に空気吸いに行ってくる!!」
有無を言わさぬ様子で扉を開けてテラスから出た。
『えっ!えっ!きゅ、急にどうしたのマサカズ!!??』
うるせぇ!!尋問の時間だコラぁあ!!
「お前さ、なにしてんの?」
玄関から外に出て、抱きかかえたユーノ君と向き合う形になると口を開く。
『え、えっと....もしかして猫に追いかけられて、ファリンさんに迷惑を掛けてしまったことを....怒ってる?』
ユーノは俺の顔を窺うかのように見つめる。
まったく....このフェレットは何を言ってるのか。
俺がそんなことで怒るとでも思っているか。
そもそも俺が迷惑を掛けられた張本人というわけでもないのだから怒る筋合いないだろ。
俺が怒っているのはただ一つ。
「お前、ラッキースケベしやがったな。」
『えっ、ラッキー..なに?』
この野郎....とぼけやがって。
またなにかやっちゃいましたとでも言うつもりか。
そういうのは本来最強系転生者である俺の役目なんだよ!!
「てめぇファリンさんの...お姉さんの、しかもメイドさんのスカートに頭を突っ込みやがったな!!!
くそ羨ましいんじゃ!!!」
俺が思いの丈を思わずユーノにぶつけてしまう。
するとユーノは一瞬ぽかんとした後、口を開く。
『えっ...も、もしかして君はそんな理由でそんなに怒っているのかい?僕が迷惑を掛けたことではなく、....スカートに頭を突っ込んだことを?』
彼はどうやら困惑しているようだ。
だがそんな理由と目の前の獣は言ったのだ。
そんな理由!?
コイツは自分のやったことの重大さを理解していないのか....。
「そんな理由だと?お前はパンツを見た、理由なんてそれで充分だろ。メッタメタにしてやるからな。」
俺がユーノにそう言い放つ。
『充分じゃないよっ!ていうか僕暗くて見えなかったよ!!』
「え、見えなかったの?」
俺が聞くとユーノは頷く。
....見えなかったのか。
いや、しかし女性のスカートに首を突っ込んだのは許されないような....
いやでも見えないなら見ていないのと同義なような....。
俺が思案しているとユーノの毛並みが逆立つ。
「どうした?」
『魔力の増幅を感じる....これは、ジュエルシードだ!!』
ユーノが俺の手から藻掻き降りて、走り出す。
「ちょっ、いきなり走んな!待てよっ!!」
俺もそんなユーノの背中を追いかける。
思い返せば今回はお茶会。
となればなのはとあの少女の初邂逅の日じゃないか。
現場に付くと、暢気に欠伸をつく巨大な猫となのはが庭先に居た。
『なのは!ごめん、遅れて!結界貼るから!』
「ユーノ君!...!ってなんで正和君も連れてきてるの!?」
ユーノを中心に結界が広がっていく。
そしてなのはは俺を見やると声を上げた。
「は、ハハ...わりぃ、付いてきちゃった。」
「付いてきちゃったじゃないよっ!ジュエルシードの封印作業は危険と隣り合わせなんだよ!それなのに....」
誤魔化し笑いを浮かべる俺に詰め寄るなのは。
確かに彼女の言ってることは正しい。
だが....。
「確かに俺が悪かったよ。でもほら見てみ?...多分あの猫大丈夫だぞ。」
巨大化した猫を指差す。
猫は俺に指さされたことなどお構いなしに毛づくろいしている。
『本当だ.....敵意を感じない。』
ユーノも俺の主張に同調する。
しかしなのはの顔は浮かないままだった。
「でも、万が一ってこともあるし.....」
不安そうな表情のなのは。
心配してくれるのは素直に嬉しい。
前ではそんなことあんまりなかったからな。
『ま、まぁまぁ!相手が大人しいんだから早く封印しちゃおう!そうすれば万が一が起きることもないでしょ?』
ユーノがそんななのはを宥める。
「....まぁそうだね。
なにか起きてもいいように正和君は私の側を離れないで。
行くよ....リリカルマジカル!」
そう言って彼女はレイジング・ハートを稼働状態にしてバリアジャケットを纏う。
その瞬間、空の一部がキラリと光った気がした。
『.....魔法の光!?』
ユーノが声を上げる。
そして金色の槍のような形状をした魔力弾は巨大な猫に当たると炸裂する。
「ンニャァァアアア!!!」
猫が苦しげに大声を上げる。
槍が飛んできた方向を目を凝らして注視する。
そこには......
「私と同じ、魔法少女.....!?」
「......」
隣のなのはは呆然と言葉を漏らした。
怜悧な印象を受ける大人びた金髪少女。
黒いちょっと際どいデザインのバリアジャケットを身にまとい、片手には斧のような形状のデバイスを持っている。
運命の名を持ち、幾度となくなのはと対立しながらも最終的には彼女の唯一無二の親友となる少女。
フェイト・テスタロッサがそこに居た。
心配してくれるのは素直に嬉しいと思う主人公。
理由は前ではそんなことあんまりなかったから。
前というのは転生前のことです。
またちょこっと主人公の背景を小出しにしてみました。